生き抜け!デーモンコアくん! 作:某1話の博士
ライダー奇襲の1件から時は経ち、翌日の朝9時。日曜日であった為、特にこれの言ってやる事はなく、康太はデーモンコアくんの監視をしていた。
ライダーがまずいと悟り、回避行動を取るような通常攻撃。それに感覚的ではあるものの、大した魔力消費量でもない。ほぼ消費していないのと同義レベルだった。その力がどこから湧いて出てくるのか。そんな事を考えながらも、もう1つ。昨日のライダーのことを考えていた。
巨人のような戦士と”ラクシュ”と呼ばれる巨馬。おそらくはイランの叙事詩”
有名な逸話といえば”
「この情報で他のマスターを吊るか?いや、現状マスターとサーヴァントをほぼ把握できてないのに、それは自殺行為か……。デーモンコアくんで脅すか…?」
「ほ゛く゛か゛と゛う゛か゛し゛た゛の゛?゛」
「いや、何でもない。ただの独り言だ」
───こいつに話をむやみに聞かれたらまずいな……
心の中で少し反省しながらも、改めてこれからの行動を考え直した。
現状の課題は3つ。
1つ、デーモンコアくんが、あまりにも危険すぎる劇物なこと。
2つ、デーモンコアくんの性能上、ほぼ単独行動を強いられる為、協力者が欲しい。及び作ること。
3つ、現状サーヴァントを一騎しか知らず、マスターの事は全員知らないこと。
「1発賭けて行ってみるか…」
戦闘場所はおそらく3つと予想される
1つ、
2つ、
3つ、廃工場。谷田川市の外れにある廃墟で、元々は自動車工場だった場所。派手に戦うと最悪崩落して、大事になって、監督役からお咎めを食らうというリスクを除けば、かなりいいだろう。
だが、デーモンコアくんを偵察に出せないのが、一番の不安要素だった。
基本、マスターがサーヴァントによる攻撃、戦闘を行う際は遠くの場所、もしくは自身の拠点で待機し、サーヴァントを一人歩きさせ、攻撃を行う。
だが、デーモンコアくんは能力は強くも、単純なパワーや機動力は他のサーヴァントに劣るという能力値を有している。
そして何よりも、マイナスドライバーが抜けた瞬間、軽めの核攻撃が起こる可能性が存在する。
確かに康太は聖杯を勝ち取り、根源へ至りたい。その思いは嘘でもなく、本物だ。だからこそ命を賭けて、この聖杯戦争に参加したのだ。
だが、それとこれとは話が違う。康太とて人間であり、良心や道徳心を持っていない訳ではない。だからこそ、出来る出来ない関係なく、デーモンコアくんを単独行動させる気がなかったのだ。
そして、マスターやサーヴァントの活動が活発となる夜8時頃。康太はデーモンコアくんを連れて、散策を始めた。
今でも車も人もかなりの数がおり、デーモンコアくんが見えるんじゃないかと内心、心配していたが、そのサイズ故か意外とバレずに市内の散策を続けることができた。
そこから、サーヴァントを探して1時間程度。魔力の反応を感じた。おそらく、この付近にある谷田川高校”だろう。願わくば三騎士を仲間にしたい。そう心の中で祈りながら走って向かった。
───
──
─
谷田川高校グラウンド。そこではセイバーとランサーの戦闘が行われていた。
セイバーは刺々しい意匠が施された全身を覆う西洋鎧を身に着け、両手に握る大剣を奮っていた。
ランサーは大きな鹿の角のような脇立で飾られた黒い甲冑を身に纏い、6mはある大槍でセイバーに襲いかかっていた。
だが、その中に1人、異質な人物がいた。
長い黒髪に、谷田川高校の制服を着た少女がいた。そしてその右手の甲には確かに、赤い紋様───令呪が刻まれていた。
セイバーの背後にいることを踏まえると、セイバーのマスターだろう。そう見解を立て、康太は傍観を続けた。
ここで横入りし、漁夫の利で2騎まとめて消し飛ばすのも手の内。だが、マスターの少女が有しているサーヴァントは、最優とも呼ばれるセイバークラス。ここで1つ、恩を作ればこっち側に丸め込むことが出来るのではないか?
そう考えつき、康太は魔術回路を起こす。
「行くぞ、バーサーカー。前言ってたな。人助け、したいんだろ?」
「あ゛の゛ふ゛た゛り゛を゛た゛す゛け゛れ゛は゛い゛い゛ん゛た゛ね゛!゛」
「あぁ、そうだ。だから、あの2人には光を当てるなよ?」
デーモンコアくんを小脇に抱え、強化魔術で脚力を強化し、2騎の近くに向かった。
その中でいち早く気づいたのはランサーだ。
「貴様、何奴だ?」
ランサーはセイバーとの戦いの手を止め、康太に槍を向けた。康太は抱えていた、デーモンコアくんをランサーの方に投げるように下ろし、口を開いた。
「バーサーカー、セイバーとそのマスターには当てるな。そして今だけ許可する。口を閉じろ」
「や゛っ゛た゛ー゛!゛」
デーモンコアくんは、あんぐりと口を大きく開き、マイナスドライバーを取った。そして、そのまま口を閉じ、グラウンド内にカチンという軽めの金属音が響き渡った瞬間、デーモンコアくんから青い光が吹き出し、それが一条の光芒となり、ランサーに向かって放たれた。
「たかが小物の光如き!」
ランサーは長槍を光芒に向けて突き出し、防ぐ。だが、槍の切っ先を起点に、無数の光の筋へと別れた光芒はランサーの甲冑を焼き、甲冑の隙間へ侵入に、ランサーの生身を削った。
「ぐぉぁッ───!」
ランサーは唸り声をあげ、片膝を地面に着く。兜の下にある面の隙間からデーモンコアくんと康太を睨んだ。
光に焼かれた苦痛の中、長槍を杖代わりに立ち上がり、刺突の構えをとる。
だが、ランサーのマスターも自身のサーヴァントがこうなれば撤退を選ぶはずだ。康太はその考えの元、デーモンコアくんにマイナスドライバーを口に挟まさ、核分裂反応を止めさせた。
予想通り、ランサーはその場から蜃気楼のように姿を消した。令呪での空間転移。そこまでしてランサーを死守するのか。そう思いながらも、振り返り、セイバーとマスターの少女を見た。
「まず、突然割り込んだ事は謝罪しよう。あれが、正式な由緒正しき決闘であったのなら、すまなかった。そしてもう1つ、セイバーのマスター。あなたに申し込む。ここは1つ、同盟を組まないか?」
周りに漂う静寂と緊張の中、康太はマスターの少女に対して、協力を持ちかけた。
<SERVANT>
【デーモンコアくん】
・クラス:バーサーカー
・マスター:東 康太
・ステータス:筋力D・敏捷C・耐久C・魔力A・幸運A+・宝具EX
康太のサーヴァントで、バーサーカークラスのサーヴァント。ヤンチャな男の子で、名前の通りチープな手足と目のついたデーモンコア。滑舌と口が悪く、口にマイナスドライバーを咥えている。バーサーカーだが、魔力消費が極めて少なく、十分な魔力供給が無くとも、宝具(連鎖反応)が引き起こる。
<スキル>
・狂化 ―:本来であればA相当の狂化スキルが付随するが、大元が発狂したりハイテンションだったり、デーモンコアが由来であるため、存在そのものが狂気と見なされ、狂化スキルが発動できなくなっている。
・マイナスドライバー E:口に挟まっているマイナスドライバー。サーヴァントの攻撃にも耐えられるくらい強固なだけで、特段特別な物ではない。これが口に挟まっていると、魔力放出ができないが、別に何か特別な仕掛けがある訳でもないため、普通に抜ける。
・魔力放出(毒)A:放射能の影響で毒性を得た魔力を放出する。宝具発動時は莫大な量の放射能と共に魔力を放出する。
・悪魔の心臓 EX:これまで2人の人間を葬り、第3の原爆の材料として作られたという歴史から生まれたスキル。自身に対生物特攻の効果を与える。
<宝具>
【
種別:対生物宝具/ランク:EX/レンジ:不明/最大補足:不明
マイナスドライバーを引き抜き、ベリリウム製の半球を完全に合わせることで発動する宝具。青い極光と共に広範囲に魔力で強化された放射能の放出する。ある程度光と放射能の形状や指向性は操作できるらしい。そして原理は不明だが、生物を物理的に消し飛ばせる。更には真名解放を行わずとも使用可能な上、連続・継続的な発動も可能となる。更には最小限の魔力を増幅させる効果により、単独使用も可能となる最凶最悪の宝具。