生き抜け!デーモンコアくん!   作:某1話の博士

4 / 4
4話 友だち作り

ライダー奇襲の1件から時は経ち、翌日の朝9時。日曜日であった為、特にこれの言ってやる事はなく、康太はデーモンコアくんの監視をしていた。

 

ライダーがまずいと悟り、回避行動を取るような通常攻撃。それに感覚的ではあるものの、大した魔力消費量でもない。ほぼ消費していないのと同義レベルだった。その力がどこから湧いて出てくるのか。そんな事を考えながらも、もう1つ。昨日のライダーのことを考えていた。

 

巨人のような戦士と”ラクシュ”と呼ばれる巨馬。おそらくはイランの叙事詩”シャー・ナーメ(王書)”に登場する、イラン最大最強の英雄”ロスタム”。そして、その愛馬であり、竜馬とも称される”ラクシュ”だろう。

 

有名な逸話といえば”七道程(ハフト・ハーン)”。囚われた王を救うべく、ロスタムに課せられた七つの試練だ。だが、そこから生まれる宝具の能力の予測が付かない。だが、相手の正体がロスタムとわかっただけ、まだプラスだ。

 

「この情報で他のマスターを吊るか?いや、現状マスターとサーヴァントをほぼ把握できてないのに、それは自殺行為か……。デーモンコアくんで脅すか…?」

 

「ほ゛く゛か゛と゛う゛か゛し゛た゛の゛?゛」

 

「いや、何でもない。ただの独り言だ」

 

───こいつに話をむやみに聞かれたらまずいな……

心の中で少し反省しながらも、改めてこれからの行動を考え直した。

現状の課題は3つ。

1つ、デーモンコアくんが、あまりにも危険すぎる劇物なこと。

2つ、デーモンコアくんの性能上、ほぼ単独行動を強いられる為、協力者が欲しい。及び作ること。

3つ、現状サーヴァントを一騎しか知らず、マスターの事は全員知らないこと。

 

「1発賭けて行ってみるか…」

 

戦闘場所はおそらく3つと予想される

1つ、暮垣(くれがき)山。康太の家がある山であり、谷田川市の東側に聳える山だ。昔は村があったが、熊が多い事から殆どの人が町に下り、最終的に人が居なくなった。その為、戦闘にはうってつけの場所だろう。

2つ、北載瀬(きたのせ)寺。既に神主が居なくなった寺で、広い土地を持つ。かなり老朽化しており、その外見から人は寄り付かない。暮垣山と比べて町に近いことを除けば、サーヴァント同士の戦闘が行えるだろう。

3つ、廃工場。谷田川市の外れにある廃墟で、元々は自動車工場だった場所。派手に戦うと最悪崩落して、大事になって、監督役からお咎めを食らうというリスクを除けば、かなりいいだろう。

 

だが、デーモンコアくんを偵察に出せないのが、一番の不安要素だった。

基本、マスターがサーヴァントによる攻撃、戦闘を行う際は遠くの場所、もしくは自身の拠点で待機し、サーヴァントを一人歩きさせ、攻撃を行う。

だが、デーモンコアくんは能力は強くも、単純なパワーや機動力は他のサーヴァントに劣るという能力値を有している。

そして何よりも、マイナスドライバーが抜けた瞬間、軽めの核攻撃が起こる可能性が存在する。

 

確かに康太は聖杯を勝ち取り、根源へ至りたい。その思いは嘘でもなく、本物だ。だからこそ命を賭けて、この聖杯戦争に参加したのだ。

だが、それとこれとは話が違う。康太とて人間であり、良心や道徳心を持っていない訳ではない。だからこそ、出来る出来ない関係なく、デーモンコアくんを単独行動させる気がなかったのだ。

 

そして、マスターやサーヴァントの活動が活発となる夜8時頃。康太はデーモンコアくんを連れて、散策を始めた。

 

今でも車も人もかなりの数がおり、デーモンコアくんが見えるんじゃないかと内心、心配していたが、そのサイズ故か意外とバレずに市内の散策を続けることができた。

 

そこから、サーヴァントを探して1時間程度。魔力の反応を感じた。おそらく、この付近にある谷田川高校”だろう。願わくば三騎士を仲間にしたい。そう心の中で祈りながら走って向かった。

 

───

──

─

 

谷田川高校グラウンド。そこではセイバーとランサーの戦闘が行われていた。

セイバーは刺々しい意匠が施された全身を覆う西洋鎧を身に着け、両手に握る大剣を奮っていた。

ランサーは大きな鹿の角のような脇立で飾られた黒い甲冑を身に纏い、6mはある大槍でセイバーに襲いかかっていた。

 

だが、その中に1人、異質な人物がいた。

長い黒髪に、谷田川高校の制服を着た少女がいた。そしてその右手の甲には確かに、赤い紋様───令呪が刻まれていた。

セイバーの背後にいることを踏まえると、セイバーのマスターだろう。そう見解を立て、康太は傍観を続けた。

 

ここで横入りし、漁夫の利で2騎まとめて消し飛ばすのも手の内。だが、マスターの少女が有しているサーヴァントは、最優とも呼ばれるセイバークラス。ここで1つ、恩を作ればこっち側に丸め込むことが出来るのではないか?

そう考えつき、康太は魔術回路を起こす。

 

「行くぞ、バーサーカー。前言ってたな。人助け、したいんだろ?」

 

「あ゛の゛ふ゛た゛り゛を゛た゛す゛け゛れ゛は゛い゛い゛ん゛た゛ね゛!゛」

 

「あぁ、そうだ。だから、あの2人には光を当てるなよ?」

 

デーモンコアくんを小脇に抱え、強化魔術で脚力を強化し、2騎の近くに向かった。

その中でいち早く気づいたのはランサーだ。

 

「貴様、何奴だ?」

 

ランサーはセイバーとの戦いの手を止め、康太に槍を向けた。康太は抱えていた、デーモンコアくんをランサーの方に投げるように下ろし、口を開いた。

 

「バーサーカー、セイバーとそのマスターには当てるな。そして今だけ許可する。口を閉じろ」

 

「や゛っ゛た゛ー゛!゛」

 

デーモンコアくんは、あんぐりと口を大きく開き、マイナスドライバーを取った。そして、そのまま口を閉じ、グラウンド内にカチンという軽めの金属音が響き渡った瞬間、デーモンコアくんから青い光が吹き出し、それが一条の光芒となり、ランサーに向かって放たれた。

 

「たかが小物の光如き!」

 

ランサーは長槍を光芒に向けて突き出し、防ぐ。だが、槍の切っ先を起点に、無数の光の筋へと別れた光芒はランサーの甲冑を焼き、甲冑の隙間へ侵入に、ランサーの生身を削った。

 

「ぐぉぁッ───!」

 

ランサーは唸り声をあげ、片膝を地面に着く。兜の下にある面の隙間からデーモンコアくんと康太を睨んだ。

光に焼かれた苦痛の中、長槍を杖代わりに立ち上がり、刺突の構えをとる。

 

だが、ランサーのマスターも自身のサーヴァントがこうなれば撤退を選ぶはずだ。康太はその考えの元、デーモンコアくんにマイナスドライバーを口に挟まさ、核分裂反応を止めさせた。

 

予想通り、ランサーはその場から蜃気楼のように姿を消した。令呪での空間転移。そこまでしてランサーを死守するのか。そう思いながらも、振り返り、セイバーとマスターの少女を見た。

 

「まず、突然割り込んだ事は謝罪しよう。あれが、正式な由緒正しき決闘であったのなら、すまなかった。そしてもう1つ、セイバーのマスター。あなたに申し込む。ここは1つ、同盟を組まないか?」

 

周りに漂う静寂と緊張の中、康太はマスターの少女に対して、協力を持ちかけた。




<SERVANT>
【デーモンコアくん】
・クラス:バーサーカー
・マスター:東 康太
・ステータス:筋力D・敏捷C・耐久C・魔力A・幸運A+・宝具EX
康太のサーヴァントで、バーサーカークラスのサーヴァント。ヤンチャな男の子で、名前の通りチープな手足と目のついたデーモンコア。滑舌と口が悪く、口にマイナスドライバーを咥えている。バーサーカーだが、魔力消費が極めて少なく、十分な魔力供給が無くとも、宝具(連鎖反応)が引き起こる。
<スキル>
・狂化 ―:本来であればA相当の狂化スキルが付随するが、大元が発狂したりハイテンションだったり、デーモンコアが由来であるため、存在そのものが狂気と見なされ、狂化スキルが発動できなくなっている。
・マイナスドライバー E:口に挟まっているマイナスドライバー。サーヴァントの攻撃にも耐えられるくらい強固なだけで、特段特別な物ではない。これが口に挟まっていると、魔力放出ができないが、別に何か特別な仕掛けがある訳でもないため、普通に抜ける。
・魔力放出(毒)A:放射能の影響で毒性を得た魔力を放出する。宝具発動時は莫大な量の放射能と共に魔力を放出する。
・悪魔の心臓 EX:これまで2人の人間を葬り、第3の原爆の材料として作られたという歴史から生まれたスキル。自身に対生物特攻の効果を与える。
<宝具>
【輝け!デーモンコアくん!(デーモンズ・レイ)】
種別:対生物宝具/ランク:EX/レンジ:不明/最大補足:不明
マイナスドライバーを引き抜き、ベリリウム製の半球を完全に合わせることで発動する宝具。青い極光と共に広範囲に魔力で強化された放射能の放出する。ある程度光と放射能の形状や指向性は操作できるらしい。そして原理は不明だが、生物を物理的に消し飛ばせる。更には真名解放を行わずとも使用可能な上、連続・継続的な発動も可能となる。更には最小限の魔力を増幅させる効果により、単独使用も可能となる最凶最悪の宝具。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

「やめとけやめとけ」と言いたくて(作者:通りすがりの小説初心者)(原作:ジョジョの奇妙な冒険)

ジョジョラーである主人公「司」はある日救急車に轢かれて死んでしまった!▼目が覚めると吉良の同僚になっていた!?▼どっかのミームを再現するために司はスタンドを発言させ(矢で打たれただけ)最終決戦までに自分を鍛えることに▼


総合評価:325/評価:8.29/連載:5話/更新日時:2026年10月20日(火) 00:50 小説情報

朝起きたら大人姿のエレン・ジョーになっていた(作者:ポプテピピックα)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

▼朝起きたら大人姿(25歳くらい)のエレン・ジョーになっていた。しかも本編で登場する学生時代のエレン・ジョーもこの世界に存在していた。▼どうやらあたしが異物な存在って事でこの世界で生き残らないと行けないらしい。▼はぁ……めんどくさっ。▼ 


総合評価:454/評価:9/短編:2話/更新日時:2026年09月02日(水) 13:03 小説情報

個性『暗い魂』のヒーローアカデミア(作者:流離い狩人 IS)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ダークで根暗そうな見た目の少女、冥間 暗里(くらま あんり)は転生者である。▼──少なくとも前世は、女子高生だった。▼ただし、フロムゲーに脳を焼かれ、瞳を宿したゲーマーだが。▼これは、フロム脳なオリ主が幼馴染の常闇踏影と共に、最高のヒーローを目指す物語。▼最近はまりつつあるヒロアカに、私の大好きなフロムゲー要素を色々ぶち込んでみました。▼ヒロアカの夢小説を漁…


総合評価:670/評価:8.78/連載:1話/更新日時:2026年10月15日(木) 00:37 小説情報

DQⅢ勇者「聖杯戦争」(作者:ハナゲもみじ)(原作:Fate/Zero)

大魔王ゾーマを討ち、アレフガルドに光を取り戻した勇者がいた。▼第四次聖杯戦争の幕が上がる前の夜、雲のない冬木の空に、雷が鳴る。▼七つの席の外から現れた旅装の青年は、聖杯を求めないと言った。▼ドラゴンクエストIIIの勇者が、Fate/Zeroの第四次聖杯戦争に現れる話。▼※本作は、作者が構想と推敲を担い、本文は生成AI(Claude)と共に書いています。


総合評価:70/評価:-.--/連載:8話/更新日時:2026年10月21日(水) 17:00 小説情報

黒服が歩む救済への契約(作者:ライジール)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

インキュベータの危険性を伝えそして、魔法少女のシステムをなんとかしようと奮闘する話▼ゆっくり解説や掲示板の番外編にAIを使う場合があります。▼苦手な方は読まなくてもいいですよ。▼本編には、AIは使用しておりませんのでご安心を


総合評価:1751/評価:8.34/連載:11話/更新日時:2026年10月07日(水) 17:39 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>