無職転生 ~愚弟の兄は全身鎧の剣士~   作:鎧の剣士

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第6話 兄の省エネ剣術、父に評価される

朝。

 

 目が覚めた俺は、天井を見つめながら昨日の会話を思い出していた。

 

『これからは、剣術だけでなく、ほかの相手と戦うことも想定して訓練していこう』

 

 パウロの言葉である。

 

 昨日の訓練の最後に、確かにそう言われた。

 

 魔術を使う相手への対処を考えたと思ったら、今度は槍使いや大柄な相手まで想定するらしい。

 

 ……仕事が増えていく。

 

 俺は五歳児だぞ。

 

 前世の記憶があるとはいえ、今の肉体は五歳児。成長途中の体に、そんなに次々と課題を追加して大丈夫なのだろうか。

 

 いや、体の成長を考えて訓練しているのは分かっている。

 

 パウロだって、俺を困らせるために訓練を増やしているわけではない。

 

 俺が将来、危険な目に遭わないようにするためだ。

 

 それは理解している。

 

 理解しているのと、喜んで受け入れられるのは別の話だが。

 

 俺は寝床から起き上がり、いつものように鎧を身につけた。

 

 留め具を確かめ、部品の位置を整える。

 

 重い。

 

 暑い。

 

 そして、着るのが面倒くさい。

 

 それでも、鎧を身につけた姿を見れば気分は悪くない。

 

 ブエナ村で旅の騎士の鎧を見たとき、俺は思ったのだ。

 

 ああいう鎧を着て、剣を振るうのは格好いい、と。

 

 それ以来、鎧を着た剣士に憧れている。

 

 いつか黒い全身鎧を手に入れて、誰が見ても強そうな剣士になりたい。

 

 もちろん、鎧を着るだけで強くなれるわけではない。

 

 だから訓練もする。

 

 ただし、できるだけ安全に、できるだけ効率よく。

 

 格好よく強くなりたいのであって、無駄に苦労したいわけではないのだ。

 

 この二つは両立する。

 

 少なくとも、俺はそう信じている。

 

 俺は木剣を手に取り、庭へ向かった。

 

◇

 

「おう、アル! 準備はできてるな!」

 

 庭に出ると、パウロが待っていた。

 

 その手には、普段の木剣とは違う、長い訓練用の棒が握られている。

 

 ……長いな。

 

 俺の木剣より、ずっと長い。

 

 パウロは棒を槍のように構えていた。

 

「今日は槍を使う相手を想定して訓練するぞ。剣と槍では間合いが違う。そこを意識して動いてみろ」

 

「分かったよ、父さん」

 

 俺は木剣を構えた。

 

 槍を相手にした訓練は、今日が初めてだ。

 

 槍が剣より長い武器だという知識はある。だが、知識として知っていることと、実際に相手にすることは違う。

 

 剣なら、こちらも攻撃できる距離まで近づかなければならない。

 

 槍なら、その距離に入る前から攻撃される。

 

 つまり、近づくまでが大変なのだ。

 

 しかも、こちらは鎧を着ている。

 

 鎧は身を守るためのものだが、何でも防げるわけではない。隙間に攻撃が当たれば痛いだろうし、転べば起き上がるのも大変だ。

 

 結論。

 

 できるだけ攻撃を受けず、相手の動きを見て、安全に近づく。

 

 ……よし。

 

 方針は決まった。

 

「いくぞ!」

 

 パウロが棒を突き出した。

 

 俺は反射的に横へ動いた。

 

 棒の先端が、鎧のすぐ脇を通り過ぎる。

 

 危なっ!

 

 いや、訓練用の棒だ。実際の戦場でもない。

 

 だが、目の前に長い棒が伸びてくる感覚は、思っていたよりも厄介だった。

 

 攻撃が届く距離が分かりにくい。

 

 剣を相手にするつもりで近づけば、こちらが攻撃する前に突かれる可能性がある。

 

「もう一度だ!」

 

 パウロが再び突きを放つ。

 

 俺は今度、必要以上に飛び退かず、体を少し横にずらした。

 

 棒が通り過ぎる。

 

 それを見てから、元の位置へ戻る。

 

「ほう……」

 

 パウロが感心したような声を漏らした。

 

 いや、まだ感心するところじゃないだろ。

 

 俺はただ、当たりたくないから避けただけだ。

 

 わざわざ大きく動けば、その分疲れる。

 

 避けすぎて体勢を崩したら、次の攻撃にも対応しにくくなる。

 

 だったら、当たらない範囲で動けばいい。

 

 それだけの話だ。

 

「必要以上に動かず、攻撃を見極めているな。鎧を着ていることも考えているのか?」

 

「大きく動くと、次に動くのが大変だからね」

 

 俺は正直に答えた。

 

 鎧を着たまま激しく動けば、姿勢を整えるのにも力がいる。

 

 無理に跳んだり、勢いよく体をひねったりするより、少ない動きで避けられるなら、その方がいい。

 

「なるほど! 動いたあとのことまで考えているわけか!」

 

 パウロがうんうんと頷いた。

 

 ……いや。

 

 確かに、結果としてはそうなる。

 

 だが、俺の頭の中で考えていたのは、もっと切実な問題だ。

 

 どうすれば疲れずに済むか。

 

 どうすれば痛い思いをせずに済むか。

 

 どうすれば訓練のあとに、余計な疲労を持ち越さずに済むか。

 

 要するに、体力と精神力の節約である。

 

 俺の中では家計簿みたいなものだ。

 

 体力を使いすぎれば、午後の自由時間に響く。

 

 無駄な動きをすれば、疲労という名の出費が増える。

 

 そして、予算を超過した場合、最も困るのは俺だ。

 

 ……なんだろう。

 

 戦闘中に家計簿をつけているような気分になってきた。

 

「よし、次は避けたあとに近づいてみろ!」

 

 パウロが棒を構え直した。

 

 ですよね。

 

 避けるだけでは終わらないですよね。

 

 俺は木剣を握り直し、パウロの構えを観察した。

 

 棒の先端。

 

 握っている手。

 

 足の位置。

 

 体の向き。

 

 まだ槍を相手にする経験がない以上、何が危険なのかを実際に確かめる必要がある。

 

 攻撃が来たら避ける。

 

 だが、避けたからといって、すぐに飛び込んでいいわけではない。

 

 相手が次の攻撃を出せるなら、近づいたところを突かれる可能性がある。

 

 俺はパウロの動きを待った。

 

「どうした、アル! もっと踏み込んでみろ!」

 

 父さんは簡単に言う。

 

 だが、棒が長い。

 

 俺の腕が届く場所より、向こうの攻撃が届く場所の方が広い。

 

 この差をどうにかしなければ、剣を振るうことすらできないのだ。

 

 パウロが棒を突き出す。

 

 俺は体を横にずらした。

 

 棒が伸びきる。

 

 俺は、すぐには踏み込まなかった。

 

 棒が戻り始めたのを見てから、一歩前へ出る。

 

 さらに距離を詰め、木剣を振った。

 

 パウロは棒を引き戻して受け止めた。

 

「よし! 今のはいいぞ!」

 

 パウロの声が弾んだ。

 

「攻撃を避けて、相手の武器が戻る瞬間に踏み込んだな。焦って突っ込まず、動きを見てから近づけている!」

 

 俺は少しだけ息を整えた。

 

 今の動きは、確かにうまくいった。

 

 槍が伸びている間に飛び込むのは危険だ。

 

 攻撃が戻る瞬間なら、少なくとも攻撃を出している最中よりは近づきやすい。

 

 もちろん、相手がすぐに次の攻撃を出してくる可能性もある。毎回同じように動けばいいわけではない。

 

 それでも、今の一度で少し分かったことがある。

 

 槍の先端だけを見るのではなく、相手の動き全体を見なければならない。

 

 攻撃を避けることと、攻撃できる距離に入ることは別の問題なのだ。

 

 ……なるほど。

 

 これは覚えておく価値がある。

 

 悔しいが、今日の訓練はちゃんと役に立っているらしい。

 

「もう一度だ!」

 

「……はい!」

 

 その後も、訓練は続いた。

 

 棒が伸びてくる。

 

 避ける。

 

 相手を見る。

 

 近づけるか判断する。

 

 危険なら距離を取る。

 

 隙があれば、一歩踏み込む。

 

 最初のうちは、タイミングが合わずに足が止まることもあった。

 

 反対に、踏み込むのが早すぎて、パウロに棒を向けられ、慌てて下がることもあった。

 

 そのたびに、俺は何が悪かったのかを考えた。

 

 攻撃を避けたことに満足して、相手の次の動きを見ていなかった。

 

 近づきたい気持ちが先走って、まだ危険な距離なのに踏み込んでしまった。

 

 そういう失敗を繰り返しながら、少しずつタイミングを覚えていく。

 

 地味だ。

 

 とにかく地味だ。

 

 だが、こういうことを積み重ねるしかないのだろう。

 

 何も考えずに飛び込んで、運よく勝てるほど世の中は甘くない。

 

 俺は英雄になりたいわけではない。

 

 ただ、危険なときに自分の身を守れるようになりたい。

 

 そのためには、危険な距離を覚える必要がある。

 

 ……ああ、面倒くさい。

 

 でも、必要なことなら仕方がない。

 

 俺は木剣を構え直した。

 

「よし、今日はここまでだ!」

 

 ようやくパウロが棒を下ろした。

 

 その言葉を聞いた瞬間、俺の心に平和が戻ってきた。

 

 風が気持ちいい。

 

 空気がおいしい。

 

 地面が、こんなにも優しく見える。

 

 俺は今、自由を取り戻したのだ。

 

 訓練終了。

 

 なんて素晴らしい言葉だろう。

 

「アル、初めて槍を相手にしたにしては、よく動けていたぞ」

 

「ありがとう、父さん」

 

「槍は間合いが長い。焦って近づこうとすれば、迎え撃たれる。今日みたいに相手の動きを見て、攻撃のあとを狙う意識を持つといい」

 

「うん。分かったよ」

 

 これは素直にありがたい助言だった。

 

 今日の訓練で、槍の間合いがどれほど厄介なのか、実際に体験できた。

 

 次に同じ相手と戦うことがあれば、今日よりは落ち着いて動けるかもしれない。

 

 もちろん、相手が変われば動き方も変わるだろう。

 

 それでも、今日覚えたことは無駄にはならない。

 

 ……ただし。

 

 今日の成果を父さんがどう評価するかによっては、明日から訓練がさらに増える可能性がある。

 

 俺はそっとパウロの顔を見た。

 

 満足そうだ。

 

 非常に満足そうだ。

 

 嫌な予感がする。

 

◇

 

 昼食の時間。

 

 鎧を脱いで汗を拭いた俺は、家族と食卓を囲んでいた。

 

 パウロは機嫌がいい。

 

 ゼニスはそんなパウロを見て、穏やかに笑っている。

 

 ルーデウスは、今日の訓練について考えているようだった。

 

 そこへリーリャが料理を運んできた。

 

「お待たせいたしました」

 

「ありがとう、リーリャ」

 

 ゼニスが礼を言う。

 

 俺も心の中で礼を言った。

 

 ありがとうございます、昼食。

 

 訓練のあとの飯は、いつもよりおいしく感じる。

 

 もしかすると、俺は強くなるために訓練しているのではなく、訓練後の飯をおいしく食べるために訓練しているのかもしれない。

 

 いや、違うな。

 

 目的と手段が逆転している。

 

 ……でも、悪くない人生設計だ。

 

「アル。今日の訓練はどうだった?」

 

 パウロが尋ねた。

 

「槍は剣より間合いが長いから、近づくタイミングが難しかったよ。相手の動きを見ないで飛び込むと危ないね」

 

「そうだな。武器が違えば、戦い方も変わる。剣を使う相手と同じつもりで動くわけにはいかない」

 

 パウロは満足げに頷いた。

 

「兄さん、相手の棒が戻るタイミングを見てたよね」

 

 ルーデウスが口を開いた。

 

「うん。攻撃している最中に近づくのは危ないからね」

 

「なるほど……。魔術を使うときも、相手がどう動くか考えた方がよさそうだ」

 

 ルーデウスは何かを思いついたように考え込んだ。

 

 ……おっと。

 

 その方向に話が進むのは、少々危険な気がする。

 

 いや、ルーデウスが魔術を上達させるのはいいことだ。

 

 弟が成長するのは嬉しい。

 

 ただ、弟が新しい戦術を思いつくたび、父さんの訓練計画に新しい項目が追加される可能性がある。

 

 剣術と魔術の連携訓練。

 

 複数の相手を想定した訓練。

 

 槍と魔術を組み合わせた訓練。

 

 やめろ。

 

 まだ決まってもいない訓練内容が、俺の脳内で勝手に増殖している。

 

 想像するだけで疲れてきた。

 

「ルーデウス、気づいたことがあるなら、あとで試してみるといい」

 

 パウロが言った。

 

「うん!」

 

 弟が元気よく返事をした。

 

 父さん。

 

 その一言が、将来の俺の休日を削ることにならないよう祈っている。

 

「アルベルト様も、今日は頑張られたのですね」

 

 リーリャが食器を整えながら声をかけた。

 

「初めて槍を相手にする訓練は、大変だったのではありませんか?」

 

「うん。剣とは距離が違うからね」

 

「それでも、落ち着いて対処されたのですね。日頃の鍛錬の成果でしょうか」

 

 リーリャは丁寧に微笑んだ。

 

 日頃の鍛錬の成果。

 

 そう言われると、少し照れくさい。

 

 実際、これまで鎧を着て剣を振ってきた経験は、今日の訓練にも役立っている。

 

 鎧を着たまま動くことには、少しずつ慣れてきた。

 

 ただ、今日の訓練で槍への対処まで身についたわけではない。

 

 まだ初めて経験したばかりだ。

 

 これからも繰り返し練習して、少しずつ覚えていく必要がある。

 

 ……できれば、ゆっくり覚えたい。

 

 急いで覚えたら、急いで次の訓練に進みそうだからだ。

 

 俺は黙って肉を口に運んだ。

 

 今は食事に集中しよう。

 

 目の前の幸福を味わうのだ。

 

 未来の面倒は、未来の俺に任せればいい。

 

 ……いや、未来の俺も俺なんだけどな。

 

◇

 

 昼食のあと、俺はいつものように鎧の手入れをした。

 

 汚れを拭き、部品の状態を確かめる。

 

 いつもの作業だ。

 

 面倒ではあるが、放っておけば余計に面倒になる。

 

 それに、汚れた鎧は格好悪い。

 

 この三つ目の理由が、俺にとっては特に重要だった。

 

 やはり、格好よさは大切だ。

 

 以前、ルーデウスの水魔術で鎧を洗ってもらったことがある。

 

 あれは便利だった。

 

 自分で水を用意して汚れを落とす手間が減るだけでも、かなり助かる。

 

 魔術は戦闘だけではなく、日常生活にも役立つ。

 

 俺としては、鎧の手入れを楽にする魔術がもっと発達してほしい。

 

 できれば、汚れを落とすだけでなく、乾燥も磨きも自動でやってくれるものがいい。

 

 そうすれば、俺は鎧を着て格好よく立っているだけで済む。

 

 完璧だ。

 

 いや、実際には着て立っているだけでは強くなれないのだが。

 

 夢くらい見たっていいだろう。

 

 俺は鎧の表面を拭きながら、今日の訓練を思い返した。

 

 槍の攻撃を避ける。

 

 相手の動きを見る。

 

 近づくタイミングを考える。

 

 そして、無理に踏み込まない。

 

 今日の経験で、少しだけ分かったことがある。

 

 槍を相手にするなら、剣を振るう技術だけでは足りない。

 

 相手の間合いを理解し、その中にどう入るかを考えなければならない。

 

 それは、実際にやってみなければ分からなかったことだ。

 

 俺は小さく息を吐いた。

 

 訓練は面倒だ。

 

 だが、今日のように新しいことを学べるなら、無意味ではない。

 

 必要な努力はする。

 

 ただし、無駄な努力はしたくない。

 

 その線引きは、これからも大切にしていこう。

 

◇

 

 夜。

 

 俺はベッドに横になり、今日一日を振り返っていた。

 

 初めて槍を相手に訓練した。

 

 槍の間合いは剣より長い。

 

 攻撃を避けるだけでなく、近づくタイミングも考えなければならない。

 

 最初は戸惑ったが、繰り返すうちに少しずつ動きが分かってきた。

 

 今日の経験は、今後の訓練にも役立つだろう。

 

 ……うん。

 

 こうして振り返ると、ちゃんと意味のある一日だった。

 

 訓練は疲れる。

 

 面倒だ。

 

 できれば、毎日こんなことをしたくはない。

 

 でも、何も知らないまま危険な目に遭うのはもっと嫌だ。

 

 ならば、今のうちに必要なことを覚えておいた方がいい。

 

 俺は世界を救いたいわけでも、最強の剣士になりたいわけでもない。

 

 ただ、自分の身を守れるくらいには強くなりたい。

 

 好きな鎧を着て、格好よく剣を振れるようになりたい。

 

 そして、できるだけ安全に暮らしたい。

 

 それが俺の望みだ。

 

 ……なのに、周囲は俺をずいぶん真面目な人間だと思っているらしい。

 

 パウロは俺の動きを褒めてくれる。

 

 ルーデウスは俺の戦い方から何かを学ぼうとしている。

 

 リーリャにも、日頃から努力していると思われている。

 

 実際、努力はしている。

 

 ただ、その動機は立派な騎士道精神などではない。

 

 痛いのが嫌。

 

 疲れるのが嫌。

 

 余計な面倒を増やしたくない。

 

 そして、格好いい鎧を着たい。

 

 この四つが、俺の行動を支えている。

 

 ……いや、最後の一つが一番強いかもしれない。

 

 俺は布団を引き上げた。

 

 いつか黒い全身鎧を手に入れる。

 

 その鎧を着こなせるだけの力をつける。

 

 そのために、必要な訓練は続けていこう。

 

 ただし、無理はしない。

 

 安全第一。

 

 ほどほどに努力。

 

 できれば楽をする。

 

 これが俺の人生設計だ。

 

 明日も訓練があるだろう。

 

 父さんはきっと、今日の成果を踏まえて次の課題を考えるはずだ。

 

 ……父さん。

 

 お願いだから、明日は少しだけ優しくしてくれ。

 

 今日、俺は初めて槍を相手にした。

 

 新しいことを覚えた。

 

 ちゃんと成長もした。

 

 だから、明日くらいは、その成果をゆっくり味わう時間があってもいいと思うんだ。

 

 具体的には、昼寝一回分くらい。

 

 いや、二回分でもいい。

 

 俺はそんなささやかな願いを胸に、目を閉じた。

 

 ……明日も訓練がある。

 

 人生とは、どうしてこうも休みが少ないのだろう。

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