玉狛のB級ソロ、正木 始。
それはボーダーの中では有名な男である。
ただの勘のいい男。歩くマネキン。
そしてもう一つ、以前緑川が言っていた激レアモンスター
つまり"激レア"として扱われているのだ。
普段玉狛にしかいない正木が本部にいけばその日は幸せになるというジンクスが噂されるほど。
今回はそんな激レアな正木の身に起きたお話である。
「おーい正木。ちょっと本部にいってくれないか?」
「わかりました」
「わかりました。じゃないわよ!!詳細を聞きなさいよ!!」
陽太郎と雷神丸と遊んでいた正木。
ここでも無表情は変わらない。だって子供の行動は読めないから。
それでも苦手というわけではない。そしてそんな無表情な正木に対して陽太郎は「これはこれで面白い」と完全におもちゃ扱いをしている。
「いやな。本部から正木のサイドエフェクトを借りたいって話が来てるんだよ」
「ボス。そんなの無視よ無視。
どうせ戦闘データーが欲しいからって始に無茶なことばかりさせるんだから!!」
「まあまあ。それでも正木の経験の糧にはなるだろう。
つまりはさらに強くなる!!」
「強くなったら私が勝てる確率が下がるじゃないのよ!!」
「そこは頑張れ」
つまりは小南の知らない所で正木が強くなるのが不服のようだ。そしていまは正木に対して負け越している。
新しい戦法を考えないとすぐに超直感で見破られて負けてしまう。
「なら一緒に行きませんか?」
「へぇ?」
「特に僕一人とは言ってないんですよね?」
「まぁな。小南がいきたいなら別に…、」
「いくわよ始!!!」
といってすぐさま部屋から出ていった小南。
まだ正木は部屋にいるのにも関わらずに……
「すまんな正木。小南を頼むよ」
「むしろ小南にはいつも守られているので」
「ハジメ。小南は女の子だ」
「??知ってますよ」
突然普通のことを言ってきた陽太郎に不思議そうな表情をする正木。
それに対して陽太郎はハァ〜と両手を上げてため息をつく。
「男はな、女の子を守らないといけないんだぞ」
「知ってますけど。現に小南のほうが強いですよ?」
「最近はハジメのほうが勝ち越してるだろう」
「それはサイドエフェクト有りきですから。実際は小南が強いですよ」
「サイドエフェクト込みでハジメの強さだ」
「だとしても小南は守られたいなんて思わないですよ」
「……………………マジか………」
「えっ。なんですか?その信じられないような表情は」
コレだけ言ってもまだ気づかない始。
子供の陽太郎でもそこらへんのことは分かっているのに、まったく持って分かっていない。
どうしてこういうことにサイドエフェクトが発動しないのか本当に謎である。
「あぁ〜もういいからいけ。小南がまってるぞ」
「そうですね。行ってきます」
納得しない表情で出ていった正木。
残された2人と一匹は
「あれは、無理だな」
「小南がかわいそうだ」
「ッ!!」
雷神丸も鼻息を深く吐いて同意した。