稲妻の料理を堪能した2人は、家来と思わしき人から雷神に会うように言われた。
念の為にトゥオネタルを手に埋め込まれた兵器に入れておき、屋敷へ出て家来の人に案内してもらう。
やはり災い後なだけあって、辺りの建物はボロボロであり、建設者たちが少しでも復旧するよう一生懸命に働いている。
原因を作った国の人間としては、罪悪感に蝕まれるも稲妻を象徴する稲妻城へ到着した。
「この先に将軍様がおります。失礼の無いように」
「ああ、最善を尽くす」
なんて言ったが、カスラにとって偉い人との謁見での対面は全く経験がない。
カスラの知るのは、我が国の偉い人である黒王はクソ野郎だから
取り敢えず、中へは入ると目を閉じて瞑想している雷電影が坐禅して待っていた。
「来ましたね」
「えーと…お待たせしました」
「番人の方が言っていますが、私は気にしないので大丈夫ですよ」
「…あんたからそう言ってくれて助かるぜ」
稲妻の将軍としての威厳を感じる声と凛とした表情、思わず彼は背筋が伸びて敬語になる。
だが、そんなカスラを見て、敬語が似合わなかったのか彼女は普段通りに接する許しを与え気遣う。
影のご厚意に、カスラは感謝して普段通りの態度と口調で話すことにした。
「身体の方は大丈夫でしょうか?」
「問題ねぇ。治りは良い方だからな」
主に腐れ幼馴染のせいだがとカスラは心の中に押し留めた。
片腕をぐるぐる回してアピールすると、それを知った彼女は安堵した。
そして、一息してから彼女は
「あ、おい!?」
「眞の件に…千代の件も…剰え稲妻まで救ってくれて…あなたには恩が返しきれません」
「だから何度でも言うが、これは俺の勝手な償いで……あー!分かった!分かったから頭を上げろって!」
何度か分からない彼女の感謝の言葉に、カスラは埒が明かないと察して素直に受け入れることにした。
彼はそもそも卑下しがちな所もあるし、いい加減に少しは治すようするのも一つかと考える。
「はぁ…何か疲れちまった。ま、取り敢えず2人の調子はどうだ?」
「2人はあなたが眠っている間に、すぐに目を覚ました。ただ…少し姉について問題が」
「問題?」
「私の姉…眞が受けた傷跡に…紫色へと染まっているんです。そこから痛みが絶えなく続いており…」
「幻痛か」
「はい、あなたなら何か原因を知っていると思いまして」
彼女から聞いた話に、カスラは手で顎を触り考えるように黙り込む。
無論、心当たりは一つしかなく、雷神を遊び感覚で相手にし、飽きたらさっさと倒して次に水神や氷神を狙い、最終的に空間ごとぶった斬りテイワットの外へ向かった。
「その幻痛は、あんたの姉を斬ったクソ野郎が意図せず引き起こしているだろうよ」
「なら、彼を倒せば…」
「いや、それはねぇな。倒した所で治りやしねぇし、恐らく個人的な精神ダメージに近い感じだな」
「なにより…あのクソ野郎は既にテイワットから出ていったんだ。二度と戻らねぇし、会うことも無理だろうよ」
そもそも影も勝てるか怪しい程に、アビスの力を手に入れたスルトロッチは底しれず強くなっている。
彼とて彼女の実力を疑っている訳では無いが、誰よりもスルトロッチに挑み、その圧倒的な強さを一番知っている。
口には出さないが、彼女が挑んだ所で返り討ちにあって殺される未来しか見えなかったのだ。
「……そうですか」
後遺症を治すことが出来ず、仇討ちも取れず、彼女は膝の上に乗った拳をぎゅっと握り、己の無力感を味わい顰めっ面を見せた。
多少の慰めになるか分からないが、取り敢えず言っておく。
「あんまり気に病むなよ。そんな顔してたら姉貴に怒られるんじゃねぇか?」
「っ…すみません。情けない所を見せました」
「別に問題ねぇよ。俺やダチの前くらい弱音を出さねぇと、あんたが壊れるぞ」
上の立場という理由もあるが、彼女自身も想像以上に抱え込むタイプだと理解した。
取り敢えず、彼女には友人の前では弱音を吐いたり出せるようにしろとカスラは恩を利用してまで約束させた。
「さて、何時までも話してると番人共に怪しまれそうだし、俺はさっさと…」
暫く謁見してから時間もそれなりに経っており、わざわざ忙しいのに彼女は礼のために時間を作ってくれた。
これ以上の長居は不要だろうし、戻った方が良いなと判断して出口の方へ振り向いた。
「待ってください」
しかし、彼女に止められた。
その声には、入ってきた時に見せた威厳のある声と凛とした表情へと戻っており、何か気に障るような事をしたのか訝しんだ。
「なんだ?」
「そちらの手の中にいる者と、まだ話をしていません」
「…あートゥオネタルか!あまりにも静かなんもんだから忘れてた」
妙に頭の中が静かものだから、カスラはうっかり忘れていた。
まあ挨拶しないのはマズいよなと彼は考え、手の甲に埋め込まれた陽光の目に向けて声を掛ける。
「おい、トゥオネタル。影がお前と話したがっている。それ以前に挨拶した方が良いぞ」
だが、驚くほど彼女が全く反応しない。
何度も名前を呼ぶが、それでも反応せず、肉体を持ってから慣れてないのもあって寝ているのではないかと思った。
「私の目から誤魔化せると思いですか?舐められたものです」
「あ、ちょっ…もしかしたら寝てるかもしれねぇから!落ち着けって!な?」
「いいえ、彼女はずっと起きてます」
待たされて苛立っているのか、バチッと雷元素を出す彼女に、番人の事もあって思わず焦った。
しかし、彼女は止まらず、衝撃的な発言を口にした。
「あなたに逃げ道はありません。天理の
その丁寧に問い掛ける声からは、冷たくも雷のような怒りの感情が露わにした。
「答えなさい。死の執政ロノヴァ」
カスラ
スルトロッチたちと一緒に突撃して、黒王を初手から斬り殺した。その後に裏切られた。
雷電影
狐斎宮は救えなかったが、姉の後遺症のこともあり割と内心は病んでる。
礼として身体を好き勝手にしてもいいと提案したが、問題無用で却下された。
トゥオネタル
ビクビクして黙って隠れてた。正体を暴露された。
スルトロッチ
カスラは他の奴らと比べて遊ぶには丁度いいとのこと。