魂と吸血鬼、そして戦い   作:カタツキヒロイン的な奴を書きたくなった男


オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル
タグ:転生 性転換 ts百合
主人公は階段から転落して転生してしまう。彼は様々な人物によるドタバタに巻き込まれる。かなり稚拙な文章、急な展開です。

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第1話

「また面倒な事案ですね~?なんでこんなにこの島国はヘンテコなことが多いんですか?」

 

ある施設の廊下を歩く二人の女性が居た、一人はイギリス人の女性。

 

「知りませんよ、文化が違うからじゃないですか?」

 

もう一人は日本人の女性、両方とも年は同じぐらいでありうら若き者達である。

 

「そこは大きいですよね~……今回は確か人造生命体に対する異世界からの精神招致ですか」

 

「……急に冷静にならないでくださいよ……まあそうですね。しかもそれが吸血鬼殺し(ハンター)がやったって言うんですから面倒ですよ、絶対、あいつら暴走しがちですし」

 

「……考えられる線としては対吸血鬼用の何か?ですかね?でもそれならなんでわざわざ異世界から精神体を?」

 

「さあ?でも確かにそうですよね、それをしなければ恐らくは事案にはならなかった、というか制御できていたはず……」

 

「……とりあえず様態を確認しましょう、話はそれからです、」

 

例えば、階段から転落した後に知らない天井が自分を迎えていたらどう思うだろうか、搬送されたそれが一番最初に考える線だ。

 

「……ここは……」

 

……妙に声が甲高い、普段の声とは似ても似つかない。少なくとも声変わりした成人男性の声ではない。

 

身体がおかしい、普段よりもこう軽くて……あるところがなくて……ないところがあって……

 

「……っ!…な、なんでだ……!」

 

意味不明である。病院に運ばれて女になっていました、うなわけない、そんな摩訶不思議なことが起っていいはずがない。超常現象、現代世界において否定されるようなことだ

 

「失礼しますね。……あ、意識は戻ったみたいですね」

 

……何だ、これ、音と意味が……意味だけが脳に伝わってくるような感覚……頭を打っておかしくなったのか?

 

「……ここはどこなんですか?何で……」

 

「ああ、なるほど、ご安心ください。すぐに元の生活に戻れますから」

 

「……それはどういう……?」

 

「……我は汝の番人、何人たりとも汝犯すべからず、我が手を以て汝を目下に置く。」

 

……何が……起って……眠い……眠くて仕方がない……眠てしまおう……か……

 

「……どうですか?終わりましたかね?」

 

「ええ、はい、あとはこれを見るだけです、あとは偽造の戸籍とすみかでも与えて置けばいいでしょう、あと偽りの記憶も」

 

んん……ここは……?ああ、確か私は……昼寝してたのか……

 

「はぁ……疲れた……」

 

……あれ……おれ……昼寝の前って……何……してたっけ……

 

頭に鋭い痛みと、鈍い痛みが強くのしかかる、寝てしまえ、寝てしまえと言うかのように眠気も両立して出てくる……だが眠気が倦怠感に変わっていく。起きてしまう、頭痛は今ものし掛かっているのに

 

「痛い……痛い……!」

 

痛い!痛い!痛い……それでも俺は……俺は?

俺?私じゃなくて?え?ん?わかんない……!わかんない……!

疑問が頭の中を駆け回ってその感触が気色悪い……吐き気が口の中を占領し出した時だった。

 

インターホンがなった、俺の世界と同じだった。

一気に私は現実に引き戻された、そうしろと取り繕えと命令されているかのように

 

「誰ですか?」

 

インターホンの小さな画面をみたそこには黒い長髪の燕尾服をきた男性が居た。……他人のファッションを否定する気はないが、一般常識から外れたファッションだ、街中で燕尾服を着ている人をみたことがあるだろうか、いやない。少なくとも俺の世界ではそうだったし、私が知る世界でもそうだと……なぜか知っている。

 

「……宗教勧誘、訪問販売はお断りしてます」

 

「ああ、いえいえ、そういった類いの人間ではありませんよ、倉識末那(くらしきまな)さん」

 

私の名前だ、俺の名前じゃない、だが私の名前なのだ、当然のはずなのになぜかその感触は生暖かかった。

……もしかしたら俺の今のからだ、倉識末那には元の住民が居たのかも知れない、もしそうならその子の友人の可能性も……いやもしそうなら彼女の常識を疑う

 

「……何の用ですか?」

 

「ええ、ええ、一つだけお聞きしたいことがありましてね、何処かもわからない施設に気付いたら居て、またしても気付いたら家に居たことはありませんか?」

 

その男が語った内容は奇しくも、いやそれは私のことを名指しで問いていた。

 

「その表情、図星のようですねぇ……?」

 

「……っ!」

 

「あの組織のこと知りたくはありませんか?」

 

「……」

 

知りたい、何故?記憶を消した?記憶を植え付けた?こんな仕打ちされて不思議に思わない人間の方が少ない。

そのさしのべられた手がいくら疑わしくても私には、考慮に値しない事だった

 

開けた、扉を開けてしまった

 

「感謝します、末那さん」

 

男と私は床に座った、そして聞いた

 

「……名前を聞いても?」

 

「んん……そうですねぇ……ブラドーとでも名乗っておきましょうか」

 

「……それでブラドーさん、あの組織は……何で私はあんな仕打ちを……」

 

「ええ、ええ、直ぐにでも真実を知りたがる気持ちは理解できます。ですが現実はそう簡単には行かないのですよ。ええ、貴方は――者(テンセイしゃ)でしょう?」

 

転生者、俺の世界じゃ最近流行っていた事柄だ、異世界に行って無双してハーレムを作って幸せになるそんな夢物語……そういうのがメジャーな物語の主人公だ。ああ、確かに俺は階段から転落した、それで死んだのか?いや、実感が無さすぎる。それでもそうだな、転生に近しい物なのだろう

 

「……はい、恐らくは……そうだと思います」

 

「なるほど、ならば貴方はこの世界の新参者、近しい異世界なのはわかりますが……それでもわからないことは多いでしょう。ええ、まずはそうですねぇ前提からお話いたしましょうか」

 

「前提?」

 

「ええ、貴方を攫った組織のことを話すためにも必要でしてね。ええ、まずは魔術から話しましょうか」

 

「魔術?フィクションじゃなくて?」

 

「無辜の民衆はそう考えておりますが本当はあるのですよ。ええ、世界を塗り変え、現象を引き起こす。……世界は今、物理法則の布が張られています、それを魔力によって塗るのです、さりとてそれではすぐに消えてしまいます、そこに結界を張り強度を上げる……それが魔術です。魔術にも様々なものがあります、降霊の類いから、悪魔召還、強化の類いまで。それらは人類の幸福を得るために研究されています、例えば強化であれば肉体を強化し不老不死になる、降霊であれば死後も活動できるようにして不老不死になるなどですね……そしてその課題は魔術命題と呼ばれ魔術師の家系や各術にあります。そしてそれを達成しようとするのが魔術師という訳です……まあ今はそういった魔術師は少ないのですがね」

 

「……難しいですね……」

 

「まあ貴方は初心者、とりあえず聞くだけ聞いてください。覚えなくても構いません」

 

「そうですか……じゃあ続きをお願いします」

 

「はい、では次に魔法について語りましょうか」

 

「魔法?魔術と同じではないのですか」

 

「いえ、全く違います、魔術は魔力の術、魔法は魔力の法則なのですよ。魔術といえども万能ではありません、魔法がありそれに縛られるのです。現在、魔法は計十個あります。原初二項対と呼ばれる実在の魔法、非実在の魔法、概念の魔法、幻想の魔法。新規三種と呼ばれる状態の魔法、現実の魔法、変化の魔法。

禁忌三柱と呼ばれる越えることを目指すことすら疎まれるもの、因果の魔法、生死の魔法、認識の魔法」

 

「……多いですね……」

 

「まあ魔法についてはそこまで覚えなくて構いません。あとは魔法の領域を越えることを魔法越えと呼び、魔術命題を解決するために必要なことが多いと言うぐらいですね……」

 

「……じゃあ次は組織についてですか?」

 

「いえいえ、その前に幻想について語ります、幻想とは神秘や魔力、最早魔術その物です。その存在が信じられている、知られているから存在するものです、だからこそ魔術は秘匿されるのですよ」

 

「え、寧ろ魔術が強力になりそうですけど」

 

「幻想は化け物も産み出してしまいます、魔術が知られれば無論他のフィクションもあり得るのではないかとなり……そうして人外が世に蔓延り、強き者だけが残るようになってしまうそれはなってはいけない……そうして国家は魔術師を統制しようと幻想を統制しようとしますその組織の名は封剣局、そこが貴方を攫ったのです」

 

「……何で……」

 

「貴方は未知の存在です、異世界の理にたどり着ける可能性のある道、そう言った物なのです。ですがそれは……逆に言えば何者にも成れる……無地なのですよ」

 

 

時を同じくして封剣局では会議を行っていた議題は無論、倉識末那についてだった。

 

椅子に座るものは三人、一人はイギリス出身の女性、もう一人は大和の女性、もう一人は女性に見えるが男の者。

 

「んー……なるほどね、記憶操作の魔術が破られたか……」

 

男の者が考えながら繰り返した。

 

「ええ、そうなんですよぉ、私達の魔術が破られるしかも魔力干渉なしですよ?ましてや……あの子に魔術は使えなさそうですし」

 

イギリス人の女性が情報を付け加える。

 

「んー……まあまず僕らの魔術が破られたという訳だけどそれ事態はまあいい、だけど問題はどうやってというわけだね、魔力干渉……外部からの魔術行使は確認されず、されど魔術の技巧があるようには見えなかった……僕らを騙せるとは思えないし本当にないんだろうね」

 

「ならなんでしょうか、博士」

 

「……末那識……?……魂へ接続しているのかも知れない」

 

「そんなのあり得ません……!魔法越えにも等しい神業ですよ!」

 

「でもそれならば説明が着く、記憶が取り戻されたのは魂が外界に晒されているから独立しようとして自己保存が極めて強く働いたからだ。しかも世界と世界の間を精神体で渡っているんだ、あり得ない話じゃない」

 

「……連れてきた方がいいでしょうか」

 

「……うん、そうだね、早速行って……不味いな、位置検知用の魔術は切られていないが……何者かが近づいている。……早く行ってくれ」

 

「了解しました、行きましょう」

 

一方その頃、部屋では

 

「……それでなんで私は転生したのでしょうか」

 

「さあ、何故でしょうか?私にはわかりません。……それよりも記憶が混濁してませんか?」

 

「……はい、ちょっと」

 

「治し……っ!!不味い!失礼!逃げますよ、封剣局です!」

 

「え?」

 

あっ、ちょ、お姫様抱っこじゃん、なんで?いやまあなんか紳士然としてるしな、まあわからんでもない。

 

ベランダから路地裏にブラドーは跳んだ、異常な身体能力だ、これも魔術なのだろうか?

 

「ああ、ここは通しませんよ」

 

「ミドゥイン……!?」

 

ミドゥイン?なんだ、それは人名か?

 

「ああ、知っていますかぁ……私はR.F.A.貴族議席第14席ミドゥインが当主、アイリーン・アリス・ミドゥイン。そこの末那さんを渡してください」

 

「ミドゥインもそこまで落ちぶれましたか、魔術師としての誇りは消えたようですね」

 

「最早魔術師が自由に研究出きる時代じゃないんです、老害はそんなこともわからないようですか」

 

「老害とは酷い言い様ですね、私は現代に適応していますよ?ええ、少なくともこんなとこで戦闘始めないほどには」

 

「ならさっさと渡してください、その子は貴方の手にあってはなりません」

 

「……末那さん、逃げてください、逃げきることだけを考えてください」

 

……降ろされた。……逃げろと、無理難題だ、相手は恐らくは魔術師なのだろう、超常現象を引き起こすようなとんでもない相手だ。……それでも今はブラドーさんを信用するしかない。駆け出す、本気で死ぬ気で俺の時でもこれ程は本気で走ったことないほどに。

 

「なっ!……くっ逃がしませんよ、下級精霊、顕現……!」

 

「おや、追わせるとでも?」

 

恐らくは戦っているのだろう、大きな音が背後から響いてくる、そしてその音は段々小さくなって……ついには聞こえなくなった。そうして、正面を見据えて見れば日本人の女性が立っていた。

 

「……倉識末那……ですね?」

 

「えっ?」

 

「……汝繋がれ縛られる者成るべし。」

 

「……な、なにを……!?」

 

身体が動かない、金縛りになったかのように動かそうにも動かず、ただ棒立ちになってしまう。

 

「汝、推して測るべし。汝、惰眠の内に倒れる者なり」

 

あっ……またこれかよぉ……

 

 

暗い濁ったとろみのついた湖から浮き上がるかのように意識が段々と回復してくる。悪夢をみたときのような倦怠感も付随してだが

 

「起きましたか」

 

「……ここは」

 

「封剣局です、貴方はある事件の重要関連人物として連れてこられました」

 

「ある事件……?」

 

「まあその件について話すことはありません。もう既に終わりました。貴方を本来ならば起こす必要はありません、しかしあることを聞きたい……いえ承諾してもらうために」

 

「なにを……」

 

「貴方を我々の管理下で働かせます」

 

「へ?」

 

「貴方は……幻想についてはあの吸血鬼……領主会議第三席の串刺卿ブラドーから聞いていますね?」

 

「……はい、ブラドーさんから聞きましたけど……吸血鬼?」

 

「ええ、吸血鬼です、ブラドー、彼は真祖と呼ばれる吸血鬼の祖に付き従う部下の一人です」

 

「……悪い人何ですか?」

 

「……吸血鬼は昔の魔術師です、昔の魔術師は人の幸福を得るために研究しています、ですから正気を保っている吸血鬼は人類の味方です」

 

「そう……なんですね、よかった」

 

「話を戻しましょう、貴方にはここで働いてもらいます。理由は貴方には元の生活には戻せないからです、無知にできず、それ故に雇う他ないと判断しました」

 

事務的な抑揚だ、なんというか人じゃないような機械のように感じてしまう

 

「……拒否権はありませんよね」

 

「はい、ありません。決定事項です、貴方は今日より封剣局の職員です。よろしくお願いします」

 

「……はい、よろしくお願いします」

 

それから私は頑張った、仕事と訓練をこなした。怪異を殺し、魔術を学び、そうして封剣局の職員として頑張った。

 

ただ一つ懸念があるとすればたった一つ、ブラドーさんのことだ、彼とはあれから一度も会えていない。

 

「今日の任務は、吸血鬼殺し(ハンター)を殺して来てもらいます」

 

「了解しました」

 

彼女のことを事務的だ機械みたいだ、と言っていた私は今となっては彼女と同じになってしまった。人すら殺してしまった、私は殺人鬼だ、悪人に堕ちた。

 

吸血鬼殺し(ハンター)は今夜、ある森に出ると言う、そうして私は森に居た。

 

人影が見えた。ハンターだろうか?追いかけてみる、足音を殺しいつでも襲いかかれるように……

 

「……おや、あなたでしたか」

 

背後から突然、声が響いた。気付かなかった、音も気配も魔力も何も探知できなかった。……だがその声は聞き覚えがあった、私に俺に前提を説いた。ブラドーさんだ

 

「……ブラドーさん」

 

「……おや、あなたは……ああ、なるほど。……もしや私が目的ですか?」

 

「……いえ、ハンターが目的です」

 

「では私と同じですね、最近、正気を保った同胞すらも狩る者が出始めまして……ソイツを殺すために」

 

「……協力しましょう、二人の方が仕事は速い、足手まといにはなりません」

 

「いいでしょう。なら二手に別れましょう、私はあっちを、末那さんはあっちを」

 

「了解しました」

 

森の中を進む、そうして俺は人影を発見する、ブラドーさんではない、明らかに前情報の通りだ。……ブラドーさんにどうやって伝えるか……とりあえず合流しよう

 

ブラドーさんと合流して、人影を見つけた場所に戻ってきた。

 

「いませんね……」

 

「入れ違ったのかもしれ……っ!!……ガハッ!!」

 

ブラドーさんが倒れた、人が脱力してもがきながら倒れる音が枯れ葉が潰れる音と重なって鳴った。

 

「忌々しい吸血鬼め、死ね。……貴様、我が人形(ドール)か」

 

「ブラドーさん!」

 

ハンターに襲いかかる、不味い早く仕留めなければ、ブラドーさんが……!

 

「私のことは……速く仕留め……て……」

 

くそっ。技巧の差が出てやがる、相手は軽々しく受け流してくる。相手も俺も短刀だ、得物は同じだが俺は一撃も当てられていない

 

「何故、貴様は吸血鬼なんぞに協力する、何故だ。貴様は吸血鬼殺害の具現だ、貴様の魂など魔力炉に過ぎず、精神なんぞすぐに吸血鬼への殺意で塗りつぶされるはずだ」

 

「何言って……っ!?」

 

「弱いな、もしや貴様、己の身体のことすら理解できていないようだな」

 

「我、打ち倒す者なり……っ!」

 

自身の身体に強化を施す、そうやってなんとか仕留めに行こうとする。だが……

 

「遅い、弱い、わかりやすい、駄目の三拍子だな、貴様。もういい、死んでおけ」

 

「なっ……!!」

 

弾かれた、確かに俺は弱いかもしれないそれでも、こんなのはあんまりだろ。心臓に短刀が突き刺さる、不思議と落ち着く、何故だ?何で?ブラドーさんは死んでしまうのに?俺は……俺は…私は白い肌に銀髪の美しい女性だった、いや成った。それが何故かなど知りもしなかった。

……なぜ死に際にこんなのを思っているのだろうか

 

……だが私は……

 

……記憶が呼び起こされる、からだの感覚はもうない、意識だけがあるような、それこそ魂となったような

 

……私は……魂を知っている。何故だ?私には無限の魔力があると言われた、何故だ?魔力は世界を変える意思の強さだと聞いた、幻想と同じだ、意思によって世界は変わってしまう。だったら世界を肉体を介さずただ意のままに居たとしたら……それは魔力が無限なのではないか

 

ああ、私は私を知っている。あのハンターの娘だ、あのハンターが吸血鬼を殺すために作り上げた兵器だ、あらゆる聖なる吸血鬼を殺するための魔術が具現した者だ。

 

私は今となって知ってしまった。俺は……私だった。

 

俺は吸血鬼を殺すために生まれたのかも知れない、それでも俺はブラドーさんを守りたい、人外を殺す者より人の幸福を願う人外を守りたい

 

だから俺は戻る、世界に

 

「……ハンター!」

 

遅いかかる短刀が発光を伴う、肉を切り裂き血を乾かせる

対吸血鬼用魔術起動、第一の魔術、光の杭

光がハンターを刺さんとする

 

「……何故だ、何故だ、それを解放しながら何故儂を狙う」

 

「……死ね」

 

「……ガハッ……!」

 

ハンターが地に倒れる、血は流さず、ただ一つの物として

 

「ブラドーさん!大丈夫ですか!」

 

「……逃げてくれ、末那さん、陛下が来る」

 

「……はい?」

 

森の奥、俺の背後から足音がなる、ゆっくりとゆっくりと踏みしめて。そしてそれは口を開く。

 

「ハンター、貴方はやり過ぎました、ブラドーを倒し殺さんとする、最早見過ごせません」

 

「……陛下……彼女はハンターでは……」

 

「ああ、心優しきブラドー、庇う必要はありません。貴方は休んでいてください。証拠は今にも殺さんと近づいているではないですか」

 

「……真祖……」

 

「私は真祖、吸血鬼の祖であり魔術師に長寿を与える存在、今や魔術師は消え失せはや何十年、国家の犬と成り果てた者達とは違い今も幸福を願う存在」

 

その者は私とよく似ていた、白い肌に白い髪、白いドレスに赤い瞳。ああ、彼女は美しい、人ではない美しさだ

 

「だからこそあなたを殺さなければいけない、貴方は我々を殺し尽くそうとする、故にだ」

 

指が私の胸を指す、白き光線が指先から放たれる。

それを私は光の杭で受け止める。短刀を構え、遅いかかる、耐え抜く、そしてブラドーさんの復活をまち、説得してもらう……!

 

そうして私は森の中で戦い続けた、真祖も私も無限の魔力を持ちながら、だが私の方が有利だった、対吸血鬼、対真祖用の私は防御も攻撃も真祖を超えているだが、真祖はそもそも隙を見せず、攻撃出きる瞬間がなかった。そうしている内にブラドーは復活した。そして彼は説得した、無論大成功だ、やっぱりブラドーさんはすごい。だが……真祖は私に懐いてしまった。何故だろうか、簡単だ自身をここまで追い詰めた存在が気になる、それだけだろう、

 

「……真祖さん、あの離れてくれませんか」

 

「私は貴方の使い魔になりました、主人の近くにいるのは当然では?」

 

「使い魔にした覚えはなくてですね……そもそも使い魔はメイドとかではないのですから近くにいる必要はなくないですか」

 

彼女は恐らくは俺の身体に対して解析しているのだろう。……彼女とは親しくいきたい……というのも封剣局だが止めることになってしまった……理由は吸血鬼との無断協力。……駄目だったらしい。

 

彼女と居ると人間味を取り戻せる、何故かわからない、機械から生命に戻ったような気がするのだ。

理由がわからずとも、何でも私はこれが嬉しい、私はただ単に人と喋るのが好きだったのだろう

 


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