不快に感じる方がいたらごめんね
淡い桜色に染まる、ふんわりとした髪。
その頭には、ぴょこんと跳ねた特徴的なアホ毛が揺れている。
大きな瞳は、鮮やかな桜色。
少し眠たげにも見える、愛らしい目元と、頬に浮かぶ柔らかな赤みが、彼女の可憐な印象をいっそう引き立てる。
身にまとうのは、巫女装束をベースにした、紅白を基調とする華やかな衣装。
袖や裾には細やかな装飾があしらわれ、桜を思わせる色彩が全体を彩る。
髪飾りやリボンにも、巫女らしさとアイドルらしさが共存。
伝統的な和の雰囲気に、現代的な可愛らしさを融合させた姿だ。
身長152センチ。
小柄な体に詰め込まれた、元気と個性。
桜のように華やかで、見る者の心に鮮やかな印象を残す少女。
「にゃっはろ~!」の挨拶とともに、今日も元気いっぱいに配信の世界へ登場。
ゲーム実況や企画配信、そして歌など、幅広い活動で多くの人々を魅了している。
自称「エリート」。
しかし、その実態はどこか抜けていて、予想外のハプニングを巻き起こすこともしばしば。
それでも、何事にも全力で挑み、持ち前の明るさと諦めない心で、ファンに笑顔を届け続ける。
笑いあり、感動あり。
その一生懸命な姿は、いつしか多くの人々の心を惹きつけてきた。
電脳桜神社からやってきた、エリート巫女アイドル。
その名は――
「にゃっはろ〜! エリート巫女アイドル さくらみ〜こ〜」
「こんなのマスターオベーションよ」「ヤバいヤバいエロゲが始まってしまった」「わかんない!」「わかった!」「あっちゅあっちゅ」「みこはバカじゃない、PONなだけだ!」「加湿器ってさあ、加湿のボタン押せばいいんじゃないの」「どぅだだだだ! どぅだだだだ!」「なぁんでだよ!」「ぎょりのふ ぎょりのふ ぎょりのふ狙えー!」「あえんびえん」「でじるの缶詰」「もうやだママぁ」「全部やめる、もう!こんなん全部やめる!」「自分がバカだなって思う人にマウント取るんじゃなくて、自分がすごいなって思える人にマウント取れる大人になる。これが大事なわけ!だからみこちゃんにマウントを取るなっ!!!!!」
夜の帳が下りた、静寂に包まれる神社の境内。
月明かりが石畳を照らし、風に揺れる木々の葉が、さらさらと音を奏でる。
その境内の中央に、一人の少女が立っていた。
淡い桜色の髪を揺らし、紅白の巫女装束を身にまとった少女――さくらみこ。
普段の明るく賑やかな姿とは打って変わり、その表情には凛とした神聖さが宿っている。
彼女は静かに目を閉じ、両手を胸の前で合わせる。
「……神様。どうか、我が祈りにお応えください」
澄み渡る声が、夜の境内に響き渡る。
やがて、彼女の周囲を淡い桜色の光が包み始めた。
風もないはずの境内に、一陣の風が吹き抜ける。
舞い上がった桜の花びらが、彼女の周囲をゆっくりと旋回していく。
鈴の音が、どこからともなく響いた。
一度、二度、そして三度。
さくらみこの身体から、柔らかな光があふれ出す。
その光は足元から境内へと広がり、まるで神社そのものが目覚めたかのように、神秘的な輝きを放ち始めた。
「――お越しくださいませ」
その言葉を合図に、彼女の背後に巨大な光の輪が浮かび上がる。
桜色の光の中に、何者かの気配が宿る。
それは、人の力を超えた存在。
古よりこの地を見守り続けてきた、神なるものの気配であった。
さくらみこは静かに頭を垂れる。
今、この瞬間。
一人の巫女を通じて、神と人とを結ぶ儀式が始まったのである。
「千早振る神垣の内に、神風よ吹き荒れよ。
我が身のすべてを依り代とし、畏き御霊をここに拝受す。
恐み恐みも白す――
八百万の力を宿せ、我が一撃! 塵の如くに吹き飛び給え!」
桜みこ、神秘の薄れたこの時代で神降ろしを成功させることのできる唯一。あえて言葉にしよう、さくらみこはエリートである。
「神憑・神楽桜!」