「はァ……」
「あら、どうしたんですの?」
「いつもより猫背が酷いですわよ」
「いやァ……ここ最近立て込んでてさァ」
「……あんたになら話してもいいか」
「ここ最近
「……例えば何があるんでしょう?」
「あァ~……丹花イブキ、分かるか?」
「あのちびっ子のために、トリニティでも構わないからキヴォトス中の美味しいプリンを探せ! だの」
「……あいつは説明しなくても分かるか。このマコト様の素晴らしい所を100個書き出せ! だの」
「まァ、これはいつも通りではあるんだが、空崎ヒナの弱点や落ち度を探してこい! だの……」
「ヒナも十分過ぎるほど頑張ってるってのによォ……なんで粗探ししたがるんだか」
「そもそも"風紀委員会"情報部のアタシらにそんな依頼してくんなっての」
「まあ、見方を変えれば平和とも言えるのではないでしょうか」
「確かにそうだけどよ、別にアタシもガチガチの情報部活動してェ訳じゃねえし」
「だァら、トリニティの機密情報を探ってこい、とか言われたらそれはそれで困るんだけどさァ……」
「はァ……」
「かなり疲労と心労が溜まってるようですわね」
「……こちらに来て下さいまし」
白い翼の生徒が黒い制服の生徒の手を握りベンチへと向かう。
「ンぁ? どーした急に」
「いいですから、隣に座って下さる?」
「ん、まあいいけど」
「……何となくあんたがやりたい事が察せたわ」
「察したとしてもこうやって来てくれるあなたが好きですわ」
「軽々しく好きとか言うんじゃねェよ」
黒い制服の生徒は頬を赤らめ、目を逸らしながら小さく呟いた。
「……価値が下がるだろ」
「ほんっ……とうに……はあ…………」
顔を覆っていた両手を降ろし、頭(かぶり)を振る白い翼の生徒。
「あなたの魅力を懇々と語り聞かせても良いですけれど、本来の目的からはズレますので自重しますわ」
「あァ……そうしてくれ」
「では改めて。膝枕をしてあげますから、こちらへ」
「……んじゃお言葉に甘えて」
黒い制服の生徒が白い翼の生徒の太腿に頭を乗せた。
「んっ……少し髪がくすぐったいですわね」
「色っぽい声出すんじゃねェ……」
「あァ〜……柔らけェなぁ……」
「何ですの、私が太っていると仰りたいのですか」
「ぃンゃ……そうじゃねぇ……」
「はは、空見えんじゃねえか」
「今日は曇りで、気温も、ちょうど良くて…良い日だなぁ……」
「あぁ……いいにおいが……す…る………」
黒い制服の生徒が空に向けて伸ばしていた手がだらんと
白い翼の生徒は自身の膝枕で寝てしまった彼女を見つめた。
「……寝ましたわね。あと太腿に仰向けで寝ておいて「空が見える」と言うのは失礼ですわ、もう聞こえていないのでしょうけれど」
「とはいえ何故空に手を……徹夜だったのでしょうか?」
白い翼の生徒は顔を近づけ、まじまじとその寝顔を観察する。
前髪が垂れ、彼女の顔を覆い隠した。
「隈が若干ありますわね。」
「……これ以上は理性が保てそうにありませんのでやめておきましょう」
白い翼の生徒は顔を上げ、周りを見渡した。
「ここ最近になってやっと反ゲヘナも少しは減ってきましたわね」
「私が広げてるのですから当然ではありますが……」
「あら? あれは正義実……いえ補習授業部の……何故こちらを猫目でじっと見てくるのでしょうか……?」
「まあ、いいでしょう」
「それにしても私の膝でぐっすりとお眠りになってまあ……」
「私も、あなたも、忙しいですわね」
「それでもわざわざ時間を作って会いに来て下さって……」
白い翼の生徒は膝の上で眠る彼女の頭を撫で、静かに囁いた。
「本当に、愛らしい人」
黒→白:トリニティのお嬢様。他のやつらと比べて敵意のある目で見てこない。正直結構好き。戦闘においてはアタシより弱くて怪我しそうだからゲヘナには来てほしくない、来るならアタシが守んなきゃ。でもなんかよくからかってくんのは恥ずかしいからやめて欲しい。
白→黒:可愛らしい人。もともとゲヘナに対して偏見はありませんでしたが、彼女だけは特別。派閥争いや偏見に満ちたトリニティに居ると気が滅入りそうですが、彼女と居るとそんな事が全てどうでもよくなります。ああ、次の予定はいつだったでしょうか。
自分でも書いてて思ったんですが、ブルアカである必要性については考えないでいただけると幸いです。