一つ一つが1,000文字未満だったので二つ入れてます。
「くぁー……いつ来てもやっぱトリニティの空気は堅苦しいねェ。息が詰まりそうだ」
トリニティ某日。黒い制服の生徒は欠伸混じりにそうぼやいた。
「何を至極当然な事を。あなたの居るゲヘナと比べたら当たり前でしょう?」
黒い制服の生徒の隣を歩く白い翼の生徒が、隣を見ながら淡々と返事をする。
「ま、それは分かってんだけどさァ……」
「第一、私がそちらへ赴こうとするといつもあなたの方から来て下さるではありませんか」
「いやァ……ねぇ?」
「アタシ馬鹿だけどよ、流石にトリニティの
「なんかエデンだかおでんだか知らねえけど条約が結ばれたとて、ゲヘナとトリニティの確執は残ってるしよォ」
「確…執……あなたからそんな言葉が出るとは思いませんでした」
「うっせぇなァ! 一応ちゃんと授業には出てんだよ! このくらいの語彙は常識だろォ!?」
「ふふ、そうですね」
「まァ……後はあんたに怪我を負わせたくないってのもあるんだけどよ……」
「あら。あらあらあら! 随分と可愛らしい事をおっしゃいますわね」
「今でも十分過ぎるほどですのに、あなたのことがより好きになってしまいますわよ」
「これがッ……“ギャップ萌え”ですのね……」
「すッ!? かわッ!?!?」
「……っせェなぁッ! 今のは忘れろッ!」
真っ赤になった顔を横に振りながら、黒い制服の生徒が叫んだ。
「残念ながらそれは出来ませんわね」
「今私の脳内アルバムに保存してバックアップまで取りましたので」
「クッ……あんたのせいで余計に注目浴びてんじゃねえかッ! ほら行くぞ!」
「注目を集めてるのはあなたが大声を出したからであって、私は関係ありませんわ」
「あァもう、ああ言えばこう言うッ……」
「もういい! アタシは先に行ってるからなッ!」
「ああ、一人で行っては……相変わらず身のこなしが軽いですわね……」
黒い制服の生徒に逃げられてしまった白い翼の生徒は、小さくそう呟いて辺りを見回す。
「はぁ……馬鹿の一つ覚えのように「ゲヘナが」「ツノ付きが」と……」
「やはり私がゲヘナに出向くのもアリですわね」
「まあ、彼女を説得するためにもそろそろ行きませんと」
別日にて。
「はぁ……」
「ぁン? 珍しいな、あんたがため息なんて」
「あぁ……ええまあ少し」
空を見上げ、少し考える黒い制服の生徒。
「あー、あれか? ティーパーティー絡みかァ?」
「確かあんた、パテ……いや違うな、フィリウス派? だったよな」
「えぇ、そうですわ……もう正直あんな組織どうでもいいですけれど」
突然黒い制服の生徒が焦って辺りを見回し、白い翼の生徒の両肩を掴む。
「おまっ、誰かに聞かれたらどーすんだよッ!?」
「ふふ、例え聞かれてしまったとしてもそれはそれで……アリ、ですわね……」
「ばっ……何もアリじゃねェ! 一旦黙れェッ!」
「黙りませんわ(確固たる意思)」
「もしも黙らせたいのでしたら、私の口を塞ぐくらいの覚悟を示して下さいまし」
「なっ……口塞ぐって、お前ッ……!」
「何を想像してるんですの。私が示唆したのはあなたが私の頭を撫でるか、それとも思わず閉口してしまうほどの奇行をあなたがとるかですわ」
「後者はともかく前者を期待してたのですけど」
「それはそうと何ですかそのお顔は。あなたの胸に飛び込むか又は抱き付きますわよ」
そう言い切った白い翼の生徒を黒い制服の生徒は怪訝な顔で見つめる。
「……。なァ……」
「あんた……寝たのいつだ」
「別に寝不足ではありませんわ」
「じゃ、ストレスかァ……」
「……仕方ない、ベンチは……あるな」
「ほら、こっち来い」
「何ですの? 膝枕でもして下さるのですか?」
「あァそん通りだよだから早く来な」
「……行きますわ」
広場のベンチに座った黒い制服の生徒が、自身の太腿をぽんぽんと軽く叩く。
それに釣られ、白い翼の生徒はその隣に座り、彼女の太腿に頭を預けた。
「……。硬いですわね」
「っせーなァ、貸してやってんだから文句言うな」
「ってもう寝てんじゃねえか、やっぱ寝不足かよ……」
「……最近忙しそうだったしなぁ。溜め込み過ぎんなっつってんのに……」
「それにしたって無防備な……だから一人でゲヘナに来て欲しくねぇんだよ」
「あー……こいつが寝てると他の奴らの視線が痛い痛い……って程でもねえな、何でだ? まぁいいか」
「この感じだと30分は寝てそうだな……次の予定でも考えておくかぁ」