映画本編のネタバレを含みます。 映画鑑賞後の閲覧を強く推奨いたします。
原作映画の展開をベースにした「救済・ifストーリー」です。
オリジナル主人公(ディーン)およびその家族設定、アンブレラ社内の独自解釈や捏造設定が多数含まれます。
クリーチャーとの戦闘、肉体変異、流血などのバイオレンス描写が含まれます。
「何でも許せる方向け」の作品となっております。誹謗中傷や無断転載はご遠慮ください。
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【簡易登場人物紹介】
ディーン(Dean)
本作の主人公。アンブレラ社の特殊工作員。
幼い頃からある「特異な体質」を持ち、アンブレラの管理下で育った青年。
冷静でプロフェッショナルな兵士として任務を遂行するが、家族思いで民間人への情を捨てきれない甘さ(人間味)を残している。
レイシー(Lacey)
ディーンの妹。
兄とは対照的に、アンブレラの暗部や過酷な実験の実態を知らずに育った。
任務で家を空けがちな兄を心配しつつも、連絡をサボると容赦なく怒るしっかり者。兄妹仲はとても良い。
ノア(Noah)
ディーンとレイシーの父親。アンブレラの上級研究員。
家族に対して穏やかで愛情深い父親としての一面を持つ一方、アンブレラの研究者としての冷徹な観察眼を併せ持つ。ディーンの体質や任務のバックアップを担当している。
ハンナ(Hannah)
ディーンとレイシーの母親。
家族を温かく見守る包容力のある女性。過酷な立場にあるディーンの心身を常に深く気遣っている。
アーロン(Aaron)
ノアの弟であり、ディーンの叔父。アンブレラの幹部研究員。
知的で物腰は穏やかだが、研究や生体データのためなら倫理を顧みない冷酷なマッドサイエンティスト気質。兄であるノアとは研究方針を巡ってどこか緊張感を孕んでいる。
***
バイオハザード映画救済if①
―――
―アンブレラ上層部からの待機命令が降りた。 任務内容は、まだ分からないが、上層部の人間と父さんは、酷く慌てた様子だったのは、覚えている。
「……」
いつでも出発できるように、装備を確認していると、スマホがショートメールが来たことを告げた。 すぐにスマホを確認すると、レイシーからだった。
『お兄ちゃん、今日は家に帰れるよね?』
「あ……」
レイシーからのメッセージを見てから、チラリと室内にあるカレンダーを見る。 なんという事だろうか。 今日は、母の誕生日だった。
「…………」
(怒るだろうな……)
眉間に皺を寄せながら、必死に返事の内容を考える。前々からレイシーとは、母の誕生日には何をプレゼントしようかという話をしていたところだったのだ。
盛大に大きなため息をついたあと、考え抜いた返事をスマホに打ち込んだ。
『悪い。 レイシー。 今日は、急用ができて、帰れそうにないんだ。 母さんにも謝っておいてくれ』
するとすぐに返事が来た。
『ええ〜!? 冗談でしょう!? ママになにあげようか、あんなに相談してたじゃない!!』
『もうお兄ちゃんなんて知らない!!』
「……やっぱりな……」
きっと画面の向こうで、頬をふくまらせているに違いない。 妹と母に申し訳ない気持ちになっていると、無線機から父の声が聞こえた。
『ディーン。 ブリーフィングを始めるぞ。 会議室に来てくれ』
「分かった」
すぐに無線機を切ると、スマホをしまい、会議室へと向かったのであった。
***
会議室には、父であるノアは、画面モニターの前で立っており、アンブレラ上層部の研究員数人が画面モニターの前で座っていたり、立っていたりと様々な形で待機していた。 ディーンは、適当な椅子に腰掛けると、ノアは、画面モニターを見つめながら、話し始めた。
「たった今入った情報だ。 とある病院からアンブレラの極秘サンプルの医療品が運び出されたそうだ」
「……アンブレラ関係者の人間が運んでるんだろう?」
「いや。 違う」
「は?」
ノアの返答にディーンは間抜けな声を出してしまった。 彼は咳払いをすると、モニターの画面を切り替えてから言葉を放った。
「医療品を運んでいるのは、デリバリーの配達員の男だ」
「……まさか。 一般人じゃないよな?」
「……そのまさかだ。 彼は……あー……名前は、ブライアンという青年で、一般人だ」
「…………」
「わ、我々のことを睨むのはやめたまえ……」
思わずディーンは、アンブレラ上層部の研究員を睨み付けた。 まるで『お前達は何を考えている?』と訴えているかのようだった。 研究員達も事の重大さを分かっているのか。 目を伏せたり、額に汗を浮かべている者もいた。
ノアに呼ばれたディーンは、父を見つめる。 父は、ひとつため息をつくと、続けて言った。
「彼が向かっている先は、ラクーンシティ総合病院だ。 しかし……そのラクーンシティは、今未曾有の感染爆発を起こしており、感染者で溢れかえっているんだ」
「…………」
「…私の言いたいことは分かるな? ディーン?」
「……ああ。 分かってる。 その配達員の男を追跡し、医療品のサンプルを回収する。 それが俺の任務。
そうだろ? 父さん?」
「そうだ。 行ってくれるか?」
「……行ってくるよ」
「よし。 決まりだ。 装備を確認次第、出発し、配達員の男とは別ルートを通って、ラクーンシティまで到達してくれ。 その際の判断は、お前に任せる」
「分かった」
「それと……24時間、お前のことをモニタリングすることになった。 お前が判断に迷ったり、何らかのトラブルにあった場合は、私が指示を出す」
「了解」
任務の内容を聞き終えたディーンは、席を立つと会議室を早足で出て行った。 その背中をノアは無言で見つめていたのであった。
END