裏路地で犯罪者からすったりしてたら、いつのまにか人身売買の商品になってた。取引場所はリストン領の島の一つ。偶然にもそこにはニア・リストンが撮影に来ていた。ニアの初めての暴力のついでの主人公はどうなっていくのか。

 単発、続きは書くかわからない。アニメ、漫画1巻の知識でお送りさせていただきます。

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原作は完結してるらしいですね。でも書くとしたらアニメ範囲かな。


やらかしの罰?

 目が覚めた時、そこは真っ暗な世界だった。声は出せない、足も伸ばせない、腕は身体の背後で縛られている。あぁ、これはやらかしたんだ。人生おそらく4年、短いなぁ。

 

「全く、コイツもかわいそうなもんだな」

 

「おいおい、売り飛ばそうとしてる俺らが言えるものでもないぜ兄弟」

 

「はっごもっともだな、出る杭ぶたれる?だったか」

 

 闇の中でも一瞬光が差し込む。おそらくここは木材の箱か何かの中だ。

 

「賢そうな事言ってんじゃねーよ。それにしても密輸しないと取引しないって変な奴だよな、そもそも今どき奴隷とかほとんど扱う事ないし時代の変化ってやつかねぇ」

 

「奴隷が流行ってたのなんて天空帝国があった時とかだろ、そんときは多く流れてたらしいが、今は利益がそんなにでない、っと」

 

 大きな衝撃が体に伝わる。一瞬声が漏れそうになるが唇を噛み締めてこらえた。

 

「だから、今買う奴なんてとんでもない狂人かなにかだ。ま、だからと言って、俺はこいつのことよく思ってなかったからな。てか一回スられたし、清々するぜ」

 

「それはそうだな。……で取引相手はいつ来るんだか」

 

 会話の内容などからコイツらは二人、そして俺は多少なりとも恨まれてることもわかる。ここから生存するにはどうすればいい。頭突きでもすれば蓋は開くが、そのためには少なくとも足を伸ばさなければならない。さらに、腕も使えない状態で逃げる?……面白いじゃん!!

 もっと深く考えろ。そもそも自力で開けなくていいんだ人を売るんだから中身確認するに決まってる。その時に逃げればいい。少なくともジャンプはできる。日々鍛えた闘争力なら逃げ切れる。

 

「いやぁ、待たせてしまったようだ。それで、依頼した『醸造器具』はちゃんと持ってきてるんだろうな」

 

「ああもちろん、だが先に金をよこしな。じゃなきゃこれは渡せねぇな」

 

「なんだと?いやいい、せめて本当に入っているのか中身の確認をさせてくれ、時間はないがそれは確認しないわけにもいかない」

 

「──ねぇ貴方達、こんな所で何してるのかしら」

 

 この場に相応しくない女児の声が暫定狂人と人攫い二人にむけて放たれた。

 

「あ?なんだこのガキ」

 

「いや、しらねぇな。迷子なんじゃね?」

 

「ちっ、これだからガキは、嬢ちゃんこれは酒を作る道具だ。そこのおっさんは酒が作りたいんだと」

 

「へぇ、おじさんは人間を発酵する気なのかしら?」

 

「一体何を言ってるんだい?お酒は果実を醗酵させるんだよ?

 

「知っているわ。でもその樽に入っているのは人間、それも子供よね?しかも子供の様ね」

 

 

 あの少女は一体なんなんだ。姿はわからないが、おそらく強い。少なくともあの暫定狂人よりも強い。彼女を利用して逃げるプランに変えるべき……かもしれない。

 

「ほう、知られたからには消すしかねぇな」

 

「やっぱり人身売買なんじゃない」

 

 戦闘が始まってすぐなら逃れる。音を頼りにするんだ。

 

───────────────────────

 撮影してみたい場所を探してきて欲しい。なんとも変な仕事だろうか。一般的にそれは私の仕事じゃないだろ。

 

 視聴者が見たことのないような場所、つまりは街からある程度離れているような場所が好ましいか。

 

「お嬢様、あまり遠くに行かれては危険ですよ」

 

「リノキスもついてくればいいじゃない。私は撮影場所を探しているだけなのだから」

 

「あ〜待ってくださいよ〜」

 

 そして私は見つけた。絶景スポット……ではなく、ゴロツキの怪しげな取り引き。

 視認できるのは3人。しかしもしかしたら伏兵がいるかもしれない。氣を使い索敵をしてみるが……いたけどこれは、子供?しかも視認してるやつの近くにいる。これって人身売買なんじゃないだろうか。

 かなり面倒くさい。ただただ蹂躙して終わりじゃないとは。

 

「リノキス、街の兵を連れてきて。あれ、おそらく違法な取り引きよ」

 

「お嬢様一人にして呼びに行けません」

 

「リストン領での出来事よ。見逃せばより被害は拡大していくわ」

 

「………わかりました。しかし、そこから近づいては行けませんからね。それでは兵を呼んできます」

 

 いったな。さて、初めての運動ね。走ってる方がマシだけど。しかも3人なのよね?少なすぎるが、良心の痛まない拳だ。喜んで振ろうじゃないか。

 

「──ねぇ貴方達、こんな所で何してるのかしら」

 

 

 

 結果的にはすぐに終わった。想像以上に弱かった。いや、もはや蝶と同等だろう。樽の中にいた子は逃げる体勢になっただけで逃れなかった。この子も弱いわね。もっと反応速度を高めなきゃ話にならないわ。けれど、生存しようとして思考を巡らせていたのはこの年ならば100点満点中1点はあげてもいいのかもしれない。

 

「それじゃあ、これは貴方がやった事にしなさい。皆腹にダメージを与えたから貴方のタックルで倒れた事にするわ」

 

────────────────────────────────────────────

 

 この人はなんなんだ。箱から出されて見えた景色は白髪の少女と、そこら辺に倒れてる大人たち。

 これ箱じゃなくて樽なんだ。俺って樽に収まるんだ……いやそれはどうでもいい。

 

「なんで俺がやった事に?何もしてないといえか、何も見えてないんだけど」

 

「私がやったってバレたくないの。私は貴方が反撃してどうにかしたのを見てて、腕が縛られてたのに気づいて解いただけ、足は縛られていなかった、いいわね?」

 

「はい、異論ありません!」

 

 何故か彼女から一番大きな圧を感じた。いますぐにでも離れたいが、逃たら多分やられる。死にたくはないのだ。

 

「ニア様、怪しげな取引があるとの知らせでしたがこれは一体……」

 

「この倒れてる人たちがその取引をしてた人たちよ。取引されてたのはこの男の子。つまり人身売買ね」

 

「子供だろうって油断してたところを体当たりで倒しました」

 

 完璧な演技だ。自分の感情を偽るなんて便利な事は覚えておくものだ。生存の心得は日常の至る所で役に立つのだからな。

 

「それじゃあ、君は誘拐されてたのかい?」

 

「そういうことですね」

 

「君名前は?」

 

「ないです。親もいないし、普段住んでるのは路地裏とか、廃墟とか?」

 

「……え?」

 

 

 領の安全を守る兵士さんは理解しきるのに時間がかかっているようだ。変な少女はなんだめんどいのに首突っ込んだとでも思った表情か?あ、違うこれ心底どうでもいいって反応だ。

 ただその思考とは別にこんもあとの動きについて質問している。業務の進行をしているぞこいつ。見た目だけなら同年代といえるが、そんな気がしない。なんで裏とも言える環境で過ごしてきた俺より大人みたいなことしてるんだ。

 

「あなた、これからどうやって過ごしていくかは考えているのかしら」

 

「全くなにも、少なくともここは人口が多いとは言えないし、前みたいな生活はできないかな」

 

「そもそも前は何してたのでしょうか?」

 

「ゴミ漁ったり、落ちた貨幣を拾ったりとか」

 

 実際はスリとか、盗みとかもしてるんだけどね。

 あ、メイドさんがすごい驚いてる。あと少女も驚いてる。初めて見る表情だ。

 

「お嬢様、まもなくお時間になります。一度撮影に戻りましょう」

 

「ああそうね、なら移動しながら話を聞きましょう」

 

 さつえいってなんなのだろうか。知らない言葉だ。なんだか嫌なことが起きそうというか、身の危険を感じるというか。

 

「撮影というのは、魔法映像(マジックビジョン)のための撮影です」

 

「その、まじっくびじょん、というものがわからないのですが……」

 

「簡単に言えば薄い水晶の板を通じて離れた場所の様子を見ることができるもの、と思ってもらって構わないわ」

 

「……意味がわからない。けど危ないものではなさそうか。なんというか『さつ、えい』というので何かを殺めるのかと」

 

「殺映なんて見たい人いませんよ、ねえお嬢様」

 

「………そうね」

 

「お嬢様?」

 

「今はそんなことよりあなたのことよ。元々どこの領にいたかは覚えてる?」

 

「領って何?」

 

「はぁ、リノキスちょっとこっち来なさい」

 

「はい何でしょう」

 

 女性二人の秘密の会話が行われる。メイドさんはリアクションが大きいため見てて飽きはしないがどうしたものか。そのままついてく?いや、逃げるほうが自由かも!なら次に曲がったタイミングで逃げよう。家はちまちまあるし住人もさっきよりはいて逃げれる。

 

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「こいつ、奴隷みたいにリストン家のものとして扱えないかしら」

 

「!?お、お嬢様?さすがに奴隷はいかがなものかと」

 

「違うわよ、今は孤児を受け入れる施設も少なくなってきたことはわかっているわ。だから一時的にリストンで保護を行うという話でしょう」

 

「そうですが、しかしあくまでも保護なんですよ」

 

「わかってると思うけど、アレは生存のためなら何でもするようなやつよ。保護施設にわざわざ予算を割くならずっと家のモノにするほうが今はいいのではないかしら」

 

「お嬢様、あのあの方逃げましたが」

 

「あなたなら今からでも追えるでしょ。そして逃げたということは何しでかすかわからない、つまり家で飼い殺すべきだわ。家がやらなくても私が飼う(殺る)。もう追いなさい。私は一人でいけるわ」

 

「わかりました。少なくとも家には強制的に連行します」

 

 行ったか。しかしあいつは鍛えたら遊び相手にはなるか。体つきからおそらく同い年、今から鍛えれば可能性は十二分にあるだろう。生存意欲が異常に高いとおもったが、なぜ逃げたんだ。保護する話を知っているのがこちら側だけとはいえ非合理的だ。生存意欲が高い上で別の理由があるのか、それとも何かの思惑が生存意欲と類似する行動をさせるのか。前者であれば、嬉しいものだ。

 そういえばついでにもう一個気になることがあったあの薄灰色の髪はもしや……

 

「お、ニアちゃん戻ってきたね」

 

「少々トラブルがあり、遅れてしまいました」

 

 呼ばれてしまった。面白いことは仕事の後のメインディッシュというわけだ。空腹は最大のスパイスなどと言うやつがいるが、今回ばかりは信じてやろう。

 

────────────────────────────────────────────

 あっけない。すぐに逃げれたな。さて自由になるということはとてもワクワクするぅ!さて、どうしよう。ノープランだが。善人からお変え取るのは面白くもないし可愛そうだし、マッチポンプ引き起こしたいのだが、どうしようかなぁ。

 街のごみをまとめてある施設に行き、呑気に服漁りをしていると首に冷たいものが触れる。

 

「さつえいですか?」

 

「いいえ、貴方が逃げたので仕方なくやっているのです」

 

「そんなに俺悪いことしました?」

 

「いいえ、保護する対象です」

 

「ほ、保護?一旦話を聞くから首のモノどけてくれない?」

 

「いいですよ。ただ次逃げるようなら、手段は問いません」

 

 こわ、ナイフに血は……ついてない。違和感もないから大丈夫だとは思ってたけどね。ただ切れ味がいいナイフは切られたことに気づかないそうだし、ちょっと怖かった。

 

「ふぅ、で、保護って何?」

 

「保護は、保護です。昔は孤児を保護する施設が島に多くあったのですが、孤児の発生率の低下、集落間の共同子育てが多くなったために、施設が減少していったのです」

 

「じゃあ今はどこで保護する気?」

 

「リストン家です。この島はリストン領の島の一つになりますので、この島で保護者不在の貴方は保護対象に当たります。先程の通り、施設がないことや孤児が領に貴方のみなことがあり、リストン家での保護の予定です」

 

「予定……まぁいいか、その保護って受け入れないことはできます?」

 

「おそらく不可能だと思います。アルトワール王国において6歳から12歳は王都の学び舎にて身分を問わずに学ぶ義務があります。保護しないのならば存在を隠し通すことになりますが、貴人としてそのようなことは行わないでしょう」

 

「選択肢はないのか、不自由だな」

 

「そういえば、お嬢様が思ったよりも貴方をよく思っているそうですよ」

 

「あの少女が?というか名前しらな「ニア・リストン様です」……かったです。でもなんでだ」

 

「ぶっちゃけ貴方を放おっておくことにリスクがあることなどの責任感、おそらく初めての同い年、犯罪者に対する勇敢な行動、私は無謀な行動だと思いますが、その用のことの何かが好印象に働いたのでしょう。ニアお嬢様は家が保護しなくても奴隷にしてでも保護すると話しておりました」

 

「それは全く嬉しくないことだ。奴隷だなんて」

 

「奴隷なんて今の世の中では不可能です。ですがお嬢様が面倒を見るなどということになれば、ただリストン家に保護されるよりも、自由に行動できると思いますよ。おそらく楽しくもあります(お嬢様が)おそらく自由であることが好きなのでしょう。悪くないと思いますよ。衣食住は一級のものが提供されますでしょうし」

 

 あぁ、今までのほうが圧倒的に楽しいだろう。貴人の家なんて堅苦しい。地元の薄暗い路地裏のほうが過ごしやすい。だからといって逃げる選択肢は……あった。どうせ逃げても逃げなくても保護されるんだ。だったら逃げる一択。眼の前の人が圧倒的に強いのだって知ってるが、0.01%の可能性でも試さないのはつまらない。

 そうして地を蹴り、バックステップで距離を取ったと、思い込んだ俺の意識は消えていた。

 

「愚か者のどこに惹かれたのでしょうね」

 

────────────────────────────────────────────

 「それで、結局その愚か者はどこに?」

 

 船の自室でやすんでいる中、メインディッシュがいたのを忘れていた。空腹がスパイスなどと、ずっと空腹を感じていなければ意味をなさない。失念していたわ。仕事中に意識させる存在ではなかったようだ。今の今まで和しれてたし。

 彼は船の医務室に寝かされているらしい。薄灰色の髪を持つ彼………名前がないのは不便ね。レイとでも仮称しておきましょう。リノキスに聞けばレイはゴミ漁り、主に子ども服を探している様子だったと報告された。

 

「本当に逃げるつもりだったのでしょうね。名無しで、服変えて。愚か者は自身の髪色すら知らないのかね」

 

「知らないから愚か者なのです、お嬢様」

 

「どっちでもいいのよ、私の髪が白くなったように、彼も色を失っていった。私じゃなければ理由はわからなかったでしょうね。そして白色化の進む髪なんてそうそう見られるものではない、人々の印象に残るわね」

 

「保護者、探しますか?」

 

「いいえ、探しても犯罪者側よ」

 

 犯罪者に誘拐された人物を返すなんてありえないことだ。そしてせっかくなら私のおもちゃになってもらおう。というかする。昔は強きものを探すだけだった。新しいことへの挑戦は少し心が踊る。

 

「お嬢様、まもなくつくようです。一度こちらから話を通しておきますので、お体をお休めください」

 

「頼むわねリノキス」

 

 レイの育成計画が幕を開けた。そして彼はいずれ脱兎(だっと)などと呼ばれることになる。




ニアに飼われる奴隷みたいなの欲しくて書いた。満足。普段2000文字行ったら上々なのに。
名前のレイはグレー、グレイ、レイの連想ゲーム。

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