ヴィルシーナって曇らせ適性高そうだしジェンティルドンナが曇るところも見たいよねって気持ちを形にしました。(ジェンティルが曇るとは言っていない)
ジェンティルドンナは後書きで一言だけ。ヴィルシーナメイン?の話です
屋根屋根屋根屋根屋根屋根
ベンチ自販機自販機ベンチ
作者はジェンティルもヴィルシーナも理解度低いのでなんとなくで読んでください。会話の流れとかもなんとなくで読んでください!!!
「だーかーら!次こそはヴィルシーナがジェンティルドンナを打ち負かすんだって!次のレースもっともっと強くなって女王を引き摺り下ろすんだよ!」
高校2年の7月某日の夜、バイト帰りに土砂降りに降られた帰り道。ほんの少し濡れるだけで避難できた商店街の外れにあるそこそこ広い軒先のベンチ。普段から車もほとんど通らないそこであまやを見つつ、高校からの友人2人と今年のティンクルシリーズの話で盛り上がっていた。
『また言ってんのかよw』
『確かにヴィルシーナは強いけどさ。でも桜花賞とオークスでもう格付けもうほぼ決まったでしょ?世間の大抵の見方は「ヴィルシーナがジェンティルドンナにどこまで食い下がれるのか。どんなぶつかり方をするのか」って感じだし。レース後だってジェンティルドンナは余裕綽々って感じだったけど、ヴィルシーナは疲労困憊だったじゃん』
『そもそもお前1番の推しウマ娘はジェンティルドンナっつってたじゃん。ヴィルシーナ推しに変わったん?』
「いや?1番はジェンティルドンナだよ?あんなロマンの塊みたいなウマ娘唯一無二じゃん。やっぱパワーイズパワーよ。オークスの後とか周りのウマ娘が疲労困憊って感じなのに1人だけ威風堂々としてたじゃん。あのかっこよさったらねぇよ」
『じゃあなんでヴィルシーナ応援してるの?この前のレースだってジェンティルドンナよりも名前叫んでた回数明らかに多かったし』
去年から同じクラスでウマ娘のレースが好きなのが分かってからは毎週レース観戦に一緒に行く適度には仲良くなった。
「だってあんな圧倒的な力の前にさ、一切心折れてないじゃん。ねじ伏せられて、届きそうなところから一気に突き放されても、ライバル視して挑んでいくじゃん。それ見てて思ったんだよ。ジェンティルドンナに取り繕う余裕を無くさせるウマ娘はヴィルシーナが良いって。だから何度へし折られようとも、何度絶望しようとも挑み続けて欲しい。ジェンティルドンナのあの傲慢さを剥ぎ取って、その下にある剥き出しの闘争心を暴いてほしい。その先でヴィルシーナが負けてもジェンティルドンナの文字通り死力を見られるし、ヴィルシーナが勝ったらまた新しいジェンティルドンナが見られるわけじゃん」
今年のクラッシック世代のティアラ路線は、いやクラッシック路線含めても世代最強はだれかという話題にはジェンティルドンナの名前が必ず上がる。ジェンティルドンナが話題の中心になり、それに勝つ可能性があるのが誰かという話になることが多い。
『お前なんかこう……うん』
「?あとはまぁヴィルシーナ自体もやっぱ好きだからな。ビジュとかドタイプだし。桜花賞前の様子とか見てると、ジェンティルドンナいなければ傲慢の女王は多分ヴィルシーナだっただろ?それがあんなに曇って曇ってそれでも挑み続けて…マジ最高だよな」
『やっぱ君だいぶ性癖歪んでるよね』
『要約するともがき苦しむ姿が美しいってことでok?』
「ひっでぇ。そんなこと、な…い…」
喉が渇いたため何か買おうと自動販売機の方を振り向いた時、自動販売機の向こう側にあるベンチにはんなりと座っているちょうど話題の中心になっていたウマ娘の姿があった。角度によって青い光を放つ長い青毛はすぐ近くで見るとより美しい。噂をすれば影どころか本体きちゃったかぁ…
「…こんばんは。ずいぶん素敵な応援、ありがとうございます」
『どうした?てか、今誰か女の声した?』
『今の声ってまさかヴィルシーナじゃ』
「わりぃ、俺死んだわ。また明日、シャボンディ諸島で」
『……健闘を祈る』
『骨は拾ってやるからなー』
軽く冗談を交わして通話を切る。さて…
「この度は!誠に!申し訳…」
「ちょちょちょ!何やってるんですか!こんな土砂降りの日に土下座なんてしたら汚れちゃいますよ!」
開幕土下座でどうにか許してもらおうと思ったけど逆に止められてしまった。正座の状態から軽々と引っ張り上げられたけどマジで人間とパワーが違う。ジェンティルドンナはこれを優に上回るってマジで言ってます?
「あーもう!スラックス汚れちゃってるじゃないですか!洗うの大変なんですよ!」
「いやぁ、雨の中帰るから大丈夫かなって」
「大丈夫なわけないでしょう!ていうか、この土砂降りの中帰ろうとしてます?風邪ひいちゃいますよ」
「まだちょっと、命は惜しくて」
「とりません!」
打てば響くというかなんというか。鋭いツッコミをしてくれるからついボケたくなってしまう。
「…さっきの話ですけれど、確かに思う部分はありました。でも、それと同時に、事実だなって思ったんです。だから、大丈夫です」
そう言いながら元いたベンチに座り直すヴィルシーナ。今さら気がついたが、全身濡れており少し寒そうに震えている。なんかあたたかいもの…おっココアがあるじゃん。
「好き勝手言ってた俺がいうことじゃないけど、大丈夫って表情には見えないですよ」
そう言いつつ2つ買ったあたたかいココアの片方をその手の上に置く。あとはなんか拭くものか。
「え、ちょっと、悪いですよ。私、今お金持ってませんし」
「良いから良いから。好きなウマ娘にココアを奢る機会なんてそうそうないんだから受け取って。飲まなくてもホッカイロかわりになるでしょう」
「……ありがとう、ございます」
「どいたま。あとこれタオル使ってね。夏用で薄いけど、ブレザーも肩にかけて。多少臭いするのは、まぁうん、ごめん」
次々と手渡すと慌てて受け取ってくれる。少し悩むような顔をした後、諦めたように少し笑ってお礼を言ってくれる。
「何から何まですみません。断るのも悪い、ですもんね?」
「そうそう。女の子が体冷やすのも良くないっていうからね。若者は遠慮しないで年長者に甘えて良いんだよ」
「ふふっ、トレーナーさんみたいなこと言うんですね。……そしたら、携帯も貸してもらえませんか?少し走り込むだけのつもりだったので持ってきてなくて」
「あぁ、連絡無しでこの雨じゃ向こうも心配だよね。はいこれ」
「ありがとうございます。あの、パスコードって」
「ないよ?そのまま上にフリックすれば開く」
キョトンとした後にスマホを操作して本当に開いたのを確認するとマジかこいつって表情でこっちを見てくる。だってめんどくさいし…
「いいから早く連絡してあげなよ。ルームメイト?とか妹さんたちとかも心配してるでしょ」
「………はい。ありがとうございます」
すげぇ言葉飲み込んだな今。別に誰に何見られたって問題ないんだしいいじゃん。
通話を始めたヴィルシーナを横目に一緒のベンチに少し間を空けて腰をかける。雨は弱まることなくザァザァと降り注いでいる。屋根とアスファルトを叩く音を聞きながら、自販機と街灯に照らされるもはや白い線の束のようになっている雨を眺めていると疲れがじわじわと全身を包んでいく錯覚に陥る。そのまま今日あったことを反芻していく。ヴィルシーナに遭遇したこと、授業の抜き打ち小テスト、バイト中のトラブル対応、時系列は関係なく印象に強い記憶から順番に脳裏に浮かんでは消えていく。
「あの、トレーナーがあなたに代わって欲しいって。ねぇ、聞いてますか?」
雨の音は割と好きだ。聞きながら物思いに耽るだけで悩みも疲れも溶け出していくような感覚になれるのが好きだった。
「もしもし?寝てますか?おーい。起きてください。起きてってば」
そのまま雨音と共に暗闇の中に沈んでいくような微睡みがとても心地よくて好きだった。
「起きてください!」
大きな声に一気に現実に引き戻されて思わず声が上ずる。
「はいっ!寝てないです!大丈夫です!」
やばい授業中!じゃない、あれ。何考えてたんだっけ。今は雨宿りしててヴィルシーナと電話してて雨の音は本物でえっと。
「トレーナーがあなたにって。…ごめんなさい、起こしてしまって。寝られちゃうと少し困ってしまうので」
ヴィルシーナのその言葉でようやく自分の状況を思い出す。あっぶねぇ、ガチ寝一歩手前だった。
差し出されたスマホを謝りながら受け取る。
「あぁ、ごめんごめん。大丈夫、代わるよ。……もしもし代わりました」
『こんばんは、ヴィルシーナのトレーナーです。この度は助けていただきありがとうございました。大丈夫でしたか?寝ていたところ起こしてしまったようで申し訳ありません』
遠目で見た時の印象よりも少し優しい声が聞こえる。
『お疲れのようですし、今日のうちは雨は止まない予報ですので一緒にご自宅まで送らせていただきますね。お礼はまた後日改めて』
「いえいえ、ヴィルシーナさんのレースにはいつも元気付けてもらっていますから。少しでも助けになれただけでも充分ですよ。家も歩いて10分程度ですから大丈夫です。それよりも早めにヴィルシーナさんを送り届けてあげてください。自分と違って雨に少し打たれた様子でしたから」
嘘である。歩いてだと30分かかる。しかし、車という密室に知らない人2人と乗るのは一般男子高校生には荷が重いし、たまたま会っただけで送ってもらうのもなんだか気がひける。そう思って断るが…
『ヴィルシーナを助けてくれた相手を放置して帰るなんて私も、ヴィルシーナ自身も望むところではないですよ。それに、若者は遠慮しないで年長者に甘えて良いんですから』
さっきヴィルシーナにまんま言った台詞だ。元からそう言う考えなのか、ヴィルシーナがそこまで喋ったのか。どのみちそう言ってもらえると素直に甘えやすい。
「じゃあ、えっと、申し訳ないんですけど、お願いします」
『ええ。それでは、今から向かいますので後15分ほどでそちらに着くかと思います』
「了解しました。お待ちしてます」
最後に向こうの安心材料になればと名前と学校名を伝え、お互いに軽く挨拶して通話を切る。画面を確認すると通話時間は15分ちょっと。俺が通話した時間を考えるに結構ガッツリ寝てしまっていたことになる。
「トレーナーさん、15分くらいかかるってさ」
「分かりました。あの、スマホ、ありがとうございました。正直、とても助かりました。この雨の中走って帰るのは少し辛かったので」
「なんも。お役に立てたなら何よりだよ。トレーナーさんも、他の人たちも心配してたみたいだから連絡ついてよかったね」
「そう……ですか」
そう言って俯くヴィルシーナ。その表情は明るいとは言えない。
何話せばいいんだろうな?さっきまでは勢いで話せてたけど、一旦区切りがつくと何言えばいいか分からなくなる。
「……今日、トレーナーからオーバーワークだからって練習を早めに切り上げられたんです。その場では納得したんですけど、結局、寮に戻ってオークスの映像を見返していたら、足りないって。こんなんじゃ追いつけないって思ってしまって。そしたら居ても立っても居られなくなって、それでロードワークに出たんです。タルマエさんがこんな時間から危ないよって止めてくれたのにそれも聞かずに」
と思っていたら独白を始めてくれたヴィルシーナ。色々と限界だったのだろう。俯いた姿勢のまま徐々に両手で顔を覆っていく。色んな意味で助かるけど一般オタク高校生にはちょっと重たい話すぎる。
「その結果色んな人に心配をかけてしまいました。トレーナーやタルマエさん、寮長にたづなさん。それと妹たちも。その上、関係者じゃないあなたにまで迷惑をかけてしまって……何やってるんでしょうね、ほんと」
顔を上げて自虐的に笑うその表情も暗い感情が隠れきってない。
こんな悩みを中学生の年齢で抱えるんだからウマ娘って思ってたよりもずっと大変なんだな。そりゃトレーナーとの婚姻率が極めて高いとか言われるに決まってるわ。
「先ほどおっしゃってましたよね。心折れずに挑んでいると。違うんです。折れそうなのを必死に皮一枚で繋いでいるだけなんです。桜花は私が勝つって疑いませんでした。ダメでした。オークスではトレーナーの想像以上に成長した、強くなった。レース場も得意な東京、ここなら勝てると思った。負けられなかった」
喋り続けて口が渇いたのか一度言葉を切ってココアに口をつけるヴィルシーナ。つられて自分もココアを口に含むが先ほどよりも甘さを感じられない。
「けど、ダメでした。最終直線で一気に抜け出してこのまま行けると思ったんです。第4コーナーの時点ではまだまだジェンティルドンナさんの気配は後方にいました。残り400でもまだ並ばれてなかった。残り200で気がついたら彼女が横にいました。横顔が見えて、そのまま背中しか見えなくなりました。どれだけ必死に足を動かしても、蹄鉄で地面を蹴ってもどんどん、どんどんその背中が離れていって……レース後も彼女だけが疲労を一切見せていませんでした。その姿を見て次は負けない、と思うのと同じくらいどうやっても勝てないかもって、思っちゃったんです」
ココアがどんどん味がしなくなっていく。勝負の世界怖すぎじゃない?他の子とかだと財閥云々とかも乗っかってくるんでしょ?これはこれでなんて声かければいいのか分からなくなる。
「ごめんなさい。こんなたくさん愚痴を言ってしまって。私のこと応援してる理由とかも参考になりましたし、こうして話聞いてもらって少し心が軽くなったような気がします」
何も言えず黙っているとハッとしたような仕草で表情を取り繕うヴィルシーナ。それすらも
「あぁ、いや。応援してる理由とかそこら辺は割と少数派な意見だと思うから聞き流してもらえると助かるけど」
「そうなんですか?でも、顔好きなんですよね?結構ありふれた理由な気がしますけど」
「悪意のある切り抜き!言ったけどさ!」
「ふふっ。ごめんなさい」
少し楽しそうな表情になったのを見てやっぱ綺麗な顔してるなぁなんて下衆な考えが出てしまう。と、同時に何か少しでも前を向けるような、一歩分でも背中を押せるような言葉を投げかけたくなった。
「ヴィルシーナさんはさ、レースに勝ちたいって思う時に勝ちたい以外の理由ってあるの?心が折れかかっても、それでも挑み続けるってことは何かただ勝ちたい以外の理由ってあるのかなって」
「理由ですか?レースに勝ちたい、強い相手に勝ちたいというのは私たちウマ娘の本能ですからね。それ以外だと、家族やトレーナーに喜んで欲しい、とかですかね?」
「じゃあさ、自分のための勝ちたい理由もあってもいいんじゃない?そういう、外部要因というか、人のためじゃなくてさ。長女だったりジェンティルドンナ以外には負けないくらい強かったりで期待とか色々背負う立場だろうから、もっとわがままになっても良いっていうか。自分のための理由があれば、こう…なんかいい感じになるかもしれないじゃん!?」
言語化能力の敗北者じゃけぇ(やけくそ)
ほらヴィルシーナが見たことないポカーンとした表情になってるじゃん。あーもうめちゃくちゃだよ。
「ごめん、良いこと言おうと思ったけど上手く言えなかった……」
思わず項垂れる。なさけねぇよ、俺。
「ぷっ…ふふっ…な、なんですか、それ。ぐちゃぐちゃじゃないですか。ふふふっ…」
おかしそうに震える声。見上げるとまたもや見たことない表情で必死に笑いを堪えていた。
「ち、ちなみに自分のための理由ってどんなのがありますか?」
「えぇ、えっと、自分が勝つと信じて疑わない女王様から秋の大輪を取り上げた時の表情を見るため、とか?」
やっべ、まんま俺の趣味だ。
「それはあなたの趣味じゃないですか!ハハハッ!曇らせ?でしたっけ?本当好きなんですね!あーおっかしい」
ヴィルシーナにも言われてしまった。
羞恥心で心がぐにゃぐにゃするし、とても応援の言葉じゃないけど笑ってくれたなら今この場での多少の助けにはなれただろう!ヨシ!
「でもいいんですか?1番の推しはジェンティルドンナさんなんでしょう?」
返事なんて最初に聞いていただろうに少し期待するような様子でそう聞いてくる。
「そのジェンティルドンナの悔しがってるところも見てみたいからね。そして、ジェンティルドンナを下すのは「「
「その時が来たら、あなたの最推しは私になってるかもしれませんね。そうしたら1度に2つ、ジェンティルドンナさんから1番を奪えますね」
そう言って笑う彼女の後ろから車のヘッドライトが近づいてきた。後ろからの光で顔に影を作りながらにんまりと笑う彼女の表情はとても綺麗で、少しだけ、恐ろしかった。
その後、車が横についたと思ったら後部座席から2人のウマ娘、ヴィルシーナの妹たちが飛び出してきて彼女に抱きついていた。抱擁を受けて言葉を交わすヴィルシーナの表情は先ほどまでの雰囲気はなく年相応か少し大人びたメディア等で見るいつもの様子だった。
「ここで大丈夫です。わざわざアパートの前まで送ってもらってすみませんでした」
「いえいえ。こちらこそ、彼女の相談に乗っていただいたようで、ありがとうございました。良ければ次のレース、見に来てください」
「えぇ、是非に。それじゃおやすみなさい」
そう挨拶をして助手席から降りようとしたところをヴィルシーナに止められる。
「ねぇ、部屋はどこなの?せっかくだから教えて」
「ヴィル、それは…」
「は?なんで?」
「だってお礼送るのに必要じゃない。それに、わがままになっても良いんでしょう?」
「…104号室だけど…」
「そう。じゃあ秋華賞のチケット送るから必ず見にきてね。お望みの光景を見せてあげる」
思わずトレーナーさんの方を見る。お宅の娘さん、こんなこと言ってるけど大丈夫ですか?
「…明日、体調が大丈夫だったら、詳しいこと聞かせてもらうからね?」
「はい、もちろん。全て話しますよ。トレーナー」
「まったく…申し訳ありませんでした。引き留めた上に個人情報まで」
「この車内に限っては野朗の個人情報なんてミリも価値ないから大丈夫ですよ?答えたの俺ですし…それじゃあ、改めまして、今日はありがとうございました。また機会があれば」
「えぇ、こちらこそありがとうございました。お身体お気をつけて」
「今日は話せてよかったわ。またいつか、ジェンティルドンナ最推しのファンさん」
「機会があればね、ヴィルシーナさん。こっちも話せたの楽しかったよ」
そのまま降りて車を見送る。今日は、少し、少し疲れた。夕飯を食べる気にもなれず、シャワーを浴びたらそのまま寝た。翌日は当たり前のように寝坊したし、寝癖を治す時間もなくて学校に行ってめちゃくちゃバカにされた。
秋華賞、ジェンティルドンナ惜敗
三冠確実と思われていたジェンティルドンナを差し切ってヴィルシーナが見事に勝利を収めた。
最終直線、後方から飛ぶようにかけてきたジェンティルドンナが先頭を行くヴィルシーナを一瞬追い抜くも、そこからお互い差し返してのデッドヒートを繰り広げ、僅差でのヴィルシーナの勝利となった。
レース後、ジェンティルドンナが一瞬だけとても悔しそうな表情を見せ、それを見たヴィルシーナが高笑いするというこれまでの2人には珍しい光景も見られた。
「えぇ、えぇ、認めましょう。私はあの時、あの秋華賞でヴィルシーナさんに
とあるウマ娘の独白