ここは俺に任せて先に行けを繰り返し人々の脳を焼いた転生者の末路 作:葱ラーメン大盛A定食セット(旧竜騎兵)
「わ~凄い数の料理!
テーマパークにきたみたーい」
と、無邪気に喜んでみたのは良いけど、はてさてどうしたものかな。
周囲を見回してみると、私以上に等級が高い陰陽師たちが並んでいる。
私のようなバイトでは届かないような超一流の陰陽師たち、家伝の強力な【秘術】に確かな戦闘技能。壱級陰陽師の皆さん。
因みに私は弐級! 高校生のバイトにしては位は高かったりする。
「はぁ……山崎。
今は任務中だぞ、食い気出すのは仕事の後にしろ」
「は、了解であります!
文月隊長殿!」
「霊亀側も護衛は引き連れてるが、気を付けろよ。
妖獣を使ってのテロを起こすならば、彼らでは対処できん。
仙術という魔法のようなものを使っているが、
昔陰陽師が権力を握る理由になったやーつ。
霊力を持ってない人は妖獣をどうにかする事ができないどころか、下手したら目視する事もできないから、対処できる力を持ってる陰陽師が権力を握ったんだよね。
それに反発して朝廷に反旗を翻したのも遠い昔。
今では妖獣の出現報告も少なくなった。
狩りつくされたか、あるいは人が夜を恐れなくなったためなのかもしれない。
「つい半年前にも妖獣を使ってのテロがあったからな。
……お前もあの時みたいな無理はするなよ。
財閥のお嬢さんも泣いてたぞ、友達だろ? あの子」
「あはは、分かってますよ~。
文月隊長、私だって花も恥じらう女子高校生ですよ?
死ぬつもりはありませんって」
「はぁ……。
ならよろしい、警戒を続けろ」
「はっ」
びしっ、と敬礼して警戒姿勢。
因みに私も隊長も、国家公務員たる陰陽師たちは全員黒のスーツ姿だ。
陰陽師の正装も時代の変化に合わせて変わっていったんだな~という実感を覚える今日この頃。
昔は狩衣だったもんな~。
「や、恵理子さん」
「……えーと、霊亀の外交官の方がどのようなご用件でしょうか?」
「ふふ、そんな堅苦しい挨拶なんてする必要は無いだろう?」
姉上、官僚の人達がこっちを凄い顔で見てるんで自重してください。
現場の官僚からしたら、官僚機構のトップであり国家を統べる皇帝が外交官に扮してここにいるのは恐怖でしか無いだろうなぁ~。
「この任務が終わったら、私達に割り当てられたフロアに来てほしい。
君に個人的に挨拶したい人達がいるからさ」
「なんですか、特務の面々ですか、それとも銀鷹の官僚陣ですか?
それとも徐白砂将軍ですか?
……姉上、私が死んだあとの引継ぎについては二年分の指針をまとめた書類は用意していたでしょう?」
声を潜める。
下手したら地獄耳の文月隊長に聞こえる。
「四年だ。
愚弟。君という人間が抜けた穴を埋めるのは大変苦労したぞ。
四年かかって、何とか回せるようになった」
「すいません」
「後で君に色々と言いたい子たちが居るから、その子たちに顔を合わせるように。
いいかな?」
「はい」
離れていった姉上を横目に、私は自分の持ち場に戻る。
人は必ず死ぬんだからそれぐらいは乗り越えて欲しいんだけどねぇ、まぁ政務に穴を開けてしまったのは言い訳しようがない事実ではあるよね。
「はぁ~、気が重い。
ずーっとこのパーティー続いてくれないかな~」
「何アホな事抜かしてるんだ、恵理子」
文月隊長に後頭部を小突かれながら、あたりを見回す。
あそこにいるのは銀河連邦の副議長。
色々と黒い噂は聞くけど、政治家としてはそれなりに有能だったはずだ。
今彼が話してるのは、日本の防衛大臣かな。
この距離だと何を話してるのかは分からないけど、日本政府もやっぱり銀河連邦との交渉を重視するよなぁ~。
核融合炉を搭載した電気自動車でさえも過去の遺物なぐらいなテクノロジー国家だし、彼らから技術的な何かを手に入れようと交渉するのは当然か。
「おお……やっぱりレイは人気だな~」
あちらで記者たちに囲まれてるのはレイ。
と、そのお付きの宮廷魔術師の少年。
偉いぞ~、昔は気弱すぎて人と話すのが苦手だった彼が、記者たちに対して冷静に対処してる。
ちょーっとだけ昔冒険した仲間の成長に感動しそうになった。
レイの見た目は女の私から見ても可愛いしね~、それに異世界の英雄という事もあって注目度が凄い。
SNSでは彼女がタピオカジュースを飲んでる写真がアップロードされて鬼のようにバズったのはつい先日の話だ。
「まぁ私も可愛いけどね、どやどや~」
「はいはい、可愛い可愛い。
可愛いのは分かったから真面目に警備してろ」
で、霊亀には日本政府の外務次官がきてるね。
今話してる人が、実は霊亀の皇帝だってあの外務次官の人が知ったらビビるだろうなぁ~。
聞き耳を立ててみると、銀と交換で日本政府からまとまった量の種芋を輸入したい、って話してるね。
あー、姉上との計画は順調に進んではいるのか。
私が姉上を補佐してた頃は、色々な方法を使ってあの世界におけるジャガイモを手に入れたけど、品種改良前の味がアレなものだったしね。
それを部下を使ってちょっとずつ育てて品種改良やらを繰り返してはいたけど、日本から種芋を輸入できたらもっと改良が捗りそうだもんな~。
姉上が皇帝になったら、人が人を食べずに済む世界を作るって約束した事を思い出す。
……姉上は皇帝になったけど、政治家としての初心は忘れてないようでよかった。
そして、本当に無粋な連中がやってきたみたいだね。
「恵理子」
「私も前線に出た方が良いでしょうか?」
「いや、ここで待っててくれ。
そこまで強くはない妖獣の群れだ、我々だけで充分。
もし、万が一があったら転移の【秘術】で我々の事を退避させるように。
危なくなったらスマホに連絡を入れる」
「りょーかいですっ」
隊長たちが体に霊力を身にまとい、一言護衛対象に緊急事態であると伝えて去っていった。
これが普通のテロリストだったらさっさとお客さんを退避させるべきなんだろうけど、今回は妖獣を使ったテロだからそうもいかない。
表向きは妖獣が存在しないって事になってるんだし、その為の情報封鎖には政府も大金投じてるしね。
本当に危なくなったら隊長から連絡が来るはずだし、その時は火災発生というカバーシナリオで使節団と記者たちを退避させる予定だ。
事前の打ち合わせ通りだね。
「……恵理子さん。
まさかとは思うが、君も妖獣退治の為に前線に出てるという訳では無いよね?」
「えへへ」
「君を霊亀に連れ帰る理由が今また一つ増えたがどう思う?」
「勘弁してください」
「人の気持ちを考えずに無理ばかりするアホには少しお灸を据えてやる必要がありそうだね?
戻ったらどうなるのか覚悟しておくことだ」
「戻るの確定なんですか?」
「自分から戻るように仕向けてやるさ、ククク」
「こわ、何するのか分かんないのが怖い」
姉上は冗談めかして笑ってはいるがその目は一切笑ってない。
宦官を始末する時にしてた目と同じだ。怖すぎる。
が、ここで隊長から助け舟が出されるように連絡が入った。
「あ、失礼。
少し連絡が……」
メールの内容を確認する。
『陽動、本命、そちら、気を付けろ』
は?
その直後に爆発音が響き、ホテルの壁が吹き飛ばされて中へと誰かが突入して来る。
数は十人、いや、妖獣の気配も含めると敵性反応は五十以上か。
どこに隠れていた……?
咄嗟に姉上の手を引いて、こちらが前に出ようとすると姉上の顔色が一気に青ざめた。
「後ろに下がってください!」
「待て、待て!
またあの時みたいに無理をする気かい!?
今回は私も戦わせてくれ!」
「じゃあ、聞きますが、侵入者は何人に見えます?」
「……
「……まぁ、普通はそう見えますよね」
霊力が無い人間には、妖獣を視認することはできない。
姉上たちはこの会場に突入してきた侵入者の数は十人にしか見えないだろう。だが、実際の所は壱級妖獣が十体に、弐級妖獣が二十数体。
そして大駒なのだろう全長五メートルはありそうな鬼などの【怪】獣が数体。
陽動で注意を逸らして本命を叩きに来るという兵法の基本に従った行動だ。鮮やかな手並みに思わず拍手を送りたくなる。
これほどの反応を隠せるとなると、腕利きの結界技能の持ち主が居たのだろうか。
彼らの中心にいたボロボロの僧衣を身にまとった少女が握る扇子が横薙ぎに振るわれた。土煙がかき消されて、襲撃者たちの全容が露になる。
彼女には見覚えがある、というより私が育ての親みたいなものだった。
「皆さん、こんにちは!
楽しそうな事をしてるみたいですので、挨拶に参りました!
【利剣】の教主代理、蓮華と申します」
悪の陰陽師――解脱者と呼ばれる彼らの代表が、ふわり、と異世界からの外交使節団の前で柔和な笑みを浮かべた。
レイたち勇者一行や、霊亀の特務、あるいは銀河連邦からやってきた護衛達が得物を突きつける。
剣先、あるいは精霊使役の札を構え、この世界の銃火器とは比べ物にならないほどの殺傷力を持つブラスターを突きつけられても、彼女は表情一つ変えない。
「ああ、皆さん。
ご安心を、本日はあなた方を殺しに来た訳ではありませんので。
あ、でも、皆さんが私達の事を殺そうとするなら、話は別ですよ?
皆さんは見えますか?
こちら側の周囲に、沢山怪物がいるって事!」
無邪気に笑みを浮かべた少女が、横にいる九つの尻尾を持つ巨大な狐を撫でたかと思うと、その狐が爪を横薙ぎに思いっきり振るった。
咄嗟にその一撃を私と、私と共に護衛に残った先輩たちが霊札を投射し、防ごうとするが空中に作られた霊力の壁が叩き破られる。
そのままの勢いで壁に爪が突き立てられて、巨大な穴が穿たれた。
「見えないでしょう?
見える人も、この場にはいますけどね」
あ、蓮華と目と目が合った。
にこり、と笑みを浮かべる。
やっぱりこうしてみるとこいつも可愛いな~、昔と同じ笑顔だ。
まぁやってる事はテロリストそのもので可愛げは無いんだけどね。
私の正体も知らない、はず。
「さて、私がここに来た理由は一つです!
皆さん、興味深い事をしてますね?
なんでしたっけ、レイさんが来た王国では魔王を倒すために道を切り開いた英雄。
そして霊亀においては皇帝の右腕。
銀河連邦においては多くの人を救った救世主。
様々な面を持つこの人ですけど、全て同一人物である事は、皆さんご存じのはずですよね?」
会場がざわつく、特に日本政府からの来賓とマスメディア。
姉上が顔を顰めた、そして頭が痛そうに額を指で押さえる。
……あ、これ私の正体がバレるのも時間の問題じゃない?
「そして、彼は更にもう一度転生を行っています。
【利剣】の創設者にして、我々の本当の教主様です。
迫害を受け続けた我々にとって、彼の存在は正しく神に等しい。
戦う力もなく、搾取され続けるしかなかった我々を導き、そして【利剣】の礎を築いた。
この国の童話などで教えられているものは全て嘘っぱちでしかありません。
彼は残忍な反逆者ではなく、我々の救世主だった。
本来あるべき場所に戻るべきではありませんか?
もし、皆さんが彼の身柄を狙い続けるというのなら、ふふふ。
……その時は本気で殺しに行きますね?
今回は警告です」
姉上、そんなに睨まないでください……。
教える機会が無かっただけなんです……。
レイ……そんなに睨まなくてもよくない?
あとそれとそのハイライトが消えた目めっちゃ怖いんだけど。
マリーは呆れ顔だ、どんだけやらかしてるんだと言いたげ。
私がこの組織を作った当初はもっとまともだったんだけどね!
「それでは、警告も終わりましたので。
ふふふ、異世界から遠路はるばるお越しくださった、外交使節団の皆さん。
【彼】は、我々のものですので、どうかお帰りください」
……よしっ!
この場で蓮華が私の事を拉致しようと思えば簡単だったはず、それをしないという事は私の正体には気が付いてない。
……そう信じたい、何考えてるのか怖いな~。
あ、でも。
「それでは、私たちはこれにて」
去ろうとする彼女に、声を張り上げる。
「その法衣、ぶかぶかだし似合ってないよ!
もっとお洒落したら?」
ピクリ、と木っ端陰陽師でしかない私の言葉に、彼女の眉が動いた。
「――これは、教主様のお召し物ですので。
今は私が代理として着けているのです。
教主様が帰還したら、勿論お返ししますよ」
お、わざわざ私の質問に答えてくれた。
「それでは、今度こそ失礼します」
侵入者たちはそのまま妖獣達の背に乗り、あるいは口の中へと入って去っていった。
「恵理子!
俺達はあいつらを追う!
お前はここで待機!」
「先輩たちもお気を付けて!」
「ここまでコケにされたんだ!
せめて一発入れてやらないと気が済まねぇ!」
勇んで先輩たちは追いかけてるけど、うーん、蓮華の事だしなぁ。
恐らく、彼らの追跡は徒労に終わるだろうね。
流石は私の可愛い娘~、とやってる事がテロじゃなかったら褒めてやりたいところだ。
「愚弟」
「はい、姉上」
「流石は我が片腕と褒めたい気持ちとクソボケがっー!
とぶん殴りたい気持ちがある。
これが心が二つある~という状況なんだろうね」
「ふふっ」
「何笑ってるんだい?」
「ごめんなさい」
姉上に手を掴まれて、騒然となった会場からロビーへと連れ出された。
「君、これはかなりマズイ事になったぞ、説明するまでもないと思うが」
「件の転生者を押さえるための各国の争いが加速する。
交渉カードとして押さえるために。
実際役立つでしょうね、銀河連邦でさえも国家の英雄という扱いなのだから戦力をある程度割く可能性もある」
「随分と他人事じゃないか。
君の正体も近いうちにバレるぞ。
マリーの顔も割れてるし、君の周囲にずーっと居たしな」
「クククク……」
「なにわろとんねん」
「姉上もネットに染まっぐぇぇぇぇぇぇぇっ。
ほっぺ引っ張らないでくださいっ、いったーいっ」
「ともかく!
一刻の猶予もない。
君は霊亀に来るべきだと思うが、見解を聞かせてくれ」
「うーん……!
それはちょっと、かなぁ。
だってほら、私も陰陽師としての責任感があるというか~……。
死人が元の世界に戻るべきではないっていうか」
「チッ」
「今舌打ちした!?」
はぁー、とこれ見よがしに溜息を吐いた後に、じろり、と私の顔を睨んでくる。
てへぺろ。
今度は鼻を摘ままれた。痛い。
「まぁいい。
……それなら、これから起こるであろう事に対策するために、今集まってる使節団の面々と交渉するべきかな」
「というと?」
「お前の護衛」
え、私護衛が必要な立場の人間になったの?
というか護衛が居たら私の日常生活はどうなるの?
「……それだけではなく、彼女達の言い分も一応、皇帝として聞いておかないといけないからね」
「あ、もしかしてこれから三者面談でも始まるの?」
「四者面談だ、君も入れて」
なんだろうお腹が凄く痛くなってきたなぁ~。
帰って良い? あ、ダメか~。
帰って良いかな? って聞こうとしたら姉上が凄い目でこっちを睨んできたし。
「楽しみにしておくことだ、今回は荒れるぞ。
君の意見も述べるように」
「意見だなんてそんなぁ~。
私、平穏な日常を過ごせたらそれでいいんですけど」
こいつ自分の価値を本当に分かってないのかと言いたげな信じられないものを見るような目で見られた。
私は普通の女子高校生。
……でありたかったんだけどね!
「教主様」
「代理です。……何か意見を言いたそうにしてますね?
恵比寿」
追手を妖獣を殿として使い、陰陽師たちの足止めをすることによって逃げ切る事に成功した代表に恐る恐るといった様子で彼は声をかけた。
彼の名は恵比寿。【利剣】の幹部の一人だ。
「教主代理。
1つ確認したい事があります。
今回の襲撃、私はまだ納得していません。
意味がないからです。
既に我々は教主様の正体を掴んでいますよね?」
その言葉に、ふむ、と彼女が顎に指を当てて声を漏らした。
ふわり、と夜の闇を思わせる黒髪が揺れ動く。
「ええ、それは勿論」
「ならば直接、彼……いえ、今は彼女ですね。
身柄を押さえればいいのでは?」
その言葉に、くすくす、と面白そうに教主代理は笑みを浮かべた。
「分かってませんねぇ、恵比寿」
「はい?」
「彼女の価値を、ですよ」
真意が測りかねた様子で、恵比寿は首を傾げる。
もっと端的に言えば何言ってんだこいつと思った。
「彼女は、我々の教主様でもあるんです。
そして、彼女の身柄を求めて世界中が狙い始める。
ある者は外交カードとして、またある者は自分の国の英雄として。
箔が付くでしょう?
彼女、という我々の神に」
今度こそ恵比寿は困惑した。
確かに恵比寿も小さい頃から、教主の偉大さを説かれてきたし、信仰対象ではある。
だが、彼はそこまで信心深い方ではないのだ。
どちらかというと、教主代理個人に忠誠を誓っている。
「それに、輝いて欲しいじゃあないですか。
私の一番の宝物に。
ああ、こんなにも素晴らしい人なんだって。
世界中が求める程の宝なんだって。
その上で、です。
我々の邪魔者を全て叩き潰します。
彼女はそれを望まないでしょう、だとしても全員殺します」
今度こそ、恵比寿は本気で教主代理が発狂したのだと思った。
だが彼女は至って正気であることを物語るように、いつもの声色で話を続ける。
あるいは、元から彼女は狂っていたのかもしれない。
「全世界に、そして異世界にあの人の素晴らしさを知らしめた後で。
あの人の心をへし折るために、異世界で大切にしていた人達を全て殺害して!
そして私達が手中に収める!」
「どうしてそこまでする必要があるんですか?
組織としてのメリットを一番に考える貴女らしくないのでは?」
「組織としてのメリットはありますよ。
組織の強さを示威し、今回の襲撃で日本政府の面子は潰せましたから。
今後、日本政府は異世界の各政府に対しての交渉がしづらくなるでしょう、襲撃者を無傷で逃すことになったんですからね。
我々を迫害した朝廷……いえ、今は日本政府ですか。
我々の教主が悪の陰陽師という偽の歴史を伝え続けて我々を殺そうと躍起になっていた連中には思い知らせねばなりませんから。
今回の襲撃を成功させたことで、組織の結束の強まるでしょう
――安心してください、我々の神が最優先ですが、組織の事も考えてますよ」
見えないものが見えるせいで迫害を受けていた自分を受け入れてくれた教主代理への忠誠は揺るがないが、この日以来彼女への見方が変わった恵比寿だった。