隣の苦労人JKと電柱から生まれた赤ん坊を育てることになりました 作:みたらし団子!!
んで、話は変わるんですが、第一話の冒頭をちょっくらいじりました、
絶対これが原因だなとわかるくらいの描写を入れました。
私の考えているものが皆さんの優秀な頭脳で理解できるかはわかりませんが、理解してください。ここでは私がルールです
ヤチヨとお別れし目を開け、旭の姿を探そうとして、ふと思い出した。そうだあいつは部屋に戻ったんだった。...寂しいと思ったのはここだけの話だ
私がふうっとため息をついていると、隣から「カタカタ」と音が聞こえ
た。
「ライバー……なり方……っと」
見れば、すでに現実世界に帰還していたかぐやが、私のノートパソコンをカタカタと器用に叩いて検索している。犬DOGEも使ってたしいつの間にタイピングまで覚えたんだ。恐るべし
だが、私の視線はパソコンの画面ではなく、かぐやの『頭』に釘付けになっていた。
「……ちょっと待って。なんであんた、金髪になってんの?」
思わず引きつった声でツッコミを入れる。ツクヨミに行くまで茶色だったはずの髪が、ツクヨミで作ったアバターと同じ見事なブロンドのギャル仕様に変化していたのだ。
「うぇっ? ダメだった〜? じゃあ〜」
かぐやが首を傾げた、次の瞬間。
ピンク、緑、青——かぐやの髪色が次々と変化していった
「!?!? !?」
ありえない現状を目の当たりにし、私の顔から滝のような汗が流れ落ち
る。
だが、当の本人は至ってケロリとしたもので。
「へっ! でもやっぱこれっしょ!」
全く気にしていない様子でニシシと笑うと、髪色は再び金髪へと戻った。
「えぇ……? 全く理解できないんですけど……」
「……まぁ、もうなんでも良いか……」
ヤチヨのライブで限界まで感情を揺さぶられ、さらに目の前で繰り広げられた宇宙人のトンデモ生態。私の脳みそはショート寸前だった。
そんな私の疲労など露知らず、かぐやは目をキラキラさせてパソコンの画面から振り返った。
「ねえねえ! ライバーって何すれば良いのかなぁ〜?」
「やっぱ、ヤチヨみたいに歌うのかなぁ〜?」
「ねぇ〜! 彩葉教えてよ〜!」
バンバンと床を叩きながら私に詰め寄るかぐや
「……無理。今日はもう無理。ヤチヨの余韻とあんたの異常性で、私の容量はいっぱいいっぱいです……」
「えーっ!? なんでー!」
私はかぐやに顔を見られないように反対側を向く
ヤチヨのことを思い出すだけでニヤけてくる
こんな顔絶対見せらんない...ヘヘヘ
あんな近くで...ヘヘヘ手ェ繋いじゃった...ヘヘヘ
「ねぇ〜!!彩葉〜!!」
——そして、翌朝。
酒寄は壁に大きな用紙を貼り付けていた。
「よしっ」
満足げに頷く酒寄の目の前にあるのは、『夏期休暇学習計画表』。
しかし、その中身は常軌を逸していた。
朝の8時から夜の22時近くまで、「バイト」の文字がびっしりと書かれており、他の日には「英語」「日本史」「古典」「数II」「数B」「化基」「物基」といった学習予定が、テトリスのブロックのように隙間なく詰め込まれている。
たまにある「休日」ですら模試やその対策に当てられており、文字通り息をつく暇もないスケジュールだ。
「なぁにぃこれぇ……」
予定表を見たかぐやが、絶望のあまり戦慄する。
「夏休みの予定表だけど?」
「やだぁ……かぐやと遊んでぇ……?」
「1日だって無駄にできないから。私の邪魔は禁止で。それに旭だって夏休みはバイトの稼ぎ時で忙しいんだから、あんたは一人でお留守番よ」
「ヤダヤダヤダヤダ!!」
かぐやは床をゴロゴロと転げ回り、駄々をこね始めた。その勢い余って、ゴッ!と机の角に頭をぶつける。
さらにその振動で、机の上から分厚い教科書がバサァッ!と頭に落ちてきた。見事な自爆である。
その直後だった。コンコン。
「はーい……ガチャ。あっ、旭」
「かぐやの駄々こねる声とすげぇ音したけど……なにしてんの?」
ドアを開けると、そこには心底呆れたような顔をした旭が立っていた。わざわざ隣から様子を見に来たらしい。
「何してんのって、こっちが聞きたいわよ。それで、あれらは何?」
酒寄が額を押さえながら、部屋の隅へと視線を向けた。俺も釣られてそちらを見る。
部屋の隅には、画用紙、ペン、謎のピコピコハンマー、手鏡など、かぐやが買ってきたらしい小道具が大量に積み上げられていた。
「んふふ〜! 配信用! 全部100均で買ってきたから大丈夫!」
痛む頭をさすりながらも、かぐやはノートパソコンの画面を誇らしげに見せてくる。
「ねぇ見て見て!! ライバー始めたんだ〜!」
そこに映し出されていたのは、保育園児がクレヨンで殴り書きしたような謎のイラストがあり、背景にはBGMとして不協和音が流れている。
『がくやっほー! 月からやって来たかぐやだよ〜!』
画面の中から、録画されたかぐやの元気な声が響く。
『今日はやること思いつかないから、これで終わり!』
「……短っ」
酒寄が呆気にとられる。
「ってか、なんだこの不安になるような音は……」
俺がツッコミを入れた直後。終わったはずの配信画面の中で、問題児がやらかした。
『ん? これ切れてるの?』
画面の中のかぐやがカメラを弄る素振りを見せたかと思うと、なんと画面が切り替わり、見事にリアルの姿がドアップで映し出されてしまっていたのだ。
「ちょっと!? あんた顔出ちゃってるじゃない!!」
「おいおいおい……」
「あんた余計に外出られなくなったわよ」
「え~!!なんでぇ~!!」
「顔が出てるからだな」
かぐやが驚いた顔をする。
「顔が出ただけで外に出歩けないの~!?」
「当たり前だ、俺の顔もバレちゃうかもだし、酒寄だってそうだろ」
(家だってバレたら本当に面倒だしな……)
「ってかあんた、どうやってあの音楽を……」
「あっ!私のキーボード!!勝手に出さないでよ!!」
「お? 酒寄、もしかして弾けるのか?」
俺は原作知識で知っているが、知らないふりを決め込んで聞いた。
「全然うまくいかなくてさぁ~! 彩葉先生、教えて! おねが〜い?」
怒られていることなどどこ吹く風で、かぐやはキーボードを指差しながら酒寄に泣きついた。
「はぁ……。弾けるって言っても、ちょっとだけよ。そもそもこれにはコードってのがあってね……」
文句を言いながらも、酒寄はキーボードの前に座り、鍵盤の上にそっと指を置いた。
――しかし、鍵盤を押し込もうとした酒寄の手が、一瞬だけピタリと止まる。
『どうせ目指すなら、一番やないとあかん。』
脳裏をよぎったのは、母の冷たくて重い言葉。
かつて自分を縛りつけ、音楽から遠ざけた呪いのような記憶が、指先をわずかに強張らせた。
だが、それは本当に一瞬の出来事だった。
深呼吸をし、鍵盤を押し込んだ。
ポロロン、~♪
流れ出したのは、先ほどの不協和音とは打って変わった、優しくて綺麗なメロディだった。
「おぉ〜! すごい彩葉!!」
「いろいろ、中途半端には出来るんだけどね」
すると、かぐやは思いついたように立ち上がった。
「あっ、そうだ! 彩葉の曲を私が歌えば、大バズ確定じゃん!」
「彩葉、旭! プロデューサーになって! 一緒にヤチヨカップ優勝しよう!」
「は!? 無理無理!! そんなことしてる余裕なんてないわよ!」
「まぁ俺もそうだな、バイトしなきゃだし」
(てか俺、酒寄みたいに特技があるわけじゃないし要らないでしょ)
「このボロアパートから伝説が始まる!」
こいつ話聞いてないな。
まぁ、ここいらで俺は少しずつ距離を取ろうかな。忙しいと何かと理由をつければいいだろう。配信のこと聞かれたら芦花と真実に聞けと言えば、芦花と酒寄の二人の絡みも増えるしな、ヒヒヒ。まさに完璧な計画だ……! あぁ、俺は自分の頭の良さに恐怖を抱くぜ。
「ちょっと話を聞きなさい。てかボロアパート言うな」
「これを見たらわかる通り、私はかぐやの手伝いなんてできないからね!」
「ねぇ彩葉ぁ……このまま終わりたくない。ハッピーエンドにしたいなあ……?」
かぐやが目をウルウルさせながら、上目遣いで縋るように話す。
「うぐぐ……はぁ、それズルくない……?」
「……わかったわよ! 協力すればいいんでしょ、協力すれば!」
かぐやのウルウルとした上目遣いと「ハッピーエンドにしたい」というおねだりに、酒寄の防壁は一瞬で崩壊した。
頭を抱え、深々とため息をつく酒寄。勝者となったかぐやは「やったー!!」と両手を挙げて部屋の中を飛び跳ねている。
「よし、じゃあ俺は邪魔にならないようにバイト行ってくるわ」
俺がそそくさと退散しようとすると、かぐやが「待って待って!」と裾を引っ張ってきた。
「旭も一緒に配信出ようよ~! 一人より三人の方が絶対楽しいってば~!」
「えっ、俺は出ないですけど……」
「そうよ旭。あんただけ無傷で逃げられると思わないでね?」
酒寄までジト目でこちらを睨んでくる。だが、ここだけは絶対に譲れない一線だった。俺は両手でバツを作って断固拒否する。
「ダメダメ、絶対ダメ! ネットのユニコーンを舐めるなよ! 美少女達の配信に謎の男が一人でも映り込んでみろ、それだけでコメント欄が炎上して大炎上祭り確定なんだからな」
「ゆにこーん……?」
「要するに、男がいるとファンが減るってことよ。……って、今あんた美少女って言った?」
「はい、言いました」
「!?そ、そう……でもあんた、断るにしても随分熱弁するじゃない」
酒寄の鋭い視線が刺さる。うっ、流石は察しが良い苦労人女子高生、鋭すぎる。
俺は心の中で冷や汗をかきつつ、精一杯の営業スマイルを張り付けた。
「ソンナコトナイヨ! てか配信のノウハウなら芦花とか真実がいるじゃん? 配信のことならその二人に聞けばいいっしょ? な? それじゃ!!」
「あー! 逃げた!!」
かぐやのブーブーというブーイングを背に受けながら、俺はバイト先へと向かった。
距離を置く。それが推したちの未来のためであり、俺というイレギュラーが物語を壊さないための最適解なのだ……と、自分に言い聞かせながら。
それから数週間にわたり、かぐやのライバー生活は怒涛のカオスを巻き起こしながら加速していった。
今回は4000文字と短めです
次はかぐやの配信の様子を投稿しようと思います
てかやっと芦花出せますヘヘヘ
かぐやの配信活動が始まったら絶対出そうと思ってたのでようやくです。