時間というものは不思議なもので忙しい時には短く感じ暇な時には長く感じるものである。
そして人は何かを行っているときにやりがいを感じ、逆になにもせずにぼーっとしていることをもったいないと感じるのだ。
しかし、なにもせずにぼーっとしていることは悪いことなのであろうか。
何もしない、ということが存在するからこそ何かをしている時の充実感を得ることができるのであり、何かをする、しない、の境界を引くことができるのではないだろうか。
逆説的に何もしていないということはこれから何かをすることができるということであるのだ。
結論 休みがほしいです。
プロデューサーという仕事をほとんど休みなく続け、気がつくと夏休みが半分過ぎようとしている。
うわ、私の休みすくなすぎ!?
これはもう夏休みって名前から夏仕事に変えた方がいいんじゃないかってレベル。
そして追い討ちをかけるがごとく事務所のクーラーが故障。
今事務所は地獄のようになっている。この状況が辛いのは俺だけではないらしく音無さんや秋月さんもまいっているのか最近元気がないような気もする。
亜美「りっちゃーん、あついよぉ。」
真美「溶けてアイスになっちゃうよぉー。」
律子「二人とも我慢しなさい。事務所のクーラー壊れちゃってるんだから。」
伊織「そうは言っても、これは暑すぎるわよ…。」
あずさ「それじゃあ、アイスでも買ってきましょうか。」
亜美「わーい、亜美もいくー。」
真美「真美もー。」
あずさ「では、少し行ってきますね。」ガチャ
小鳥「はい、いってらっしゃい。」
伊織「ねぇ、あんたプロデューサーでしょ?クーラーなんとかしなさいよ!」
八幡「いや、無茶言うなよ…。無理に決まってんだろ。」
伊織「はぁ、どうせ暑いんだったら海にでも行って暑さを感じたいわ…。」
律子「それができるならいいんだけれどね…。」ハァ
社長「やあやあ、君たち。だいぶ暑さでまいってるようだね。」
律子「そうなんですよ、社長。」
社長「そんな君たちにいいお知らせがあるよ。」
伊織「いい知らせ?」
社長「あぁ、明日アイドル全員で海に行ってもらおう。」
律子「海に行ってきていいんですか?」
社長「ん?あぁ、そうだよ。」
伊織「やったぁ!」
あずさ「ただいまー」ガチャ
伊織「あずさ!明日みんなで海に行くのよ!」
あずさ「あら、まぁ。」
亜美「え!ほんと!?」
真美「わーい!いっぱい遊ぼー!」
伊織「明日が楽しみねっ。」
ワイワイ ワチャワチャ
社長「それで比企谷くん。ちょっとこっちに来てくれたまえ。」ガチャ
八幡「はい、なんですか?」
伊織「それで?言い訳くらい聞いてあげるけど?」
社長の言う通り765プロのメンバー全員で海へとやって来た。
海に着くまでは全員わちゃわちゃして楽しそうにしていたのだが、着いた後俺が一言言ったらこの状況だ。
中学のときからだが俺が話した瞬間教室がしんとなるんだよな。
俺の一言の威力すてき!委員長のちょっとそこ静かにして!より全然威力が高いぜ。主に俺の精神へだが。
八幡「いや、俺は何も悪くないし嘘も言っていない。俺は明日は全員で海にいくから用意をしてくれ、としかいってないだろ?」
伊織「言い残す言葉はそれだけかしら?」
八幡「ま、まて伊織、話せばわかる。あんなに全員がはしゃいでる状態で海に行くのは仕事でーす。とか言えるかよ。コミュ障なめるな。」
伊織「全く、期待して損しt…」
真「え?今さりげなくプロデューサー伊織のこと下の名前で呼ばなかった!?」
真美「もしかして、二人ってそういう関係なのかなー?」
春香「えー、全然気がつかなかったよー。」
伊織「ば、ばか違うわよ。これは全然そういうのじゃなく…」
響「自分も下の名前でよんでもらってるぞー?」
亜美「これは兄ちゃんの二股疑惑!!」
あずさ「あらあら。」
律子「プロデューサー?すこーしお話しがあるんですけど?」
八幡(あかん)
伊織「だから、全然違うわよ!こんなのと恋人なんかになるわけないでしょ!!」
響「自分たちが下の名前でよんでほしいって言っただけだよ。」
春香「なんだぁ。」
律子「そうならそうと早く言ってください。プロデューサー。」
八幡「す、すいません。」
律子「まぁ、いいです。それじゃあプロデューサー改めて仕事の説明を。」
八幡「あー、さっきも言ったが今日は海に遊びにきたわけじゃなく、真夏のビーチライブの仕事だ。衣装は持ってきてるからそれに着替えてくれ。スケジュールは着替えてから説明する。」
貴音「ぷろでゅーさーが朝積んでいたのはばーべきゅーせっとではなく衣装だったのですね…。」
八幡「期待させてすまん。」
やよい「ちょっと残念ですぅ。」
律子「ほーら、いつまでも悄気てないでライブの準備するわよー。」
ハーイ。
八幡「皆揃ったか?」
春香「はい!大丈夫ですよ!」
八幡「それじゃあライブのスケジュールを伝えるぞ…」
…コレコレデツギハコレダ
ソノツギハダレデスカ
ツギハホシイノコレダナ…
八幡「…という流れでよろしく頼む。それじゃあ各自準備をしておいてくれ。」
「「「はーい。」」」
八幡「如月、どうかしたのか?」
千早「いえ、別に…。」
八幡「その…悪かったな、遊べると思わせてしまって。」
千早「いえ、それは別に。水着だとより…」ボソボソ
八幡「?悪い、聞こえなかった。」
千早「…私は歌が歌えるので嬉しいです。プロデューサー、気にしないでください。」
八幡「そうか。」
律子「プロデューサー、こっち来てもらえますか?」
八幡「あ、はい。今いきます。それじゃあ如月、がんばれよ。」
千早「はい。」
真「それにしても今日ライブだなんてびっくりだよね。」
雪歩「そうだねー。」
春香「でも、ライブ楽しみだよね!」
真「うん、頑張ろう!」
オッチャン「あのー、このスピーカー何処にもっていけばいいですか?」
雪歩「ひっ」
オッチャン「?」
春香「あ、そのスピーカーはそこのライトの隣で~~」
オッチャン「了解でーす。」
真「雪歩、大丈夫?」
雪歩「う、うん。ごめんね。急にだったからちょっとびっくりしただけ。」
真「そっか。それじゃ、僕たちも準備始めようか。」
春香「そうだね。」
雪歩「うん。」
海特有の潮のにおいをのせた海風が夏の陽射しで熱くなった身体にふきつく。
ステージの準備は既に終わり、段々と観覧席へ見物客が増えてきているのをステージ裏から確認すると裏にある控え室へと足をはこんだ。
八幡「もう幾らかお客が集まってる来てるぞ。
準備は大丈夫か?」
美希「大丈夫なのー。」
響「こっちも大丈夫だぞ。」
八幡「そうか。それじゃあそろそろステージ裏に頼む。」
「「「はーい。」」」
律子「さっきはびっくりしましたけど、大丈夫そうですね。」
八幡「何もないといいんですけどね。」
ソロソロカイエンシマース
小鳥「舞子海水浴場にご来場の皆さん!これから765プロ、真夏のビーチライブを開催します!どうぞ最後までお楽しみ下さい。進行は音無小鳥が担当します。それでは、最初はサニー!」
~~夏が来るよ 夏が来るよ
今年も始まるよ
夏が来るよ 夏が来るよ
いっせーのいってみましょ Hi~~♪
オニイサン「かわいー!」
雪歩「はうっ」ビクッ
真(雪歩…!)
伊織(何やってんのよ!?)
雪歩(きょ、曲だけに集中して…)~♪
八幡「…。」
~~~~~~~
小鳥「本日は765プロ真夏のビーチライブをご覧いただきありがとうございました。これからも765プロ一同がんばっていきますので、応援よろしくお願いします!」
春香「おつかれー。」
貴音「お疲れ様です。」
美希「ライブ楽しかったのー。」
あずさ「皆盛り上がってたわねー。」
伊織「この伊織ちゃんがいたら盛り上がらないわけがないでしょ。」
ワチャワチャワチャワチャ
雪歩「…」
真「どうしたの雪歩?」
雪歩「途中、男の人にびっくりしちゃって…」
真「あ、あれか…。別に大丈夫だったよ、あの後は普通に続けられたと思うし。」
雪歩「…うん。」
律子「暗くなってきたしそろそろ帰りますか。」
八幡「あ、あの実はですね。社長が皆でゆっくりしてこい、って旅館を押さえてくれてて…」
小鳥「と、言うことは…」
美希「お泊まりなの~!」
春香「あ、だから着替えだったんですね。」
八幡「ああ。一応社長がサプライズにしてくれって昨日頼まれてな。」
小鳥「最近忙しかったからありがたいですね。」
律子「今日は社長に甘えてゆっくり休ませてもらいましょう。」
ワーイ
オトマリダー
雪歩「…」
春香「ほら行こう、雪歩!」
雪歩「…うん。」
八幡「…」
意見、感想よろしくお願いします。