八幡「765プロ?」   作:N@NO

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それでも彼は歩き続ける。

 

 

憂鬱だ。

 

どんなに憂鬱で仕事にいきたくなくても行かなくてはいけないのが世間の常識であり、サボるようならクビになってしまうのがおちだ。

 

自分に厳しく、苦しいのは自分だけじゃない、周りだって辛いんだ。そう言い聞かせ働いている人も多いのだろう。

 

しかし、他の人たちが辛いからってどうして自分まで辛い思いをしないといけないのだろうか。

うちはうち。よそはよそ。かあちゃんに言われなかったのかよ、社会人。

 

そんな下らないことを考えているのに気づいたらスーツを着て出発する準備ができてしまっているあたりに自分が社畜への道を進んでいることに若干、というかかなり嫌になりながらも俺は事務所へと足をはこんだ。

 

 

 

 

八幡「…おはようございます。」

 

千早「ぷ、プロデューサー。…おはようございます。」

 

小鳥「おはようございます!」

 

昨日まで俺が一番だったはずなのに、なんで今日に限って先に如月がいるんだよ…。

 

今度運命の神様にあったら絶対ぶん殴る。

 

大体こんな選択じゃエンディングは見えないし、なんなら神のみじゃなく誰もが知るような展開になる。バッドエンドが見えたぞっ。

 

八幡「…。」

 

千早「…。」

 

八幡「…。」

 

千早「…あのプロデューサー。」

 

八幡「な、なんだ?如月。」

 

千早「昨日はすみませんでしたっ。」バッ

 

八幡「いや、昨日のは俺も考えが甘かったのかm…」

 

千早「いえ、私が感情的になりすぎてしまっただけです。プロデューサーのしたことは良いことではないですが私たちができなかった雪歩の苦手の克服のきっかけをつくることはできてると思います。」

 

八幡「誰にも相談しないでやった俺も悪い。すまなかった。」

 

小鳥「お互いきちんと思いを伝えることが出来ましたねー。千早ちゃんなんて朝早く来て私と謝る練s…」

 

千早「ちょ、ちょっと小鳥さん!!なにいってるんですか!」

 

小鳥「あら、ごめんなさいね。」

 

八幡「…。」

 

千早「…ち、ちがいますからね。小鳥さんがいったことはなんでもないですから。それよりプロデューサー、早く仕事に行きましょう。遅れてしまいますよ。」タッタッタッ

 

八幡「お、おう。」

 

小鳥「うふふ、いってらっしゃい。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

八幡「お疲れさん。」

 

千早「お疲れ様です。」

 

八幡「如月は歌が好きなんだっけか?」

 

千早「はい。」

 

八幡「その、悪いな。まだちゃんとした歌の仕事を持ってこれなくて。」

 

千早「…。」

 

八幡「な、なんだよ。」

 

千早「プロデューサーって意外と考えてるんだなと驚いたんですよ。」

 

八幡「失礼な。俺は凄く他人のこと考えてるぞ。俺が話しかけると迷惑になるだろうから教室では一人静かにしてるからな。」

 

千早「それはプロデューサーが友達がいないからじゃないんですか…?」

 

八幡「…そうとも考えられるかもな。」

 

千早「プロデューサーこのあとも仕事入ってましたよね、私はここで大丈夫ですから。」

 

八幡「そうか、悪いな。気をつけて帰れよ。」

 

千早「はい。お疲れ様でした。」

 

 

 

 

八幡「戻りました。」ガチャ

 

小鳥「あ、お疲れさまです。プロデューサーさん。」

 

八幡「お疲れさまです、音無さん。」

 

小鳥「今日はどうでしたか?」

 

八幡「まぁ…。」

 

小鳥「ふふっ。…あ、そうでした!このあと貴音さんの付き添いですよね?」

 

八幡「はい。」

 

小鳥「でしたら、帰りに事務所までよってください。貴音さんに渡したい物があるんです。」

 

八幡「はぁ、分かりました。では、そろそろなので。」

 

小鳥「はい。いってらっしゃい。」

 

 

 

 

八幡「四条、悪い待たせたか?」

 

貴音「いえ、私も先程来たところでした。」

 

八幡「そうか。ほれ、切符だ。」

 

貴音「それでは参りましょうか。」

 

 

 

 

八幡「なぁ、四条。萩原のことなんだが。」

 

貴音「プロデューサー殿がしたことは間違っても正しくもないと私は思います。」

 

八幡「間違っても正しくもないのか?」

 

貴音「はい。」

 

八幡「どういうことだ?」

 

貴音「それは私の口からは言えません。プロデューサー殿自身が見つけなくてはなりません。」

 

八幡「なぁ、四条…。お前本当に俺と同い年なのか?」

 

貴音「それは秘密です。ふふっ。」

 

四条はそう言うとこの続きはもう言わない、というかのように俺の前を歩き始める。

 

何故彼女が俺に解を教えないのかは今の俺に理解することはできない。

 

俺の前を歩いている彼女が遠くへ行ってしまわないよう少し歩調を早め彼女を追いていかれないよう付いていくのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

八幡「おつかれさん。」

 

貴音「はい、お疲れ様です。」

 

八幡「予定より大分早く終わったな。」

 

貴音「そうですね。これも日頃の練習の成果でしょう。」

 

八幡「そうかもな。レッスンも最近きつくなってきているみたいだしな。」

 

貴音「まこと、竜宮小町に追い付けるよう皆も全力でがんばっているのです。」

 

八幡「そうか。」

 

グゥーー

 

八幡「…。」

 

貴音「…。」

 

八幡「なぁ、四条。撮影が予定より早く終わって音無さんとの待ち合わせにまだ時間があるからラーメンでも食いにいくか?」

 

貴音「らぁめん。是非とも行きましょう。」

 

八幡「千葉駅も近いことだし、俺のおすすめの店つれてってやるよ。」

 

貴音「それは楽しみですね。」

 

千葉駅を目指し二駅電車に揺られること10分。

やってきました我らの千葉駅。

 

改札を抜け千葉の中心部へと足を運ぶ。

大通りを左に曲がり道なりで進むこと3分。目指す店のオレンジ色の看板が見えてくる。

俺と四条はその看板の下、地下へと階段を下りていく。

 

貴音「ここは。」

 

八幡「ここは千葉の代表的なラーメン屋だな。背油がすごいこってりラーメンだ。」

 

ラッセー

 

券売機へといき俺は迷わず醤油ラーメンを押す。

 

八幡「四条はどうする?」

 

貴音「私も醤油らぁめんでおねがいします。」

 

八幡「あいよ。」

 

四条の分の食券も買い丁度あいたカウンターに座る。

 

八幡「ギタギタで。」

 

貴音「私もギタギタで、あと麺は固めでお願いします。」

 

八幡「…。」

 

貴音「どうかなさりましたか?」

 

八幡「いや、四条もラーメン屋とか行くんだなぁって。」

 

貴音「私はらぁめんは大好物ですよ。よく一人で行きます。」

 

八幡「そうなのか、珍しいな。」

 

ショウユノギタギタノオキャクサマー、ショウユノメンカタギタギタノオキャクサマー。

 

八幡 貴音「「いただきます。」」

 

 

 

 

貴音「まこと、美味しいらぁめんを教えていただきありがとうございました。」

 

八幡「おう。そういえば何で四条は音無さんに呼ばれてるんだ?何か渡すものがあるとか言ってたけれど。」

 

貴音「秘密です。」

 

八幡「…さいですか。」

 

貴音「はい。」

 

八幡「まぁ、いいや。そんじゃ、事務所に帰るか。」

 

 

 

八幡「お疲れ様です。」ガチャ

 

小鳥「お疲れ様ですプロデューサーさん。」

 

貴音「お疲れ様です。」

 

小鳥「あ、貴音さん。例のあれ届きましたよー。」

 

貴音「ありがとうございます。」

 

八幡「??」

 

小鳥「それからプロデューサーさん、社長が明日朝いつもよりはやくくるようにって。何か話したいことがあるみたいで。」

 

八幡「まじですか。これが俗に言う呼び出しとか言うやつなのか…。なにかやらかしたっけなボソッ」

 

小鳥「ふふ、そういうのじゃないと思いますよ。プロデューサーさんは頑張っていますし。何か新しい企画でも持ってきたんじゃないですかね?」

 

八幡「だと良いですけどね。」

 

小鳥「そういえば千早ちゃんとは大丈夫そうですか?」

 

八幡「まぁ、なんとか。」

 

小鳥「それはよかったです。これからも皆と仲良くお願いしますね。」

 

 

 

皆と仲良く…か。

 

 

 

八幡「…うす。」

 




更新おそくなってすみませんー 

意見、感想よろしくお願いします。


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