八幡「765プロ?」   作:N@NO

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部員とアイドル。

 

 

結衣「うわー、東京だよ、ゆきのん!東京!」

 

雪乃「ええ、わかってるわ、わかってるから由比ヶ浜さん。もう少し大人しくしてくれないかしら」

 

結衣「あ、ごめん…」

 

平塚「うわー、東京だぞ、比企谷!東京!」

 

八幡「いや、先生。流石にそれはきついんじゃないすか?…主に年齢的にっ…て、ちょ、グーはダメです、グーは」

 

というかこんな公衆の面前で生徒殴ろうとするなよ…一応あんた教師だろうが…

 

平塚「…こほん。冗談はこのくらいにしておいて」

 

八幡「冗談じゃなかっただろ」

 

雪乃「ええ、声が本気だったわね」

 

結衣「ひ、平塚先生、まだ大丈夫ですよ!」

 

慌てて由比ヶ浜がフォローにはいる

 

平塚「まだ…ね。そういってるうちに、もう手遅れ、になるのかぁ…」

 

やばい、先生が自分の世界に入り込んだぞ…。

 

八幡「先生。早く行きたいんでいいすか?」

 

平塚「あ、あぁ、そうだな。…うぅ、最近生徒のあたりがきついような…」

 

雪ノ下たちを765プロの事務所へと連れていく。

普段一人で歩いていく時とは違うので歩く早さに気を使う。

 

これはプロデューサーになってから身につけた業。

というか毎日が一人だったから他人に歩くとき気を使うとかやらないから。だから知らなかった俺は悪くない。

毎日がアローン。

 

強いて言えば靴を踏まないように気を付けるくらい。あれ、マジいたい。

 

平塚先生が俺の隣を歩き、その後ろを雪ノ下と由比ヶ浜がついてくる。

 

そういや、先生は何度か事務所に来てるのか

 

平塚「いやー、音無さんに会うの久しぶりで楽しみだなぁ」

 

八幡「先生。一応仕事ですから飲みに行くのはなしですよ」

 

平塚「ふっ、大丈夫だよ」

 

流石に先生もその辺は弁えているようだ

仮にもこの人も大人だしn

 

平塚「今日は用事があるから早めに帰宅する、と校長に伝えてあるからね。私のこれは仕事じゃない」

 

弁えていなかった

 

八幡「いや、それ有りなんすか?」

 

平塚「昔からこう言うだろう?バレなきゃセーフ、だ」

 

ニヤリと笑う平塚先生。

ほんともう、ダメだなこの人…

平塚先生と謎のやり取りをしているとたるき亭が見えてくる。

 

八幡「そろそろ着くぞ」

 

結衣「うー、どきどきしてきたぁ」

 

雪乃「えぇ、わかったから、わかったから静かにしてちょうだい」

 

結衣「なんかゆきのんヒドい!?」

 

八幡「ヒドイのはお前の声量だよ、バカ。ほれここだ」

 

そう俺が言うと二人はたるき亭とかいてある文字を読んだあと不信そうに俺の方をみる。

 

結衣「ここ、たるき亭って書いてあるよ?」

 

八幡「あぁ、そうだな。事務所は上だ、上」

 

結衣「うえ?」

 

そう俺が言うと二人はたるき亭の少し上を見つめ由比ヶ浜が驚きの声をあげる。

 

結衣「え!?ここなの!?」

 

八幡「もうその流れはやったからいいから」

 

何度も同じやり取りをやるのは面倒なので由比ヶ浜を無視して階段をのぼりドアをあける。

 

八幡「おはようございます」

 

小鳥「あ、プロデューサーさん、おはようございます」

 

音無さんが振り返りこちらに歩いてくる。

 

八幡「例の話ってもうできますか?」

 

小鳥「大丈夫ですよ、私社長呼んできますね」

 

結衣「ゆきのん、本当にヒッキープロデューサーなんだね」

 

雪乃「そうね」

 

八幡「おい、そこ、信じてなかったのかよ」

 

結衣「なんというかさ、改めて実感した?みたいな?」

 

あはは、と由比ヶ浜が言ったことを濁すように笑う。

 

八幡「よくわかんねーけど早く始めるぞ」

 

 

社長、音無さんに、机を挟んで由比ヶ浜、雪ノ下、平塚先生、俺の順で座る。

本来なら俺は向こう側にいるべきなのだろうが今回は総武高として依頼しているというかたちで来ているので一応総武高側に座った。

 

社長「それじゃあキミ、始めてくれたまえ」

 

八幡「はい、今回の総武高校での765プロのライブについてですが…」

 

× × ×

 

八幡「…以上が俺の方で考えた事なんですけど何か質問とかありますか?」

 

一通り俺の中での考えを伝え、周りの様子を見る。

社長、音無さん、平塚先生は特にないと首を振り伝えてくれた。

由比ヶ浜がほへーみたいな感じになっている一方雪ノ下は顎に指を当て何か考えているようだ。

 

しばらくして雪ノ下が口を開く

 

雪乃「そうね、音響の機材などの使用できるかの確認、それと設置なんかはいつ行ったらいいのかしら?それから彼女たちの体育館への入り方をどうするかが不明だったわ。地域発表が始まるまえに情報が漏れてしまっては秘密にする意味が半減するわ」

 

流石雪ノ下だな、詳しく話したとはいえ一度でこんだけの反応ができるとは。

 

八幡「機材の確認は音無さんに付いてきてもらって予定のあう日に。あ、音無さんお願いしても大丈夫ですか?」

 

小鳥「えぇ、大丈夫よ」

 

社長「その間事務所は私にまかせたまえ」

 

八幡「ありがとうございます。機材の持ち込みは前日の準備で大丈夫だろう。アイドル達の入場は…どうするか…」

 

そこまでは想定出来ていなかった。

 

さて、どうするかと顎に指を当てて考えてみる。

 

平塚「体育館の裏口をつかえばなんとかなるんじゃないか?彼処は駐車場からだから人目に付きにくい。始まる直前に入れば噂も最小限に押さえられるだろう」

 

行き詰まりかけていたところで平塚先生が意見を出してくれた。そういえば俺あんまり体育館とか詳しくないんだよね。まず、体育館使う機会ないし。あそこはバスケ部の領地。ちなみにグラウンドはサッカー部な。

 

八幡「平塚先生、先生みたいっすね」

 

平塚「…比企谷、私は教師なんだが?」

 

平塚先生がこめかみをピクピクさせながら腕を上げる

 

ちょ、先生、暴力反対!暴力変態!

 

社長「ところで比企谷くん」

 

寸前のところで社長が助けてくれる。

平塚先生も社長が話を始めたので流石に拳を下ろしてくれた

 

社長「当日歌う曲は決まってるのかね?そろそろ全員に伝えた方が言いと思うのだが」

 

八幡「曲はもう決まってるんでこの話し合いが終わったら伝えようと思います」

 

これに、ここまで空気だった由比ヶ浜が息を吹き返したかのように反応した

 

結衣「ヒッキー、当日は全員きてくれるの?」

 

目をキラキラさせながら俺に顔を近づけてくる。

ちょ、近い近い、良い匂い。

 

八幡「竜宮小町は予定が合わなかったからいけないんだが、竜宮以外は全員行ける、と思う」

 

結衣「あー、そっかー、竜宮小町見られないのかぁ。ちょっと残念」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、プロのアイドル11人も文化祭によべることだけでも凄いのよ。これ以上求めるのは失礼だわ」

 

結衣「あ、うぅ、すみません」

 

小鳥「いえいえ、気にしないで。面白いものも聞けたし」

 

音無さんがニヤリと笑う。なにこの人、こんな人だったっけ?

 

八幡「そんじゃあ次は機材の確認する日程を…」

 

そこまでいったところで急に社長室のドアが開く。

 

伊織「ちょっと、皆なにやってるのよ。ノックしても全然返事してくれないし」

 

い、伊織…まじかよ、予定より早く来やがったのか。

 

伊織「全く私がせっかく来たのに誰もいないなんて…ってあら、会議中だったかしら、ごめんなさい」

 

由比ヶ浜や雪ノ下の方を見ながら伊織が謝りドアを締めようとしたとき由比ヶ浜が目を見開きながら口を動かす

 

結衣「い…」

 

い?

 

結衣「いおりんだぁ!」

 

社長室全体に由比ヶ浜のバカデカイ声が響く。

 

伊織「い、いおりん!?」

 

八幡「おい、馬鹿」

 

雪乃「由比ヶ浜さん落ち着きなさい」

 

結衣「あ…、また、ごめんなさい」

 

伊織が何が起こったのか理解できずにあたふたしていたので中に入れて話し合いの内容を伝えてやった。

 

伊織「なるほどね、文化祭かぁ、私も行きたかったなぁ」

 

八幡「伊織は仕事が入ってたんだからしょうがないだろ」

 

 

雪乃「…伊織」ボソッ

 

 

八幡「そんで、こいつが雪ノ下、こっちの馬鹿が由比ヶ浜だ。平塚先生は…」

 

伊織「知ってるわ、たまに来てるから」

 

平塚「おぉ!そうか!いやー、嬉しいなぁー、人気アイドルに名前を覚えてもらえてたなんて」

 

にこにこしながらいっている辺り本当に嬉しいんだろう。この人所々子供っぽいところがあるからな

 

雪乃「よろしく、水瀬さん」

 

結衣「よ、よろしくお、お願いします!」

 

伊織「こちらこそよろしくお願いします…ねぇ、プロデューサー?」

 

奉仕部ふたりの自己紹介を終えると伊織がこちらを見ながらなにか言いにくそうにしている

 

八幡「どうかしたのか?」

 

伊織「え、えっと。…もしかしてどっちかがプロデューサーのか、彼女だったりするの?」

 

結衣「ぜ、全然そんなんじゃないよ!只の部員だよ!」

 

俺が返事するまえに由比ヶ浜が全力で否定する。やだー、そんなの分かってるからそこまで全力で否定することないじゃないですかー。

 

ちょっと全力で傷つくだろうが。

 

それに続くように雪ノ下も

雪乃「えぇ、全くそんなのではないわ。私が上司で彼がしたっぱよ」

全力で苛めにきた。

 

雪乃「そういえば水瀬さん、この男に何かセクハラされたりしてないかしら?」

 

八幡「おい。してないから、お前どんだけ俺のこと疑ってんだよ」

 

伊織「そうねー、特にはないわ」

 

雪乃「そう、もしなにかあったらすぐに連絡してちょうだい。私が彼を滅ぼしておいてあげるわ」

 

八幡「…滅ぼすって…」

 

物騒な時代になったものです。

 

八幡「そんなことより日程の確認しねーと」

 

雪乃「そうだったわね、ごめんなさい」

 

社長「いやいや、気にしないでくれたまえ」

 

小鳥「そうねー、この日とかは大丈夫?」

 

雪乃「はい、この日なら委員会的には大丈夫です。あの、平塚先生」

 

平塚「うむ、この日か。大丈夫だ、校長に話をつけておくよ」

 

雪乃「ありがとうございます。ではこの日にお願いします」

 

小鳥「はーい」

 

社長「うむ。これで大体は決まったかな」

 

八幡「そうですね。大丈夫だと思います。それじゃあそろそろ…」

 

と言いかけたところで事務所のドアが思いっきり開かれた。

 

真「おはようございます!」

 

雪歩「おはようございますぅ」

 

あー、もう、面倒なことになりそうだ…

 

小鳥「おはようございます、二人とも」

 

真「はい!って、あれ?プロデューサー、その人たちは?」

 

雪歩「わぁ、きれいな人たちですぅ」

 

結衣「き、きれいだなんて、ふへぇー」

 

雪歩にきれいといわれて嬉しかったのか由比ヶ浜が頬を緩ませる。確かにアイドルにきれい、とかかわいいとか言われるのは嬉しいだろうな。なんなら俺も言われてみたい。

 

無理だろうけど。

 

八幡「…菊地にはこの前話したと思うが奉仕部の部員だよ」

 

真「あぁ、例の部活の人たちですね!あれ?でもなんで?」

 

八幡「詳しくはまた後で話すが、大まかに言うとお前らに俺の学校の文化祭でミニライブをしてもらおうと思っている」

 

雪歩「ら、ライブですか?で、でもまだ私たちの方のライブの準備も完璧じゃないのに…」

 

八幡「今回のライブはその練習も兼ねてるんだ」

 

真「へぇ」

 

八幡「どうせこの調子だと他のやつらもくるんだろうし…全員揃ったら詳しくはなす」

 

真「あ、あの、僕菊地真です」

 

雪歩「わ、わたしは萩原雪歩です」

 

雪乃「私は雪ノ下雪乃よ、それでこっちが」

 

結衣「由比ヶ浜結衣です!わぁ、真くんも雪歩ちゃんもかわいいなぁ」

 

真「え!僕かわいい…ですか?かっこいいじゃなくて」

 

結衣「え、はい。かわいいです!」

 

真「へへ、ありがとうございます。いやー、でも本当に二人ともかわいいですね、プロデューサーはこんなかわいい二人と一緒に部活してるんですね」

 

結衣「か、かわいいかぁ、ふへへ」

 

またまた由比ヶ浜が頬を緩ませる

 

伊織「ほんとよ、それでいてアイドルのプロデューサーだなんてとんだ女たらしね」

 

八幡「人聞きの悪いことをいうなよ、大体女たらしとかはイケイケのリア充(笑)にいうべきだろ。俺はそんなことはしない」

 

結衣「…むぅ」

 

雪乃「そんなことできない、の間違いじゃないかしら?」

 

八幡「うっせ」

 

結衣「伊織ちゃん」

 

伊織「なにかしら?」

 

ワイワイガヤガヤ

 

なんだか途中から俺をほっぽりだしてガールズトーク?が始まる。でも、平塚先生。そこに入ろうとするとまた辛い思いするとおもうぞ…

 

小鳥「なんだか盛り上がってますね」

 

八幡「…音無さん。もう止めるのもあれなんで全員くるまで待ちますよ。それで全員につたえようかと」

 

小鳥「そうですね。あ、プロデューサーさん、コーヒー飲みますか?」

 

八幡「お願いします、砂糖多目で」

 

小鳥「わかってますよ」

 

 

× × ×

 

 

音無さんに淹れてもらったコーヒーをのみながら今後の予定を整理しているうちに全員集まったようだ。

 

話し込んでいた由比ヶ浜たちに声をかけ、今回の文化祭についての話をはじめる、

 

 

 

 

八幡「……というわけだ。文化祭でやってもらう曲は全部来月のライブの曲のなかから選んでいるからその点は気にしなくて大丈夫だ」

 

春香「文化祭かぁ、楽しみだなぁ」

 

真美「そうだねー、はるるん。たこ焼きに焼きそば、あとあとお化け屋敷とか!」

 

亜美「うー、真美だけずるいよぉ、亜美もいきたかったぁー」

 

八幡「今回文化祭を見るような時間はないからな」

 

やよい「そうなんですかー、お祭りたのしみだったのに残念ですー」

 

伊織「やよい、今度私といきましょ、ね?」

 

あずさ「みんな、私たちの分もたのしんできてね」

 

 

響「プロデューサーの学校かぁー」

 

貴音「千葉、でしたね。らぁめん、またたべにいきたいものです」

 

律子「みんなー、そろそろレッスンに行く時間だから準備しておいてよ」

 

雪乃「それじゃあ私たちはそろそろ帰ります」

 

八幡「あー、俺はレッスンみていくことにするから先に帰っててくれ。道分かるか?」

 

雪ノ下、方向音痴だった気がするんだが

 

結衣「あたしにまかせて!ちゃんと覚えてるから!」

 

雪乃「平塚先生もいるのだし大丈夫よ」

 

八幡「いや、あの人音無さんと飲みに行くつもりだからダメだろ」

 

平塚「なに、まだ時間があるから送っていくさ」

 

八幡「そうですか、じゃあ頼みます」

 

結衣「今日はありがとうございましたー!」

 

雪乃「文化祭、よろしくお願いします」

 

春香「はい!任せてください!」

 

亜美「はるるん、はりきってるねー」

 

春香「ライブ、楽しみだからね」

 

八幡「んじゃ、おつかれさん」

 

雪ノ下と由比ヶ浜が平塚先生に続いて事務所を出ていく。ドアが閉まるのを見送ったあとコーヒーに手を伸ばす

 

春香「二人とも美人だったねー」

 

真「やっぱりそうだよね、僕もそう思ったよ」

 

あずさ「もしかしてどちらかプロデューサーさんの彼女さんですか?」

 

伊織「違うわよ」

 

真美「あれれー?なんでいおりんが答えるのー?」

 

亜美「まさかー?」

 

伊織「ばっ、そんなんじゃないわよっ!さっき気になって本人に聞いたら違うってはっきりいってたのよ」

 

亜美「なーんだ、つまらないのー」

 

真美「とみせかせて実はプロデューサーあのふたりのどっちかが好きだったりするのかなー?」

 

ここまで完全に蚊帳の外だったのに急に話を俺に振ってくる。

戸部かっつーの、やっべーわ!

 

ずっと手に持っていただけのマグカップを机に置く

 

八幡「…そんなんじゃねぇよ。あいつらはそういうのじゃないんだ…」

 

全員の視線が一斉に俺に集まり、音がやむ。

 

いや、視線が集まってるのかは確かじゃない。

俺は今、顔を背けてるのだから、そう感じたというだけだ。

 

そう、あいつらはそういう相手じゃないんだ。

 

 

あいつらは…奉仕部は……

 

 

 

 




アイマスライブ10thがありデレマス2期?が始まり最近アイマスいっぱいですね。
まだまだ夏はこれからですので皆さん体調にお気をつけくださいませ。
意見、感想よろしくお願いします!

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