新世界の神と、世界を壊す魔王   作:never learns

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番外編「それぞれの世界、それぞれの記憶」

 

1.神ライト――新世界の神が得た問い

元の世界へ戻った神ライトは、執務を再開する前に、しばらく一人で考え込んでいた。

 

犯罪は減少し、キラを支持する人々は増え、各国もその存在を無視できなくなっている。

 

彼が作り上げた新世界は、確かに形になっていた。

 

しかし、弁論会でアバンやルルーシュたちから投げかけられた問いが、頭から離れない。

 

――自分がいなくなった後、この世界はどうなるのか。

 

――自分の判断が間違っていたとき、それを誰が正すのか。

 

神ライト「……考え続ける必要がある、か」

 

彼は小さく呟いた。

 

自分の理想を捨てるつもりはない。

 

だが、理想を実現したからといって、そこで考えることをやめてしまえば、それは単なる自己満足になってしまうのかもしれない。

 

神ライト「まったく……。あの司会者も、最後まで厄介なことを考えさせてくれたものだ」

 

そう言いながらも、彼の表情にはわずかな笑みが浮かんでいた。

2.ニア――忘れられない観察対象

ニアは元の世界に戻ると、いつものように玩具を手に取った。

 

しかし、しばらくすると手を止める。

 

ニア「……興味深い経験でした」

 

彼にとって、弁論会は非常に特殊な観察の機会だった。

 

異なる世界の人物たちが、それぞれの正義を主張する。しかも、その中には実際に世界を変えた人物や、神に近い存在までいた。

 

特に印象に残ったのは、司会者だった。

 

圧倒的な力を持ちながら、必ずしも自分の価値観を押し通そうとはしない。

 

それでいて、気まぐれで身勝手な部分も隠さない。

 

ニア「彼の行動原理は、単純な善悪では分析できませんね」

 

玩具を一つ積み上げる。

 

ニア「次回があるのなら、今度は別の議題についても聞いてみたいものです」

 

そして、彼は再び玩具に目を落とした。

3.C.C.――退屈しなかった時間

C.C.は元の世界へ戻ると、いつものようにピザを口に運んでいた。

 

しかし、ふと手を止める。

 

C.C.「……ふっ。妙な時間だったな」

 

ルルーシュやシュナイゼル、月たちの議論。

 

太公望や女媧、かみといった人間離れした存在。

 

そして、何より司会者の奇妙な価値観。

 

C.C.「あれだけの力を持ちながら、神様ごっこを楽しんでいるだけとはな」

 

彼女は少し笑った。

 

不老不死というテーマを次回の議題候補に挙げたことも思い出す。

 

C.C.「次があるなら、今度は私の話も少し聞かせてやるか」

 

そう言って、再びピザを食べ始めた。

4.アバン――戦いの続きへ

アバンが元の世界へ戻った瞬間、止まっていた時間が動き出した。

 

剣を構えた姿勢も、周囲の状況も、呼び出されたときのまま。

 

まるで、ほんの一瞬だけ意識が別の場所へ飛んでいたかのようだった。

 

アバン「……さて」

 

彼は周囲の様子を確認し、再び戦いへ意識を向ける。

 

しかし、その胸中には弁論会での出来事が残っていた。

 

キラの話。力を持つ者の責任。理想を次の世代へ託すという考え。

 

そして、何よりもエヨとの再会。

 

アバン「まったく……相変わらず、自由な方ですね」

 

苦笑しながらも、彼は剣を握り直した。

 

アバン「ですが、今回のお話も無駄にはしません。私自身、まだまだ学ぶことがあるようですからね」

 

そして、彼は仲間たちのいる戦場へと向き直った。

 

元の世界での戦いは、まだ終わっていない。

5.太公望――また一つ増えた暇つぶし

太公望は元の世界へ戻ると、いつもの調子で大きく伸びをした。

 

太公望「ふう……。なかなか面白い催しじゃったわい」

 

彼にとって、弁論会は退屈しのぎとしても十分に楽しめるものだった。

 

特に、司会者の身勝手さには思うところがあった。

 

太公望「神を名乗るには、いささか俗っぽい男じゃったが……」

 

少し考え、にやりと笑う。

 

太公望「まあ、ワシも人のことは言えぬか」

 

理想や正義を語る者たち。

 

自分の考えを疑わない者もいれば、異なる意見を受け入れようとする者もいた。

 

太公望「次があるなら、今度は運命や自由意志について話してみるのもよかろう」

 

そう言いながら、彼はいつもの飄々とした足取りで歩き始めた。

6.申公豹――知識と責任

申公豹もまた、自分の世界へと戻っていた。

 

彼は弁論会で交わされた議論を思い返していた。

 

特に、知識を持つ者がどこまで責任を負うべきなのかという問題。

 

申公豹「知っていることと、それをどう使うかは別問題ですからね」

 

自分の知識や能力を、どのように扱うべきなのか。

 

それは、彼自身にとっても考える価値のあるテーマだった。

 

申公豹「次の機会があるのなら、今度はその点をもう少し掘り下げてみたいですね」

 

彼は静かに微笑み、再び自分の世界での役割へと戻っていった。

7.怨み屋――正義を疑うこと

怨み屋は元の世界へ戻ると、いつものように仕事へと意識を切り替えた。

 

しかし、弁論会での会話は頭に残っている。

 

正義を掲げる者。

 

自分の行いを正当化する者。

 

そして、自分が間違っている可能性を考えようとしない者。

 

怨み屋「……やっぱり、正義という言葉は厄介ですね」

 

彼女は小さく笑う。

 

怨み屋「でも、あの場にいた人たちは、少なくとも自分の考えを語ろうとしていた。そこは興味深かったです」

 

彼女は次の仕事へ向かう。

 

ただ、今まで以上に、依頼人が掲げる正義の裏側にも目を向けるようになるかもしれない。

8.リヴァル――話が難しすぎた!

リヴァルは元の世界へ戻ると、思わず大きく息を吐いた。

 

リヴァル「いやー……疲れた!」

 

何しろ、弁論会では難しい話が延々と続いた。

 

正義、自由、秩序、理想、責任。

 

普段の学校生活では、そうそう聞かない言葉ばかりだった。

 

リヴァル「途中から何の話をしてるのか、わからなくなったところもあったけどさ……」

 

それでも、彼なりに得たものはあった。

 

リヴァル「でも、ああいう話を聞くのも悪くないな。俺たちが普段考えてないことを、あんなに真剣に考えてる人がいるんだから」

 

そして、ふと思い出す。

 

リヴァル「次があるなら、もうちょっと気楽な議題も頼みたいところだな!」

9.ミレイ――次は本当に司会を?

ミレイは元の世界へ戻ると、今回の出来事を思い返していた。

 

弁論会では、最後の感想を聞く役を務めた。

 

本来なら、もっと早くから進行役として参加してもよかったのかもしれない。

 

ミレイ「ふふっ。次があるなら、今度は最初から進行を担当してみようかしら」

 

参加者の意見を聞き、話を整理し、観客にも感想を聞く。

 

彼女にとって、あの場は記者としても興味深いものだった。

 

ただし、主催者はあの司会者である。

 

ミレイ「……でも、あの人が素直に進行を任せてくれるかしら?」

 

彼女は苦笑した。

10.ロイド――実に興味深い現象

ロイドは元の世界へ戻ると、いつものように研究への関心を取り戻していた。

 

しかし、今回の経験は彼にとって、非常に興味深いものだった。

 

異なる世界から集められた人物たち。

 

時間を止め、意識だけを別の場所へ移すような仕組み。

 

そして、何より司会者という存在。

 

ロイド「いやぁ、実に興味深いですねぇ」

 

彼は楽しそうに笑った。

 

ロイド「もし次があるのなら、今度はあの空間の仕組みについても、少し聞いてみたいものです」

 

セシル「ロイドさん、また何か変なことを考えていませんか?」

 

ロイド「おや、そんなことはありませんよぉ」

 

その笑顔を見て、セシルは少しだけ不安になった。

11.天子――話し合うということ

天子は元の世界へ戻ると、弁論会での出来事を思い返していた。

 

特に印象に残ったのは、考え方が違う者同士でも、こうして話し合うことができるということだった。

 

天子「考え方が違っても、話をすることはできるんですね……」

 

彼女は、今回の議論を通じて改めてそう感じていた。

 

自分の考えを押し通すだけではなく、相手の話を聞くこと。

 

そして、相手の考えを理解しようとすること。

 

天子「私も、もっといろいろな人の話を聞いてみたいです」

 

小さく微笑み、彼女は自分の世界での生活へと戻っていった。

12.さゆ――知らなかった世界

さゆは元の世界へ戻ると、しばらくぼんやりと考え込んでいた。

 

さゆ「……不思議な体験だったな」

 

自分とはまったく違う世界に生きる人たち。

 

その中には、世界を変えた人も、神様のような存在もいた。

 

難しい話ばかりで、すべてを理解できたわけではない。

 

けれど、いろいろな人の考えを聞くことができたのは、彼女にとって貴重な経験だった。

 

さゆ「また会えるのかな……」

 

そう呟いて、少し笑った。

 

もし次があるのなら、今度はもっと積極的に話を聞いてみたい。

 

そんなことを考えながら、彼女は日常へ戻っていった。

 

エピローグ――記憶は消えずに

それぞれの世界に戻った12人。

 

彼らの生活は、再び元の時間へと戻っていった。

 

しかし、弁論会での出来事は消えていない。

 

月と神ライトの議論を聞いた者。

 

ルルーシュやシュナイゼルの考えを知った者。

 

アバンの言葉に耳を傾けた者。

 

神々の価値観に触れた者。

 

そして、司会者という奇妙な存在と出会った者。

 

それぞれが、あの場所で過ごした時間を覚えている。

 

いつか、また招かれる日が来るかもしれない。

 

そのときには、今回とは違う議題が用意されているのだろう。

 

そして、司会者はきっと、また気まぐれに誰かを呼び出すに違いない。

 

 

 

 

――番外編・完。

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