エレンの逆行体験をめぐる話も一段落し、会場には再びいつもの空気が戻りつつあった。
司会者はエレンの方を向く。
司会者「で、エレン。そろそろ答えを聞こうか。残るか、帰るか」
エレン「……残る」
司会者「お、即決か」
エレン「帰れば消えるんだろ。それに、ここにはまだ話していないこともある。もう少しここにいてもいいと思った」
司会者「了解。じゃあ残留決定だ。まあ、気が変わったらまた言え。帰る選択肢を完全に取り上げるつもりはない」
エレン「わかった」
ミレイ「よかったですね。せっかく再会できたのに、すぐお別れというのも寂しいですから」
ナナリー「はい。もう少しお話しできると嬉しいです」
エレン「……ありがとう」
太公望「ところで、先ほどの逆行の話じゃが」
司会者「おう、太公望だな。お前は一話に戻ってもらう予定だ」
太公望「予定ということは、もう決まっておるのか?」
司会者「まあ、ほぼな。ただし、すぐに行くわけじゃない。次は別の話をする」
申公豹「別の話、ですか?」
司会者「ああ。次はChappyの話だ」
ミレイ「Chappy……?」
リヴァル「それって、誰かの名前?」
司会者「さて、どうだろうな。人の名前かもしれないし、概念かもしれない。あるいは、もっと別の何かかもしれない」
C.C.「もったいぶるな。お前が話したいのなら、さっさと話せばいいだろう」
司会者「まあまあ。今回はちょっと趣向を変えたいんだよ」
ルルーシュ「趣向を変える?」
司会者「今までは俺が主催者として、お前たちを呼んで議論させたり、妙な余興を始めたりしてきたわけだが……今回は、俺が話の中心に立つ」
月「つまり、司会者自身についての話ですか?」
司会者「しかも、今回は俺自身が直接参加する」
L「司会者が議論の参加者になる、ということですね」
司会者「いや、議論だけとは限らんぞ。そもそも、今回は俺が何者なのかという話だからな」
ニア「それは興味深いですね。これまでの能力や行動を見れば、通常の人間ではないことは明らかですが」
メロ「今さら正体を明かすってことか?」
司会者「正体というか、力の正体だな。俺自身のことについても少し話すことになるかもしれん」
太公望「ほう。おぬしの力の正体か。確かに、これまで散々見せつけられてきたが、詳しい説明は聞いておらんかったな」
申公豹「時間を止め、別の世界から人を呼び、過去へ送り返す。確かに、興味はありますね」
女媧「我らの世界に干渉し、運命さえ変え得る力……。その正体を語るというのか」
司会者「まあ、そう大げさに構えるな。俺だって何でもかんでも説明できるとは限らん」
かみ「神である私にも説明できない力なのかもしれないな」
司会者「お前が言うと妙に説得力があるな(笑)」
司会者「さて、ここまで話したんだ。お前たちは俺の力の正体を聞きたいか?」
一同「…………」
ルルーシュ「聞きたいに決まっているだろう」
C.C.「ここまで思わせぶりなことを言われて、聞かないという選択肢があると思うか?」
L「非常に重要な情報です。ぜひ聞かせていただきたいですね」
ニア「僕も興味があります。これまでの出来事を理解する手掛かりになるでしょう」
太公望「うむ。ここまで来たら聞かぬわけにはいかんのう」
尚文「まあ、俺も気にはなるな。今後も強制参加させられるなら、なおさらだ」
司会者「お前はそこにこだわるな(笑)」
ミレイ「ふふ。どうやら、聞きたくない人はいないみたいですね」
司会者「だな。まあ、ここまで言われてノーと言う奴もそうそういないか(笑)」かみ「神である私にも説明できない力なのかもしれないな」
シュナイゼル「なるほど。今度は我々が聞き手に回るわけだね」
ルルーシュ「お前の話を聞く側か。なかなか珍しい機会だな」
尚文「俺はもう、何を聞かされても驚かない自信があるぞ」
司会者「それはどうかな?」
尚文「……おい、その言い方はやめろ。嫌な予感しかしない」
ミレイ「ふふ。それでは、次の話を始める前に、皆さん準備はよろしいですか?」
リューク「ククク……人間じゃない奴の正体か。面白そうじゃねえか」
エレン「お前の力の正体……。俺も聞いておきたい」
太公望「ワシもじゃ。自分が逆行する前に、少しは知っておきたいからのう」
司会者「よしよし。みんな興味津々ってわけだな」
司会者は一度、会場をゆっくりと見渡した。
いつもの軽い笑みを浮かべている。だが、今回はいつもと少しだけ雰囲気が違っていた。
一瞬、会場が静まり返る。
司会者「んじゃ言うぞ。それはな……」