本作主人公。
17歳。身長176cm、体重60kg
誕生日は2/20
スリーサイズはチェスト(男性版胸囲)88cm、ウエスト65cm 、ヒップ85cm。
弓道部に所属。
剣道歴12年でスピードに特化した剣道を得意としている。
得意科目は世界史。苦手科目は英語。
OVERworld(ロックバンド)の大ファン。
好きな花は桜。
ちなみに甘いものは苦手。
雛森とは従兄妹である。
薄く青がかった空が橙色に変わる。
教員がいくつかの連絡事項を事務的に伝えたあといつものように「さようなら」の挨拶をする。教員が教室を出ると一気に騒がしさが取り戻される。
退屈で、平凡で。
当たり前のように繰り返される一日が終わろうとしていた。
級友たちといくつか言葉を交わし、教室をあとにする。
────────と
───今はなるべく
二人組のうちの一人、黒髪の男がやや呆れ気味な視線と共に訊ねてくる。
「紅、お前今日の小テスト、あれはどういうことだ?クラスで不合格はお前だけじゃないか。」
黒木浩一。
俺の英語の教科担であり、唯のクラスである1-Aの学級担任。
「まさかとは思うが、お前
ある意味人を殺せる笑顔で迫られる。
こんな季節だというのにツーッと汗が背中を伝う。
五十点満点の小テストで一桁の点数を取れば居残り補習。そんな高校生なら死んでもやりたくない補習が今日俺は課せられてしまっていた。
しかも、毎回不合格は俺だけ。
どういう訳か毎回俺だけなのだ。
級友曰く
“一桁の取り方がよくわからない”
らしい。
基礎的な構文を不合格防止の意味合いも兼ねて盛り込んでいて、他が解けなくてもそこが取れれば合格はできるつくりにしてある。──にも関わらず一桁を取れるのはある意味才能なのかもしれない。
正直、先生の補習授業はわかりやすいし来年受験生の身としてはかなりありがたかったりするのだが───
今日だけは、今日だけは破る訳にはいかない
「じ、実はそのことで相談が・・・」
「どうした、体調でも悪いか?うむ、言われてみれば確かに汗かいてるなお前。」
しかも先生が生徒想い過ぎるだけに罪悪感やらで辛い。
「いや先生、体は平気なんですけど・・・すみません、今日は少し用事があって・・・」
「ん?用事?俺の補習よりも大事な用事か?」
「・・・・・。」
「どうした、黙ってるってことは違うのか?」
「人と会う用事がありまして・・・」
「なんだ、親戚でも来るのか。それとも単身赴任の親御さんが帰ってくるとか。それならそうと──」
「いえ、会うのは親戚とかではないんです。」
「じゃあ友達とかか。紅、お前遊びを優先させるのどうかと思うぞ。」
先生の言ってることは正しい。だけど今日だけは───
「じ、実は───」
そう口にしかけてブレーキをかけた。ここで『神代唯』の名前が出ることの意味、それによって俺が彼女にかけてしまう迷惑。
「実は?」
───こうなったら自棄だ。本当のことを言って今回だけでも見逃してもらおう。
でなくちゃあんなに喜んでいた唯を裏切ることになる。
「実は先生のクラスの神代と待ち合わせをしていて、今日だけはどうしても外せない用事があるんです!だから今回だけでも見逃してもらえないでしょうか!!」
──言ってしまった。
言って頭を下げた俺は、降り下ろされる拳骨やら、廊下中に響き渡る怒鳴り声やらを想像しつつ自分の学校生活が完全に詰まれてしまったことを察した。
──────────────が、
「ク、ハハハハハハ、ハハハハハハハハハ、ハハハハハハハハハハハハ」
予想に反して怒鳴られもせず、拳骨も落とされなかった。それどころか先生は心底楽しそうに笑っていた。
「そうか、そうか。お前が神代と・・・毎朝の努力がようやく実を結んだ訳か神代も。いやぁ、よかったな、うん。」
どこか遠くを見つめながら、理解し難い──と言うか何のことかさっぱりわからないことを言っていた。
「ヨハン、何か聞きましたか?」
そうしてようやくもう一人に話がふられた。
金髪、碧眼を持ち、日本人でないことが一目でわかる大男。
優しそうな顔立ちで女子生徒から絶大な人気を誇るイケメン
「いえ、何も聞いてませんよコウイチ。」
と、ニコリと告げた。
「──────っ」
てことはつまり、今の告白は無視して補習決行ってことか。
「紅、お前は熱がある。」
「は?」
「それも立ってられるのがやっとの高熱でな、お前はもしかしたらインフルエンザかもしれない。」
「は、はぁ。」
「だから、お前さっさと帰れ。」
「────────────」
「頑張るんですよ、紅さん。」
ヨハンはそう優しく微笑みかけた。
「あ、ありがとうございます!」
「病人が大声出すな!気を付けて帰れよ。」
「はい!」
ー☆ー☆ー☆ー
走る、走る、走り続ける。
風を感じるほど速く走っているのか、風になっているのかわからないほど速く。放課後になり、人気のなくなった廊下をぬけて靴箱を目指す。
時折教員に咎められたが無視。今はそれどころじゃない。
階段は飛び降り、上履きから靴に履き替えつつ息を整える。
そうしてまた走り出し、生徒数も規模も冗談みたいなモンスター学校の校門を出て、聖天照学園をあとにする。
通学路の交差点をぬけて、待ち合わせの場所へ。まばらな通行人の間を縫うように、かつ全力でひた走る。
そうして400メートルほど走った頃、前方に
「唯ーっ!」
「あ!龍牙、早かったんだね。」
「早かったって・・・お前、校門にいなかったから焦ったんだぞこっちは。」
「だ、だって──」
「だって?」
「校門で待ってたんだよ、ちゃんと。そしたらさ、その・・・真由ちゃんが・・・」
「雛森がどうしたってんだよ。」
「それが───」
「・・・・・・・・。」
「─────────」
あまりのアホさ加減に思考が固まった。
つまり雛森のアホは───
「お前を見つけて抱きついてきたとみるや、痴漢よろしく体を触りまくった挙げ句部顧問に連れていかれた、と。ま、そりゃ逃げるわな。」
これは剣道部も大変だろう。あんな変態がエースなんてたまったもんじゃない。
「もう!いちいち確認しなくていいよ!」
ポカポカと俺の背中を叩いてくる。その攻撃力は───残念ながら皆無だ。
「で、唯。今日は倒れたりしなかったか?」
「───うん、大丈夫だったよ。」
虚を突かれたように、キョトンとした顔のあと穏やかな笑みでそう言った。
「──────────っ」
「どうしたの、龍牙?私、顔に何かついてる?」
「い、いやなんでもないし、なにもついてない。」
「ねぇ、本当どうしたの?」
「な、なんでもない。さ、行こうか。」
「そう言えば唯は今日はどうだったんだ?」
「今日って?」
「学校のことだよ。授業とか休み時間とか。」
「えーと・・・・」
唯は気まずそうに目を伏せると、またも落ち着きがなくなった。
ー☆ー☆ー☆ー
ウェストミンターの鐘の音が昼休みの終わりを告げる。 騒がしかった校舎は一気にあわただしくなり、教師と生徒が教室移動のために駆け回る。
五限目から身体計測がある私たちは更衣室にいた。
寒い!を連呼しながらおもむろに脱ぎ出した級友たち。
霜月から師走へと変わり、刺すような寒さが続くなか、本年度最後の身体計測が行われようとしていた。
クラスメイトが着替えるのを眺めながら、皆が行くのをただ待っていた。
「唯?着替えないの?」
「ま、まだ間に合うからいいかなって。ほ、ほら寒いから。」
「ふーん、遅れないようにね。」
「う、うん。」
このやり取りも本日もう六回目になる。
大丈夫、休み時間はあと十分ある。
そう言い聞かせて私は
ビッグベンが奏でる時計塔の鐘が鳴る。
身長、体重その他諸々の計測も終わり
「唯、本当眼福だったわ~」
「も、もう!真由ちゃん!」
「ゆっくり着替えて、見てるから。」
「早く教室戻って!」
「い~や♪」
「怒るよ、真由ちゃん!」
「バラすよ、先輩に。」
む・・・・それだけは困る。
「はぁ、わかったよ。覗かないでね。」
「何よぉ~女同士なんだからいいじゃない水くさい。」
「真由ちゃん相手でも恥ずかしいの!」
「ケチィ~」
そう、真由ちゃんだったら今日の計測の結果を龍牙に喋りかねない。
それだけは絶対に避けたい。
それに自分の肌を見られるのは──特に高校に上がってからは恥ずかしくなっていた。
理由は──本当は喜ぶべき変化なのだけれど。
ー☆ー☆ー☆ー
「特に何もなかったかな・・・」
何を思い出したのか、ひきつった笑みを浮かべ、またも嘘をつかれた。が、女性に体のことを聞くのも
「そうか。」
「りゅ、龍牙は?」
上目遣いで訊ねてくる。雛森いわく『計算してないくせに男を一発でオトせるように計算尽くされた仕草』らしい。てか計算してないんなら、計算尽くされてるわけないだろ。
頬はやや──冷えた空気がそうしているのかもしれないが─赤みを帯びており、なんというか、今ならクラスの
「俺か?なんも面白いことはなかったけど──どうして俺のことなんか」
で、なんと言うこともないという態度で返す。動揺など犬にでも食わせておけ。
「それでもいいの、ねぇ聞かせて。」
今日の唯はやけに強引というか、普段見せない顔を見せているような気がする。
「うーん、そうだなぁ。」
俺は今日のことをなるだけ詳しく話した。
授業のこと、昼休みのこと、放課後のこと
、級友たちのこと、教師の失敗のこと。
別段面白いことも、笑えるようなこともなかったのだが、唯は一言も聞き逃すまいと聞いていた。
相槌をうち、時に訊ね、時にころころ笑い
「唯は?」
「私?」
「『特になかった』なんてことはないだろ?俺も話したんだから・・・・その、不公平じゃないか。」
・・・・なんだ、その顔。
やめろ、その滅多に見れないもの見れたラッキーみたいな顔でこっち見るな。キラキラさせるな。
「う~ん、じゃあしょうがないから話してあげるね。」
「なんだよ、その話してあげるって。」
「ううん、なんでもない。」
「ちっ」
「わ、龍牙舌打ちしたぁ。」
あ、ヤベ。 つい癖でやっちまった。ここはどうするべきか、考えあぐねた末───
「してないよ。」
───真っ赤な嘘をついた。
「えー、絶対したよ。」
「してないって。」
「したよ、絶対した。」
「ん~じゃあ賭けるか?」
「賭けるって?」
「そのまんまの意味さ。俺が勝ったら唯はなんでも俺の言うことを聞く、唯が勝ったらなんでも言うことを聞く、どうだ?」
「うーん、いいけど。龍牙その勝ち負けはどうするの?」
「した、してないを言い合って折れた方の負けでいいんじゃないか?」
我ながら実にアホらしい。ま、嘘も百回言えば真実になるってどっかの誰かが言ってたような気もするし。
それに───
「わかった、本当になんでも聞いてくれるんだよね?」
「あぁ。じゃ、始めるぞ。」
そうしてアホそのもののやり取りを続けること5分。そうして
唯の瞳は真剣そのものだった。
黒く透き通るような大きな瞳をじっと見つめる。そしてわざとらしくならないようにしながら──
「はぁ、俺の負けだよ唯。」
降服宣言。
「やった♪うーん、なにしてもらおうかなぁ。」
玩具を買ってもらえるとはしゃぐ子供のように顔を輝かせ、ぶつぶつと色んなことを呟いていた。
───こっちの方が唯が気兼ねなく我儘を言えるのではないか。
舌打ちしてしまったのは誤算だったが、もともとこうやって我儘放題させてやろうとは思っていたのだ。まぁ所謂結果オーライというやつだ。
遠慮のつもりか、礼儀のつもりか、唯が俺に頼み事をしたことは全くと言っていいほどなかった。
唯には
唯を観察すること早3分。
えーと、えーと、と考える唯の顔がなぜか耳まで真っ赤に染まりついには黙りこんでうつむいてしまった。
無言になってからすでに2分以上が経過しようとしている。
「ゆ、唯?本当になんでもいいんだぞ。俺ができる範囲でならなんでも聞くからさ。」
「────今は、いいや。」
「は?」
「思い付かないから、とっとく。」
「おま、とっとくったってな。」
「ううん、今はいいの。」
「───そうか。」
「うん、ありがと龍牙。」
どうやらこちらの浅知恵などお見通しだったらしい。
「って何の話してたんだっけ?」
「お前が学校のことを話す、話さないで揉めてたんだよ。」
「あ、そうだったね。」
「『そうだったね。』じゃねぇよ。こっちはあんな低カロリーでやっていけたのか心配してたんだからな。」
「う、うん。」
「で、どうだったんだよ学校。」
「えーと───」
そうしてようやく本題へと移り、唯は今日の出来事を話始めた。
こう、なぜか一生懸命なのが気になったが無視。触れればヤバイ気がする。
駅までの真っ直ぐな大通りを歩く。さすが12月だけあり、日没が近い今は朝同様冷えきっていた。
立ち並ぶ店々はクリスマスに向けて飾りつけやら、プレゼント向けの商品を並ばせ、町明かりも点き始めていた。白、青、赤、緑、黄色とイルミネーションが街を彩っていく。
日はビル郡に吸い込まれるようとし、暮れの際の燃えるような鮮紅を残していた。太陽の温もりがなくなり、刺すような冷気がいっそう冷たくなっていく。
吐く息は白く、並んで歩く彼女だけが暖かいような気がした。
唯は思いの外たくさんのことを話してくれた。今日の授業のこと、身長を測るときにズルがばれてしまった人のこと、小テストの珍回答や、期末テストの爆笑回答、授業中女子の大半がお腹を鳴らしてしまったことなど、子供が親に今日の出来事を話すみたく一生懸命に話していた。
それに頷いたりしながら聞いていた俺は─────今話している
あいつの髪はこんなに綺麗だったか。
瞳は、唇は。
肩は、胸は、腰は、腕は、手は、脚は、こんなにも艶かしかっただろうか。
濡烏という最上の表現すら
制服に隠れた体はこんなにも華奢だったか、スカートから覗く脚の柔らかさやその白さ。
春が来るのを待っていた桜の花のように、一斉に頬を綻ばせ、それが咲く度に心臓が跳ね上がった。鼓動は自分にも聞こえるほど大きく、顔には熱を感じている。
俺は、頬を緩ませながら話す馴染んでいるはずの顔に思わず声を失っていた。
世界はひっくり返ったのではないか。
そのくらいの衝撃が走った。
現に、今俺はこの
「────────────────っ」
誰だ、誰なんだ。
目の前にいるこの幻は、隣を歩く
「どうしたの、龍牙。」
「ん、あ、あぁいや、なんでもないんだ。」
この『女』だって?目の前にいるのは、神代唯だ。俺の幼馴染みで、後輩で────それが今俺は
そう、なんでもない───はずだ。唯はただの幼馴染みで、ただの後輩なんだから。気恥ずかしくて早歩きで逃げようとした。
──と、しばらく歩いたあと速度を落として唯を待つ。のだが、いっこうに来ない。
振り返ってみると、唯は胸を押さえ苦しそうにしていた。
過呼吸のそれのように浅い呼吸をし、今にも倒れ伏しそうな唯にすぐさま駆け寄った。
「唯!!」
「あはは、どうしたの龍牙・・・。すごく・・・・怖い顔。わ、私は平気・・・だから。」
「ばか、何言ってんだ!平気なことあるもんか、苦しそうじゃないか。」
「そ、それは・・・その・・・龍牙が歩くのが・・・は、早かったから息切れしちゃったみたい・・・」
「嘘つけ!息切れってレベルじゃねぇよそれ!」
胸を押さえ、荒い息の中強がる唯。
「悪い、嫌かもしれないけどしばらくは大人しくしといてくれよ。」
そう言いつつ、彼女を抱き上げた。
俗に言うお姫様抱っこ。駅前にまで来ていた俺たち──というか俺に視線が突き刺さる。
「え、ちょっと、龍牙!、」
「帰るぞ、ケーキはお預けだ。」
「待ってよ、やっと、やっと龍牙と──」
「文句ならよくなったらたっぷり聞いてやる。」
そうして走り出す。
唯は華奢な体躯に見合う重さだった。その重みすら・・・。いや、待て俺は
余計なことは考えるな!走れ!足の続く限り!
この重さを失うな!!
「龍牙、止まって!今日は、今日は!」
唯がなにか喚いてるが無視。
聞いてたら本当に俺がどうかしてしまう。
ー☆ー☆ー☆ー
喚く唯をとりあえず俺の家に運び、応急措置を施した。
唯はすごく不機嫌そうにしていた。というか、見た目「私、怒ってます」オーラ全開だった。
子供のように頬をぷぅーっと膨らまし、
「龍牙ったら、息切れしただけだって言ったのに。」
恨みたっぷりに言われた。
「お前な、なんかの病気かもしんないだろ。今日は大人しくしといた方がいい。」
「け、ケーキは?」
「ケーキなんていつでも食べられるじゃないか、なんなら俺が買いに行ってもいい。」
そんなに食いたかったのかよ。という感想まではつけない。俺もそこまでアホじゃない。
──と、さっきから一転。唯は真剣に怒ってきた。
「りゅ、龍牙はなにもわかってないよ。」
「わかってないって何が。」
「そ、それは───」
と、伏し目がちに目をそらされた。
どうやらかなりご立腹らしい。
無言の間が痛い──というか辛い。
唯の次の句を待っているのだが、彼女はうつむいたきり、一言も発さなかった。
「せんぱ~い、お邪魔~」
──呼んでない奴が、しかも一番来てほしくないときに来やがった。
そして居間に上がるなり、
「あらぁ、夫婦喧嘩ですか?仲がよろしいんですねぇ♪」
とこれまたアホなことをのたまった。
唯は顔から本当に火でも吹くんじゃないかというくらい真っ赤になり、こっちも顔に熱があるのがわかる。
「「夫婦じゃない!!」」
唯はともかく、俺なんかが夫ってのはかなり困ると思うのだ。むしろ唯なんか、めちゃめちゃいい奥さんになりそうなものである。
で、図らずも声を揃えた俺と唯の台詞は
「息もピッタリ♪」
というところだけしか受け取ってもらえなかった。
「雛森、また飯たかりにきたのか。ったく家で食えよ、こっちだって食費ヤバイんだぞ。」
「いいじゃん、家貸してるんだから。そ・れ・に──」
・・・・嫌な予感がする。
「唯ばっかりズル~い!!」
猛ダッシュで突っ込んでくる。
「えっ、ちょっ、真由ちゃん!?」
「バッ!おまっ何してんだ!」
「く、苦しいよ、真由ちゃん・・・」
「このぉ、身体計測の怨み、今こそ果たすんだからぁ」
「おいコラ、暴れんな!唯はさっきまで体調悪かったんだぞ!」
「・・・・・。」
はぁ、ようやく静かに───
「チャーンス☆」
「待たんかーい!」
「けしからん、実にけしからん!こんなムニムニしてて柔らかくていいと思っとるのかね!」
「き、気にしてるんだから言わないでよ!」
抱きつくなり、体中触りまくり、揉みまくり、ともかく見るのすら憚られるようなことをやりまくる。
・・・てかほぼこれ
「見ないで、龍牙恥ずかしい。」
「あ、はい・・・。」
言われて目を隠す。
「も、揉まないで真由ちゃん!!ひゃっ!」
──口には出せないが強姦そのものな気がしないでもない。
てか、声聞くだけでかなり有害だ。健全な男子高校生には別の意味で聞くに耐えない声を響かせる。
「はぁ、気がすんだら呼んでくれ。」
「りゅ、龍牙、助けてよ!」
「見ないでって無理難題がなけりゃ助けてやるよ・・・」
「う、うぅ」
そう言い残し、R15の限界を越えそうな部屋を出た。
その名の通り烏の濡れたような色。青みがかった黒色で、日本人女性の理想美。『烏の濡れ羽色』『
ウェストミンターの鐘
『キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン』の学校でよく聞くチャイムの音。
『嘘も百回言えば真実になる』
ヒトラーの名言。
ユダヤ人虐殺の正統性をプロバカンダする際にこう言って洗脳したとされる。
Rendezvous attempted
『ランデブー未遂』と言う意味。
ランデブーとはデートのことである。※和製仏語で本来の訳にこの意味はない。