俺の恋人は永遠に子ども   作:灰恵

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仮想19世紀
第17夜 仮想19世紀


 

 

 

 

 

 

電話が足元に散らばり、それを除けながら伯爵さまの元へ向かう。

 

「なにかニオウんで、調べておいデ♡」

 

ロッキングチェアーに座り、あみあみと星柄のマフラーを編んでいる手を休めることなく、伯爵はLv.2のアクマに命令する。

 

「(めんどくせ・・・)」

 

Lv.2がそんなことを思っているとは思わずに、伯爵は続けた。

 

「名前は、アレイスター・クロウリー三世♡」

「はい」

 

Lv.1を何体かあげます♡

 

「クロスと接触した可能性があル♡ もし何もなくても、とりあえず、殺しときなサイ♡」

「はい(『イノセンス』か。あれには、あんまり関わりたくない)」

 

バタバタとうるさい足音が聞こえてくる。

 

「千年公ー♪」

 

千年伯爵の背中に、ロードは飛び込んだ。

 

『伯爵タマー!』

 

意思を持つゴーレムのレロは悲鳴を上げる。

 

「(とても、嫌なカンジがするのよ。 あれ)」

「ひゃっ、ロード!?♡ あなた、また我が輩のレロをちょろまかしましたネ♡」

 

綺麗に着飾ったアクマは、伯爵の注意がそれたので身を引いた。

 

「ねぇ。千年公」

「なんですカ♡ ロード♡」

「“白いアクマ”と遊んできていい?」

 

肩に乗り上げ、上目使いで頼む。

 

「しょうがないですネ♡ 壊しちゃダメですヨ♡ あれは(まれ)にみる“アクマ”なんですかラ♡」

「はぁ~い♪」

 

ロードはおもちゃを見つけたようにウキウキと、ぴょんと肩から降りると、パタパタと()けて行った。

 

『伯爵タマ』

「なんですカ?♡ レロ」

 

あみあみと再開する。

 

『いいレロ? “白いアクマ”を生かしておいて』

「いいんですヨ♡ あのコがいるだけで、アクマのレベルが格段と上がるんですかラ♡」

 

確かに。とレロは思った。

 

 

“白いアクマ”とは、日本にいる“できそこないのアクマ”のことである。

 

日本のアクマは、白いアクマのことが嫌いで、良く殺し、良く食べている。

しかし、その白いアクマも、とてもしぶとく、アクマをよく殺し、よく食べた。

 

そして、白いアクマに気に入られたアクマは、レベルが格段と上がるのだ。

 

最高で、Lv.4に進化する一歩手前まで来ている。

もうそろそろ、Lv.4に進化してもいいころだ。

 

 

 

 

***

 

 

 

『千年公~は、探してるぅ♪ ~』

 

アクマの死骸の山に座る白いアクマ。

 

『大事なハート。 探してるぅ♪ ~』

 

バキリ と山の一部だったアクマの腕を折り、持ち上げる。

(したた)る血を、ゴクゴクと飲み、(のど)(うるお)す。

 

『あなたはアタリ♪ たしかめよぉ♪ ~』

 

そのまま、パキリ、ボキリ と腕を食べ始めた。

 

 

 

ここは日本 ―――

 

 

 

(めずら)しくない光景だ。

 

 

 

 

***

 

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