俺の恋人は永遠に子ども   作:灰恵

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後書きスペースに、落書きあり。





第3夜 見舞い②

 

「さ、お腹診せて、神田君」

 

一通り、アレンの受診を終えると、帰るわけでもなく、今度は神田に向き合って、ニコニコと笑っていた。

 

「は?」

「は? じゃないでしょ? この前の受診からだいぶ経ってるし、いい機会だから、ちょっと診察させてよ」

「金持ってねーよ」

「いいからいいから」

 

そういうと、耳に聴診器を当てて、俺が腹を出すのを待っている。

 

「チッ」

 

こうなったら、テコでも動かないことは解りきっているので、カムイと向かい合う。

服をめくり、聴診器をあてやすいようにする。

大きく息を吸って、吐いて。

カムイは前を聞き終えて、手が離れると俺は、後ろを向く。

大きく息を吸って、吐く。

 

「――― うん。 大丈夫だね。問題なし」

「肺の音しか聞こえねーんじゃねーのか?」

 

服を戻しながら、疑問だったことを聞く。

はたして、作られたモノに、人外となったモノに、心音はあるのかと。

 

「心臓の音もちゃーんと、あるよ。だって、神田君は人間なんだから。自分を悲観しちゃダメだよ」

「フン」

 

メッ! とおイタをする子供を叱るように人差し指を立てるカムイに、俺はバカにしてんのか? と鼻で笑った。

 

 

***

 

 

カムイは急に上機嫌になってじゃべり出した。

 

「ところでぇ~・・・、僕のかわいいリナが来年、高校生なんだぁ♪」

 

まだいんのかよ。

 

「ローズクロス学園を志望してるんだけど」

 

また、めんどくせぇところを。

 

「あそこってさぁ、個性的な子が多く居る所じゃない?」

 

お前がいられたぐらいだからな。

 

「でね、僕、心配だから、一緒に高校生になって入学しようと思ったんだ」

 

神田は眉を寄せた。

潜入の間違いじゃねーのか?

 

「でも、『兄さんが高校生だなんて、あり得ないわ』って言われちゃってさぁ」

 

なんか、雲行きが怪しくなってきたぞ。

俺は立ち上がった。

 

「神田君、もう一度高校生やってみない? ……って、待った、待った! 神田君!」

「断る!」

 

俺が逃げないように腰に抱き着き、イヤイヤと首を振るカムイ。

うぜぇ・・・

カムイの顔を押し込んでも離さない。

 

「離せ!!」

「イヤだ!!」

 

チッ! あと、もうちょっとなのに……

俺の片手はドアの取っ手にかけられている。

後は、これをスライドさせれば、逃げられる。

病院内で走るなとか言ってられねぇ。

こっちは、死活問題だ!!

 

「だってぇーー! 『アレン君はどうするの!?』って言われちゃったら、断れないじゃないかぁ」

 

涙目で哀願され、ぐっと言葉が詰まる。

カムイだからこそ、アレンを安心して預けることが出来るというのに。(別の意味では不安が絶えないが)

このままだと、病院をほったらかして、何をしでかすか分かんねぇ……。

 

ぐっ・・・

 

神田の眉間(みけん)(しわ)()る。

カムイは、お願いだよぉ・・・と(なさ)けない、(うる)んだ目で神田を見上げている。

 

 

「・・・」

 

 

神田は(あいだ)()けて、盛大(せいだい)にため息をついた。

カムイは、パァァァァ・・・と笑顔になる。

 

「ありがとう神田君!! じゃあ、早速(さっそく)4月から入学してね!」

「は? 4月って……今年の?」

「そうだよ! あ、大丈夫! 先方にはもう連絡してあるから、入学式からちゃんと、出てね!」

 

何を勘違いしてんのか分かんねぇーけどな・・・

 

「~っ! ふざけんな!! 俺を行かせんのなんざ、虫よけのためだろうが!! んなもん、リナが居る時だけで、いいだろうが!!」

 

ここが病院だということも忘れ、カムイを怒鳴りつけた。

 

「だって~、変な虫が3年・・・いや、2年生にいたら、リナが入学した時に、危ないだろう!?」

「んなもん知るか!!」

 

「アレン君」

 

「・・・・・・」

 

弱みを握られ、ぐっと言葉が詰まる。

本当に昔から、こいつらは妹のこととなると、見境なく暴走しやがる。

 

 

 

 

***

 

 

 

「まさか、本当に神田さんが引き受けてくれるなんて、思ってもみなかったわ」

「だったら、お前の兄をどうにかしろ」

「無理よ。()めてこれなんだもの。それこそ、病院で死者が出るわ」

 

あの後、婦長が騒ぎに駆け付け、めちゃくちゃ怒られた。

そのせいで、耳が痛い。

 

「はい、おかわり。 いる?」

 

俺の手の中にある湯呑(ゆのみ)の中身が空になったのを見計らって、リナは手を差し出した。

リナに頼まず、自分で入れようと腰を浮かすと、リナは「ん」と、頂戴(ちょうだい)と要求する。

手と湯呑(ゆのみ)蕎麦湯(そばゆ)が入ったポットを見比べ、カムイが居ないことをいいことに、リナに頼むことにした。

 

今夜は俺の好物の蕎麦をリー家で食べている。

さっきまで、カムイも一緒に食べていたが、急患(きゅうかん)が入ったとかで、泣く泣く仕事に行った。いや、行かせた。

 

病院で叱られた後、カムイが()(ぎわ)に「夕飯、食べに来てねーー! 絶対だよ!」としつこく言うので、俺はウンザリして「わかったから、さっさと行け」と、しっしと追い払う。

腹減ったな。と思った時に、それを思い出し、来てみれば、晩御飯のメニューは寒い季節に優しい温蕎麦だった。

俺に迷惑をかけている自覚はあるようだ。

 

「いいなぁ、神田さん。 一足先に入学しちゃうんだもの。ますます、入学が楽しみになってきちゃったわ」

「その前に受験だろ」

「わかってます。 主席で取ってみせるわ」

 

自信満々で答えるリナ。

 

ああ、マジでやりそう。

 




注意書き:「書き始めたけど、最後まで書けずに、あれ?これってどんな設定で書いたんだっけ?」という、中途半端なものを、落書きのように載せていきます。時間軸などバラバラですので、ご注意ください。

***

此処は黒の教団。アクマと戦う者にとって、ひとときの安らぎを与えるホーム。その本部である。
今日も平凡な ――。
「室長!」
一日に ―― ならないんだよねー。うん。分かってる。
リーバー班長の怒声とも言える声が司令室に響く。
「ん~? なんだい? リーバー班長?」
「っ・・・く、クロス元帥が帰還しました!」
「何!?」
ぜーはーぜーはーと、言いながら、コムイに報告する。それを聞いたコムイも驚き、聞き返す。
ムリもない。 二年近く音信不通だったのだ。それを、なんの報告もないままの帰還とは、驚くばかりである。
「それから、入団希望者が二名いまして、来てください」
「わかった」
コムイ達はモニタールームへ小走りで行く。
「あ、兄さん」
そこでは、一足先にリナリーが来ていた。
コムイは、マイクを受け取る。
「クロス元帥、その二人が入団希望者ですか?」
『ああ、弟子はこっち。あっちは希望者だ』
弟子の(ほう)は、子供の様で、黒髪に左目には眼帯をしている。見た目は15~16歳ぐらいだろうか。
希望者の(ほう)は、クロス元帥と同じ年くらいだろうか、にこやかに笑う男性だ。
『アレン』
『マナ・ウォーカーです』
弟子のアレンはそっけなく答え。
希望者のマナはにこやかのまま、答えた。
「わかりました。門番の人体検査を受けてください」

―― クロスside.
「マナが先に受けて」
アレンは小声でマナに伝えた。
「わかりました」
マナは頷くと、門番の前に出た。
『レントゲン検査! アクマか人間か判別!!』
結果はセーフ。マナの許可が下りた。
一方、アレンはというと。
『コイツ、アウトーーーー!!!』

「「「なにーーーーー!!?」」」

『アウトだ、アウト!! コイツ、呪われてやがる。ペンタルクはアクマの印!! 千年伯爵の仲間(カモだ)――!!』
城内に響き渡る警戒音。
『スパイ侵入。スパイ侵入!!』
言われている、当の本人は、耳をふさいだまま、そっぽを向いている。

バアァァーーン!!!

警戒音を遮るようにクロス元帥が空に向けて一発撃った。
「うるせぇ!! テメェら!!」
クロスはマジ切れ。低い重低音はガラス千本割ったような声が響いた。
警戒音を聞いて、来た神田も、門の上で固まってしまう。
「クロス! 落ち着いて!!」
マナはなだめるように、落ち着けと言ってはいるが、聞く耳持とうとしない。
我に返った神田は下に降りた。
「クロス元帥? これはどういうことですか?」
神田は怒り口調で聞いた。
「あ゛ぁん? どうもこうもねぇよ。エクソシストだって言ってるだろうが」
クロスが切れると余計に状況が悪くなる。それだけは、避けなければならないので、マナが必死に止めている。
アクマと疑われているアレンは、面倒くさいと言っているような顔で、小さくあくびをしていた。
「エクソシスト?」
神田はアレンを見た。
「なら、対AKUMA武器は?」
シャキンと、アレンは剣を前につき出した。刃先は神田に向いている。
「コレ」
ピンっと、真っ直ぐにつき出した刃先を地面に向けるて、ピッと柄についている十字架を指さした。
(…… 装備型?)
「まったく、とんだ拾いもんだぜ。おい、アレン。お前は疫病神か?」
「別に」
アレンはそっけなく答え、剣を鞘に納める。
「さっきので引っかかったのって、その左目だよね?」
マナはアレンに聞いた。アレンは何も言わずに、こくりと頷く。
『ふむ。なるほどねぇ。うん、大丈夫。二人とも、入城を許可しまーす』
コムイの拍子抜けした声がゴーレムから聞こえ、門が開いた。
そして、4人は中へ入っていく。

――― ここが終わり。そして始まり。
ココロの闇が少しづつ、光へと変わっていく。
――― はやく気づいて、はやく溶かして。
凍りついたその心を。
――― 陽だまりの温かさで。

To be continued.
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