後書きにらくがきあり。
家に戻ると、タンマツを使って、カムイの電話に掛ける。
数秒後、電話が繋がった。
「おい、カムイ。コレはどういうつもりだ!?」
『リーバーだ』
「!?」
カムイだと思ったら、別の奴だった。
一瞬、掛け間違えたか? とタンマツ画面を確認する。
“カムイ・リー”となっていた。
間違いない。
『神田?』
「いや、なんでもねェ。カムイは?」
リーバーなら、良くカムイの仕事を手伝ってるから、カムイの電話に出てもおかしくねェか。と思い、カムイは?と聞いた。
『あー、悪い神田。室長なら今、寝てるんだ』
「起こせ」
問答無用で言い放つ。
『待て待て、神田。集中力切れて倒れたから、例のアレでも起きないんだ』
例のアレとはカムイを起こす際、良く使う、『リナちゃんが結婚しちゃうってさ』である。
「そんなことあんのか?」
『まあ、こっちも色々とな。室長本人じゃないとダメか?』
大抵の事なら、カムイに直接伝えずとも、リーバーに伝えれば、自然とカムイにも伝わる。
「本人じゃねェと、ワケが聞けねェかもな」
『というと?』
「こっちで使えるカードをカムイから押し付けられたんだが、いらねェんだよ。正直」
『カード?』
「VIPカードって言うらしいぜ」
『ああ、VIPカードか、懐かしいな。ということは、リナちゃんが受験するって言ってたのは、ローズクロス学園か』
リーバーは、リナが受験する高校に神田を潜入させた、と聞いていたが、肝心な受験校を教えてもらっていなかった。
「聞いてないのか?」
あれだけ、騒ぎを起こしていて、リーバーが知らなかったことに、少なからず、神田は驚いた。
『室長がな、教えてくれないんだよ。でも、そっか、なるほどな』
「何がだ」
一人で納得すんじゃねェよ。
『いや、それでVIPカードがどうしたって ―――』
話、そらしやがったな。
『え、いらない?』
リーバーは神田の「いらない」という発言を思い出し、目を丸くした。
「ああ、いらねェ。送り返していいか?」
神田は空いている手で、黒く光るVIPカードを眺める。
『いやいやいや。ちょっと待て神田。VIPカードは学園に居る間は便利だぞ?』
リーバーは慌てて止める。
「知ってる。今日、クラスの奴から聞いた」
『なら、便利だって知ってるだろ?』
リーバーは神田が、VIPカードがどういうカードなのか知らないで、いらないと言っているのかと思ったが、そうではないらしい事に、ホッとした。
「ああ。でも、コレは本来、学園に
『神田・・・』
リーバーはその言葉の意味の裏側に存在する感情を感じ取り、悲しくなった。
『だから、いらねェんだ。コレ。それに、これ以上、妙なヤツらに目を付けれても困る』
「神田」
リーバーは、神田ほど学園に
それほど、神田ユウがしてきた
「いや、持ってろ。少なくとも学園に居る間は」
『なんでだよ。いらねェよ。つか、次の休みにそっちに行くからな。ここに居ても、こんなに距離があったんじゃ、見舞いにも行けねェ』
神田は
「そのことなんだがな」
『あぁ?』
「近々、アレンの入院先を変えようと思っててな」
コレはカムイも知っている。
『は? ふざけんな。他に預けられるところなんざねェよ』
神田の低い声が電話を通して、聞こえてくる。
リーバーは背筋を凍らせた。
神田はカムイの所だったからこそ、訳ありのアレンをその病院に預けていたのだ。事情も知らない別の病院に移されては、何をされるか分からない。
「落ち着け神田。室長も一緒だから安心しろ」
リーバーは電話越しでも分かる殺気に必死になだめる。
これでは今すぐにでも殴り込みに来る。
それはマズイ。
『……どこだよ』
カムイも一緒と聞いて、少しは落ち着いたようだ。
「あ、あぁ……ローズクロス学園の病院だよ」
これは、殴り込みは
『こっちの?』
「あぁ。そっちの方が長期的に見ても、設備が整っているからな。リナのことも含めると、こっちの病院にいるより、移った方が便利だろ? それに、これ以上、リナから室長を離しておくのはマズイ。仕事に手が入らん」
最後に本音がポロリと出てしまったが、まぁ、いいか。
『……わかった』
どうやら、納得してもらえたみたいだな。
良かった、良かった。
『――― お前も来るのか?』
次に出た神田の言葉に、リーバーは一瞬、固まった。
「ああ、行くよ。 他にもアレンの担当医や関係者も含めてな」
『チッ。なら、あの婦長も来んのか』
“その他関係者も”と聞いて、神田は不機嫌になった。
「ハハハ。神田は婦長さんの事、苦手だなぁ」
『苦手っつーか、面倒くせェんだよ。いちいち、小さな怪我で騒がれんのが』
「いや、お前のその“小さな怪我”は一般的には“重傷”と呼ぶんだぞ?」
この前の騒ぎをリーバーは思い出し、苦笑いを浮かべた。
『知るかよ。そんな事、いちいち気にしてたら戦えねェよ』
あたかも、関係ありませんと言っている神田に、リーバーは心配になってきた。
「それは、そうなんだがな。 でも、戦う時は十分気を付けろ」
『ああ。分かってる』
「それと、VIPカードの事なんだが、ちゃんと失くさずに持ってろよ。少しでも医療費が軽くなるから」
『チッ』
舌打ちは“了解”っと。
俺も段々、神田とのやり取りに慣れて来たな。とリーバーは内心、細く微笑む。
「それじゃな。神田」
『ああ』
電話が切れる。
ツーツーと鳴る電話を切った。
「スピーーーーー」
寝息を立てて眠る室長を見て、俺は苦笑いを浮かべた。
「まったく、この人は。ちゃんと神田に説明すればよかったのに」
電池が切れた様に、机で寝ている室長の寝顔はマヌケ
肩から落ちそうになるブランケットをかけ直す。
――― お前も来るのか? ―――
ああ、行くよ。
俺にも、何があっても、全力で支えようって決めたバカがいるから。
机に広がる書類は全て、この病院の引き継ぎと転職先の書類だ。
この病院に勤めている職員の数名が、アレンと一緒にローズクロス学園に転職することを決めた。
リーバーは、学園案内のパンフレットを手に取る。
「また、ここに戻る羽目になるとはなぁ……」
ローズクロス学園 ――― 知る人ぞ知る。黒の教団の成れの果て ―――
***
第5夜 電話・あとがき
注意書き:「書き始めたけど、最後まで書けずに、あれ?これってどんな設定で書いたんだっけ?」という、中途半端なものを、落書きのように載せていきます。時間軸などバラバラですので、ご注意ください。
***
【12歳の鎮魂歌~レクイエム】
僕が黒の教団に入団して、4年・・・
14番目の関係者としての疑いは晴れ、教団に認められた。そして2年前、元帥へと進級した僕はセレス・シードという、若干12歳の女の子の弟子を取った。1年半僕の助手をしたセレスを教団に行かせた半年後、つまり今、悲劇が起こった。
黒の教団総本部がアクマ並びにノアの一族、千年伯爵に襲撃された。というのだ。
僕は連絡を受けた直後、箱舟を使用し、駆けつけたがその時にはすでに遅く、イノセンスは壊され、教団の人間もエクソシストも死んでおり、かすかに生きていたセレスも助ける事が出来なかった。
そして、僕は、千年伯爵に次元の彼方へと飛ばされ、この世界の、いや、あの世界の戦争は負けた。
今、僕がいる世界は、今までいたあの世界とまったく同じ世界で、ただ違うのは、僕が死んでいるということ。そして、あの世界での出来事を知っている僕は、5才ということ、マナがまだ、生きているということ。
だから、僕は、あの世界と同じ運命をたどらぬように、しなければならない。
14番めの関係者として、一人のエクソシストとして、ひとつの戦闘狂として、僕は戦わなければならない。
あの、千年伯爵と・・・
To be continued.