俺の恋人は永遠に子ども   作:灰恵

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後書きに第7夜の続きで、短編小説を載せています。

コイツ、頭良かったのか。


第8夜 リナの頼み

 

 

 

 

「そっかぁ。リナちゃん、今年、受験生なんさね」

「ええ。そうなの」

「勉強、(はかど)ってるさ?」

「それなりにね。でも、主席を取るつもりだから、まだまだってところね」

 

家までちゃんと送ってよ! 神田くん! 

とカムイに頼まれたので、駅を乗り継ぎ、リナの家に向かう。

いつの間にか、親しく話している二人を横目で見る。

 

つか、なんで兎も一緒に来るんだ?

 

「ならなら、俺が勉強、教えるさ!」

「え?」

「は?」

 

電車の窓の向こうを向いていた神田も、ディックの顔を見た。

二人は、何言ってるのこの人。という顔をしている。

リナはいち早く回復し、(あわ)てて遠慮(えんりょ)した。

 

「わ、悪いわ! ディックだって自分の勉強があるじゃない!」

「いいって、いいって。リナも主席を目指すんだろ? だったら、ここが出るって所も教えられるさ!」

 

にっこり笑って、俺って頭いいさ! などと言っている。

大抵、こういう事を言う奴ほど、バカなんだ。

 

「“も”って、ディックも目指したの?」

 

リナは言葉に引っ掛かりを覚えた。

 

「目指したというより、現在、主席さ?」

 

「「 え 」」

 

サラリと言うディックに二人は目を丸くする。

 

「ひどいさー。特にユウちゃん。俺ら一緒のクラスなのに、知らなかったんさ?」

 

ディックは、これまた心外と肩を落した。

 

「いつもヘラヘラしてるからな。(主席は)もっと真面目なヤツだと(思った)」

 

ひどーい。

 

「つか、この前、VIPカード持ってねェって言ってたじゃねぇか」

「もう、持ってるさ」

 

ホレ。と緑色のカードを見せた。

 

「前の中間テストて上位10位以内は、貰えるんさよ」

 

まぁ、ランクは低いけどさぁ。と内心愚痴る。

 

「あの・・・」

「うん?」

「お願いできますか?」

 

恐る恐るリナはディックの(そで)をつかみ、上目遣いで頼んだ。

 

ス、ス、ストラーイク!!

あ。

 

ディックの目がハートになっていることに、神田は気が付いた。

ディックはリナの手を取り、宣言した。

 

「もちろん! 手取り足取り教えるさ!」

「教えんでいい!!」

 

下心を読み取った神田の手刀がディックの頭を直撃した。

 

 

 

 

***

 

 

 

後日、家庭教師だと、兄さんが怖いので、アレン君のお見舞いと、兄さんがちゃんと仕事をしているかを見るために、神田と事情を知ったリーバー班長のススメもあって、ローズクロス学園の図書館に通うこととなりました。

 

どうして図書館なの?と聞けば、

 

「一目があった方が、手は出さないだろ」と神田が、

「あそこにいる司書は、そういう事には、抜け目がないんだ」とリーバー班長が言った。

 

彼、下心あるようには、見えなかったんだけどな。と漏らせば。

 

「「 それはない 」」

 

神田とリーバー班長は口を揃えて言った。

 

 

 

***

 

 

 

「それではこれより、私立ローズクロス学園付属高等部入学式を始めます」

 

 

 

 

「続きまして新入生答辞。 新入生代表、リナ・リー」

 

 

リナが壇上(だんじょう)に立つだけで、男子も女子もその姿に魅入られ、その口からどのような言葉が(つむ)がれるのかを期待した。

 

 

「その晴れの日に歓迎(かんげい)のお言葉を(いただ)きまして感謝いたします。私は、新入生を代表し、ローズクロス学園高校の一員として(ほこ)りを持ち、皆等しく! 勉学に(はげ)み、共に(まな)()で成長することを(ちか)います」

 

 

 

 

***

 

 

 

「「「 カンパーイ!! 」」」

「・・・」

 

 

カチャンと音を立ててグラスとグラスが合わさる。

神田はひとり、グラスを合わせずに軽く持ち上げ、一口飲んだ。

 

 

「リナ! 今日も可愛かったよ!」

 

とカムイが()めて、リナは「ありがとう」と礼をいう。

 

「皆の目が集中するぐらいにね」

 

とフフフ・・・と悪い顔をする。

 

さてさて、僕のかわいい!! リナに近寄る悪い虫は撃退(げきたい)させなきゃね。

 

「兄さん。あんまり、暴走しないでよ?」

「そうッスよ、室長。 いつかの時みたいに暴走して、退学なんてゴメンっスからね」

「イヤだなぁ~、リーバー班長。 コムリンは暴走の(うち)に入らないって」

「いや、あれが入らなかったら、いったい、何が入るんですか」

 

ねぇ。と隣に座る神田にこっそりと聞く。

 

「そんなに(ひど)かったの? 兄さんの学生時代って」

「さあな。 俺はまたか。とは思ったが」

「また?」

 

神田は呆れ顔でため息をつく。

 

「昔っから、こいつらは変なモンを作っては、学生にも教師にも、悲鳴をあげさせていたな」

 

シレっと答える神田。

 

「ふ~ん」

 

リナは兄のカムイに、昔からそんなことしてたんだ。と白々しい目を向けた。

 

「「 は は は は・・・」」

 

二人の会話にカムイとリーバーは笑い誤魔化す。

 

「いや、でも、ほら。 俺はまだ、まともな方だったから」

 

リーバーは弁解(べんかい)した。

 

「ひどい! 僕だって、そうだよ!」

 

カムイも負けじと言い返す。

 

「いや、室長のは ―――・・・」

 

 

 

リナの入学祝に開いた、ちょっとしたパーティは、カムイたちの学生時代の昔話に花が咲いた。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ」

「あぁ?」

「本当に兄さん、退学になったの?」

 

昔話の頃は、リナはまだ幼く、良く覚えていない。

兄が退学した話は聞いていないが、急に不安になった。

 

「いいや。確か・・・」

 

 

 

――― えぇー。またですかぁ?♡ 仕方がないですねぇ。

カムイ・リー。リーバー・ウエスタン。フェイ・チャン。

あなた方、三人でこれに出てください♡

結果次第では、処置を考えます♡ ―――

 

 

 

「三人共同で開発したヤツが大当たりして、賞まで取ったんだ。 だから、退学はしてないぞ」

 

どうやって退学を免れたんだ? と考えを巡らせていた神田の代わりに、リーバーが答えた。

 

「そっか。よかったぁ」

 

リナはホッとした。

 

「だから、やめてくださいよ。室長。 教師になっても暴走するの」

 

「は~い」

 

 

 

「(たぶん、無理だろうな)」

 

神田はひとり、そう思えた。

 

 

 

 

 

 

 

***




第8夜 ・あとがき(第7夜 関係・あとがき 続き)
注意書き:「書き始めたけど、最後まで書けずに、あれ?これってどんな設定で書いたんだっけ?」という、中途半端なものを、落書きのように載せていきます。時間軸などバラバラですので、ご注意ください。

***

【12歳の鎮魂歌~レクイエム】

「やられたな」
アクマの残骸を見ながら、教団のエクソシストである神田は表情を変えず、頭を悩ませていた。
「あちらはわたしたちの行動が分かるのかしら」
神田と同じく、「白いアクマ」の探索、調査の任務に付いているリナリーが残骸を見ながら言う。かれこれ、半年近く白いアクマを探しているのにもかかわらず、いると情報を得ても会うことが出来ないでいる。
「エクソシストはイノセンスを持っているから分かるが、ファインダーや他のサポートの人間に会わないのは、おかしい」
神田は仏頂面で答える。
「一度、教団に戻る?神田」
リナリーは神田に聞いた。
「リナリーはそうしろ。俺はこのまま任務についている。いくらなんでも、2日程度なら見つかるだろう」
あまりにも逃げ足が速いので、教団は変わりばんこに、各エクソシストに教団の室長コムイから指示を受けていた。今日は、2週間前からこの任務に付いているリナリーと6日前から付いている神田がようやくここまでたどり着いた。
「そうだけど、どうやって探すの?」
唯一、探す手がかりなのが、一般人から得た人物像と行動パターンだけだが、どれも一般人から得たものなので、正確な情報ではない。ふたり組みの親子で、子供は12~3才の男の子、父親と一緒に行動している。肝心の「白いアクマ」は子供の方のようだった。
「行動パターンは分かっているんだ。どっかの店で大量に食べてんだろ。相手は食事でエネルギーを補うタイプみたいだからな」
神田は呆れつつも、東に向かって歩き出す。
「そーね。軽く10人前は食べるのに、払う金額全部払っているなんて、どうやって稼いでいるのかしら」
「知るか」
神田はぶっきらぼうにいうと、スタスタと歩き出した。
 彼らがお得意のギャンブルで稼いでいるなどとは彼らは知らない。

To be continued.
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