コイツ、頭良かったのか。
「そっかぁ。リナちゃん、今年、受験生なんさね」
「ええ。そうなの」
「勉強、
「それなりにね。でも、主席を取るつもりだから、まだまだってところね」
家までちゃんと送ってよ! 神田くん!
とカムイに頼まれたので、駅を乗り継ぎ、リナの家に向かう。
いつの間にか、親しく話している二人を横目で見る。
つか、なんで兎も一緒に来るんだ?
「ならなら、俺が勉強、教えるさ!」
「え?」
「は?」
電車の窓の向こうを向いていた神田も、ディックの顔を見た。
二人は、何言ってるのこの人。という顔をしている。
リナはいち早く回復し、
「わ、悪いわ! ディックだって自分の勉強があるじゃない!」
「いいって、いいって。リナも主席を目指すんだろ? だったら、ここが出るって所も教えられるさ!」
にっこり笑って、俺って頭いいさ! などと言っている。
大抵、こういう事を言う奴ほど、バカなんだ。
「“も”って、ディックも目指したの?」
リナは言葉に引っ掛かりを覚えた。
「目指したというより、現在、主席さ?」
「「 え 」」
サラリと言うディックに二人は目を丸くする。
「ひどいさー。特にユウちゃん。俺ら一緒のクラスなのに、知らなかったんさ?」
ディックは、これまた心外と肩を落した。
「いつもヘラヘラしてるからな。(主席は)もっと真面目なヤツだと(思った)」
ひどーい。
「つか、この前、VIPカード持ってねェって言ってたじゃねぇか」
「もう、持ってるさ」
ホレ。と緑色のカードを見せた。
「前の中間テストて上位10位以内は、貰えるんさよ」
まぁ、ランクは低いけどさぁ。と内心愚痴る。
「あの・・・」
「うん?」
「お願いできますか?」
恐る恐るリナはディックの
ス、ス、ストラーイク!!
あ。
ディックの目がハートになっていることに、神田は気が付いた。
ディックはリナの手を取り、宣言した。
「もちろん! 手取り足取り教えるさ!」
「教えんでいい!!」
下心を読み取った神田の手刀がディックの頭を直撃した。
***
後日、家庭教師だと、兄さんが怖いので、アレン君のお見舞いと、兄さんがちゃんと仕事をしているかを見るために、神田と事情を知ったリーバー班長のススメもあって、ローズクロス学園の図書館に通うこととなりました。
どうして図書館なの?と聞けば、
「一目があった方が、手は出さないだろ」と神田が、
「あそこにいる司書は、そういう事には、抜け目がないんだ」とリーバー班長が言った。
彼、下心あるようには、見えなかったんだけどな。と漏らせば。
「「 それはない 」」
神田とリーバー班長は口を揃えて言った。
***
「それではこれより、私立ローズクロス学園付属高等部入学式を始めます」
「続きまして新入生答辞。 新入生代表、リナ・リー」
リナが
「その晴れの日に
***
「「「 カンパーイ!! 」」」
「・・・」
カチャンと音を立ててグラスとグラスが合わさる。
神田はひとり、グラスを合わせずに軽く持ち上げ、一口飲んだ。
「リナ! 今日も可愛かったよ!」
とカムイが
「皆の目が集中するぐらいにね」
とフフフ・・・と悪い顔をする。
さてさて、僕のかわいい!! リナに近寄る悪い虫は
「兄さん。あんまり、暴走しないでよ?」
「そうッスよ、室長。 いつかの時みたいに暴走して、退学なんてゴメンっスからね」
「イヤだなぁ~、リーバー班長。 コムリンは暴走の
「いや、あれが入らなかったら、いったい、何が入るんですか」
ねぇ。と隣に座る神田にこっそりと聞く。
「そんなに
「さあな。 俺はまたか。とは思ったが」
「また?」
神田は呆れ顔でため息をつく。
「昔っから、こいつらは変なモンを作っては、学生にも教師にも、悲鳴をあげさせていたな」
シレっと答える神田。
「ふ~ん」
リナは兄のカムイに、昔からそんなことしてたんだ。と白々しい目を向けた。
「「 は は は は・・・」」
二人の会話にカムイとリーバーは笑い誤魔化す。
「いや、でも、ほら。 俺はまだ、まともな方だったから」
リーバーは
「ひどい! 僕だって、そうだよ!」
カムイも負けじと言い返す。
「いや、室長のは ―――・・・」
リナの入学祝に開いた、ちょっとしたパーティは、カムイたちの学生時代の昔話に花が咲いた。
「ねぇ」
「あぁ?」
「本当に兄さん、退学になったの?」
昔話の頃は、リナはまだ幼く、良く覚えていない。
兄が退学した話は聞いていないが、急に不安になった。
「いいや。確か・・・」
――― えぇー。またですかぁ?♡ 仕方がないですねぇ。
カムイ・リー。リーバー・ウエスタン。フェイ・チャン。
あなた方、三人でこれに出てください♡
結果次第では、処置を考えます♡ ―――
「三人共同で開発したヤツが大当たりして、賞まで取ったんだ。 だから、退学はしてないぞ」
どうやって退学を免れたんだ? と考えを巡らせていた神田の代わりに、リーバーが答えた。
「そっか。よかったぁ」
リナはホッとした。
「だから、やめてくださいよ。室長。 教師になっても暴走するの」
「は~い」
「(たぶん、無理だろうな)」
神田はひとり、そう思えた。
***
第8夜 ・あとがき(第7夜 関係・あとがき 続き)
注意書き:「書き始めたけど、最後まで書けずに、あれ?これってどんな設定で書いたんだっけ?」という、中途半端なものを、落書きのように載せていきます。時間軸などバラバラですので、ご注意ください。
***
【12歳の鎮魂歌~レクイエム】
「やられたな」
アクマの残骸を見ながら、教団のエクソシストである神田は表情を変えず、頭を悩ませていた。
「あちらはわたしたちの行動が分かるのかしら」
神田と同じく、「白いアクマ」の探索、調査の任務に付いているリナリーが残骸を見ながら言う。かれこれ、半年近く白いアクマを探しているのにもかかわらず、いると情報を得ても会うことが出来ないでいる。
「エクソシストはイノセンスを持っているから分かるが、ファインダーや他のサポートの人間に会わないのは、おかしい」
神田は仏頂面で答える。
「一度、教団に戻る?神田」
リナリーは神田に聞いた。
「リナリーはそうしろ。俺はこのまま任務についている。いくらなんでも、2日程度なら見つかるだろう」
あまりにも逃げ足が速いので、教団は変わりばんこに、各エクソシストに教団の室長コムイから指示を受けていた。今日は、2週間前からこの任務に付いているリナリーと6日前から付いている神田がようやくここまでたどり着いた。
「そうだけど、どうやって探すの?」
唯一、探す手がかりなのが、一般人から得た人物像と行動パターンだけだが、どれも一般人から得たものなので、正確な情報ではない。ふたり組みの親子で、子供は12~3才の男の子、父親と一緒に行動している。肝心の「白いアクマ」は子供の方のようだった。
「行動パターンは分かっているんだ。どっかの店で大量に食べてんだろ。相手は食事でエネルギーを補うタイプみたいだからな」
神田は呆れつつも、東に向かって歩き出す。
「そーね。軽く10人前は食べるのに、払う金額全部払っているなんて、どうやって稼いでいるのかしら」
「知るか」
神田はぶっきらぼうにいうと、スタスタと歩き出した。
彼らがお得意のギャンブルで稼いでいるなどとは彼らは知らない。
To be continued.