テイルズオブゼスティリア 〜審判を超えし者の旅路〜 作:夢見草
今回は前回予告してた通り我らが子安氏のルナール戦in イズチとなります。大分下手ですが、皆さんが楽しんで頂けたら幸いです!そして何気に記念すべき10話目!!
活動報告のアンケートも随時募集中です!!
ついでに、此れは独り言なんですが、北米版TOZの声優や体験版が発表されたようです
アリーシャ役:
Alexis Tipton
ライラ役:
Carrie Keranen
スレイ役:
Robbie Daymond
ロゼ役:
Caitlin Glass
何だとか。うーん...ストーリとかってどうなるんですかね?
某動画投稿サイトでは、既に海外のゲーマー達が日本版TOZをクリアしていて、その問題点などを挙げた動画なども存在します。
「おかしいねぇ、ここにはメインディッシュしか居ないはずなんだが……」
ゆらりと立ち上がる、細身の体躯の黒装束。
「また新たに二人も……おでましかぃ?」
ヒトのソレとは思えぬ裂け過ぎた口元をにんまりと歪め、ぎょろりと見開かれる瞳。ケダモノのように鋭く細いその瞳孔は、狂気という名の暗黒に包まれている。その瞳に居抜かれたソルトは、思わず全身が嫌悪感に総毛立った。
「なんだ……こいつも憑魔だっていうのか?」
驚きを隠しえない、僅かにトーンを下げた低い声で、ミクリオが警告する。
「ここは君が来る様な場所じゃない。立ち去るんだ!」
「キャハハハハハハハッ!!」
しかし、そんなこと気にも留めず、むしろそんなミクリオがおかしいとでも言わんばかりに、キツネ男は嘲笑う。
「小僧ォが……生意気に……」
ゆっくりとこちらに向き直り、キツネ男がミクリオを直視する。
「キャハハッ!!お前さん、旨そうなにおいがするねぇ……」
「なん……だって……」
当惑の色を含み、キツネ男が放つ邪悪なまでの存在感に気おされながら絞り出したミクリオの声で、キツネ男はさも愉快そうに口元をいっそう歪めた。
「言わせるのかぃ?」
「っつ!!」
「お前さんを喰いたいって!!」
「「ふざけるな/ろ!!」」
叫び声が重なり、スレイとソルトは其々の得手を構える。是非も無い、この目の前に居る男は、もはや間違えようも無く三人にとっての外敵に他ならなかった。マイセンは狂牙に倒れ、あまつさえミクリオまで狙われようとしている。このまま進入を許せば、イズチ全体にとっての“災厄”と化すのは自明の理。なればこそ、二人はここで完全に敵意をむき出しにしたのだ。二対の刀の先を相手に捉え、ソルトは鋭く言い放つ。
「お前が何者かは知らないが、ミクリオには指一本触れさせるか!!」
「カハハッ!!おもしろい……」
しばらく、お互いか互いの視線のみで牽制しあう。よりいっそう大きくなるキツネ男の狂気と、ソルトたちの放つ闘志とが折り重なり、場をしんと張り詰めさせる。満天の夜空から差す満月の月光が、彼らを儚げに照らし出す。
「シャアッ!!」
その均衡を破ったのは、キツネ男のほうだった。両手を振り上げたかと思うと、青い衝撃波が迸る。
「はあっ!!」
それを、ミクリオは自身が放った術で相殺した。互いの術の干渉により生じた煙に乗じて、スレイがその間合いを一気に詰め寄る。
「せやっ!!」
儀礼剣を横にねかせ、そのまま大きく横に斬り込む。それをキツネ男は上に飛んで回避すると、躱されたまま無防備になるスレイの頭部へと左手を振りかぶる。
「忘れてもらっちゃ困るな!!
「チッ!!」
そんなスレイを庇う様にソルトが低い姿勢のままその間に割って入ると、屈んだまま下から大きく刀を振り上げ、そのままの勢いで自身も大きく跳躍する。振り上げによる力と、ソルト自身の跳躍によるブーストにより、光の尾を引いて唸りを上げる刀身がキツネ男の手のひらへと迫る。キツネ男からしてみれば、ソルトの一撃は全くの予想外だったが、恐れることは無い。
「カハッ!!」
そのまま左手に力を注ぎこみ、紫煙色の波動を繰り出す。交じり合う白銀と紫煙とが、やがて耳を劈く轟音とともに爆ぜた。
***
「スレイ……ソルト?」
なんとなく胸騒ぎがして、少女は寝ぼけたままの瞳を擦りながら体を起こした。居間のほうに目をやると、この家の主たる二人の姿は無かった。加えて、壁に立て掛けられていたハズのソルトの刀が無いことに気づく。
“何かあったのだろうか?”
不思議に思いながら、少女はベッドから起き上がると、傍らに畳んである騎士服を手に取り、袖を通す。その上から特殊な素材で作られた籠手と脛宛を身に纏う。防具としては非常に珍しく簡素だが、ゴテゴテしていない分身軽で、少女はこれが気に入っている。なにより、この防具こそが、彼女の先祖たちが受け継いできた誇りの証であり、少女の存在を証明する物でもある。それゆえに、代わりなど存在するはずも無い。傍らに寝かせてある槍を手に取ると、少女はとりあえず外に出ようと考えた。理由としては、ソルトとともに彼の所持する刀が無いことと、よくよく見渡してみればスレイの儀礼剣も見当たらないことから、二人に何らかの戦闘目的があると踏んだのだ。護身用のためという可能性も否定はできないが、そもそもこんな時間に狩りに出かけるとは考えにくい。夜風に当たるだけであるならば、外に出るだけてこと足りる。いずれにせよ、ソルトとスレイの二人が外に居るのは間違いないだろう。そう結論付け、少女が外に出ようとドアのノブに手を掛けようとした瞬間、
ゴウンッ!!
と大きな音がした。
「はっ!!」
あわてて、少女は外に出る。そこで見たのは、杜よりももっと向こう、恐らく遺跡入り口近くの森であろう場所から、火柱にも似た紫色の衝撃波が天に向かって伸びているところだった。
「あれは……」
色こそ違えど、少女はその光景を何度か目にしたこともあるし、耳にしたこともある。曰く、ソレは天族たちの怒りだと。また或る者はこういった、アレは大きな災いの象徴だと。そうして、やがて人々はその光景をこう呼んだ
“大いなる災厄”
と。そしてその災いを前に、人はあまりにも無力であることを少女は知っている。
「スレイ……ソルト……どうか無事で……」
そこに二人が居る確証はない。それでも、少女は祈らずにはいられなかったのだ。こんな見知らぬ自分を助け、何も追及することなく良くしてくれる、心優しい少年二人の無事を。
***
「くっ!!」
キツネ男が発した術の衝撃に、一瞬身構えたソルトだったが、それでも手を休めることはしない。空中で身を翻すと、左手に握る刀を逆手に握り返して、剣先をキツネ男に捉える。
「
剣先を向けたまま、ソルトが急降下する。文字の如く、まるで星が落ちてくるようなその一撃は、しかし大きく後ろに跳び退かれて地面にクレーターを作るのみだった。
「おやおや、随分な攻撃だねぇ」
「ちっ!!」
余裕の笑みを浮かべるキツネ男に舌打ちしながら、ソルトは地面に刺さった刀を支点に背転すると、右足で刀のつばを蹴り上げて空中でキャッチし、そのまま地面に着地した。
「クハハハハハ!!」
「なっ!!」
着地からのリカバリングから生じる隙を逃さず、キツネ男がソルトの目の前に肉薄すると、体を捻りながら左足を振りかぶった。
「ぐっ!!」
とっさに刀をクロスさせて身構えるそのガード越しから、まるで容赦の無い痛烈な回し蹴りが叩き込まれる。伝わってくる不快感に顔をしかめながら、ソルトの体が大きく後ろに吹き飛ばされた。
「よくもソルトを!!」
キツネ男の意識がソルトに向いている中、ミクリオは不意打ちにも近い形でロッドを打ち込むが、キツネ男は一瞥もくれることなくソレを右手で掴み取ると、驚くミクリオの首を右手でつかみ上げた。
「うっ…………ぐ……」
「やっぱり、旨そうだねぇ」
「ミクリオから離れろ!!」
チロリと舌を出して笑うキツネ男だったが、それよりも先にスレイの振り上げた儀礼剣の刃が迫る。今それを防ぐ手立ては無い。小さく舌打ちすると、キツネ男は右手を離し、すんでのところで躱した。その隙に、スレイがミクリオと共に大きく後ろへ跳び退き、ソルトの居る場所まで後退する。
「大丈夫!?ミクリオ!!」
「ゴホッ。ああ、何とか……ありがとう」
「相手は相当の手練だ!!下手な攻撃じゃコッチが不利、数の利を生かすんだ!!」
「解ってる!!」
「ああ!!」
ソルトが短く指示を飛ばし、三人は再び駆け出す。確かにキツネ男は強いが、それも敵わないほどではない。連携により生じた隙を突けば、勝算はこちらにあるとソルトは踏んだのだ。
「ムダだぁ!!」
「爆砕陣!!」
左手から青い炎を放つキツネ男に対し、ソルトは逆手に刀を握ったままの左手に気を集め、地面を殴って一気に開放する。気の力によって隆起した地面が、見事シールドの役目を果たして炎を防ぐ。
「ハッ!!」
その横から飛び出したミクリオが、男めがけてツインフロウを放つ。着弾と共に弾け、キツネ男の視界がさえぎられた隙に、ミクリオは更に肉薄。上空からロッドを振り下ろす“旋峰”を叩き込み、キツネ男がよろけながら後退するのを見てロッドを両手に持ち替え、円を描くように“円月輪”で乱撃を加える。
「まだだっ!!」
コミュニケーションを交わすことなく後方に退いたミクリオと入れ替わるスレイが、そのまま男に蹴りを入れ、剣を横殴りに払い、切り替えして三連撃、最後に大きく斬り上げた。
「チィィ!」
間を空けずに攻撃を叩き込まれたキツネ男は、そのほとんどを綺麗に喰らってしまった。さすがの彼も、これには後退するしかない。たまらず後ろに跳んだキツネ男だったが、それすらも彼らの計算の内だった。
「残念でした」
「っ!!」
キツネ男が退いたその後ろに、なんとソルトが待ち構えていたのだ。スレイもこれを見越した上で、あえて最後の一撃を大振りに放ったのだ。まさに、罠に捕まった獲物の如し。獲物を捕らえたソルトが、その獰猛な攻撃を浴びせんと牙を向いて動き出す。
「舞えっ!
二刀を背中に回し、体を捻りながら入れ替わりざまに斬りつけた後、そのまま振り返って刀を横にそれぞれ薙ぐと、最後に地面をけって、右回し蹴り、続く左で裏蹴りを叩き込む。舞うようなその一撃は、今度こそその全てをキツネ男に捉え、キツネ男の体が大きく揺らぐ。しかし、それでもソルトの追撃は止まない。
「砕け!
竜が獲物を噛み砕くが如く、刀を上下から叩きつけ、身を翻して三日月を描くように横薙ぎの二連撃を叩き込む。儚くも美しく、よもや尋常ならざる威力を以ってソルトの攻撃を何の手立てなしに喰らわされたキツネ男は、うめき声と共にはじきとばされた。
「口ほどにも無いじゃないか!!」
「さあ、まだやんのか!」
「失せろ!!」
よろけながら立ち上がり、全身に焼きつくような激痛を感じたキツネ男は、何事かと横腹に手を当ててみると、ぬめりとした生ぬるい感触があった。見れば腹は抉られたかのように大きく裂け、血が流れ出している。彼は知らないが、横腹以外にも、彼の体には幾重にも及ぶ傷を負わされていた。寧ろ、無事な箇所があるのが奇跡にも近い。三人の息の合ったコンビネーションは、キツネ男に決して軽くない深手を負わせていたのだ。
「クハッ!!」
その事実に、口から無意識に笑みがこぼれる。そうだ、こうでなくては面白くない。これならば、“ご馳走”がおいしく食せるというものだ。彼らは強い、上等だ。ならばこちらも強化すればいい。幸い、彼にはその手立てがあった…………
やっぱり戦闘描写は描いてて楽しいですが、それが皆さんに伝わるように描写するのは凄ぶる難しいですね。自分の未熟さが直に現れてますし...
ソルトの戦闘スタイルはまだ完全開放されてない為、やはりまだ刀主軸ですが、彼はそれだけじゃありませんよ〜笑
なんたって戦闘一族たるクルスニク一族ですし笑
感想やご意見をお待ちしてます!
アンケートも待ってます!!