テイルズオブゼスティリア 〜審判を超えし者の旅路〜 作:夢見草
最近は色んなものに埋もれてたゲームの中から、DmC Devil May Cryを見つけ、懐かしーとか思いながらやったらどっぷりとはまってしまいました。
デビル名倉イやら、名倉ンテとか揶揄されるこの作品ですが、個人的にはスタイリッシュでいいんじゃないかなって思います。スパーダ兄弟かっけーよ。
バージルダウンフォール楽しー!!(PS2がもうないのでDMC1~3までができないのが悔しい、あと、4はなくなったかも......)
Tox2と並行してやってたら時間が足りない(笑)
今回は、初の戦闘描写もあります!私はスタイリッシュにしようと思いましたが、その結果がこれです......
「「うわあああああああ!!」」
ソルトとスレイは、そんな叫び声を上げながら、かなり深い穴の底へと落ちてゆく。
「ヤバイヤバイ!スレイ!!何とかしろ!!」
「そんな無茶な!」
そんな言い合いをしている内にも、三人はどんどん落ちてゆく。この高さだ、地面に激突すれば、ひとたまりもないだろう。
「ソルトこそどうにかしろ!!」
「ロープダートは在庫切れ、ムリだね!」
「…………」
二人であーだこーだ言い合っている内にも、ミクリオは冷静に状況を観察し、やがてあることを思いついた。そうなれば、後は実行するだけ。前に手をかざし、ロッドを出現させる。意識を集中し、頭の中で術式のイメージを思い浮かべる。
「双龍放て!ツインフロウ!!」
二節の短い詠唱と同時に、ロッドの先より二対の激流がほとばしり、それが一直線にスレイとソルトへと向かう。
「ちょ、ちょっと!!」
「まっ!!」
二人が言い終えるよりも先に、そのまま激流にのまれ、地面へと押し流される。しかし、それが緩衝材となったおかげで、二人は無事だった。ミクリオも、それに続いてふわりと着地する。
「これで、貸し借りはなしだな」
不敵に笑って、ミクリオが手を差し伸べる。
「サンキューミクリオ、助かった」
「でも、もうちょっと早く行って欲しかったよな」
その手をとり、ソルトは立ち上がる。スレイも、周りを見渡しながら立ち上がった。
「地下にも遺跡があったなんて……」
「落ちたことに感謝だな」
「うわ、俺感謝したくねえ」
「まったくだね」
カラカラと笑いあって、三人は改めて周りを見渡す。ソルト達が落ちたのは、どうやら遺跡の内部だったらしく、上の階にあった壁画や壁と同じ意匠が凝らされた建造物が、悠然と構えている。
「ま、遺跡調査でもしながら出口を探そうぜ」
「そうだね」
「よおし!」
スレイのガッツポーズと共に、三人は遺跡の奥へと続く道を歩き出した。
***
遺跡探索をしつつ、出口を探して奥へと進んだ三人は、やがて底の知れない大きな穴のから大きくせり出した高台らしき場所へとたどり着いた。
「うわぁ!高っ!!」
「さっきも相当だったけどね」
「石版とかあったし、気にしてられないだろ?」
スレイがそういうと、ミクリオは肩をすくめた。
「ああ、そうですか」
「スレイらしいけどな」
スレイらしい素直な感想に、ソルトは苦笑した。
「なあミクリオ。この遺跡って祭壇ように作られたんじゃないか?この高台を、何か生贄をささげるための踊り場と見立ててさ、あっちの地面を拝むための場所とすれば、悪くないセン行ってるともうけど」
「どうかな、でも、それが正しいとすると、この構造にも説明がつく」
「だろ?可能性は十分にある」
そうして、中々に熱い議論を交わしている二人を尻目に、スレイはスレイで何か手掛かりになるものはないかを調べていた。そして、見つけた。
「スレイはどう思う?俺の仮説」
「……誰か居るよ」
「は?」
「誰かいる。ホラ、あそこ」
スレイの指差した方向に、ソルトとミクリオも視線を合わせる。いまソルト達が居る高台より、穴をはさんだ向かい側の地面に、確かにスレイの言うとおり人が倒れていた。
「あのさ、ミクリオ、ソルト」
「ん?」
「あれ、人間だ」
「まさか、どうしてこんな所に人間が?」
ミクリオが、驚きの声を上げる。それも当然。この近くには、人間などめったに、いや、まったくと言っていいほど訪れることなどないのだから。
「向こうに行かなきゃ!」
「待てっ!」
走り始めたスレイを、ミクリオが制す。
「人間には関わらないほうがいい」
「ほっとけない。まだ生きてるかもしれない」
が、スレイは真っ直ぐな声で、すぐさま反論した。
スレイとは、こういう奴なのだ。純粋で、まっすぐで、他人への気遣いも、その優しさも、全てスレイの素直な心からくるもの。小さいころから、何も変わっていない。そんなスレイを見て、ソルトの表情も自然と和らぐ。
「助けるくらいならいいんじゃないか?」
「ソルトまで!!」
「どの道、ここで倒れたままでも困るだろ?なら、別にいいさ」
ミクリオの肩を叩き、ソルトが助け船を出す。それであきらめがついたのか、スレイはヤレヤレと肩を上下させた。
「分かった。僕も行く」
「よし!じゃあ行こう!」
「だな」
そんな時だった。ちょうどスレイ達の高台の反対側、その奥にある石碑から、見たこともない巨大なクモの怪物が、姿を現した。
「何だこいつ!?」
「クモ!?」
「こんなクモ知らねえよ!!」
「「ソルト!!」」
ソルトは刀を抜刀すると、二人の叫び声を聞き入れるまでもなく、その場から駈け出した。
ここで仕留める!!
ソルトが間合いに踏み込むと、クモの巨大な爪がごうっ!!っと唸りを上げて迫ってきた。
「ふっ!!」
それをソルトが左の刀で受け止めると、そのまま勢いを殺すことなく右の刀で突きを放つ。左右の大きな爪さえくぐりぬけてしまえば、後は無防備なクモの頭部がさらけ出されるのみ。ソルトの放った突きは、見事クモの右目を穿った。
「キシャァアア!!」
「黙ってろ!!」
地響きのような、クモの雄叫び。たが、ソルトは体を止めない。そのままクルリと一回転すると、右の刀を大きく横薙ぎに振い、続く左で大きく縦に振り下ろす。目にもとまらぬ、高速の三連撃。が、
「っつ!!」
ソルトは全身の神経がゾワリと痺れるのを感じて、とっさにその場から背転した。ヒュンッと何かが通りすぎる金切り音を聞きながら、ソルトが先ほどまでいた場所に、クモの左爪が突き刺さる。あと一歩遅ければ、ソルトは致命的な一撃を受けていただろう。
「くそっ!!」
そのまま、ソルトは小さく舌打ちをしてから、スレイとミクリオの元まで後退する。
「無茶をするな!!」
ミクリオがソルトを咎めるが、ソルトは後ろをチラリと見やる。後ろに続くのは、巨大な奈落ともいえる穴だけ、退く場所は、何処にもない。
「かと言って退けないだろ?」
無茶も承知でソルトが突っ込んだのは、クモをこのままこちら側へと侵入させないためだ。幅十五メートルもないこの足場、クモが侵入してしまえば、退路は断たれ、狭い足場での戦いとなる。
そうなれば、ソルト達が不利になるのは目に見えている。この高さだ。先ほどでこそミクリオの機転で助かったものの、今度落ちれば、間違いなく助からない。だからこそ、ソルトは仕留めるつもりで刀を振るった。
しかしどうだ、クモは弱ってすらいなく、こちらの足場には侵入された。
くそ!!全てが後手に回った!!
心の中で、ソルトはそう悪態をつく。そんなソルトの両肩に、ポンッと手がおかれた。
「ソルトは一人じゃないだろ?」
「そう、僕達もいるんだ」
スレイとミクリオが、それぞれの得手を取り出しながら、ソルトへと語りかける。
「そうだな......」
「行こう!!」
「よし!!」
そうして、三人は駆けだした。
「せやっ!!」
迫る爪をソルトが受け止め、そのスキにスレイとミクリオが肉薄する。ミクリオがロッドで打撃を加え、クモがひるんだ所にスレイが斬りかかる。縦に一閃、そのまま剣を引き戻して、左右に二閃。しかし、それでもクモは死なない。
「がっ!!」
「くっ!!」
「スレイ!ミクリオ!」
結果として、二人はクモの爪による大ぶりの横薙ぎに、高台の先端まで弾き飛ばされた。
「いってー」
衝撃で、痺れる体にムチを打ち、スレイはゆっくりと起き上がる。その際、足場にあった石や土が、はらりと空を舞う。それを見て、スレイはあることを発見した。
「くっ!!」
「ソルト!!」
大きく振り下ろされる爪を、ソルトは身を翻してかわすも、続く右薙ぎに対応できずに、かろうじて刀をクロスさせてガードするも、スレイ達と同じように大きくはじかれる。それを、ミクリオが受け止めた。
「こいつ、堅いな......」
「こいつまさか、ジイジの言ってた“憑魔”!?」
「憑魔……」
「もちろん、見たことはないけどね」
「じゃあ、ジイジの言った通り…………」
「「すぐ逃げろ」」
小さいころからうんざりするほど聞いてきたジイジの言いつけ、スレイとミクリオは声をそろえて言う。
「けど、どうするんだ?」
「まったくだ」
キシャァアアアア!!と、クモが爪を天に仰いで咆哮した。もう、三人はクモの爪が届く間合いまで追い詰められている。
「ミクリオ、ソルト、跳ぼう」
突如、スレイがそう提案する。
「何言ってるんだ、この高さだぞ!」
ミクリオが振り返り、信じられないといった表情を向ける。
「大丈夫、多分……」
「…………信じるぞ?」
スレイは自信なさげだが、他にも方法がないのも事実。ソルトとミクリオは、若干ジト目になりながらも武器を収める。キャアアアア!!クモが、三人へと猛突進している。
「今だ!!」
タイミングを見計らったスレイの声で、三人は手をつないでジャンプした。
「ふっ!!」
落ちてゆくさなか、スレイは左手で最後のロープダートを投擲する。ダートは、見事足場に引っかかり、三人は宙にぶらんっと浮く。その横を、止まれなかったクモが落ちてゆき、何かにぶつかったかのようにバウンドしてから落下した。
「なるほど…………」
「そういうことか……」
「ああ、分かった?」
それを見て、ミクリオとソルトはようやくスレイの言わんとすることを理解した。右手を振りかぶり、ミクリオが術を放つ。すると、当たった場所が見る見るうちに凍ってゆき、たちまち一本の大きな橋が現れた。その上に、三人は着地する。
「まさか透明な橋とは…………」
「よく気がついたね」
「お?」
スレイの表情がパッと明るくなる。
「「ごく稀にね/たまたまだろ」」
しかし、ミクリオとソルトはばっさりと切り捨てた。
「褒めてくれたと思ったらこれだ」
そんな二人を見て、スレイは少しすねる。
「さ、急ごう」
「そうだった!!」
目的を思い出し、三人は駆けだす。
「でも、この橋はどうやったんだろう?」
「人間の技術ではないのは確かだな」
「ってことは神話の時代ぐらい古いものってことか?」
「どうかな……」
透明な橋についての議論をかわしながら、三人は橋を駆けてゆく。程なくして、先ほどの倒れている人の元へと駆けつけた。
そこには、プラチナブロンドの髪をサイドテールにまとめ、白とピンクを基調としたカラーリングが施された服に、手足にだけという軽装な防具を包んだ、どこか騎士を思わせる少女が倒れていた。その傍らには、少女のものと思われる槍が転がっている。
――ソルトー!!――
っつ!!
不意に走る頭痛に、ソルトは思わず顔をしかめた。
「やっぱり考え直そう」
「今更どうするんだよ」
「スレイ!!」
スレイは、ミクリオをチラリと見やっただけで、次の瞬間には倒れている少女の肩を揺らした。
「あの、大丈夫?」
「ん……んん……」
程なくして、少女は目を覚ました。
「あれ?」
「よかったな」
「ああ」
少女が意識を取り戻したことに、スレイとソルトはとりあえず安心した。
「私は……確か森で…………」
そこで、ようやく少女はハッとし、スレイとソルトを見やると、あわてて自身の周りを確認。そこで、ようやく理解する。
「あ……あれ?」
自身の槍がない事に。
「これか?」
にっこりと笑って、ソルトはズシリとくる槍を少女の目の前に掲げた。すると、少女は安心したかのように顔をほころばせると、槍を受け取りそのまま立ち上がった。そこへ、突然ミクリオが三人の間に割って入る。
「わっ!!!」
が、ミクリオの叫び声はまるで聞こえていないらしく、少女は何食わぬ顔で自身の身だしなみを整えていた。
「はあ…………」
深いため息をついた後、ミクリオはソルト達に向き直った。
「本当の意味で、唯の人間だ」
「だな」
「ハハハ……」
ミクリオがほら見ろとばかりにジト目で見つめてくるので、スレイとソルトは苦笑いしか出来なかった。
「ありがとう、心配をかけたようだ。君達は?」
「俺はスレイ」
「ソルトだ」
「スレイ?ソルト?」
「うん、よろしく」
「君の名は?」
ソルトが名を尋ねるが、少女は表情を曇らせただけだった。
「ここはどこ?」
「イズチのはずれの……そのまたはずれ……かな?」
「イズチ……」
「ま、基本的にへんぴなとこだよ」
スレイとソルトがそう反芻すると、ふっと顔を上げた。
「スレイ、ソルト。この近くに落ちつけるところはないだろうか?」
「うーん……」
腕組をし、しばらくソルトは考え込むしぐさをすると、やがて顔を上げた。
「俺の住んでいるとこ来なよ」
「スレイ、それは!!」
「いいんじゃないか?」
「ソルト!!」
すると、再び顔をうつ向かせた。それを見て、ソルトはよほど重要な何かがあるなと感じた。
「いいのか?何者ともしれない私を……案内しても」
「困っている人をほっとくことなんでできない。それだけ」
腰に手をやり、スレイが笑う。
「……だいたい、名乗らないのも変だ。怪しいと思うのが普通だけど?」
「事情があるんだろ?でも、悪い奴にはみえないよ」
「むしろ、いい奴だと思うけどな」
そこで、少女はハッと顔を上げ、ぺこりとお辞儀した。
「ソルト、スレイ、重ねて感謝する」
「いいって」
「ジイジのカミナリ、覚悟しておくんだね」
「うん…………ハァ……」
「うわぁ……」
ミクリオの鋭い指摘に、ソルトとスレイはがっくりとうなだれる。
「何か?」
「ううん、何でもない。さ、行こうか」
そうして、スレイと共に歩き始める少女の姿を、ミクリオはじっと観察していた。
「心配すんなって。いざとなれば俺が責任をとるから」
「はあ……だといいけど」
やがて、ソルトとミクリオもその後を追って歩き始めた。
後書きがいらないとのコメントが多いので、削除します。
早く本編に入りたいですね!笑