岸波白野の転生物語【ハイスクールD×D編】【完結】   作:雷鳥

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こんいちは。また初めまして。白野転生シリーズ第二弾です。

初回と言う事で主人公である白野自身の説明と家族構成の説明回。ぶっちゃけ前半に茶番入れたけど……感想次第では消しても問題ないからその辺は反応次第。

それと原作読んでないと分からないキャラがいきなり二名程登場しちゃっています。一応説明も入れているし、違和感なく絡められているとは思います。



【白野と猫と家族の日常】

アラヤ「ああ、困った。困ったな」

 

ガイア「んん~どうしたぁアラヤぁ? そんな慌ててぇ」

 

アラヤ「相変わらず呑気だなガイア。このままだと我々の『人間界(せかい)』がオワタになるんだぞ」

 

ガイア「ま~じで」

 

アヤラ「ほら、お前も『世界の行く末』を視てみるがいい」

 

ガイア「……オウフ。マジじゃ~ん。ヤッベ~どうしよう。誰か適当に抑止にしとくぅ?」

 

アラヤ「抑す? 抑す?」

 

ガイア「抑す」

 

アラヤ「だが、果たして誰か適任が居るかな?」

 

プリンセス「フフフ、お困りのようにゃねぇ」

 

ガイア・アラヤ「「ムーンプリンセス、何故ここに!?」

 

プリンセス「いや~なんかあちしに限り無く限りな~くうっすいけど似た気配がしたから探ったらこんなの拾ったのにゃん」

 

アラヤ「ふむ。随分と異質な魂だな。しかも我々の影響を受け付けないとは生意気な。消す? 消しちゃう?」

 

ガイア「こらこら~。命は大事にだよぉ。世界は更に大事だよぉ。で、プリンセス。これがどうかしたのかぁ?」

 

プリンセス「これを抑止に使うってのはどうよ? どうやらコレ、死んだら別の世界に行っちゃうみたいだし、使い捨て――ごほん、生贄にするのも有りじゃにゃ~い?」

 

アラヤ「おやおや生贄とは酷い。世界と人々の世を護る救世主様だぞ」

 

ガイア「救世主と書いて抑止力と読むぅ~」

 

プリンセス「そして抑止力と書いて人柱と読む~」

 

アヤラ・ガイア・プリンセス「「「ワロスWWWW」」」

 

プリンセス「で、どうするにゃ? そろそろこいつ転生しちゃうよ?」

 

アラヤ「いいのではないか? どことなく不幸属性を感じる。私としては薄幸な者がもがく姿は観ていて楽しい」

 

ガイア「流石愉悦部顧問のアラヤだねぇ。君が毎回選ぶ抑止の人間は大抵薄幸な上に人として欠陥を抱えているよねぇ。まぁ、ボクちんもぉこのタマシィでいいかなぁ。この子の記録を見る限りぃ、親しい相手が居る内は世界をどうこうしようなんて考え無さそうだしぃ~」

 

プリンセス「ガイアも相変わらず世界至上主義にゃね~。そんなんだから人形みたいな奴しか抑止にできないにゃよ」

 

アラヤ・ガイア「「お前は欲望に忠実すぎるがな」」

 

プリンセス「にゃはは褒めないで欲しいね~」

 

アラヤ「で、この魂で良いとして、このままじゃ抑止足りえない。弱過ぎる」

 

プリンセス「そうかにゃ? かなり質の良い【浄眼】を持っているにゃ。肉体が上質な物なら負担は少ないにゃ」

 

アラヤ「うん? ほほう。どうやらこいつは【心眼】も持っているな。それも元々才能があった物が鍛えられて真の心眼となっている。肉体が上質ならこいつに見切れないモノはないだろうな」

 

アラヤ・ガイア・プリンセス「「「だが肉体は普通だ! ワハハハハハ!!」」」

 

ガイア「あ~笑った。じゃあほら、現世のなんだっけ、セイなんとかギア? あれ、あげちゃおうかぁ?」

 

アラヤ「そうだな、そうしよう。ガイア、世界のどっかに都合の良さそうなものはあるか?」

 

ガイア「う~ん。強過ぎると逆に反逆されそうだし~。弱過ぎると抑止足りえない~。あ、これでいいか」

 

プリンセス「何々?」

 

ガイア「王の証(リア・ファル)

 

アラヤ「ほう。面白い物が埋まっているものだ」

 

プリンセス「にゃはは、でもこれ自体には大した力は無いにゃん。どうするの?」

 

ガイア「何を言っているんだプリンセス。彼はこれから厄介事に巻き込まれるんだよ? きっと全ての秘宝を集めるさ、うんうん」

 

アラヤ「ふむ、面白い。では外見は生前のモノにしてやろう。ふふ、この顔どう歪むか、今から楽しみだ」

 

プリンセス「何それ愉悦」

 

ガイア「では最後に……みんなで……器に向かって魂をシュウウゥゥーー!!」

 

プリンセス・ガイア・アラヤ「「超エキサイティイイイイイイイン!!」」

 

 

ガイア「フハハハハハ!!!」

 

アラヤ「ハハハハハハハハハハ!!」

 

プリンセス「ニャホホホホホホ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ホホホ。まさか人が寝ている間に『寝床ごと』勝手に連れ出されるとは思わなんだ』

 

『おじいちゃんも運が無いねぇ。それにしても酷いことするなぁ……君はボクと同じだねぇ。勝手に作られて勝手に捨てられてぇ。うん。可哀想だからボクが力を貸してあげるぅ』

 

『ふむ。では眠りの龍姫よ。お主に提案があるのじゃが、乗る気は無いか?』

 

『なになに~?』

 

『うむ。彼の者の神器……で……という具合に……しようと思うのじゃ』

 

『なるほどねぇ。いいよ~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「御主人様起きるにゃ~」

 

 額をペチペチと叩かれて目を覚ます。するとそこには一匹の黒猫が、頭の方から自分を覗き込んでいた。

 

「ああ、黒歌(くろか)。おはよう」

 

「おはようにゃん♪。うなされていたけどまた悪夢を見たにゃん?」

 

「ああ。偶に見るいつものやつだ」

 

 酷い頭痛がして、ゆっくり身体を起こして額に手を当てて溜息を吐く。

 

 シルエットしか分からなかったが、お姫様の格好をした化け猫と渋い声なのに無理に若者言葉を使う神父服の男性、それとなんか独特な口調のマッチョな巨漢。そんな彼らが何かを話して自分を蹴り飛ばす悪夢だ。話の内容は覚えていないが、この悪夢を見ると毎回頭痛がするから出来れば二度と見たくないのだが……不定期に見る辺り、何者かの陰謀ではないかと真剣に悩んでいる。

 

 まぁ頭痛は起きてしばらくすれば収まるからいいけど。

 

 ベッドから起きて一階の洗面所で顔と歯を洗い、冷蔵庫からスポーツ飲料を取り出して少しだけ飲んで喉を潤し、一度自分の部屋に戻ってランニング用のジャージに着替えてタオルとスポーツ飲料をリュックに仕舞って、黒歌と出会ってからは日課になった彼女を交えての朝稽古を行うために山の麓の雑木林に向かって軽いランニングを行う。その間黒歌は自分の頭の上に器用に乗っている。

 

「さて、身体も温まったし今日の稽古を始めよう」

 

「了解にゃん」

 

 黒歌が地面に降り立ちボン、という軽快な音と煙と共に和服の女性が姿を現す。

 

「ん~。猫の姿も嫌いじゃないけど。やっぱり元の姿の方がしっくりくるわ」

 

 黒い耳と二股の尻尾を生やし、黒い髪を桜の柄が入った髪留めで後ろで纏め、赤と黒の単色の着物を羽織、それを花柄の金の腰帯で止めている。もっとも、上も下も着崩しているため、彼女の大きな胸の上半分が露出しているし、動きやすいようにか着物の裾にスリットがあるため綺麗でしなやか太股がこれでもかと露出している。その姿が、種族は違うが生前のキャスターを彷彿させる。というか殆ど同じな気がする。

 

 目の前の女性は黒歌の本来の姿で在り、彼女の正体は猫又という妖だ。

 

 子供の頃に怪我をしているところを拾ってから家で暮らしている。因みに彼女が妖怪というのは家族は全員知っている。そのため家族しか居ない時は平然と喋る。まぁ人型になれるのは秘密にしているが。

 

「さてそれじゃあ今日も仙術のレッスンを開始するにゃん」

 

「ああ。頼む」

 

 そう言って彼女と組み手を行う。もっとも、ただの人間の自分に妖怪の彼女とまともに打ち合ったらこちらが即ミンチ、または即骨折コースなので、かなり手加減してもらっている。

 

 元々は一人で行っていた早朝訓練。黒歌が家族となって猫のまま一緒について来た時に、彼女にどうして身体を鍛えるのか尋ねられた。

 

 一言で言えば不安だからだ。

 

 黒歌のような存在がいること、不可思議な力があること、他にも色々な理由はあるが普通の世界ではないのは確定だろう。

 

 だから鍛える。何かあった時に自分の身と自分のこの手の届く範囲くらいは護れるように。

 

 黒歌にそう伝えると、黒歌は初めて人型で自分の前に現れて、仙術について教えてくれた。

 

 仙術というのは生命力を操る術の総称で、生命力は基本的にはオーラ、気、チャクラ等と呼ばれている。

 

 仙術は肉体、生命力、その他のエネルギーと言った物に作用する術が多い。

 己の肉体を強化したり、対象の生命力を活性化して治癒力を高めたり、他にも自然を操ったりなんかも出来る。

 逆も然りで肉体を壊したり、生命力の流れを壊したり、自然の命を無理矢理吸収したりといったことも出来る。

 

 毎日黒歌に仙術、正確にはオーラを扱った戦闘訓練を施して貰って数年。お陰で少しは強くなれたと思う。【簡易魔術(コードキャスト)】を再現させる事にも成功した。初めて成功した時は黒歌が凄く驚いていたのを覚えている。

 

 二時間の早朝訓練を終えて家に帰る。するとキッチンから料理の良い匂いがする。

 

「お帰りなさい(はく)ちゃん。クロちゃん」

 

「ただいま母さん」

 

「ただいまにゃん」

 

 キッチンに続くドアから顔を出した母さんに挨拶する。因みにクロちゃんというのは彼女の通称だ。なんでも彼女は少し問題を抱えているので本名は控えて欲しいと言っていた。その為家族はみんな基本クロちゃんと呼び、自分も二人きりの時以外はクロと呼んでいる。

 

「ふんふふ~ん♪」

 

 月野(つきの) かぐや。それが自分の母さんの名前だ。

 年はもうすぐ50代だというのに高学年の小学生に間違われるくらいの身長と童顔という詐欺みたいな外見をしている。

 因みにロリババアと言うと絶対零度の笑みと共に相手を威圧し、それが男ならば自身の身長を活かした、助走を付けた弾丸パンチをかます。金的に。

 

「ふぁあ~。おはよう白野(はくの)、クロちゃん。相変わらず早起きだね」

 

 一階の夫婦の寝室から父さんが水玉模様のパジャマ姿で現れる。因みに母さんとペアルックである。母さんが赤で父さんが青の水玉だ。

 

 父さんの名前は月野 帝(つきの みかど)

 母さんと同い年だが、30歳と言われても通じるくらいの美形で引き締まった身体をしている。職業はそこそこな稼ぎのある会社の営業サラリーマンらしい、詳しく知らない。

 

 才色兼備な父さんの唯一の欠点は真正のロリコンだと言う事か。

 誰にでも欠点はある。父さんはちっぱいが好きで、ちっこいが好きな人だ。だが手は出さないと言う変態紳士界でも有名にして高名な紳士。と、友人の一人が語っていた。知りたくない事実であった。

 

 因みに母さんとは幼馴染で、子供の頃に将来を誓い合った仲でそのままゴールインという超熱烈純愛夫婦だ。もうすぐ50歳だというのに行ってらっしゃいのキスをするくらいの仲だ。まぁ端から見たらお父さんにキスする娘の姿にしか見えないという別の問題もある訳だが、御近所さんも自分も見慣れてしまっているため問題にはなっていない。

 

「おはよう父さん。父さんも十分早起きだと思うよ」

 

 いつもより絞まりの無い緩んだ顔の父さんにそう返す。

 

「そうかい? あ、先にシャワーいいよ」

 

「ありがとう。行こうクロ」

 

「ふふん優しく洗ってにゃん♪」

 

 すっかり飼い猫状態の妖に苦笑しつつ要望どおりに優しく身体を洗ってあげる。偶に『あん』とか『いやん』とかこちらをからかう様に喘ぐ時は、ちょっと強めに洗ってお仕置きする。一時期家族にそういう趣味がと疑われたからだ。勘弁して欲しい。

 

 黒歌を洗い終えて自分も身体を洗って脱衣所に上がりドライヤーで黒歌の毛と自分の髪を乾かして用意しておいたシャツとパンツを履く。

 

 その時洗面台に自分の顔が映り込む。

 

 鏡に映るのは生前と変わらない顔。あれだけ個性的な両親から生まれたとは思えない普通な顔立ちだ。身長も高くも無く低くも無い平均値だ。

 

「どうしたにゃ?」

 

「いや、あの二人から生まれたにしては普通な顔だなぁと思って」

 

 自分が転生者じゃなかったら絶対捨て子か何かと勘違いしそうだよなぁ。

 

 岸波白野(きしなみはくの)。それが生前の自分の名前だ。今は月野白野。名前が同じなのは何かの運命の悪戯だろう。

 

 ムーンセルオートマトン。通称ムーンセルと呼ばれる月の観測機。

 

 そこにはSERIAL PHANTASM。通称SE・RA・PH(セラフ)と呼ばれる霊子虚構世界という現実とは違う電脳世界が存在していた。もっとも、電脳世界といっても実際に魂を構成する霊子(りょうし)世界の方が電子の電脳世界よりも遥かに高次元の作りになっている。

 

 そのムーンセルで一つの戦いが繰り広げられていた。

 

【聖杯戦争】

 

 電脳世界に魂ごとダイブする特別な力を持つ『魔術師(ウィザード)』達が古の英霊をパートナーとし、願いを叶える聖杯を巡って決闘し合う過酷な生存競争、それが聖杯戦争だ。

 

 戦争の最中は魔術師をマスター、パートナーの英霊をサーヴァントと呼称し、更に相手に正体を隠すためにマスターは基本英霊をクラス名で呼ぶ。クラスはセイバー、アーチャー、キャスター、ランサー、ライダー、アサシン、バーサーカーの七つのカテゴリーが存在する。

 

 自分はその霊子世界で生まれたNPCデータだ。それがバグによって『意思』を持ったが為に戦争に参加してしまった一般人レベルの最弱マスター、それが生前の自分だった。

 

 そんな自分は様々な戦いと別れで『心』を手にし、最強を退け勝利し、命と引き換えに二度と聖杯戦争が起こらないように願い、消えるはずだった。

 

 しかし何の因果か、自分は今もこうして生きている。

 

 原因はムーンセルのせいだ。何を間違えたのか、自分は『異世界に転生を繰り返す』なんて者に作りかえられた。しかも転生した世界で死んで別の世界に行くと、前の世界の記憶を覚えていないという仕様まで加えられている。

 

 この情報すら、自身の精神の深く、心象世界で自分を待っていてくれた桜に教えて貰ったものだ。もっとも、どうしてそんな事が起きたのかすら思い出せない訳だが。

 

 だが、彼女と最後に語り合った内容だけは、今でもしっかりと覚えている。

 

 ありがとうとさようなら。

 愛しているとごめんなさい。

 初恋の成就と失恋の訪れ。

 

 簡潔に纏めて文字にしてしまうとたった三行程度の出来事だが、自分にとってはとても大切な出来事だった。

 

 あの出来事があったからこそ、今日も自分は精一杯この世界を生きていけるし、別の世界の思い出が無くても、絆は確かに自分の魂に残されていると確信できる。

 

「ぶっちゃけママさんパパさんの個性が強すぎるだけにゃん。御主人様は普通にイケメンだし、なにより魂がイケメン! 略してイケタマだから顔なんて気にしないくていいにゃん」

 

 鏡を見詰めながら昔を思い出している自分を見て、黒歌が外見を気にしていると勘違いしたのか、気遣うようにこちらを見上げる。

 

「ありがとう。まぁ別に自分の容姿が嫌いなわけじゃないからいいんだけどね」

 

 それとそのイケタマというのは君達妖怪の共通言語なのかい? 生前のキャスターも言っていたんだけど。

 

 そんな事を考えながら今日もまたいつものようにテレビでニュースを見ながら四人で楽しく朝食を摂り、母さんと一緒に父さんを見送り、自分も駒王(くおう)学園に向かう為に学園指定の男子制服に身を包む。

 

「それじゃあ母さん、クロ、行ってきます」

 

「いってらっしゃい。気をつけてね白ちゃん」

 

「にゃ~あんまり自分から危険なことに首を突っ込まないでね御主人様」

 

 気をつけてなんとかなればいいけどね。それと黒歌、こちらの不安を煽るのは止めてくれ。

 

 そんな内心を口には出さずに二人に頷いて答え、今日も『普通ではない学園』へと向かうのだった。

 

 




と言うわけでアニメしか見たことない人には誰?って感じの原作キャラ、黒歌がいきなり登場してます。(後一人は性別変えちゃってますが、あの方です)

うん。ごめん。お話の都合上、彼女くらいしか主人公の師匠ポジションが浮かばなかったんだ。(強キャラで賑やかしキャラとかなり楽させてもらいました)
あとは原作読むと分かりますが、普通に幸せにしたいキャラなんですよねぇ黒歌。と言うわけで早々に白野の餌食(フラグという名の)になりました。この作品の記念すべき最初のヒロインです!

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