桜の開花の時期が少し遅れ、春末期にもかかわらず満開を迎えた今日。誰もが知っている行事『入学式』が名門『国立千樹魔法学園』にも訪れようとしていた。それぞれが新品の制服に身を包み、名門の魔法学園に入れる喜びを露にしている中、一人だけため息をしている者がいた。
「はぁ~何故こうなった…」
それは遡ること1日前…
「………は!?今なんて?」
「いや、だから魔法学園に入学してもらうよ。これがパンフレット。」
渡された封筒を開けるとそこには『~トップクラスの伝統と実績~国立千樹魔法学園』と書いてあるパンフレットが入っていた。千樹魔法学園と言ったらこの大陸の貴族や王族の多くが通う有名な学園高校である。俺見たいな平民が行くなんてもってのほか、門前払いをくらいそうなのだが……
「ちなみに入学試験は必要ないから。まぁ、お前の履歴書を見せれば即刻首席合格だけどな………」
パンフレットに挟んであった履歴書のコピーには本人が覚えのあるものばかり、しかし気になったものがひとつあった。
「俺は貴方の養子になった覚えはないのですが…」
「なんだ、違うのか?」
履歴書の保護者覧にはセシルの父『レイ・クライアント』とセシルの母『マーシャ・クライアント』の文字。そりゃ、確かにこうやって警備隊として仕事する代わりに資金援助とかはしてもらっているけど…
「大丈夫だ。あくまでも表向きな話でわざわざ偽名とかは使わないよ。その履歴書だって学園長しか知らない筈だし面倒なことがないとは思うよ。私の娘も通う事だし…」
「あぁ、そうですね……学園に通う以上に面倒なことなんてないですよね。ってか良くあいつが許しましたね。」
あいつとはセシルの事である。セシルはああ見えて結構母親譲りの頑固なところがあり、特に学校に関して言えば「普通の学校に通いたい」との事だ。あの名門になど行くはずもない。
「なぁに、お前が通うと言ったら2つの返事でOKさ。」
そうかそうか、俺はあいつの噛ませ犬として入れられたんだな。
そして、魔法学園に通う事は決定事項ですか…俺が入るからセシルも入ると言う理由は分からないが、ここで断ってセシルを一人にするのも可愛そうだ。
「わかりました。行けば良いんでしょ。」
「そうとなれば話は早い。制服と荷物は既に学園の寮に送ってある。入学式は明日だ。場所はパンフレットに書いてあるからな。それと……」
「…………」
この時、俺は初めて気づいた。
……全てはめられていたと
※ ※ ※
そして時は過ぎ、現在に至る。セシルには悪いがはっきり言ってもう帰りたい。
そんな事を心の中で何度も叫んでいると、見覚えのない一人の女性が来た。胸に着けているリボンを見る限り3年生のようだ。
上品にも綺麗にまとめあげられた金髪の髪、男だったら誰もが見惚れてしまうほど整った顔立ち、そして女性が憧れてしまうプロポーション。完璧とも言えるその姿に思わず目を止めてしまった。女性は軽くお辞儀をすると話しかけてきた。
「ハジメ・スフィルクさんですね?」
「はい、そうですが…」
「私、生徒会長のアリサ・ユーレインと言います。首席合格者は毎年入学式で一言しゃべる事になっておりますので、体育館裏の方まで後同行お願いします。」
「分かりました。」
そう言うとアリサさんはにこっと笑って体育館裏へ歩き出した。どうしよ…言葉とか聴いてないから考えてなかった。首席は何か入学式でしゃべるのが普通だろうが俺のバカぁぁ!
アリサさんの背中を追いかけながらひたすら入学式の言葉を考えていた。
※ ※ ※
~アリサ・ユーレインside~
学園長から言われた通り今年の首席合格者を連れてきているけども、はっきり言ってとても首席には見えなかった。
去年も首席合格者を連れてきたけども、去年は堂々としてて、自信たっぷりでオーラが感じられていた。
しかし、今年はどうだろう。おどおどしてて、オーラの一つも感じられない。ただでさえ、ここ最近生徒の質が落ちていると言われているのに、首席がこれじゃあ楽しめそうに無さそう。そう思っていた。
そんな事を考えている内に入学式は始まり、首席合格者の言葉が始まろうとしている。
「首席合格者からの言葉。首席、ハジメ・スフィルクさんお願いします。」
先生がハジメ・スフィルクの名前を呼んだ。
その瞬間、私は背筋が凍るような感覚に襲われた。思わず振り替えると、先程までおどおどしていたハジメ・スフィルクと言う少年が別人のようにステージへ向かっていく。不意にもカッコいいと思ってしまっている自分がいた。
ハジメ・スフィルクはステージの真ん中でマイクを握ると喋り出した。
「ご紹介に預かったハジメ・スフィルクです。本校首席に選ばれて光栄です………と、まぁ堅苦しい挨拶はここまでにしておいて、」
ハジメ・スフィルクは机を両手で思いっきり叩いて叫んだ。
「全学年生徒に一言だけ言って置く。はっきり言って、ここはただの踏み台にしか思ってない。もし、宜しく思わないやつがいれば掛かってこい。全員捻り潰してやる…」
その後、全生徒からの大クレームがあったが、平然とした顔で私にマイクを返してその場を出ていった。私は密かな笑みを浮かべて呟いた。
「今年は楽しめそうね……」
私の呟きに答えてくれる者は当然誰もいなかった…
※ ※ ※
入学式が終わると、俺は急いで自分の席に座った。勿論、俺に話かけてくるものなどいない。そう思ったが一人だけ違う者もいた。
「なぁ。俺、リュウ・ブラウン!お前首席のハジメ・スフィルクだよな!よろしく。」
そう言い、リュウは手を出してきたので反射的に握手をする。
「お前、スゲェよな!あんな大人数の前であんなこと言えるんだもんな!親父が言う『デッケェ男』ってお前見たいなやつを言うんだろうな!」
「あ、ありがとう…」
あまりの勢いに押されながら、リュウと俺は友達になった。何時もなら人と関わる事に不快感があったが何故が打ち解けることができた。見た感じ悪いやつでも無さそうだし、嬉しかった。
しかし、それを遮るかのように少女が教室に入ってきた。
服装からして貴族だろうか?少女が入った瞬間に「やった!フレイア様と一緒のクラスだ!」「今年はついてるなぁ。あのフレイア様と一緒のクラスになれるなんて」と周りのざわめき声が聴こえる。
俺はリュウに小さな声で話し掛けた。
「なぁ、あいつもしかして……………誰?」
リュウは机から滑り落ちそうになりながらも何とか持ちこたえて答えた。
「お前、知らないのかよ!?彼女は『フレイア・シャイン』。王族のお嬢様だぞ!?」
『シャイン家』とは、代々この千樹王国を治める一家で現在の王『ロベルト・シャイン』は国民の為の政策をしている事で評判だ。
「と言うことは、ロベルト王の…」
「あぁ、娘さんだ。」
うわぁ…王の娘とか、ついてないなぁ…もしかしたら既に目をつけられてたりのかは……
そんな嫌な予感は見事的中したかのようにフレイアは辺りを見回し、俺を見つけると急ぎ足で俺の前まで着た。まるで人を見下すかの様に彼女はしゃべる。
「貴方がハジメ・スフィルク?入学式はずいぶん立派な演説でして……」
「えぇ、ありがとうございます。」
彼女は人を見下す対応を止めないまま話を続ける。王族はこんなもんなのか?俺の知っているやつは違ったけどなぁ~あいつ今何していかなぁ…
「こんな、はしたないのが本当に首席?はぁ、首席の名が聞いて呆れるわ!!私と勝負しなさい!!首席を名乗れるのは今日が最後よ!」
「分かった。良いよ今日の放課後決闘場でだ。」
「私に指図しないで下さる。これだから平民は……分かったわ。精々今日一日の首席生活を楽しむ事ね!」
そう言うとタイミングの良いことにチャイムがなり、フレイアは足早に去っていった。すると、リュウとまたヒソヒソ話をする。
「おい、お前良いのか!相手はあの王族だぞ!!特にシャイン家は魔法に力を入れているんだぞ!?」
リュウはあわてた様子で言うが、ハジメは悪い笑みを浮かべながら言った。
「なら、逆に好都合……」
密かにもハジメは放課後を長く待ちわびていた。
やって参りました!『登場人物紹介コ~ナ~』の時間です!今日はこの方、ハジメの友達にして筆記試験合格者500人中499位の『リュウ・ブラウン』です!!
お前凄いな!…………………………… ……………………………ある意味ww
ってか逆にビリ誰だよ!!
リュウ「一言二言余計だわ!!…っとこれが俺の能力だ!………びびるなよ?」
『リュウ・ブラウン』
性格:バカ(たくさんの意味で)
能力
攻撃:8
防御:5
魔力:2
瞬発力:5
速さ:7
技術:3
頭脳:1
魔法
火(70%)
風(50%) 土(100%)
光(30%) 無(50%) 闇(70%)
雷(10%) 念(50%)
水(30%)
特殊アビリティ:??
それでは!また次回まで!