音ノ木坂学院ラブライ部!   作:れみんとぅ

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絵里「ハ→ラ↑ショ↓ー」僕「ハ↑ラ↓ショ→ー」

 

【登校】

 

ついに来た…この時が。僕が太陽の光を浴びる日が。

 

いや、夜に地下室に籠ってたってだけで普通に学校には通ってたけど。

それよりも、曲が完成したのだから早く3人に知らせてやらないとな。

 

目の下のクマをさすりながら歩いていると、エリーが同じくクマをさすりながら現れた。

そうかそうか。昨日は眠れなかったか。HAHAHA。

 

「おはようエリー。どうしたんだ目の下にクマなんてつくって」

 

「…あなたのせいでしょ。昨日あんな事言うから怖くて眠れなかったじゃないの」

 

でしょうね。苦手なものドンピシャだもんね。

昨日「東條じゃなかった」って言った時の顔は本当に怯えてたもんな。ちょっと罪悪感が湧くくらいに。

 

「じゃ、今日はお互いかなり余裕あるし、生徒会室で休んでから授業に行くのはどうだ?」

 

「…そうね。そうした方がいいかしら…」

 

今日はやけに素直に言う事を聞くな。多分、寝不足で思考が鈍いからだろうけど。

 

「僕も一緒に行くよ。時間になったら起こしてやるから、安心して寝るといい」

 

「…うん」

 

寝惚け眼をこすって歩くエリー。正直ちょっと可愛いなと思った。

 

 

【生徒会室】

 

「…ほい、どうぞ」

 

「…何よこれ」

 

「聞いて驚け!僕秘蔵の布団と枕と毛布だ!」

 

「生徒会室のどこに隠してたのよ…」

 

聞くな。処分されるだろ。というか処分するだろ。

せっかく準備してやったのだから残したまえよエリーくん。

 

幸い彼女は特に怒るでもなく、布団へうつ伏せに寝転ぶ。毛布を使う気はないらしい。

寝不足と日頃の疲れからかなんだかかなりボロボロに見えた。

 

少しの間黙り、やがて顔だけをこちらに向けてエリーは言った。

 

「ユウ〜…マッサージ〜…」

 

「…マジか」

 

「マジ〜…」

 

昔は、中1くらいまではたまにお互い「マッサージだ!貴様の筋肉をほぐして立てなくしてやる!」とか言ってやったもんだが、高校生になって異性に体を触らせるというのはどうかと思うのだが。

 

「は〜や〜く〜…」

 

コラコラ足をバタバタさせるな。スカートめくれたらどうするんだ。恥じらいを持て恥じらいを。

 

「はいはい…まったく…」

 

エリーの横まで行き、腕まくり。

休みたいだろうし、指圧じゃない方が心地いいかな。

 

マッサージ開始。背中に手を置いて、ゆっくりと掌に体重を乗せていく。

 

「ぁぅ…ぁぁぁぁぁ…」

 

すぐに気の抜けた声が聞こえた。手を移動させて、張っている筋肉を探してそこへ圧をかけて解す。

指圧マッサージの方が効果的ではあるが、場所によっては痛みを伴うので今はしない。

 

「はぁぁぁぁぁらしょぉぉぉぉぉ…」

 

心地よさそうにため息を漏らすエリー。

…うん。役に立てて僕は万々歳だけど。

 

でもねエリー。その顔はちょっと他の人には見せられないね。

ものすごい間抜け面だぜ、今のお前。

 

「足も〜…」

 

ああだから足をバタバタさせるな。見える、見えるから。

なに?お前は寝不足だとここまでゆるゆるになるの?

 

「ユウ〜…」

 

「はいはい…わかりましたよお嬢様…」

 

僕も寝ようと思ってたんだけどなぁ…まったく。

それじゃ、足の裏からやっていきますかね。

普通の位置だと中身(・・)が見えるから、その辺を考慮しつつ…。

 

うわ、ガチガチじゃねえかこいつ。一体何をやったらこんなに凝るんだよ。

少し力を込めて、凝りをほぐす。マッサージって疲れるんだぞー、わかってるのかこのー。

 

「ふぇぇぇぇぇ…」

 

完全に別の世界へ旅立ってるね。夢の国あたりに。

足裏が終わったら、次はふくらはぎへ。

 

…バレエやってたなら体は柔らかいはず。なのにここまで凝るって、相当無理してんじゃないのか?

ほとんど思いっきりやらないとほぐれないんだけど。

 

「……zzZ」

 

………。

寝よった。それが目的だったけど。

 

「……zzZ」

 

zzZなんて久々に見たよ。これって元々イビキの表現だったんだぜ?知ってた?この話今思いついたんだけど。

 

「……zzZ」

 

………。

 

「……zzZ」

 

…写真撮っとこ。

 

 

【二度目の起床】

 

「…リー…エリー」

 

「…ん…」

 

ユウに体を揺すられ目が覚める。夢も見ないほどぐっすり眠ってたみたい。

 

「そろそろ起きろ。授業開始10分前だ」

 

まだ少し重い目をこすりながら体を起こす。

…あれ?なんだか体がすごく軽い。

 

そして思い出した。私がユウに言ったこと。

一気に顔が熱くなった。多分、今の私はゆでダコみたいに赤いと思う。

 

「………」

 

「どした?顔赤くして」

 

一体私は何をしているの?この歳で異性にマッサージさせるだなんて…いくら幼馴染でもおかしいわよ。

 

でも、自分から言ったのも覚えてる。

あの時はなんだか昔の事を思い出して、気がついたら口をついて出ていた。

 

「ほら、早く行くぞ」

 

「…うん」

 

彼が何か言っているけれど、全く耳に入ってこない。色んな感情がグルグルと頭を支配していて、他の事を感じ取る余裕は今の私にはなかった。

 

授業が始まってからも元に戻ることはなく、今日教わった事は全く覚えてない。なんの授業かだったすら怪しい。

 

ユウが何かを言ってくることもなく、逆にそのせいでこっちが恥ずかしくなってしまいまともに顔を見れない。

私、周りから見たらかなり挙動不審ね。

 

 

【講堂】

 

ユウ先輩が曲を持って来てくれてから、毎日欠かさずダンスの練習をして、今日はついに当日だ。

 

講堂横の控え室。

私たち3人は、初ライブのために出番を待っている。

ことりちゃんが作ってくれたかわいい衣装を着て、鏡の前でポーズを取ってみたり。

 

「うわぁ!すっごいかわいいよ穂乃果ちゃん!」

 

「ありがとうことりちゃん!ことりちゃんも似合ってるよ!」

 

2人で笑い合う。でも、私たちが期待してるのはもう1人。海未ちゃんの衣装姿。

 

「スカートが短過ぎですよ!」とか言ってたけど、ちゃんと着てくれたかな?

 

噂をすれば、カーテンの開く音が聞こえて海未ちゃんが更衣室から出てくる。

私たちは大きな期待をもって上から眺めていく。

 

そして、飛び込んでくるジャージのズボン。

裏切られた。ことりちゃんも同じ顔。

 

「海未ちゃんなんで!!」

 

「や、やはり無理です!私がこんな…」

 

スカートの裾を下に引っ張るようにする海未ちゃん。

もう、往生際が悪いんだから!

 

私は海未ちゃんに近付くと、

 

「うひゃぁっ!?」

 

ジャージを下ろす。

 

「な、なにをするんですか!!」

 

「海未ちゃんこそなにしてるの!ここまで来て往生際が悪いよ!!」

 

「大丈夫だよ海未ちゃん!とってもかわいいよ!」

 

ことりちゃんの言葉で「うっ」と顔を赤くして言葉を詰まらせた。

私はことりちゃんとアイコンタクト。

 

「海未ちゃん…」

 

何か来ると感じたのか、海未ちゃんは警戒心を強める。そして、ぎゅっと目を瞑った。

 

「これで見えません!絶対に屈しませんよ!」

 

ふふふ、残念だったね海未ちゃん。その程度の事は予想済みだよ!

 

「させるかぁっ!」

 

後ろに回り、手で目を無理やり開かせる。これで壁は何もなくなった。

 

「な、なにをするのです穂乃果!」

 

「今だよことりちゃん!」

 

私の声で自然と海未ちゃんの視線もことりちゃんに行く。

 

「…おねがぁい!!」

 

「!!」

 

粛清完了。海未ちゃんはこれで陥落!昔からこれには歯が立たないもんね!

 

「…お前ら、緊張って知ってる?」

 

なんてやってるうちに、入り口のところにユウ先輩がいた。苦笑いしてるのを見ると、大体全部見てたみたい。

 

「し過ぎないのはいいことだけど、少しは緊張した方がパフォーマンスは上がるんだ」

 

「そうなんですか?よぅし、じゃあ今から緊張を…」

 

「いやしようとしてできるもんでねえだろ」

 

子気味よくツッコミを入れてくれる。たまに先輩もボケるけど、ハイレベル過ぎて私じゃ無理だった。

 

「3人とも着替えてるみたいだし、本番のリハーサルをしておこうか。高坂さんたちのクラスメイトも手伝ってくれるらしいし」

 

「はい!お願いします!」

 

「んじゃ、ステージに立っててくれ」

 

そう言うと先輩は歩いて行った。どうやら先輩がリハーサルを主導してくれるみたい。

ユウ先輩、なんでもできるんだなぁ…すごいや。

 

「ほいじゃ始めるぞ〜。スポット点きま〜す」

 

パンッ、と音を立ててスポットライトが私たちに当たる。いよいよ本番って感じがしてきて、少しだけ緊張してきた。

 

その後、ダンスの動きと照明の動きを合わせたり、音楽の音量を調節したりしてリハーサルは終わった。

あと5分で幕が上がる。ステージの中央で、私たちはその時を待っていた。

 

『μ'sファーストライブ、間もなく開演です。ご覧になる方はお急ぎください』

 

全校放送のアナウンスが聞こえた。いよいよ始まるんだ。

隣を見ると、海未ちゃんが硬い表情で、手が震えていた。

 

そっと、その手を握って笑いかける。

 

「大丈夫、私たちがいるから」

 

「…そうですね。もう大丈夫です」

 

硬さが取れて、リラックスできたみたい。

え〜っと、こういう時どうするんだっけ?

 

「μ's、ファイト〜!おーっ!」

 

「それじゃ運動部みたいですね…」

 

「だよねー…」

 

あ、思い出した。こういう時にやるのは、あれしかない。

 

「こういう時は番号を言うんだよ!みんなで!じゃあ行くよ…」

 

すうっと息を吸って、大きな声で。

 

「1!!」

 

「2!!」

 

「3!!」

 

「「「…ぷっ」」」

 

なんだかおかしくて、3人とも笑い出す。

もう緊張もすっかり解れた。

 

「…成功、させようね!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

それが合図だったように、機械の音を響かせてステージの幕が開いていった。

見えてくる講堂の景色。そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、誰もいない講堂があった。

 

 




定期テストって、なぜあんなにも辛いんでしょうか。
自分なりに真面目に勉強しても、思うような結果になることはあまりないわけで。

もうなくていいんじゃないですかね、テストなんて。
大学も卒業論文だし、高校もそんな感じのシステムにすればいいのに。

そういえば音ノ木坂に課題というものはないんでしょうか。

僕ら現実世界の人間は課題に追われスクールアイドルどころじゃないですが、穂乃果あたりは絶対やってないよなぁ。卒業できるんだろうか。

物語に現実を持ち込むなという話ですね。すいません。

では、次回もよろしくお願いします。
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