第10話の『明後日には投稿できるように頑張ります』から、早くも六日が
経過してしまいました。
本当に申し訳ございません!
言い訳をさせていただくと、私はまだしがない学生でして、未だに自分のPCを持っておらず、
親のを使って艦これやら小説の執筆やらをしておりまして、一日に触れられるのは2~3時間が
限界なわけです。
長い言い訳でしたが、さっさと次へ行きましょう(焦)。
今回は、題名の通り工廠長がメインです。
暁たちは最後の方に少ししか出てきませんので、ご了承ください。
全然話は進んでいませんので、そちらもご理解していただきたく思います。
それでは、長らくお待たせした第11話です。 どうぞ!
工廠長を手のひらに乗せて歩き始め、工廠を出たあたりで話しかけてきた。
「そうじゃ。 お嬢さんらは呼ばんのか?」
「そのことなんですが、扉が歪んでいて開かないと言ってました。
後でなんとかしていただけませんか?」
「おぉ、任せてくれ。 ところで、昨日お嬢さんらはどこで寝たんじゃ?」
「仕方なかったので、私と一緒に司令室で寝ました」
ほんと、どうしてこうなったんだろうな……
表情に出さずに心の中で落ち込んでいると、工廠長がにやにやと笑みを浮かべており、
わざとらしい口調で口を開く。
「一緒に寝た……ほぉ、なるほどのぉ……」
「な、なんですか……?」
「いや、別に何でもないわい。 ただ、『若い』のぉ……とな?」
工厰長が言ったことの意味がわからず、空いている左手を顎にあてながら考えるが、
全然理解できない。
「若いって……どういうことですか?」
「ここまでいってわからんのか? まったく、汚れのない綺麗な心を持っとるのぉ。
いいか? ワシが言いたいのは、夜伽じゃよ。 よとぎ。 してもらったんじゃろ?
いやはや、若いとは素晴らしいものじゃのぉ~」
本当に10年間一人でいたとは思えないほどペラペラと話す工厰長の言葉に、
否応なく唖然としてしまう。
夜伽、つまり男女が寄り添って寝るということであり、厳密に言えば夫婦の夜の営みである。
そう意識した瞬間、顔は一瞬で熱くなり、足の回転を速めながら言い返す。
「ちっ、ちち違いますよなに言ってるんですか!? しかも暁たちは艦娘ですよ!?」
「ほぉ、違うのか。 これはまた意外じゃのぉ」
「当たり前ですよ! 海軍規定条約第9条第1項『提督、艦娘ト性的ナ関係ヲ持ツベカラズ』、
及び第3項『第1項、又ハ第2項ニ違反スル者、強制退職、及ビ海軍永久追放ニ処ス』
とあります! これをわかっていながら手を出したりしませんよ!」
顔を真っ赤にしていることを自覚しながらも、必死で頭の中から条項を思い出して怒鳴った。
海軍規定条約とは、艦娘という存在が認知されて間もない頃に発表されたものだ。
この条約は、艦娘は兵器、すなわち『物』だと認識していた提督に物理的・性的暴力を
振るわれた艦娘が数多く、それを規制するために発表された。
艦娘にも基本的人権を与える、ということから始まり、先ほどの怒鳴った言葉の中身は
その中の第9条というわけだ。
「じゃが、その条約にはこうも書いてあったはずじゃ。 第9条第4項、『第3項ニオイテ、艦娘
自身ノ承諾ヲ得ラレル場合、上項ノ内容ヲ全テ無効トスル』じゃったかの? そういうのが
確かあったはずじゃぞ?」
「昨日初めて会った暁たちが、簡単に承諾するわけないじゃないですか!」
「若者よ、一つ言っておくぞ? 艦娘じゃろうと、心は人間と変わらん。
一目惚れという言葉があるように、一瞬で恋に落ちたりするんじゃぞ?」
「深海悽艦が攻めこんできているこの時期、恋なんかしている暇はありませんし、それは暁たちも
重々承知の上なはずです!」
気がつけば、恥ずかしさで怒鳴っているというより、工廠長の物事を軽く見ている態度が
理解できずに怒っていた。
そんな自分の僅かな怒鳴り方の違いを感じ取ったらしく、工廠長はきょとんとした目をして
唖然としながら自分を見つめていた。
「……すみません。 少し感情的になってしまいました……」
自分の行動に対して反省しながら謝ると、工廠長は真剣な表情に戻り、先ほどのからかうような
口調から一転して落ち着いた声色で話し始める。
「……いや、別に謝らんでもいいわい。 仕事に対して責任を抱きながら務める。
素晴らしい……誇ってもいいぐらいじゃ。 ちと、お前さんを見直したわい」
「そう、ですか……ありがとうございます」
「礼には及ばんわい。 それとなんじゃが――目の前壁じゃぞ?」
「へ?」
工廠長の言葉に驚いて下げていた視線を上げると、本当にすぐ目の前に壁があった。
目視で壁まで5cm、回避不可能だ。
「ガハッ!」
したたかに額と工廠長を乗せていた右手を壁にぶつけ、仰け反りながら後退する。
途中でこけそうになるが、右足を思いっきり後ろに下げて回避する。
「うぁ……頭が……」
咄嗟に振り上げていた右手をぶつけた額にあてがうが、あることに気がついた。
先ほどまで話していた相手――工廠長がいないのだ。
「こ、工廠長!?」
慌てて辺りの床を見渡すが、どこにも手のひらサイズの生物は見当たらない。
どこに飛ばしてしまったのかと焦りが生まれてくるが、遠くを探していると不意に視界の
上の方に見慣れない影があった。
「シュ~ワッチ!」
それは、謎の言葉をお爺さんボイスでかましながら、見事に両手を斜め上に広げた状態で宙に
舞っている工廠長の姿だった。
…………は?
激しく頭の中で先ほどの台詞に対する疑問が湧いてきて、段々と落ちていく工廠長の姿を
ただ目で追うことしかできない。
半秒後、気づいたときには工廠長の目の前はもう床だった。
「――ッ!」
間に合え、と強く願いながらヘッドスライディングの要領で両手を工廠長の方へ投げ出す。
身長が人間の足首に達するかどうかの妖精さんでは、この高さから落ちれば怪我どころではなく
本当に死んでしまうかもしれない。
そう思って手を伸ばす――が、反応が遅かったためか届かない。
せめて怪我で済むように、という自分の考えと同時に工廠長が床と触れる。
「ふんっ!」
気合のこもった声と共に、工廠長が前方へごろごろと転がり始める。
…………は?
今度は工廠長の行動に再び唖然とし、地面に倒れこみながら目で追うことしかできない。
そのまま五回転ぐらい転がり続け、最後は受身を取って六回転目で立ち上がる。
「ふぅ~、綺麗に決まったわい」
…………なにが、どうなったんだ……?
自分が床に倒れていることも忘れ、しばらく腰に手を当てて自画自賛している
工廠長を眺めていた。
工廠長はひとしきり何かに対して頷いた後、こちらに向いて近づきながら話しかけてくる。
「お前さん、大丈夫かの?」
「……えぇ、大丈夫です。 そちらは?」
「もちろん、見ての通りの無傷じゃ。 それで、いつまで寝そべっておるんじゃ?」
「あ……」
工廠長に言われて自分が未だに床へ倒れこんでいることに気づき、工廠長に右手に乗るように
催促しながら立ち上がる。
「悪いの。 いよっと」
「……いろいろと聞きたいんですが、なぜ傷一つ無いんですか?」
「ま、少し時間もかかるし歩きながら話そうかの」
その言葉を聞いて、行き過ぎた廊下を戻るために歩き始める。
「なぜワシが無傷なのかというとじゃな、この10年間のおかげなんじゃ」
「……どういうことですか?」
「艦載機乗りに憧れていたワシは、初めて艦載機を開発したとき、試し乗りをしたんじゃ」
「でもそれって……」
工廠長の話す内容に、首を傾げずにはいられなかった。
妖精さんの向き不向きというのは、人間で言うような『上手にできない』ではなく、
『やっても絶対にできない』というものなのだ。
開発ができても艦載機に搭乗させれば起動すらままならず、逆ならば失敗作である
ペンギン人形以外何も手に入らない。
「ワシも最初の頃は、エンジンの始動すらできんかった。 じゃが、いろいろいじっておったら
急に動き出して、そのまま乗って空中へ発艦じゃ」
「……それでどうしたんです?」
「……案の定、工廠の床に激突して鉄屑になったわい。 一ヶ月間、まともに動けんかったかの」
「ははは……」
生きてるのがすごい……
脳裏でそんなことを思って乾いた笑いが口から出たが、それを気にせず工廠長は話し続ける。
「それから、作っては乗ってぶつかっての繰り返しで、いつの間にか墜落時に無傷での脱出法を
自分で編み出したんじゃ。 あ、ここを右じゃ」
言葉に従い、右に曲がりつつ口を開く。
「編み出した、ってすごいですね……今まで何回墜落したんですか?」
「ん~そうじゃのぉ……軽く2000回は越えておるかの」
「そ、そんなにですか!? よく今まで生きてこれましたね!?」
「ワシもびっくりじゃ。 ほれ、そこの壁に跡がついとるじゃろ」
唖然としながらも足を止めて指差された方を見ると、確かに黒く傷んでいる壁が見えた。
この工廠長はいろんな意味で妖精さんの域を越している、と思わざるを得ない。
「……ほんとですね。 もしかして鎮守府中にこんな跡が?」
「部屋の中以外はほぼ全てかの。 一応消そうとはしておるんじゃが、多すぎて手に負えんわい」
その言葉を聞いて周りを見渡すと、壁や床、おまけに天井まで同じような跡があった。
横須賀に帰る前に掃除して綺麗にしよう、と心に決めて再度足を動かし始める。
「そうですか……そういえば、さっきのあの『シューワッチ』ってなんですか?」
「あれか? いや~、宙を舞っておるとなんか言いたくなってのぉ。 どうじゃ?
ワシのシュ~ワッチ! かっこよかったじゃろ?」
動きを再現しながら手のひらでごろごろ転がる工廠長の姿に、苦笑い以外の反応ができず、
頬を引きつらせながら会話を続ける。
「い、いや、あの時は心配で聞こえませんでした……」
「なんじゃと? なら何回でも聞かせちゃる! シュ~ワッチ! シュ~ワ~ッチ!」
自分の手のひらで、倒れては起きてまた倒れての繰り返しを始めだした。
……なんか、疲れるな……
今まで関わることのなかったタイプとの会話に疲労を感じつつ、その様子を
横目に見ながら歩き続ける。
「シュ~ワッチ! どうじゃお前さん、かっこいいじゃろ!?」
「……え、えぇ。 とても、かっこいいです……」
「それは本気で言っとるのか?」
「……もちろんですよ。 すごくかっこいいです」
「……なんか納得いかんのぉ……」
渋々返事を返されたことに不満らしく、工廠長は大人しくなって座り直した。
それから数十秒ほど、工廠長の唸り声を聞きながら歩いていると、雷が待っている司令室の
扉が視界に入ってきた。
「そろそろ着きますよ」
「ん? おぉ、そうか」
唸り声を上げ続ける置物と化していた工廠長に話しかけ、しっかりと座り直すのを確認してから
司令室の前まで歩いて扉をノックする。
「私だ。 入ってもいいか?」
『し、司令官!? 今すぐ開けるか――きゃっ!』
部屋の中から雷と思しき声が聞こえ、その後に何か物が落ちたような音が聞こえてきた。
『まったく、何驚いてるんだい? 電、司令官を中に入れてあげて』
『わ、わかったのです!』
ドタドタ、という小走りする音が聞こえ、数秒後には内側へと扉が開いていた。
「ど、どうぞなのです!」
「ありがとう。 ところで、さっきの音は……」
部屋の中を見渡してみると、暁は眠たそうな顔で呆けていて、雷は座って腰をさすり、
響は雷に話しかけていた。
「どうしたんだい? 驚いてこけるなんて、雷らしくもない」
「わ、わかってるわよそれぐらい! いった~……」
「……電、どうしてこうなったか説明してくれるかな?」
「司令官さんのノックに驚いて立ち上がろうとして、布で足を滑らせてこけてしまったのです」
私のせいだったのか……
自分が原因だったことに少し心を痛め、謝っておこうと腰をさすっている雷に近づく。
「驚かせてごめんな、雷。 立てるか?」
「だ、だいじょうぶ! 自分で立てるわ!」
雷へ手を伸ばしたが、それを掴むことなく雷は立ち上がり、何故かそっぽを向いてしまう。
理由が分からず首を傾げ、考えている間に響が雷の前へ回り込む。
「大丈夫かい? 顔、赤いようだけど」
「っ!? いや、これは……その……」
後姿だけでも、雷がかなりあたふたとしているのがよくわかる。
その姿にさらに疑問が浮かんでくるが、工廠長から話しかけられて考えを中断する。
「お前さん……この様子、脈ありじゃぞ」
「脈? 何のことですか?」
「はぁ……なんでもないわい」
がっくりと肩を落とし、本気で残念がっているように思える工廠長の態度にさらに疑問が湧き、
何が何やらわからず混乱してきた。
だが、ここで立ち尽くしていても時間の無駄なので、とりあえず机に工廠長を降ろして
両手を打ち鳴らすことで全員の注目を集める。
「みんな、聞いてくれ」
音と自分の声に全員が反応してこちらを向いたことを確認し、遠くにいた暁を手招きで近くまで
呼んで言葉を続ける。
「工廠長も呼んだことだし、話し始めていくけどいいかな?」
自分の問いかけに、全員がこくりと頷いてくれる。
暁は少し眠たそうだったが、目はちゃんと開いているので大丈夫だろう。
「それじゃ、今後の予定を立てていこう」
……変な終わり方ですね。 申し訳ないです……
気が付くと文字数が5000間近でして、「これはまずい!」と思って
無理矢理区切りました。
さて、ここからはいろいろ書きたいことが山ほどあるので、「こんなもん見れるか!」
という方は最後まで飛ばしてもらって結構です。
先日のアップデートで菱餅イベントが終了したわけなんですが、
みなさんはどうだったでしょうか?
私は戦力不足でずっと1-4を繰り返し行ってたわけなんですが、なかなか餅を落としてくれず
結局2個で終わってしまいました。 解せません。
さて次なんですが、9話でも書いたとおり戦艦武蔵が発見されたことを記念してか、
次回のアップデートまで武蔵の建造率がアップしてるそうです。
試しに一回大和レシピで回してみたら……一発で武蔵さんが来てくれました!
「随分待たせたな」 ほんと、リアルでもゲームでも待たせてくれましたね。
ひゃっほい状態で武蔵さんを旗艦にして出撃!
……お察しの通り、燃料と弾薬がイ"エ"ア"ァ"ァ"なことになってしまいました、はい。
燃料や弾薬を貯めるために夕立や島風には連続で遠征に出てもらってます……ごめんね。
潜水艦?……知りませんね、そんな娘。
最近は、デイリーの建造で4連続で出てくる那珂ちゃんをどうにかしたいです。
「那珂ちゃんd(カーンカーンカーン」 ご愁傷様です。
あとあと、PCが動くようになった友人が艦これをやり始めました。
なんか、開始30分で夕張さんを引き当てたそうです。 本当に解せません。
気がつけばこの時点で文字数は600超え。
書くこともなくなってきたのでこれぐらいにしておきます。
前回みたいな過ちは犯しません。 次回は未定です。
……やばい、700文字超えちゃった。
気長に待っててください! よろしくお願いします!