駆逐艦しかいない鎮守府   作:鼠返し

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 ……皆さんどうも、『1ヶ月丸々』執筆をサボった鼠返しです。

 前回の投稿から「時間はたっぷりあるし大丈夫!」とか思っていたら艦これのイベント
が始まってて1日中やってたり、イベントが終わったと思ったら実は試験週間中で勉強を
急いでやったりしてたらこんなに時間が過ぎてました。

 今回は見苦しい言い訳はしません。 全部私のせいです申し訳ございませんでした!

 今月から私の別作品も更新を開始するので、半月に1度は必ず更新していきます。

 ……すさまじい勢いで近況と私の考えを述べましたが、ここからは普通の前書きです。

 今回時間を空けてしまったので、一番長いお話にしました。

 それとなんですが、タイトルは思いつかなかったので適当です。えぇ、完全な
タイトル詐欺ですのでご了承ください……

 さて、そろそろ本編にいきましょう。お待たせしてしまった第15話、どうぞ!


第15話 食料探しの進展状況

「ちょっ、暁!?」

 

 落ちた事と異質な音に驚き、りんごを軍服にしまいつつ木の反対側へとこけない程度の速さで

駆けつける。

 

 艦娘の人間と違う点についての1つに、異常なまでの耐久力がある。

 

 深海棲艦と同じく通常兵器では核でもない限り傷はつけられず、数m地点から落ちたくらいでは

びくともしない。

 

 だが、そんな艦娘でも人間と同じ柔肌に変わり、人間と同じように怪我をすることもある。

 

 それは、気を抜いていたり、戦闘で傷を負ったりして『力を入れていない』時だ。

 

 意識して力を入れていないと艦娘としての本来の力は出せないらしく、何年か前に金剛聞いた

ところ、「燃料が体に染み渡りませんネー!」と人間には一生理解できない答えが返ってきた。

 

 すなわち、気を抜いているときは、艦娘は基本的には人間と同じになるのだ。

 

 そして今の状況では少しまずく、足でも折れていようものなら、今すぐ戻って入渠させなければ

いけない。

 

「暁、大丈夫か!?」

 

 いそいで駆け付けると、暁は右足首を押さえてうずくまっていた。

 

 患部の様子を見るため、しゃがんで暁の手を掴んで指示を出す。

 

「少し手を離してくれ」

 

 痛がってはいるがちゃんと指示は届いたようで、言われた通りに手を離してくれる。

 

 くるぶしのあたりが赤くなっているだけで外傷はほとんどないが、念のために右足全体を

触診しておこうと手を伸ばす。

 

 これでも横須賀にいたときは応急処置等の知識が一番豊富だったため、日常生活での艦娘の

怪我の手当てを何年もしてきた経験がある。

 

「悪いが少し触るぞ。 痛かったらちゃんと言ってくれ」

 

「う、うん……」

 

 暁の少し濡れた返事を聞き、大腿部から足首のあたりまでを内側へ弱く押しながら

状態を確かめていく。

 

 続いてつま先からも同じようにしていくが、全く痛がる様子をみせないことから、単に

足をくじいただけなのだとわかり安心する。

 

「足首をひねっただけだな。 動かさずにしてれば直に治る」

 

 そういいながら軍服を脱いでシャツの短い両袖を引きちぎり、動かないように足首に巻いて

固定する。

 

「これでよし。 きつくないか?」

 

「うん……あ、ありがとう……」

 

 まだ痛いのか、暁は何かに耐えるような顔をしながら返事をした。

 

 これからどうしようか、と軍服を着直しながら考えていると、雷が暁に手を伸ばして

話しかける。

 

「立てる、暁?」

 

 暁は無言で雷の手をつかみ、左足のみを使ってなんとか立ち上がる。

 

「ぐすっ……もう山なんていやよ……帰りたいわよ……」

 

 半泣き状態で泣き言を言い始め、泣き出す寸前の表情を浮かべる。

 

「あぁもう……何が1人前のレディーよ、まったく」

 

「やれやれ、仕方がないな……」

 

 雷の呆れたようなセリフを聞きながら暁の元へ歩き、目の前で背中を向けてしゃがむ。

 

「ほら、乗って」

 

「れ、レディーだから、1人で歩けるわよ!」

 

「そんな足じゃ歩けないだろう。雷が肩を貸すにしても、山の中じゃ危ない」

 

「ほら、意地張ってないで早く司令官に乗りなさいよ」

 

 泣きながら反論する暁を、雷と一緒に同じく言葉で押さえつけると、観念したのか上体を

背中に預けてくる。

 

「しっかり掴まってくれよ」

 

 その言葉の後に自分の両肩をつかむのを確認し、暁の両膝の裏を抱えるようにしながら

立ち上がる。

 

「ちょ、ちょっと! お尻さわらないでよ!」

 

「肘がどうしてもあたるんだ。 我慢してくれ」

 

 じたばたと背中の上で暴れる暁を言葉で制し、雷のほうへ目を向けて口を開く。

 

「まだ探し始めて間もないんだが、これからどうする? 私は探し続けてもいいと思っているが」

 

「私はいいけど……暁は?」

 

「……別に、どっちでも……」

 

「なら、もう少し探すか」

 

 独り言のように二人に話し、再度先行して獣道を歩き始める。

 

 そこら辺に生えている草や、先ほどりんごがなっていた木と同じような木を見つけて頭上を

仰いでみたりして探索していく。

 

 しばらく探しながら歩いていると、雷から声がかかってくる。

 

「ねぇ司令官……りんご、食べないの?」

 

 そう質問してきた雷の目線は、自分の着ている軍服のポケットに収まっている赤い果実へと

向いていた。

 

「今ここで食べたら、頑張ってくれてる響たちや工廠長に失礼だろ? みんなで食えるように、

 できるだけ多く見つけておきたいから頑張ってくれ」

 

「もし見つからなかったら?」

 

「……そこら辺の葉っぱを煎じて飲むことになるかな」

 

 頭の中で寂しく緑色の液体をすする姿をイメージしてしまい、テンションを下げながら言うと

残念そうに「え~……」と不満の声を漏らした。

 

「まぁそう言わないでくれ。 いざとなったら私だけが飲むから」

 

「……やさしいのね、司令官は」

 

「軍人としてはどうかと思うけどな……それを言ったら、雷の方が優しいよ。 今日の朝だって、

 私を――」

 

「ま、待って言わないで!」

 

 いきなり雷が大声を出して自分の声を遮ってきた。

 

 少し驚きながら足を止めて雷の方を向くと、両手を慌ただしく振りながら顔を真っ赤に

していた。

 

「朝のことはひみつ! だから話さないで!」

 

「朝に何かあったの?」

 

「暁は関係ないわよ! とにかく、恥ずかしいから言わないで!」

 

 雷が暁に言い返している間、数秒前に自分が失言していたことに気づいた。

 

 それをきっかけに雷の暖かさやその他もろもろを全て思い出してしまい、雷の気持ちが一瞬で

理解できた。

 

「あ、あぁ、わかったよ……」

 

 恥ずかしさで少し熱くなった顔を隠すように、再び前へ歩き始める。

 

「司令官、ひみつって何なの?」

 

「話したら秘密にならないだろう。 そんなことより、早く食料を探そう」

 

 何とかポーカーフェイスを貫きながら話の流れをやや強引に切り替え、再び食材を探し始める。

 

 答えてくれなかったことが不満だったのか、暁はため息を吐きながらも指示に従い、すでに

探し始めている雷と同様に探し始めた。

 

 一応先程と同じ木を探してはみるが、いかんせん植物には関心がなく、どの木も同じように

見えてしまい、全ての木を見上げながらゆっくりと歩き続ける。

 

 そして見つけはするものの、とてつもなく遠かったりまだ食べられる状態ではなかったりで、

まともに食べられそうなのはポケットに入っている1個だけだ。

 

 そうして獣道を歩き続け、体感で約30分ほどが経過。

 

 成果――なし。

 

「……ほんとに葉っぱ飲むしかないのか……」

 

 雷の体力を回復するための休憩中、そんな言葉が勝手に口から漏れた。

 

 見つかるものが全て『取れない』『食べられない』の連続で、そろそろ自分の精神と胃が

限界を迎えそうだ。

 

 胃の中が空になりすぎて、すでに腹の虫は暴れることさえやめてしまっている。

 

「私達はいいけど、司令官がねぇ……」

 

「雷たちだってよくないだろう。 生きていけるとはいえ、艦娘もおなかが空くのは知っている」

 

 確かに艦娘は兵器であるためか、何も食べずとも生きていくことは可能である。

 

 だが生きれるというだけで本的には人間と変わらず、空腹を感じるのは当然のこと、栄養不足で

体の様々な器官が傷つきやすくなったり、食を楽しみと感じている艦娘ほど精神が崩壊しやすい。

 

 横須賀にいた頃「一時期に出撃が重なったから当然」と調子に乗って食料庫の約半分を赤城一人

で食い尽くしてしまい、罰として半月ほど教官から軽巡程度の量しか食べさせてもらえず、

発狂して加賀の艦載機を全て食べつくしてしまうという悲惨な事件があった。

 

 すなわち、食を断たれてしまうと人間と同様に苦しい思いをしてしまうのだ。

 

「ま、たくさん見つけられればそれに越したことはないけどな。 雷、疲れは取れたか?」

 

「もう大丈夫よ。 十分休めたわ」

 

 自分にそういいながら、休む前とは違う疲れを感じさせない動きで立ち上がった。

 

「なら、休憩は終わりだな。 暁、そろそろ行くぞ」

 

 暁は差し出した自分の手を掴んで立ち上がり、少しためらいながらもしゃがんだ自分の背中に

身を預けてくる。

 

「やっぱりレディーのしてもらうことじゃないわよ……」

 

「歩けないなら仕方ないだろう。 立つぞ」

 

 一言断りを入れてから立ち上がり、暁を落とさないように腕に力を込めつつ歩き出す。

 

 同時に周りを探してみるが、食べられそうなものは相変わらず見つからない。

 

 さらに数分が経過し、暁を背負ったままで肩を落として最大限に落胆する。

 

「はぁ……ないなぁ、食い物……」

 

 泣き言にも近い独り言の後に、目で探しつつ口で重いため息を吐く。

 

 りんごが1つ見つかったから他のところにもあるだろう、という甘い考えをしていた反動で

心が沈みそうになる。

 

 だがこんなところで諦めるものか、と心の中で自分を奮い立たせる。

 

 まだ1日の半分以上もあるし、雷が疲れて動けなくなったら鎮守府で待ってもらって自分一人で

捜せばいいだけの話だ。

 

 声を出さず決意をしていると、暁がつかまっている自分の肩を叩いてくる。

 

「どうした?」

 

「向こうに小屋みたいな建物が見えるんだけど……」

 

「小屋……?」

 

 おうむ返しで聞き返しながら、足を止めて暁が指を向けた先へと目をむける。

 

 遠いせいかぼやけて見えるものの、斜めに傾いているが確かに小屋らしきものがあった。

 

「少し遠いな……雷、疲れてないか?」

 

「さっき休んだばかりだから、まだ歩けるわ」

 

「そうか。 話を聞いてたから分かると思うけど、小屋まで少し歩くことになる。 遠いし、

 疲れたらすぐに休憩を取るから遠慮なく言ってくれ」

 

「わかったわ」

 

 雷の返事を聞き終え、小屋に向かって止めていた足を動かす。

 

 もちろん、食料を探すことも忘れずに進んでいく。

 

 首を上下左右に忙しく動かしながらしばらく歩き、小屋まで残りが200mほどになった頃、

不意に暁が話しかけてくる。

 

「司令官……やっぱり、横須賀に帰りたい?」

 

「帰りたい、というのもそうだけど……帰らないといけない、という気持ちが強いかな」

 

 思ったことをそのまま口にすると、暁は呼吸すら止めて固まり、隣で歩いている雷はわずかだが

歩くペースが乱れるのが分かる。

 

 少し疲れたのかと思って話しかけようとすると、その前に再び暁から声がかかる。

 

「理由はあるの?」

 

「あぁ、もちろんだ。 昨日、私は横須賀からとある鎮守府へ護衛艦付きで輸送されていたんだ。

 そこで深海棲艦に襲われ、海へ放り投げだされてこの島へ漂着した。 ……私が赤子のときから

 ずっと一緒に暮らしてきたんだ。 教官たちに、必要以上の心配をさせるわけにはいかない」

 

「心配、ね……仲がいいのね」

 

「生まれた頃からの付き合いだからな。 私にとって、教官も艦娘も家族だ」

 

 そう言い切ったのを皮切りに、何故か少し居心地の悪い沈黙が訪れる。

 

 雷は無気力にただ足を前へと動かし、暁は何をするでもなく、自分に背負われながら

呼吸をしているだけだ。

 

 30秒ほど歩き、小屋までの道のりもそろそろ終わりを告げようとしていたが、黙っていた

暁から再度話しかけられる。

 

「さっきの、とある鎮守府ってどこなの……?」

 

「それが、教官が『着いてからのお楽しみだ』としか教えてくれなくてな。 どこに行くつもり

 だったのか私にも分からないんだ。 ……と、こんなこと話しているうちに着いたぞ」

 

 話している間にたどり着いたため、話を中断して足を止める。

 

 先程まで少しふらついていた雷だったが、隣に立ち止まる頃には今までの雷に戻っていた。

 

 その様子を横目に安心しながら、目の前の小屋へと目線を合わせる。

 

「小屋、というより倉庫だな。 扉の錆び具合がひどいな……十年どころじゃないな、これは」

 

 小屋改め倉庫の扉は、見た感じで十年以上、下手をすると二十年ほど経過しているのではと

思わされるほどの状態だった。

 

 全体を見てみると壁代わりのトタンは錆びにより無数の穴が開き、崩れずに残っていることが

不思議なほどの損傷具合だ。

 

「見ただけで何年とかわかるの?」

 

「横須賀で使われてない装備とかを山ほど見てきたからな。 錆び付き具合で大体分かるんだ。

 雷、悪いけど扉開けてくれないか?」

 

 無言で頷き、雷は左の扉の取っ手を掴んで横へスライドさせようとする。

 

「……あれ?」

 

 首を傾げながら何回も試すが開かず、埒が明かないと悟ったのか全身に力を込め始める。

 

「せ~……のっ!」

 

 両足を地面にめり込ませながらも扉を引き、そのまま数秒ほど拮抗状態が続く。

 

 微動だにしない時間が続き、開かない雰囲気がを感じ取ったので雷にやめさせようと口を開く。

 

「開かないならもういいけ――」

 

「――やあっ!」

 

 言い終わる前に雷が気合の入った声を出し、自分のセリフは中断された。

 

 だが、そんなことを嘆いている余裕は瞬きする時間すらなかった。

 

 ベキバキッ! という鉄を力任せにへし折るような音と、何かが残像すら霞んでしまうほどの

速さで飛んでいく音がしたからだ。

 

 驚いて何かが飛んでいった方向を向くと、やはりとんでもない速さで飛んでおり、進路上の木が

当たったところから上が跳ね飛ばされ、瞬く間に10本ほどが犠牲となっていく。

 

 唖然としながら見ていると、通ったところのみがまるで整地されたかのように木が伐採され、

遠くで鉄の板を落としたかのような音がした。

 

 回転が鈍くなった頭で考え、まさかと思いつつ倉庫の方へ目を向ける。

 

「……綺麗にもげてる……」

 

 左の扉のみが取り外されたかのようになくなっており、ハンマー投げ直後のような姿勢で

固まってしまっている雷がこちらを見ていた。

 

  やっぱり、艦娘って怖い……

 

 改めて艦娘に畏怖の感情を覚えていると、暁が呆れたような口調で雷に話しかける。

 

「……派手にやったわね」

 

「……ごめん、なさい……」

 

「……ま、まぁ、開けろって言ったのは私だしな。 気にしなくていいよ。 

 開けられたことだし、中を見てみようか」

 

 俯きながら謝ってくる雷に話しかけながら、久しぶりに日差しを取り込んだ倉庫へ入っていく。

 

 中の様子は壁にあいた無数の穴からの風のおかげかほこりは少なく、外観ほどひどくなかった。

 

「え~っと、これは……油!? あれは弾薬か! 鋼材とボーキも古いけどちゃんとある!

 よかった~、これで当分の資材は賄える!」

 

「油……見たところかなり古いみたいだけど、使えるの?」

 

「……そうか、そこが問題だった……」

 

 一人だけで勝手に盛り上がってしまい、少し恥ずかしさを覚えながらテンションを下げる。

 

 確かに普通なら10年以上も前からある油など使おうと思う人はいないだろうが、今は状況が

状況なため、使えるなら使って欲しいというのが本音だ。

 

「使えるかどうやって調べようか? 人間のと艦娘のとでは違うだろうし……」

 

「……舐めるとか?」

 

「暁、私は人間だぞ……?」

 

「司令官じゃなくて、私か雷が試すのよ。 そうすれば、使えるかどうかわかると思うの」

 

 なるほど、と思いつつ横須賀での出来事を思い出す。

 

 金剛がたまたま補給を忘れてしまい、代わりに鎮守府外のガソリンスタンドを強襲しガソリンを

飲んで演習をしようとした結果、艤装が起動せずに沈みかけたことがあったのだ。

 

 本人にいろいろと聞いてみたところ、「……使えない感じはしてたデース」とひどく

落ち込みながら答えてくれた。

 

 ちなみにその時に35.6cm連装砲を二基、15.5三連装副砲を一基、零式水上偵察機を

三機も失うという多大な損害を鎮守府へ与えたため、罰として1ヶ月の紅茶禁止令を出されて

うつになりかけたり、事後処理と書類の山に埋もれていた教官の胃に穴が開きかけたりした。

 

 懐かしい思い出に耽っていると、暁が体を捩じり入り口付近にいる雷に向かって話しかける。

 

「雷、ちょっと試してみてくれる?」

 

「こんなに古いのを飲むの? まぁいいけど……」

 

 気が進まないのか少し不機嫌になりつつも、言われたとおりにドラム缶の栓を抜き、少し

人差し指にとってなめてくれる。

 

「ん~……大丈夫、使えるわ」

 

「そうか……とりあえず、資源不足はこれで何とかなるな」

 

「弾薬とかは? 風化してたら使えなくなるんじゃないの?」

 

「いくら風化してても弾薬とかは大丈夫だ。 横須賀で吹雪さんが10年ものを食べて

 何ともなかったからな」

 

 蛇足となるが、吹雪は横須賀に着任して1ヶ月の頃にまだ鎮守府の構造を覚えておらず、迷った

挙句に物置へ迷い込んで風化した弾薬で補給するということがあり、ここが保管庫だと思い込んで

しまったらしく、たった2ヶ月で空にして教官を驚かせたことがあった。

 

「……吹雪って駆逐艦はそんなことしてたの?」

 

「しっかり者だが、間が抜けてるというかおっちょこちょいというか、そんな感じの艦娘だ。

 まぁその話は一旦置いて、とりあえず食料探しは中止だ。 持てるだけもって鎮守府に戻ろう。

 これだけあれば当分は持つからな」

 

 こくりと首を縦に振り、雷はドラム缶を両手いっぱいに抱え持つ。

 

 ドラム缶は一つ一つが缶コーヒーほどの大きさで、体の小さい雷でも12~13個は持てる。

 

 自分もできるだけ持って行こうと、前かがみになりつつ腕一本で暁を支え、銃弾にも似た弾薬を

軍服のりんごが入っていないポケットへと20個ほど押し込む。

 

「よし、それじゃあ戻ろうか」

 

 雷に話しかけながら倉庫を出ようとする――が、どこか遠くから『ガキンッ!』と金属同士が

ぶつかり合うような音がした。

 

 この音は聞き覚えのあるどころではない音だった。

 

  被弾音……!?

 

 この音は、艤装に直撃を受けた際に発生する『被弾音』だとすぐに気づいた。

 

「――くそっ!」

 

 そう意識した瞬間に、いても立ってもいられずに倉庫から飛び出す。

 

「し、司令官!? どうしたのよ!?」

 

「待ってよ司令官! いきなり――」

 

「響たちが危ない! 今の音は被弾音だ!」

 

 雷の言葉を途中で遮りながら、暁を落とさないように獣道を音の聞こえたほうへ全力で

駆けていく。

 

 すぐに平坦な道から下りへと変わり、滑り落ちるように駆け下りて砂浜へ出る。

 

  どこだ、どこだ……!

 

 両目を限界まで見開き、水平線をなぞるように二人を探す。

 

 ものの2秒ほどで二人は見つかった――が、電は艤装から黒煙を大量に吐き出させながら響に

もたれかかり、響は電をゆすぶるばかりで周りを見ていなかった。

 

 状況を整理しようと深呼吸しながら考えていると、響たちの周りに水柱が立つ。

 

 そしてそれに、響は全く反応していない。

 

  ……まずい、このままじゃ沈む!

 

「はぁ、はぁ……司令官、響たちが危ないってどういう――」

 

「暁を頼む!」

 

「え、あ、ちょっと!?」

 

 背負っていた暁を優しくも振り払うように砂の上を降ろし、戦闘が起こっている海へと

駆け出した。




 傷ついた電、戦闘に対応できない響、突然駆け出した新米提督。そして襲撃してきた
のは駆逐艦か、それとも軽巡、重巡、はたまた戦艦か。

 ……調子に乗りましたごめんなさい。一度まともな後書きがやりたかったんです。あれ、
これって次回予告になるんじゃ……考えたら負けですね。

 はい、それでは恒例の『本編と関係のない後書き』を始めようと思います。興味のない
方は読み終わるか一番最後までスキップしてください。

 終わっちゃいましたね、春イベ。私はイベント終了時に司令部レベルが70だったわけ
ですが、全部丙作戦で突っ切りました。……甲とかまだ弱くて挑む勇気がないんです。

 新艦娘は駆逐艦『高波』、水上機母艦『秋津州』、正規空母『葛城』、戦艦
『Littorio』、戦艦『Roma』の5隻だったわけですが、皆さんは全員ゲットできました
でしょうか? 私はRomaと高波がゲットできませんでした。何なんでしょうね、あの
ドロップ率の低さは。50回以上行ってもドロップしませんでしたよ……

 そういえばですね、私……イベント中に『妹』にPCを勝手に触られて『大破進軍』
してしまい、『比叡 Lv68』を撃沈させられました。トイレに行っていたわずか
30秒の犯行でした……ちっきしょおおぉぉぉぉ!!!!!

 そしてリアルな会話で「貴様、私の心を痛めつけるのが好きか?」「うん!」
「よろしい、ならば戦争(喧嘩)だ」とかして本当に喧嘩したら母に怒られました。
この鬱憤をどこに晴らせばいいんだこのクソ野郎(妹)があああぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 はぁ、はぁ……取り乱して申し訳ありません。私今までに『龍田』と『伊168』と
『木曽改二』を亡くしたわけですが、全て『妹(悪魔)』が勝手に大破進軍させた
せいです。……今までの人生の中で一番解せません。

 この調子だと2000文字は愚痴を続けそうなのでそろそろ終わりにしたいと
思います。次回の更新は来月の上旬です。またお会いしましょう、さようなら!
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