ISー(変態)紳士が逝く   作:丸城成年

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第2章 クラス対抗戦
第16話 クラス掌握


太郎・セシリア・一夏の三つ巴戦の次の日のSHR

 

 

「1年1組のクラス代表は山田 太郎さんに決定しました。あと織斑君とオルコットさんに副代表を務めてもらいます」

 

 

 SHRの最初に真耶がそう言うと一夏が手を挙げた。

 

「先生、質問です」

 

「はい、何でしょう織斑君」

 

「副代表なんて初耳なんですが?」

 

 

 一夏の疑問に答えたのは真耶ではなく千冬だった。千冬は非常に面倒くさそうな表情で言う。

 

「山田は学園では一応、生徒扱いをしているが成人し就職もしている社会人だ。普通にクラスの運営を全て任せてしまったのでは他の生徒の教育にならない。年齢や経験の面から見れば手の空いている教員がクラス代表をやっているようなものだからな。よってクラス対抗戦などの主要な行事以外の普段の代表としての仕事は織斑とオルコットにやってもらう」

 

「それなら副代表はセシリアだけでいいんじゃないですか?」

 

「半人前が2人で調度良いだろ」

 

 

 辛らつな千冬の言葉に一夏とセシリアが顔を顰める。昨日、太郎の強さに触れ心を入れ替えたセシリアは反論したい気持ちを抑えた。しかし、一夏の方はついつい口に出してしまう。

 

「半人前扱いかよ」

 

 

 一夏の声は大きなものではなかったが、千冬の耳に届くには十分だった。ギロッという音が聞こえてきそうな勢いで千冬は一夏を睨みつけた。

 

「昨日全敗の織斑はまさか自分が一人前だなんて思っているのか」

 

「い、いえ、おれ、いや、自分織斑 一夏は半人前にも届かない未熟者です。太郎さんの爪の垢でも飲んでいます」

 

 

 千冬の眼光を前にして一夏は脂汗を流しながらそう答えるしかなかった。千冬が一夏の答えに「精進しろ」と言っていると、一部の女生徒達もぼそぼそ何かを言っていた。

 

「太郎さんのモノを飲む?(難聴)」「確かに言った」「やっぱり・・・。」

 

 

 

 彼女達の声は小さかったので一夏や千冬には届かなかった。そして、次はセシリアが手を挙げた。

 

「どうしたオルコット。お前も半人前扱いは不満か?」

 

「いえ、わたくしが半人前なのは事実なので・・・。この場をお借りして皆様に伝えたい事があるのです」

 

「言ってみろ」

 

 

 セシリアは立ち上がり頭を下げた。

 

「先日は大変失礼な言動をとってしまい申し訳ありません。未熟な身ですが心を入れ替え副代表としての役割を全う出来るよう努めていきす」

 

 

 セシリアは謝罪が済むと席に着いた。その姿に先日までの傲慢さはなく謝罪についても概ね受け入れられていた。セシリアが着席すると千冬は太郎に水を向ける。

 

「山田、お前は何かあるか?」

 

「私ですか?・・・・ではクラス代表就任の挨拶をしておきましょう」

 

 

 太郎は立ち上がり教壇へと向かう。ガシャガシャと手錠と足枷の鎖が五月蝿い。それを見ていた千冬が太郎に近付き

 

「手錠と足枷は鬱陶しいだけだな。専用機持ちのお前なら外すそうと思えば何時でも外せるし」

 

(IS無しでも簡単に外せますけどね)

 

 

 千冬が太郎の手錠を外し、次に足枷を外そうと屈みこむ。その時、太郎が突然慌てて美星に呼びかける。

 

(大変です。逝ってしまいそうです)

 

『はあ?どういう事ですか』

 

(スーツ姿の女性が屈みこむだけでも良いものなのに、それが女神。そして女神の顔が私の股間の前にぃぃぃ)

 

 

 太郎が上げる魂の叫びに美星は呆れ返る。

 

『盛りのついた中学生でもここまで興奮しないと思います。とりあえず秘かに展開したレギオンで録画しています。ストッキングで確認し辛いですがパンツは黒のレースです』

 

(・・・危うく逝くところでした)

 

 

 何とか無事に足枷を外してもらった太郎は教壇に立った。

 

「このクラスの代表になった山田 太郎です。普段の仕事は副代表の2人がやってくれるそうですが、近々行われるクラス対抗戦には私が出る事になります。このクラスの代表として恥ずかしくない結果を出して見せます。ちなみに織斑先生、クラス対抗戦の優勝クラスには半年間学食のデザート食べ放題という賞品が出ると小耳に挟んだのですが事実ですか?」

 

「何処で聞いんたんだ。まぁ、事実だ」

 

 

 この千冬の言葉にクラス全体が沸きあがる。IS学園の学食は普通の学校のそれとはレベルが違う。IS学園は全寮制で、世界各国のエリートがその寮に入っている。その為に寮の施設や学食などには、一般的な学校とは比べ物にならない程のお金が使われている。学食で出されるデザート1つとっても専門店レベルの物である。少女達にとってみれば「半年間学食のデザート食べ放題」という賞品は熱くなるには十分な物だった。

 

 太郎はクラス中を見回し盛り上がっているのを確認すると良く通る声で聞いた。

 

「皆さん、デザートを心行くまで食べたいですか?」

 

 

 太郎の問いにクラスのざわめきが大きくなった。その中で数人の女生徒が叫ぶ。

 

「食べたいです!!」

 

「太ってもいい。だから食べ放題を!!」

 

「私達には糖分が足りなーい!!!!」

 

 

 これらの声に太郎は大仰に頷いた。そして、また問う。

 

「優勝するクラスは何処でしょう。2組?3組?それとも4組でしょうか?」

 

 

「違う!4組なんかにデザートは渡さない!!」

 

「デザートはウチの物!!」

 

「そうだ優勝は1組!」

 

「1組が優勝だよ!!!」

 

 

 2度目の太郎の問いに1度目より大きく、そして多くの返事が返って来る。それを太郎が両手を挙げ静まらせ、3度目の問いをする。

 

 

「では、1組にデザート食べ放題を持って帰ってくるのは誰ですか?」

 

 

 

「山田代表!」

 

「太郎さん!!」

 

「山田さん」

 

「紳士!!!」

 

 

 

 より大きくなった反応に気を良くした太郎はなおも続ける。

 

「この学年で最強なのは誰です?」

 

 

 

 

「「た・ろ・う!!た・ろ・う!!た・ろ・う!!た・ろ・う!!た・ろ・う!!!」」

 

 

 興奮した女生徒達は足を踏み鳴らしながら太郎の名前を連呼する。教室が揺れていた。最後に太郎が宣言する。

 

「約束しましょう。皆さんの代表であるこの山田 太郎がクラスにデザート食べ放題を持ち帰ると!!!」

 

 

 歓声が爆発する。この日、1年1組はIS学園でもっとも結束の強いクラスへと変貌した。

 

 

 

 

 

 

 

 騒がしくした為、太郎は千冬に殴られた。その顔は満面の笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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