ラブライブ!~女神たちの先導者(ヴァンガード)~   作:千~葉

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大変長らくお待たせしました。

今回はヴァンガードとのクロスオーバー回になります。

ヴァンガード知らねーよ!!って方は、あとがきにて多少の補足をしております。


第4話 アイドルって?

 

 あれから数日後。

 今日も今日とて学生のお務めを果たすために教室のドアを開けると、幼馴染3人娘が何冊かの雑誌を俺の机の上で広げ、なにやら――――穂乃果は嬉々とした表情で、ことりはちょっと困ったような表情で、海未はやや呆れた表情で。――――雑談をしていた。

 はっきりと言おう。それぞれの表情――――主に海未――――を見るに、非常に嫌な予感しかしない。

 そのまま右向け右をして生徒会室にでも非難しようかと本気で考えたが、過去の経験からどうせ巻き込まれると悟り、彼女たちの会話に突入することにした。

 

(そうだ、逆に考えよう。どうしようもない状況になってから巻き込まれるよりもマシだって考えるんだ。)

 

 心のなかで理屈を捏ねながら自分の席へ向かう。

 

「おはようさん。で?君たちは何故、俺の席を占領しているのかね?」

 

「龍、実はちょっと相談が・・・。」

 

 海未から若干申し訳なさそうに相談を持ちかけ、視線を穂乃果に送った。

 その顔である程度察したわ。穂乃果よ、まーた思考がかっとビングしたんか。まったく、厄介な奴だよ君は。

 仮面かぶった冥王様が憑依した気がするが気のせいだ。

 

「とりあえず穂乃果、言い分を聞こう。」

 

「龍君!これだよ、これ!!」

 

 そう言って、穂乃果が俺の目の前に雑誌を開いて突き出した。

 その見開きページにデカデカと書いてある単語を読み取った。

 

「スクール・・・アイドル・・・?」

 

 スクールアイドル。

 簡単に言ってしまうと、アイドル活動を学校の部活として行うようなものであり、きちんと全国大会も開かれている。

 イメージ的には、チアリーディング部をアイドルに置き換えれば大体合ってる。

 

「そう言や、お隣さんのグループが全国チャンプなんだっけ?えーっと、ア、アライブ?」

 

「A-RISEだよ龍也君。彼女たちの活躍もあって、今UTXの入学希望者が鰻登りなんだって。」

 

 ことりさん、フォローありがとう。んでもって予感が、確信に変わりましたよコンチクショー。

 つまり、あれか?何らかの形で――――大方、どっかのグループのゲリラライブにでも遭遇したんだろう。――――スクールアイドルに興味を持って、色々と調べていくうちに先ほどことりが述べた事実を知った結果・・・

 

「『私たちもスクールアイドルをすればいいんじゃね?』に至ったと・・・。」

 

「うん、そう!これなら、この前龍君が言ってた事に当てはまる!って思ったんだ!だからね?私たち3人でグループを作ることにしたんだ。」

 

 なーんで俺の知らぬ間に、そんな重要な事が決まってんですかねぇ・・・?

 まぁ、それ良いとして、なるほど、確かにこの分野なら現状で採れる手の中で、一発逆転への近道の1つだろう。

 だが、しかしである。聞いてる限りでは、ただの思いつきにしか聞こえない。穂乃果の意思を聞くために、声のトーンを低くして彼女に問う。

 

「本気・・・なんだな?」

 

 穂乃果は一瞬ハッとした顔になったが、次の瞬間には『いつもの』目をして答えてきた。

 

「本気だよ・・・。A-RISEのライブを見たときにね・・・、私の中の何かがはまっちゃったんだ。今までに無いほどに、がっちりとはまっちゃったんだ・・・。だからもし、もしみんなが良かったら、みんなで、龍君と、ことりちゃんと、海未ちゃんと、スクールアイドルがやりたい!それでこの学校を守りたい!」

 

「海未とことりは?」

 

「私はその・・・、穂乃果を放っておけませんから・・・。それに・・・」

 

「わたしは将来のためになりそうだから・・・かなぁ?あと・・・」

 

「「ああなった穂乃果(ちゃん)は止められないし・・・。」」

 

 ああ、そうだ。この目をした穂乃果は曲げられないし止められない。昔からの経験がそう告げてるし、今の穂乃果から感じる気迫は、今まで見てきた以上の鉄の意志と鋼の強さを感じた。

 2人ともなんだかんだ言って覚悟は決まってるみたいだ。

 それなら俺は・・・。

 

「OKだ。俺も穂乃果の提案に賛成しようと思う。」

 

「龍!?」

「龍君!?」

「龍也君!?」

 

 それぞれ驚きと安堵が混じった声を上げる。

 

「あ?なんだよその声は?」

 

「いえ、その。正直、龍は反対すると思ってましたから・・・。」

 

「それは心外だな。海未、この世に永遠と勝ち続ける人間なんていると思うか?」

 

「そんな事ありえませんね。」

 

「その通り、答えは否だ。他の競技を見てみろ、プロの世界でも何が起こるか分からない。なら俺たちアマチュアの世界はそれ以上だ。こっちも高校生なら相手も高校生なんだ、余計に何が起こるか分からねぇんだよ。まあ、並大抵の努力じゃそんなラッキーパンチを引き当てるなんて無理だけどな。

 でも、俺はこの3人にはそれが出来るポテンシャルと可能性を感じた。どうせこのままじゃ廃校一直線だ。だったら最も効果が出やすい事に賭けてみようと思ったまでだよ。」

 

「ありがとう・・・。龍・・・。」

 

 うん、その言葉と表情を見れただけで賛成した事に意味があったかもしれん。

 

 さて、意志確認も終えたとこで、本題に入りましょうか。

 

「で?相談ってなによ?お兄さんに話してみ?」

 

「あのね?ことり達、アイドル活動についてほとんど知らなくてね?指導してくれる人も居ないし、そのあたりをどうしようって話になって・・・」

 

 なるほどね。

 しかし、俺もぶっちゃけアイドルの事なんてテレビに映ってる部分しか知らん。うん、どうしようか・・・。

 

 しばらく考えたら、1人の少女に行き着いた。

 彼女なら、指導は無理でも指針程度なら教えてくれるんじゃなかろうか・・・。

 

(いきなり訪問はマズイから、一応アポは取っておこうか・・・。若干汚い手段を使わせてもらうが。)

 

 スマホを取出し、通信アプリを起動させ、親友に『至急、少女に教えを請いたい』とメッセージを送る。

 直ぐに既読になり、1分後に『明日の放課後ならOK』と言うメッセージが返ってきた。

 うん、彼女の恋心に浸け込ませてもらった事に心が痛むが、こっちもなりふりかまっていられないんでね。

 

「全員、明日の放課後は空いてるか?」

 

 3人とも首をたてに振る。これなら大丈夫かな?

 

「よし、それなら、明日の放課後は俺に付き合ってくれ。ある人に会いに行く。」

 

「ある人って?」

 

 ことりが首を傾げて聞いてくる。かわいい。

 

「明日教えるさ。強いて言うなら、餅は餅屋ってことさね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日の放課後

 

 俺たちアイドル部(仮)は、徒歩20分の距離にある目的地に向かっていた。

 

「龍、結局、私たちはどこの誰と会うんですか?」

 

 出発して間もなく、海未が聞いてきた。

 まぁ、今のうちに話しておきますか。心を決めておく為にもな。

 

「ああ、今から行くのは宮地学園だ。」

 

「宮地学園~!?そこってすごく頭のいい学校だったよね?」

 

「そうだな、音ノ木坂とは偏差値で8くらい差があるんじゃねーか?少なくとも、お前さんじゃ入れんよ穂乃果。」

 

「む!穂乃果だってやればできるもん!」

 

「音ノ木坂でひーひー言ってた奴が何か言ってるな?」

 

「うわ~~ん、海未ちゃぁ~ん、龍君がいじめるぅ~~。」

 

「穂乃果、無謀にも受けた結果、無残に落ちた人の言葉なんて聞く耳を持つ必要はありませんよ?ですよねぇ、龍?」

 

「アイエエエエ!?海未=サン?海未=サン、ナンデシッテルノ!!?」

 

 

 閑話休題

 

 

「で、今日会いに行く人物なんだが・・・」

 

 一応周囲に人が疎らなのを確認する。

 

「これから話す事は他言無用だ。約束できないなら、ここで帰ってもらう。いいな?」

 

 3人とも頷いたのを確認し、話を続ける。

 

「今から会う人は・・・ウルトラレアのコーリンだ。」

 

「ウルt「声がでかい!!」すいません・・・」

 

 ウルトラレアとは、現在人気トップクラスの姉妹アイドルグループであり、立凪コーリンはその次女である。

 綺麗な金糸のような金髪、15歳とは思えないプロポーション、『姉御』と呼びたくなるような風貌が相まって、男女共に人気がある。

 

「龍也君はどこでコーリンさんと知り合ったの?」

 

「趣味の関係でちょっとな。正確には親友の知り合いってだけで、ぶっちゃけまともに話すのは俺も初めてだ。」

 

 初めて会ったのは、親友に連れられて行ったカードショップだった。

 最初は『きっつい性格してんな~』とか思ってたが、親友を通して観察している内に『ああ、姉御肌+ツンデレなのね』って評価になった。後、我が親友に対して下心見え見えである。

 それはともかく・・・。

 

「分かってるとは思うが、今の彼女はプライベートタイムだ。その貴重な時間を割いてくれるかもしれないんだ。変な事すんなよ?」

 

「かもしれないって・・・、確定ではないのですか?」

 

 海未が不安そうに返してくるが、こればかりはどうしようもない。

 

「そこら辺は君ら次第さ。画面上じゃあ愛想振りまいてるけど、実物はかなりストイックな性格してるからなぁ・・・。君らの熱意が伝わるかどうかだよ。」

 

 なんだな、穂乃果たちはこれからアイドル活動を通して、音ノ木坂の良さをアピールしていかなくちゃならないんだ。人に自分の感じて欲しい事を伝える良い練習にもなるだろう。

 

「大丈夫さ。いざとなったら、俺がなんとかする。」

 

 そういって、穂乃果たちを安心させるように、ブレザーの右ポケットを『コツコツ』と人差し指の爪先で叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからしばらく歩き、宮地学園の正門の前に到着した。

 今は、通信アプリにて呼び出した親友を校門の前で待っている。

 しかしあれだね、自分の学校より頭の良い学校に行くと、なんか劣等感に苛まれない?『俺の上に頭が良い奴がこんなにいるんだなぁ・・・(白目)』って感じで。

 後、目立つ!こいつら方向性は違えど、全員ハイレベルな美少女なので非っ常に目立つ!下校中の男子が『だれ?』『俺のファンかな?』的なことを口々に言ってらっしゃるが、これからファンになるのは君らの方なんやで?うちのPSYクオリアがそう告げてるんや。

 

 そんな半分くだらない事を考えていると、校舎の方から中性的な顔立ちの少年が走ってきた。

 

「ごめん龍也君。待たせちゃった・・・。」

 

「大丈夫、そんな待ってないから。」

 

 彼の名前は、先導アイチ。15歳で1つ年下だが、幼い頃からアイチの妹も含めてちょいちょい遊んでた仲で、1年ほど前に俺と共通の趣味に手を出した事が発覚し、それ以降はほぼ毎週末遊ぶようになった。

 ちなみに、幼馴染ではあるが3人娘とは面識はない。

 

「すまんなアイチ。急な用事を頼んじまって。今度、1箱奢るわ。」

 

「い、いいよ別に!昔から龍也君にはお世話になってるから、そのお礼って意味で。ね?」

 

相変わらず人間が出来てる親友だね。でも気が済まないので10パック程プレゼントしよう。

 

「えーっと・・・、龍也君の後ろの人たちは・・・?」

 

そう言えば自己紹介がまだでしたね・・・。

 

「ああ、今回は彼女たち絡みの問題で、ちょっとコーリンに相談があって来たんだ。」

 

「そうだったんだ・・・。えっと、宮地学園1年の先導アイチです。よろしくお願いします。」

 

「私は、音ノ木坂2年の高坂穂乃果だよ。よろしくね、アイチ君。」

 

「同じく2年の園田海未です。今日は無茶なお願いを聞いて下さったみたいで・・・。ありがとうございます。」

 

「私も同じ2年の南ことりです。今日はごめんね?」

 

こうして、互いに自己紹介を終えたので、入校証を貰って彼らの部室へ向かうことにした。

 

 

道中、事情をアイチに話したところ、穂乃果たちに彼なりの経験談とアドバイスを送っていた。

 

実は、アイチはこの学校に無かった『カードファイト部』を多少の妨害・障害を乗り越えて設立した男である。普段は女々しい印象があるが、決めるべき時はきっちりと決める男だ。

そんな訳で、部の設立・運営面での事例として彼女たちの良い刺激になるだろうと踏んでたが、予想どうりの結果におにーさんは嬉しいぞい。

 

 

そんなこんなで『カードファイト部』と書かれた紙が貼ってある物理室の前に到着した。

 

「ここが僕たちの部室です。では・・・」

 

そう言ってアイチが引き戸に手をかけ・・・。

 

「宮地学園カードファイト部にようこそ!」

 

扉を一気に引いた。

 

さて、ここからが彼女たちの、いや、俺たちアイドル部(仮)の第1正念場である。





さて、補足です。

先導アイチ
アニメ「カードファイト!!ヴァンガード」の主人公・・・なのだが、ぶっちゃけ主人公っぽかったのは3期くらいかもしれない。他のシーズンは
1期:ヤンデレ
2期:星空デートとかやらかして、完全にヒロイン
4期:完全に囚われのお姫様状態
でも作者はそんなアイチ君が好きなんで、レジェンドデッキはよ。ブシロードはよ。

このお話は3期のリンクジョーカー編(←ココ重要)とクロスしております。

立凪コーリン
アニメ「カードファイト!!ヴァンガード」のヒロインその1
1期から登場していて、中盤からアイチが気になりはじめ、3期から正妻戦争に正式参戦。

ラブライブ的に言えば、えりちの性格とシルエット・真姫ちゃんの顔と性格・海未ちゃんの声を足した感じ。

作者の1番好きなキャラです。
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