FE世界を渡り歩いた旅人が箱庭に招待されるようですよ?   作:飛翔翼刃

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やっと三話完成しました。
作ってる最中に保存を忘れてしまい、一から作り始めたのですが・・・自動保存とかあったのに気づいたのは完成直前\(^o^)/

ではでは本編をお楽しみください。


第三話   ノーネーム?フォレス・ガロ?どっちの味方?

 

 

 

今現在、黒ウサギ率いる問題児御一行は箱庭2105380外門の外壁に向け、森の中を歩いていた。

 

「なあ、さっきのどうやったか教えてくれよ」

 

十六夜はクラウンに種明かしを求める。

 

「うーん、教えてあげたいのは山々なんだけど種明かしほどつまらないものはないでしょ?だから頑張って答えを見つけてほしいな」

 

種明かしは教えないと答えるクラウン。

 

「まあマジックで種明かしほどつまらんものもねぇもんな」

 

納得する十六夜。

 

「それより、俺はこれから世界の果てまで見に行こうと思ってるんだが、お嬢様方も一緒にどうだ?」

 

「私はパスするわ」

 

「私もいい」

 

「僕は行ってみたいけど、黒ウサギが可愛そうだから今回はパスで」

 

「そうか、んじゃまた後でな。それと黒ウサギには言うなよ~w」

 

そう言い、十六夜は一瞬にしていなくなった。

 

(へぇ、彼相当速いね。あれぐらいの速さを見たのは数えるぐらいだし、彼はかなりの実力者なんだろうな)

 

そんな事を考えるクラウン。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「ジン坊っちゃーん!新しい方々を連れてきましたよー!」

 

「お帰り黒ウサギ。そちらの男性一人と女性二人が?」

 

「はいな、こちらの御四人様が・・・・・」

 

こちらに振り返り笑顔のまま固まる黒ウサギ。

 

「あれ?おかしいですね。もう一人、俺様超問題児!!ってオーラバリバリの殿方は??」

 

「ああ、十六夜君?彼なら「世界の果てを見てくるぜ!」って言ってあっちのほうに駆けていったわよ」

 

「な、なな、なんで止めてくれなかったんですか!?」

 

「止めても無駄だと思ったからよ」

 

「それじゃあせめて黒ウサギに一言言ってくれても!」

 

「絶対言うなよって言われたから」

 

「嘘です!絶対に嘘です!!どうせ面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」

 

「うん」「ええ」

 

黒ウサギは見事なorzな形で項垂れてしまう。

しかし、直ぐに立ち直り次の矛先はクラウンに向けられる。

 

「クラウンさんはこの問題児達の中で唯一の良心だと思っていたのに、なんで止めてくれなかったんですか!」

 

「僕も世界の果てとやらは見に行きたかったけどね。十六夜君に後で感想を聞こうと思って、止めるのをやめちゃった」

 

「こんちくしょー!クラウンさんは黒ウサギの心のオアシスだと思っていたのに裏切られたのですよ!」

 

「た、大変です!世界の果てにはギフトゲームのために野放しにされている幻獣がいるんです!」

 

「幻獣?」

 

「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に世界の果て付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後とまで言われていて、とても人間では太刀打ちなんて出来ません!それに加えて魔物の存在だってあるのに!」

 

「魔物?何スライムとかみたいのがいるの?友達になりたいな」

 

「話が通じる相手で、勝てる相手ならいいけどね」

 

「魔物はギフトこそ持たないものの幻獣にさえ匹敵する能力を持ち合わせているものがいるんです。ですがこれはピンからキリでギフトを持たない人間でもあっさり倒せてしまう魔物もいれば、ギフトを持った人間数人でも倒せないような強力なものまでいます。世界の果てにいるのは様々ですが、やはり強力なものに出くわしたら人間では太刀打ちなんて出来ませんよ!」

 

「ジン坊ちゃん!私が一刻程で連れ戻してきますので御三人様を案内しておいてください!」

 

そう言うと黒ウサギの髪が緋色に変っていき、これまた素晴らしい速さで駆けていくのであった。

 

「・・・・・・。箱庭の兎は随分速く走れるのね。素直に感心するわ」

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属ですので。力もそうなんですが、様々なギフトの他にも特殊な権限も持ち合わせている貴種なんです。彼女なら余程の幻獣か或いは魔物と出くわさない限り大丈夫だと思うのですが」

 

あらそう、と飛鳥は空返事をする。飛鳥は心配そうにしているジンに向き直り。

 

「黒ウサギも言っていたことだし、黒ウサギの言葉通り貴方にエスコートしてもらおうかしら?」

 

「え?あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン・ラッセルです。齢11になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。三人の名前は?」

 

「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱えてるのが」

 

「春日部耀。こっちのニコニコ顔の人が」

 

「クラウンだよ。よろしくね」

 

「さて、それじゃあ箱庭に入りましょうよ。まずはそうね。軽い食事でもしながらお話を聞かせてくれると嬉しいわ」

 

飛鳥はジンの手を取り、胸を躍らせるような笑顔で箱庭の外門をくぐるのだった。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

ーーーー箱庭2105380外門・内壁。

飛鳥、耀、クラウン、ジン、三毛猫の四人と一匹は、石造りの道路を通っていき箱庭の幕下に出る。

パッと四人と一匹の頭上に眩しい光が降り注いだ。遠くに聳える巨大な建造物と空覆う天幕を眺める三人と一匹。

 

『お、お嬢!外から天幕の中に入ったはずなのに、不思議な事に御天道様が見えとるで!』

 

「・・・本当だね。外から見た時は箱庭の内側なんて見えてなかったのに」

 

「これは凄いな。いったいどんなからくりになってるのかな?」

 

「箱庭を覆う天幕は内側に入ると不可視になっているんですよ。そもそもあの巨大な天幕は太陽の光を直接受けられない種族のために設置されていますから」

 

「それは、なんとも・・・まあ気になる話ね。この都市には吸血鬼でも住んでいるのかしら?」

 

「ええ、いますけど」

 

「・・・そう」

 

飛鳥は吸血鬼がいると聞くとなんともいえない顔になる。

 

『しっかしあれやな。ワシが知っとる人里とはえらい空気が違う場所や。まるで山奥の朝霧が晴れた時のような澄み具合やし。それにほら、あの噴水の彫像もかなり立派な造りやな!お嬢の親父さんが見たらさぞ喜んだやろうなあ』

 

「うん、そうだね」

 

耀は軽く微笑んだ。

 

「確かに立派な建造物が多いねー」

 

『「!?」』

 

クラウンの一言に耀と三毛猫は目を見開き、驚いたような顔をした。

 

「どうかしたのかい?」

 

「まさか貴方は猫の言葉がわかるの?」

 

「本当に軽くならね」

 

ラグズの種族に伝わる言語や文字、その他の世界でも一緒に戦ったドラゴンやペガサスなど、様々な生き物と意思疎通のためにクラウンは結構勉強したのだ。

クラウンは頭がいいほうではなかったので、一苦労したのは此処だけの話。

 

「あら、とっても素敵な力じゃない。動物とかお話ができるなんて少なくとも私のよりはずっとマシだわ」

 

飛鳥は耀とクラウンの能力を聞き自嘲気味に笑う。その後自嘲気味な笑いを押し殺しジンに尋ねる。

 

「ジン君。お勧めのお店はどこなのかしら?」

 

「すみません。段取りは黒ウサギに任せていたので・・・よければお好きなお店を選んでいただいて構いません」

 

「それは太っ腹なことね」

 

四人と一匹は身近にあった、六本傷の旗を掲げるカフェテラスに入り座る。

注文を取るために店の奥から、素早く猫耳の少女が飛び出てきた。

 

「いらっしゃいませ!ご注文はどうなさいますかー?」

 

「それじゃあ、紅茶を二つに緑茶を一つ。軽食のこれとこれもお願い」

 

『ネコマンマを!』

 

「僕も飲み物は紅茶を。店員さんのオススメとかってあるかな?」

 

「私のオススメはこちらのハンバーグですね」

 

「じゃあそれで」

 

「はいかしこまりました。ティーセット四つにネコマンマにハンバーグですね」

 

「猫の耳をしていたから、もしかしたらと思ったけど猫の言葉わかるんだね」

 

「そりゃわかりますよー、私は猫族なんですから。お歳のわりに随分と綺麗な毛並みの旦那さんですし、ここはちょっぴりサービスさせてもらいますよー」

 

『ねーちゃんも可愛い猫耳に鉤尻尾やな。今度機会があったら甘噛みしに行くわ』

 

「やだもーお客さんったら口がお上手なんだから♪」

 

猫耳娘は尻尾をフリフリと揺らしながら店内に戻っていく。

 

「・・・箱庭ってすごいね、三毛猫。私以外にも三毛猫の言葉が分かる人がいたよ」

 

「耀さんは猫以外の種族とも意思疎通は可能なんですか?」

 

「うん。生きているなら誰とでも話は出来る」

 

「やっぱりとても素敵な力ね。じゃあ、あそこで飛び交う野鳥とも会話が?」

 

「うん、きっと出来ると思う?あれ?ええと、鳥で話したことがあるのは確か、雀や鷺や不如帰ぐらいだけど・・・ペンギンがいけたからきっと大丈夫」

 

「ペンギン!?」

 

「う、うん。水族館で知り合ったの。他にもイルカとかアザラシとかも友達」

 

と和気藹々とした楽しい会話が広げられていたところに、一人の闖入者が現れる。

 

「おやおやぁ?誰かと思えば、東区画の最底辺コミュ「名無しの権兵衛」のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はお守り役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

名無しの権兵衛という単語を強調する、品がない上品ぶった声がジンを呼ぶ。

振り返ると、軽く二mを超えるであろう巨体をピッチピチのタキシードで包む変な男がいた。

変な男は不覚にも…………ジンの知った者の声だ。

ジンは顔を顰めて男に返事をする。

 

「僕らのコミュニティは「ノーネーム」です。フォレス・ガロのガルド・ガスパー」

 

「黙れよ、この名無しが。聞けば新しい人材を呼び寄せたらしいじゃないか。

 コミュニティの誇りである名と旗印を奪われて、よくも未練がましくコミュニティを存続させるなどできたものだよ。そう思わないかい、お嬢様方」

 

ガルドと呼ばれた巨躯のピッチピチタキシードは四人が座るテーブルの空席に断りもなく腰を下ろす。

飛鳥と耀は愛想笑いを向けるが、相手の失礼な態度に女性2人は冷ややかな態度で。

クラウンは面倒事がやってきたと嫌そうな面持ちでガルドを見る。

 

「失礼ですけど、同席を求めるならばまず貴方の氏名を名乗ったのちに、一言添えるのが礼儀ではなくて?」

 

「おっと、これは失礼。私は箱庭上層に陣取るコミュニティ、六百六十六の獣の傘下である「烏合の衆の」コミュニティのリーダーをしている、ってマテやゴラァ!誰が烏合の衆だって!!小僧オォ!!!」

 

ジンに横槍を入れられたガルドの顔は、凄まじい怒鳴り声とともに激変する。

口は耳元まで大きく裂け、肉食獣のような鋭い牙とギョロリと剥かれた瞳が激しい怒りを如実に現し、その矛先がジンに向けられる。

 

「口を慎めよ小僧ォ・・・紳士で通っている俺にもだって聞き逃せねえ言葉はあるんだからな?」

 

「森の守護者だったころの貴方になら、相応に相応しい礼儀で返していたでしょう。ですが、今の貴方はこの付近を荒らすただの獣にしか見えませんので」

 

「ハッ、大層なこと言うじゃねぇか。そういう貴様は過去の栄華に縋る亡霊と変わらねぇだろうが!自分のコミュニティがどういう状況に置かれてんのか理解できてんのか?この糞ガキがッ!」

 

「はいはい、紳士で通ってるお兄さんも、ジン君も一端ストップ」

 

険悪なムードのうえ、他のお客さんにも迷惑がかかってるので、クラウンは二人を止める。

 

「事情まではわからないけど、君達二人の仲が悪いのはわかったよ。それを踏まえた上で、何で僕達のところに来たのかな、ガルド・ガスパーさん?」

 

クラウンに此処を尋ねたことを、訊かれた途端に我が意を得たりといった表情を浮かべるガルド。

 

「これは見苦しい所を失礼しました。ジェントルメン。彼が抱えるコミュニティの現状と、そのコミュニティの重要性をお教えしようと思いましてね」

 

「そうなんだ。そのことはジン君に聞くからいいよ」

 

「は?」

 

「だってその事は、ジン君本人や黒ウサギが僕達に話さなくてはいけない事だ。

 まあ、ジン君が話せないのなら、ガルドさんにお願いするしかないけど・・・どうするジン君?

 話すなら今しかないと、僕は思うけど。ガルドさんにお願いする?」

 

クラウンは様々な世界を歩いていたからわかる。ジン君が置かれている状況を、そのコミュニティの現状も。

クラウンが参加してきた戦争とかも、国を取り戻すためとか、民を守るためとか、様々だったが先頭に立つのは心から国を、民を、仲間を守りたいと信じて戦い続けた者たちだった。

ジン君にリーダーとしての素質があるとかないとかは、今は問題ではない。

僕達を引っ張っていく覚悟、仲間のためなら庇い傷付く覚悟があるかをクラウンは知りたかった。

それにガルドには何か裏があると思っているクラウン。

 

「・・・・・・」

 

「小僧、黙ってても仕方ねえんだぞ。結局はばれちまうんだからな。それともやっぱり話す事が怖いのか!

 ハハハ!!なんて情けねぇ面してんだ!!!」

 

ガルドはジンを挑発する。

 

「ジン君。話してくださるかしら?別に私たちは、真実を聞かされても貴方を軽蔑とかしないわ」

 

「うん。大丈夫だから、ジン話してみて」

 

飛鳥、耀はジンに優しく問いかける。

 

「グスッ。飛鳥さん、耀さん、僕は・・・」

 

しかし踏ん切りがつかないのか少し泣き出してしまうジン。

 

(仕方ない。ガルドのコミュには入らないが発破をかけてみようか)

 

クラウンは憎まれるかもしれないが、ジン君は覚悟を背負うにはまだ若すぎる。

けどここで、飛鳥と耀、それに十六夜に見限られてしまったら、それこそおしまいだろう。

せめて一握りの勇気と覚悟を出してくれと願うクラウン。

次の瞬間、クラウンからの言葉でジン、飛鳥、耀は驚いてしまう。

 

「もうこれまでだねジン。君には失望したよ。僕はガルドのコミュニティに参加させてもらおうかな。

 飛鳥と耀も、そんな怖気づいて事情も話せない子供より、こちらに参加したほうがいいんじゃない?ねえガルドさん」

 

「ええ!そうですとも!!それにしても貴方は理知的で助かります。

 さてお嬢さん方もこちらのジェントルメンがおっしゃるように、こちらのコミュニティに参加するのをオススメしますよ」

 

飛鳥と耀はクラウンのほうを睨みつける、しかしクラウンはニコニコ顔なのは変わらない。

次の一手を考えていたのである。

 

「ま、待ってください!」

 

「なんだジン話す気にでもなったか?」

 

「そうですが・・・」

 

ジンはやはり尻込みしてしまう。

 

(やれやれ、僕の見解があっていればジン君には頑張ってもらわなくちゃいけないんだけど・・・まあそこは十六夜に任せたほうがなんとかなりそうだな)

 

クラウンはこれからのジンについての方針は十六夜に丸投げすることにし、ガルドの裏を探る事にした。

 

「ガルドさん、少しお尋ねしたい事があるのですが」

 

「なんでしょう?」

 

「いえ、少し気になることがありまして・・・どうして貴方から血の臭いがするんでしょう?」

 

ニコニコ顔であったクラウンの表情がとてもつめたいものに変る。

 

「どういうことかしら、クラウンさん?」

 

「さぁね、多分彼は何かを隠しているんだろうね。コミュニティとやらも関係しているかもしれない」

 

「そう。なら、ガルドさん。そこに座り続けて私の質問に答え続けてくださいな」

 

と強調して言うと、ガルドは椅子に拘束される。

この後飛鳥達はガルドが犯してきた悪行に驚かされるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回   ガルドの悪行。そしてサウザンドアイズへ

 

 

 




いかがだったでしょうか?
長い文を書いていると、たまに頭がショートしそうになりますw

次回の投稿は今月末になるかもしれません。
お休みがほしい今日この頃です。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
では次のお話もよろしくお願いします!
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