人生リセットボタン ~kemuプロ~   作:幻月

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一度、小説の内容を消してしまったので、アレンジされました(全て)。
これを書くのに、めっさ時間かかった(アイデアが乏しかった。)


だけど、これまで以上に本気で書きました。長いです(これまでで一番w)
では、どうぞ。


プロローグ ~カミサマネジマキの誕生~

~2X14年 春 日本~ 午前10時

 

 

 とある森の中にある、とある研究所。 その深い森の中にある研究所の外壁の白い色は、深い緑の中で強調されている。

 だが、人通りは0に近いので、この存在に気がつく者は少ない。おそらく研究所に気がつく者もいるのだろうが、こんな森の中にある研究所など、聞いた人にとっては、冗談にしか捉えられないのかもしれない。

 そんな研究所の中に、科学者たちが居た。

「おはようカタストロフィー。例の機械は完成したのか?」

 一人の白衣の科学者が、もう一人の科学者に問う。白衣の科学者は、元々学者であって、とある事情によって科学者になった。そして、現在もう一人の科学者と人類待望の機械の作成をしていた。

「……もう少し。……でも、難しい。」

 答えた科学者は、黒衣を着ていた。しかも、普通のサイズではない。幼稚園児くらいが着れる程度の大きさだ。多少大きめに作られているのか、少しダボダボしている。

 この広い研究室には、この二人の科学者しか居ないので多少淋しく感じるかもしれないが、別に二人は何も感じなかった。

「まぁ、時間はたくさんあるからな。」

「……ウン。」

「ん?元気が無いな。徹夜でもしたのか?」

「……(コクリ)」

「おいおい……。小さい体に負担がかか──おい。その右手に持っているものを置け」

 幼女研究者は、右手に水溶液を持っていた。しかし、普通の水ではない。硫酸だ。

 彼女は、白衣の研究者に『小さい』と言われた事を怒っているのだ。

「……小さくない。」

「悪い。悪い。だが、本当に無理はしないでくれよ。僕は、少し眠るよ。」

 白衣の科学者は、笑いながら言うと、研究室を出て行った。そして、この広い研究室に黒衣の幼女研究者がだけ残った。

「……再開しよう。」

 彼女は、再び手探り状態での機械作りをスタートした。

 今作っている機械は、新しい発想の物で、単純な機械ではない。そして、それと同等に、機械を作るのもとてつもなく難しい。かつての有名人が新しい機械を作成した時も同じ感じなのだろう。

 そんなことを考えながら、作業を続けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 午後10時

 

 黒衣の科学者は、これまに二回ほど食事をして、機械作りを続けていた。

 人類待望の機械の完成は、もう少しなのだが、残りたったの一個の部位がどうやっても作ることができない。その一部以外は、何日も前に完成しているのだが、何日かけても作ることができない。

 

 現在作っている機械とは、【人類全ての願いを消化する装置】

 

 この装置ができることによって、様々なことができる。名前の通り、自分の願い事をかなえることの出来るのだ。

 だが、作るのが難しい装置の作成には絶対的な知識と、経験、材料、そしてハイリスクが必要となってしまう。これまで研究を始めてから材料費、睡眠時間などを大量に消費してきた。ここまできてしまえば完成させる以外手段は無い。

「……可能性はあるんだけどなぁ……」

 幼女学者は呟く。そう。手段は一応あるのだ。だが、そのリスクの高さを考えると絶対に行ってはいけない。

「ほう。いい事をきいたぜ。」

「……!!??」

 幼女学者は突然背後から声がしたのに驚いて、背後を向いた。背後には、白衣の科学者が立っていた。

「……ビックリした。」

 短いため息をついて、呼吸を安定させる。

「まぁ、落ち着いてくれよ。んで?その可能性ってなんだよ?作れるものは作っちゃえばいいじゃないか?それがどんなリスクでも。」

「……絶対ヤダ。」

 幼女科学者当然のように答えた。このリスクの高さからして、機械を99%の確率で完成させることができる。だが、人の【命】をかけて作る機械など、核兵器と同じものになってしまう。

「まぁいいや。僕も力になりたいけど経験の差が有るからねぇ……。」

 白衣の科学者は微笑した。

「とりあえず、一回寝ておきなよ。寝ている間にアイデアが浮かぶかもしれないじゃないか。」

「……わかった。おやすみ……」

 彼女も、かなり眠かったのか、目を擦りながら、足取りをフラフラしながら部屋を出て行った。

「……じゃあ俺も眠るか……。」

 白衣の科学者は、白衣を床に投げ捨てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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  午前7時15分

 

 幼女科学者は、目が覚めて、ベッドから起き上がった。別に、目覚まし時計をかけているわけでもない。普通に目が覚めた。

 昨日、徹夜をしていたせいなのか、しっかり寝たわりには、まだ眠れるくらい眠かった。

 とりあえず、ベッドの横にあるカーテンを開けた。だが、窓の外から放たれる光は、あまりに少なかった。

 今日の天気は雨らしい。空から激しい水が降って来て、空が厚い雲に覆われていて、太陽の光も見えなかった。風も強いらしく、森の木々が多少しなっている。

 その後、部屋にある洗面所で顔を洗い、パジャマから黒衣に着替え、鏡の前で金色の髪の毛を整えた。

 机の上にあるリモコンを取り、テレビを付けた。まず、天気予報。今日の天気は、常に雨らしい。その後、適等にチャンネルを変えてみた。だが、やっていたのは、7時からやっている『グッドスター』や、人気アイドル『GUMI』新曲発表などのみだった。

 その後、冷蔵庫にある牛乳とヨーグルトを食べて一階に降りた。

 研究室までの道のりは簡単だ。自分の部屋は二階にあるので、まず階段を降りる。そして、長い廊下を歩くだけだ。

 研究室の扉は、普通大きさの自動ドアを曇りガラスにしたものだった。これは、とくに難しい理由があるわけでなく、『研究所らしく』と誰かが言ったかららしい。

 首にぶら下げている、カードを自動ドアの隣にあるセンサーみたいなものに触れさせて自動ドアが音も無く開いた。

 機械作りをスタートしていない今は、こわいほど静かだった。いつもなら、様々な場所で多種の機械音がこの部屋に満ちている。

「……まだ寝ているのかな?」

 部屋を見渡すと、まだ白衣の科学者は着ていなかった。白衣の科学者もこの研究所で寝ているので、起きればここに来るはずだ。

 とりあえず、いつもどおりのポジションについて、大量の機械を起動させた。

 ここで、ようやく静寂が破られる。だが、この機械音の中のほうが彼女は落ち着く。

「……残りの部分。作らないと。」

 約1分が経つとほぼ全ての機械が立ち上がった。

「……あれ?完成している……?」

  彼女が、見たものは、これまで散々作るのに苦労していたものだ。

 そう。完成していたものは、【感情】を作るための部品。

 これまで機械に感情をこめたものが存在しただろうか。なにより、この科学者たちが作っている人類待望の機械は、【感情】無しでは完成しない。

「……作ってくれたのかな?」

 彼女は、研究室を凄まじいスピードで走って出て行った。白衣の科学者の部屋まで向う予定なのだ。

 再び階段を登り、自分の隣の部屋のドアをノックした。

 だが、返事はなかった。

 とりあえず、彼女はドアノブをひねった。どうやら、鍵はかかっていなかったので、ドアを押して開けた。

 部屋の構図は、全く同じでベッドの横に窓があって、洗面所、冷蔵庫などもあった。

 だが、重要な白衣の科学者は居なかった。

「……別の部屋かな?」

 呟いて、部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 だが、その後も二階の全ての部屋を見ても、一階にある台所、玄関、風呂場、トイレなど、全ての部屋を見ても白衣の科学者の姿はなかった。

 とりあえず、幼女科学者は、白衣の科学者が出かけた、と解釈をして研究室に戻った。

 感情の部分さえ完成していれば、残りは組み立てるだけなのだから、数時間の作業で終わる。 

 巨大なパーツを、各部分に機械を使って慎重に持ち上げて接合した。

 

 

 そして、約5時間をかけて、長い月日をかけて作った機械が完成した。

 ここまで機械が早く完成できたのは、これまでの技術者たちが作り上げた、機械のおかげだ。

 完成した機械は、戦闘ロボットに近い(というか、戦闘ロボット)デザインだ。大きさは、高さ8メートルほどまである。

「……やった!!」

 自然に、ガッツポーズをしていた。

 時刻は正午になっていた。そろそろ『笑ってくれとも』が始まる時刻だ。

「……そろそろ帰ってこないかな?」

 もうそろそろ、白衣の科学者が帰ってきてもいいはずだ。だが、全く帰ってくる気配は無い。

 もう、少し不安になってきてしまった。そして、自然に体が動いて、再び研究所を走り出していた。

 もう既に全ての部屋を確認したのだが、何度でも確認をしてしまう。研究所の部屋の数は普通の家とかよりは多少多いかもしれないが、学校のように特別多いわけではない。

 白い壁の廊下は、壁の奥行きを悟らせないようにしているのか、どれだけ走ればいいのか、ギリギリまでわからない。

 結局、全ての部屋を探したが、見つからなかった。

「……何処に言ったんだ──ハッ!!まさか……。あの機械って……。」

 彼女は、一心不乱に、研究所の地下室に向った。地下室は、まだ向っていない。使用頻度が零に等しいほど少ないので、存在すら忘れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~研究所地下室~

 

 

 研究室の中にある、三つのボタンを押すと、仕掛けが起動して地下に繋がる階段が現れる。階段は、最近は使われていないのでかび臭かったり、ホコリが舞っている。

 この研究所に、地下室があると知ったのは、この機会を作り始める数ヶ月前だった。正直言って初めてこの地下室の中に入ったときは、頭が痛くなり、次の日は研究をすることもできなくなった。

 だが、何度も通っていると、慣れてしまったのか、地下に隠し物をするようにした。だが、一番気になるのは、その隠し物だ。

 この地下室に隠されている機械こそ、完成した機械の【可能性】だった。

 そして、一番のハイリスクを伴う機械だ。

 

 その、リスクとは、【死】。

 

 その単純な言葉ほど、恐ろしいものは無い。

 この死とは、単純な死ではない。

 機械によって、脳を焼き切る機械なのだ。

 そして、その焼き切った脳は、電子化されて、機械のデーターの中に保存される。それによって、機械の中で生きることができる。

 それこそが、機械の感情をを作る【可能性】だった。

 つまり、白衣の科学者は、脳を焼き切った可能性が高い。

 幼女科学者は、階段を可能な限り早く降りて行った。だが、この階段は長い。少女は、何故こんなに長いんだろう、と考えて降りていった。

 

 

 ようやく、階段を下りると、一つの扉があった。この扉の奥に、機械が置いてある。そして、彼も──と、考えた所で、扉を押した。ここは、自動ドアではないので手動で開いた。

 ぎぎぎ と鈍い音を立てながら開いた扉の奥には、この場所に似合わない機械が一台置かれていた。

 その機械は、カプセル型で、大人の人間が一人入れる程度の大きさだった。

 幼女科学者は、機械の前に立つと愕然した。機械の電源が付けられた形跡があった。そして、既に機械の動作は終了しているらしく、電源が点滅を繰り返している。

「……うそ……?」

 言葉が浮かばなくなった。

 これまで親しく接してきた人間が、自分たちの作っている機械の為に死んだ。こんな経験は、これまで生きてきた中でも初めてだ。

 そもそも、この短い人生でこんな体験をする人も現在は、少ないはずだ。

 彼女は、震える手でカプセルを開けた。

 プシュー と空気が出て行く音が聞えてカプセルの上側が横にスライドした。そして、ガチャと音を立てて動作を静止した。

 カプセルの中には、一人の男が入っていた。だが、いつも付けている白衣はしていなかった。

「よ……う。」

 どこからか、彼の声が聞えた。

「……生きている?」

『見ての通りだ。』

 幼女科学者は、男の胸に耳を当てて、自分の右手で、男の右手首に触れた。

「……。」

 何一つとして声がでなかった。

 心臓から、音はしない。無論、血液が流れていないので、脈もない。呼吸も完璧に止まっていた。全身も、生気が抜けたの如く、真っ青だ。

 それなのに──

「……声が聞える。なんで?」

『ん~。そのカプセルの隣のパソコン。そこに、俺は居る。』

「……!?」

 パソコンの画面を覗くと、見たことも無い彼に似ているアバターが表示されていた。 

『俺は死ぬらしい。だから、今、遺言的なことを伝える。』

「……意味がわからない。」

 まだ幼い彼女は、遺言の意味を知らない。そして、彼が消えることも。

『その意味のわからない装置を地下室に置いておいたのは誰だ?』

 優しい声の、正論で返された。

「……。」

『あの機械は完成した。だが、僕のこの二次元の体も同時に崩壊していくらしい。』

 意味がわからなかった。彼女の作った機械は、脳を焼き切る代わりに機械の中で半永久的に生きる権利を得られるものだった。そして、その気になればコピー ──クローンだって作れるはずだった。しかし、彼の言葉を聞く限りでは、『コピーは不可能』と受け止めるしかなかった。つまり、自分の機械によって彼の命を奪ったのだ。

『残り3分もすれば、跡形も無く俺のデーターは消える。あの機械にも俺の感情は残らない。だが安心しろ。感情は残るはずだ。』

「……嫌だよ。死なないでよ。」

『もう手遅れだ。まぁ、落ち着けよ。』

「……無理だよぉ。」

 彼は、恐ろしいほど落ち着いていた。死が怖くないのだろうか。それとも、それすら感じない体になってしまったのだろうか。考えれば考えるほど、胸が痛くなった。

『ん~。じゃあ俺から一つだけお願いがある。これだけは守ってくれ。理由は聞くな。』

「……絶対。」

『ならいい。あの機械は、お前以外の人間に使わせてくれ。無論、信頼できる人間だぞ?あの機械は、全ての願いをかなえてしまう機械だ。悪いことに僕の感情が乱用されるのは勘弁して欲しい。僕も最初は、全人類に使って欲しかったが、よく考えたら、それで殺し合いが起こるかもしれないからな。最初の目的は、こんなはずじゃなかったんだけどなぁ。』

「……約束する。」

『頼んだ。僕が死ぬのは、僕と、お前のせいだ。あ~。後、神様もだなぁ~。』

「……うん。」

 彼は、満面の笑みで言った。それにつられて彼女も笑ってしまった。

 そして、彼の最後の言葉が聞えた。

『じ……ア…………ナッ…』

「……またね。」

 彼の最後の声は、機械特有のかすれた音によって聞えにくくなってしまった。だが彼はどうせいつも通り、『じゃあな。』と言っただけだろう。

 

 

 

『(…………僕は本当は泣きたい。いや、現実なら泣いているんだろうな。もう誰も聞いてくれないのか。【アイツ】が居ればカタストロフィーは、大丈夫だ。それじゃあ、僕は消えるらしい~。それでは皆さんまたいつか!!!!)』

 

 彼の姿は画面から消え去った。ファイルも消えていた。

 

 彼女は、もう一度、彼の肉体を見た。だが、彼の見た目には外傷は、全くなかったが、脳が焼き切られているに違いない。

 

『彼は死んだ。機械の感情を作る為に。』

 

 自分が、機械を作らなければ彼は、現実では死ななかったのかもしれない。

 だが、涙は出なかった。何故なら、彼は、自分の作った機械の中で生きているのだから。

 機械を作り上げれば、彼の命は報われる。そうやって、自分を正当化するしかない。

「……。」

 彼女は、無言で彼を置いて地下室を出て行った。

 そして、泣いた。機械を完成させたが、自分で使う気は無い。絶対に使う事は無い。約束だもん。

 そして、決めた。次にこの研究所を尋ねた人に、この機械を使わせることにしよう。そうすれば、彼が、尋ねてきた人の機械を作ってくれるかもしれない。

 根拠は無い。別に、自分も望んでもいない。

 だが、科学者として、実験の成功は見届けたい。

 そんな日が来ることを信じて、彼女【エリー・カタストロフィー】は、一人で研究所で待っていた。

 待っている間に判明したことがあった。この機械は、特別な【ネジマキ】ガ内と動かないことがわかった。

 そして、彼女は、彼の言っていた言葉と、ネジマキを組み合わせて、この機械の名前を決めた。

 

 

 

 

 ──【カミサマネジマキ】と……。




はい。ヒロイン候補のエリーの過去についての話です。
そして、カミサマネジマキの誕生の話でもある。
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