俺の事が好きなのであろう人形使いが毎回付きまとってくるのだが一体どうすればいいのだろうか? 作:エノコノトラバサミ
今回は結構ほのぼのしてるワン!
「配達、終わりました~」
「お、ご苦労ご苦労」
俺の写真集騒動から数日。賠償としてしばらくの間、便りの配達を文と犬ッコロの二人が代わりにやる事となった。これで俺は長期休業に入れる。因みに、期間は決めてない。これがアイツらの習慣になれば俺は永遠に楽出来る訳さ!
「文お姉ちゃん、椛お姉ちゃん、遊ぼう」
「ええ、いいですよ」
しかも写真集のお陰で便りは少ないし、天狗が二人がかりだから早く終わるし、こいしと遊んでもくれる。願ったり叶ったりだ。これならいっそ定期的に写真撮られても構わないな。
「それじゃあ、弾幕ごっこしましょう!」
「そんな、私は仲間外れですか!? 酷い……グスン」
泣くなよ犬ッコロ……
「あややや、椛は泣き虫ですねぇ。スペルカードが無くても弾幕ごっこは出来るじゃないですか」
「……でも、結局一人余るじゃないですか……どうせ私ですよ……」
「当たり前当たり前」
「うわぁぁぁぁぁん!!」
うっせぇよ犬ッコロ……ったく、もう。
「はいはい泣くな泣くな。オヤツあげるから、な?」
「オヤツ!? ありがとうございますお兄さん!」
「あ、椛ばっかズルいです! 私も!」
「お兄さん、私も食べたぁい!」
全員来るのかよ!?
結局、家の中で皆でオヤツを食べる事になった。朝のうちに里で買った三色団子だ。念のため少し多めに買っておいて良かったな。
「これ美味しいですね~」
先に喰ってんじゃねぇよ烏野郎。
「はい、椛お姉ちゃん、お手」
「ワン!」
「おかわり!」
「ワン!」
「よしよし~、ねぇお兄さん、この子飼っていい?」
「宜しくお願いします」
飼わねぇよ、何その気になってんだよ。
「こいしちゃん、椛は私のペットですよ」
「いいじゃない、私の方が幸せに出来るもん!」
「そんな……私の為に争わないで下さい!!」
めんどくさいから放っとくか。
椛の件は、じゃんけんで負けた文が土下座して椛を返して貰う様に懇願し、事無きを得た。
……烏の得意技は土下座らしい。
「お兄さん……あの、今夜泊まってもいいですか?」
ふと、椛が切り出した。
「どうして?」
「一日でもいいからここで飼われたいんです」
「私からもお願い!」
「ん……仕方ない、今夜だけだぞ」
「やったぁ!」
「あ、椛ばっかりズルいです! 私も泊まります!」
「お前は帰れ」
「そんなぁ! お願いします! どんな相手でも盗撮しますから!」
「なんで盗撮なんだよ」
「この『
「帰れ」
「ふざけてすみませんでした」
また土下座かよ。『隠し撮りの射命丸』じゃなくて『
「つぅか帰れよ」
「ああ待って! 私を見捨てないで!」
という訳で、今日は椛が家に泊まる事に。どうして射命丸は断ったかって? あんな盗撮野郎入れる訳無いだろ。
「よしよし、いい子いい子」
「ハッハッハッハッ」
すっかり飼い慣らされてんじゃねぇよ。
「ねぇねぇお兄さん、モミーと一緒に寝てもいい?」
モミーって何だよ。
「お願いしますお兄さん、ご主人様に尽くしたいのです」
いつの間にそんな関係になったんだよ。
「好きにしろ」
「やったぁモミー!」
「ご主人様ぁ!!」
……まあ、いいか。
翌朝、物音がして外に出てみた。
そこには何故か一軒の小屋。入り口の側の標識には『モミーの家』と書かれてある。
…………え?
「あ、お兄さん」
「こいし……これ、何だ?」
「モミーの新しい家!」
「……何で、こんな所に建ってんだ?」
「夜中にこっそり盗撮しようとしてた文お姉ちゃんを捕まえてお願いしたんだ」
意外とエグいな、こいしよ。
家族がまた一人増えたワン!
今のところフラン編が人気だワン!
最近アリスの影が薄いワン!
変態というより変人ばっかりだワン!