俺の事が好きなのであろう人形使いが毎回付きまとってくるのだが一体どうすればいいのだろうか? 作:エノコノトラバサミ
「申し訳ありませんでした!!」
白玉楼で一日過ごし朝起きた直後、俺の目の前で誰か謝ってる。
「昨日はあの様な態度をとってしまい、本当に申し訳ありませんでした!!」
あ、妖夢か。
「刀、取り返したのか?」
「はい、幽々子様から魔理沙が怪しいと聞いたので、行くてみたら案の定盗まれてました!」
「それで?」
「○りました」
何したんだよ……
「朝ごはんが出来ていますので、あちらへどうぞ」
「あぁ、ありがとう」
まあ、刀が帰ってきてから様子も普通だし、久々に平和な日々を送れそうだ……
「幽々子様~朝ごはん出来てますよ~」
「ハァ、ハァ……今行くわ~」
朝からジョギングする幽霊ね……
「それじゃ、頂きます」
食事の内容は白米に味噌汁、そしてお吸い物と質素な物だが……ん? 汁物二つかよ。漬け物とかあるだろ。なんで味噌汁とお吸い物で汁物二つ出すんだよ。
「あ、これ旨い」
「でしょ? これインスタントなんですよ」
手抜きじゃねぇか、誉めて損したよ。
「「「ご馳走でした」」」
三人で食べ終え、食器を片付ける。
「それじゃ俺はそろそろ帰り」
「待って下さい!」
妖夢に引き止められた。
「あの……昨日は迷惑かけてしまったので……お詫びしたいと思うんです」
「いや、別に……」
「それじゃあ私の気が済みません!」
「はぁ……それじゃ、遠慮なく」
「奥の部屋に来て下さい」
妖夢に連れられ、奥の部屋へ。そこには布団が一式のみ。
「あの……優しくしてくだ」
「待て、何故脱ぐ」
「貴方に恩返しがしたくて……♥」
こいつデフォが変態か!!
「恩返したければ金をくれ」
「お金はありません……その代わり、体で払います♥」
しまった! 墓穴を掘っちまった!!
「──かえ」
「待ってください、これ以上動いたら……首が取れますよ♥」
クソ!! どっちもR18じょねぇかよチクショウ!!
なんで俺ばっかこんな眼に合うんだよ……
「待て! 早まるな! 俺は女だ!!」
口から出任せにも程があるな。
「え……」
あからさまに信じた顔すんな。
「……禁断の愛も、悪くないです♥」
折角の逃げ道が塞がれちまった!!
「ダメだ、えっと……俺には心に決めた彼女が居るんだ」
「──!?」
お、また信じた。
「それは誰ですか……」
「えっと……アリスだ! アリス・マーガトロイド!!」
「そうですか……分かりました……フフ」
「ど、どこに行くんだ?」
「ちょっと森にネズミ狩りに行きます」
……最悪の展開から一転、最高の展開だぜ。
明日からは家でも安眠生活だな。
「あら、もう終わったの?」
「……妖夢が何しようとしてたのか知ってたのか?」
「ええ」
止めろよ。
「あの子私の部屋のエロ本盗み見てからすっかり感化されちゃってね~」
テメェのせいかよ。
「鼻フック物なんだけど」
じゃあどうしてあぁなったんだよ!? 鼻フック全く関係ねぇぞ!?
「ところで妖夢は?」
「ネズミ狩りに行きました」
「あら、そうなの。命蓮寺のあの子大丈夫かしら?」
大丈夫だ、問題ない。
「あの……そろそろ帰っていいですか?」
「そうね、送るわ」
なんやかんやありながら、一日ぶりに家に到着。地味に今日仕事サボってるけど、速達便は無さそうだし別にいっか。さて、家でのんびり寝てゆっくり休もう。
「待ちくたびれたわ、ダーリン♥」
クソォ、生きてやがった!
「待ってましたよ、お兄さん♥」
何ぃ、妖夢!? 挟み撃ちだと!?
「オイお前ら……争ったんじゃないのか……」
「ええ、始めはお互い争っていたわ」
「けれど時が経つにつれ、お互いに一つの想いが生まれたのです」
友情が芽生えたのかよ変態同士で……
「「3Pも悪くない」」
ダメだコイツらなんとかするとかいう次元を越えてやがる!!!
「くそ、寄るな変態!!」
「そんなに緊張しないでダーリン♥」
「すぐに終わりますから……♥」
どうする……ここを脱出出来る手段は……
「……お、俺、どうせなら3Pじゃなくて4Pがいいな……」
発想の転換!!
「ダーリン……分かったわ。今すぐ探してくる! 妖夢、行くわよ!!」
「はい! 分かりました!」
……しばらくは人数増やせば切り抜けられそうかな。
※この発言が後にお兄さんの首を絞めて行きます。