私生活がとても落ち着く様子を見せず、この惨状となっております。
…夏過ぎれば暇になるって言ったじゃん。
むしろ忙しくなってるってどういうことよ(´;ω;`)
【2018/02/27 追記】
今回の話で、5名から誤字脱字のご指摘をいただきました。
いつもありがとうございます。
----ヒュンケルSide----
「…ここまでの事をされると、もう笑うしかないな」
クロコダインの新たな技の威力に呆然としていると、俺の頭をレイザーが小突く。
「いつまでボーとしてるんだ。エビルマスターはともかく、ボーンファイターはどうやらやる気のようだぞ」
エビルマスターとレッドイーター達はクロコダインに怯える一方、ボーンファイターは全く気にする様子もなく前に出る。
そして動きの鈍いエビルマスターに、ボーンファイターは声をかける。
「…おい、エビルマスター。怯えているだけなら、私の後ろに下がっておれ」
「す、すまねぇ。俺は後ろで、回復呪文でも使って援護させてもらうよ」
エビルマスターがボーンファイターに同意して背を向けると、ボーンファイターは剣を振り上げる。
「それは結構。…お前を連れてきたのは、この為だからな」
無防備なエビルマスターの首を、躊躇なく切り落とす。
更にその行為に驚いているレッドイーターとブルーイーターも、ボーンファイターは次々と斬り殺す。
「お前、仲間に何をしているんだ!お前もザボエラみたいに、そいつらを部品扱いするつもりか!?」
その行為に怒鳴るチウに、ボーンファイターはあくまで淡々と答える。
「あの老いぼれのような、自分の身を確保しないと戦えないダニの心臓と同じにするな。私が不死騎団長候補となった理由は、この能力からだ」
ボーンファイターから暗黒闘気が溢れ、エビルマスターやグレイトドラゴン達の死体を包む。
その死体は見る見る骨となっていき、集結して巨大な竜の骨となる。
見上げるほどのドラゴンゾンビとなったことを確認して、ボーンファイターは満足気にうなずく。
「この通り、私の能力されあれば手駒に戦線離脱はないのだ。グレイトドラゴン達も、役立たずの自分を使えるようにしてもらったことに感謝しているだろう」
「言い方を変えたところで、結局はザボエラと目くそ鼻くそですね。…クロコダイン。私がドラゴンゾンビの供養をしてやりますので、ボーンファイターをお願いします」
クーラはクロコダイン達にボーンファイターの相手を任せようとするが、マキシマムもクーラと似たような口調で口をはさむ。
「…ボーンファイター。お前が切り裂いたそのエビルマスターは、一応百獣魔団長候補だった者だ。レッドイーター達と合わせればそれなりの実力だったはずなのに、無意味に戦力を減らすでない」
「足元をうろつかれるのは邪魔だったのでな。…しかし、戦い方は私のやりたいようにやる。それがお前の軍隊ごっこに付き合う条件だったはずだが?」
「……我輩の苦労を徒労に変えたことに言いたいことは幾らでもあるが、済んだことを言っても仕方があるまい。お前にはオリハルコン製の兵士全てで援護してやる。我輩は残りの駒でレイザーの相手に専念するから、それ以外を倒してみせよ」
敵がこちらに向かってきそうなことを察したクーラが身構える。
しかし俺はそのクーラ達を押しのけて、前面へと躍り出る。
「俺をかばってくれるのはありがたいが、父と似た姿をしてああいった行動をされるのは見るに堪えない。…だからボーンファイターの相手は俺がする」
クロコダイン達は俺の怪我の様子から制止するが、クーラは諦めたかのようにため息をつく。
「どうせ止めても無駄でしょう。でしたら、せめて手当をさせてください。…そこの薬草袋。あなたは早く踊りなさい」
「そのアイテム呼ばわりしてるの、私のことじゃないよね!?」
クーラに文句を言いながらも、ナーミラは『ハッスルダンス』を踊って俺の治療を行ってくれる。
踊るナーミラを一瞥して、クーラは思い出したかのように呟く。
「…あぁ、失礼しました。あなたには袋はありませんでしたね」
「どこ見て言った!?残念そうな目で、どこ見て言った!?エルフは人間達には物静かなイメージなんだろうけど、私は普通に怒るからね!?」
怒鳴りながらもナーミラは踊るが、その治療が終わる前にレイザーが俺の怪我の様子を診てくる。
「…どうやら傷が深いとこは闘気で受けた怪我のようだから、回復呪文の効果はなさそうだな。治療は『ハッスルダンス』で回復するしかないが、時間がないんで体力だけでも回復するぞ。ベホマラー!」
「お前はなんで普通に回復呪文を使ってるんだ!?」
「俺が回復呪文使ったら悪いのかよ!?」
俺の言葉に、レイザーは心外だと言わんばかりに叫び返す。
これまで一度も回復呪文を使っているところを見たことがなかったため、平然とベホマラーを唱えるレイザーに驚かざるを得ない。
しかも驚いたのは俺だけではないらしく、相方であるクーラも目を丸くしている。
「あの、レイザー様。私もレイザー様が回復呪文を使っているところを見るのは初めてなのですが、そんな便利な呪文が使えるなら何故これまで使わなかったのですか?」
「魔力を使わずに回復する手段があるのに、なんで大量の魔力を使わないといけないんだよ。今回は時間もないし、本当に仕方なくだ」
レイザーの行動指針が理解できず頭が痛くなっていると、マキシマムの駒を相手にしようとしていたクーラの肩を起き上がったヒムが掴む。
「…待てよ、クーラ。横やり入れて悪いんだが、そこのお山の大将がハドラー様より優れた司令官だっていう自称を黙って見逃すわけにはいかねぇ。駒の相手は、全部俺にさせろ」
先ほどまでうつ伏せで動くことができなかったヒムだが、蘇ったことで回復呪文が効くようになったらしく、俺が付けた傷はなくなっていた。
ヒムは構えをとりつつ、マキシマムを挑発する。
「そこの同類たちの相手は俺一人で十分だ。ハドラー様との格の違いを、そいつらに叩き込んでやる。…だからヒュンケル。お前は自分の相手に専念しな」
「言うではないか。望み通り、オリハルコンの兵士タイプ7体をお前に割り当ててやろう」
マキシマムの言葉に、ヒムは困ったようにほくそ笑む。
「おいおい、勘弁してくれよ。…それっぽっちの駒で、足りると思ってんのか?」
先ほどの俺との戦闘でも使った、光の闘気をヒムは身にまとう。
自在に闘気を使えることと呪文で回復したヒムに、レイザーも驚いているようだった。
「へぇ。ただロン毛に化けただけだと思っていたが、便利な体になったな。…これで俺と同じく、呪法生命体から突然変異した仲間だな」
「嫌だぁぁぁっ!」
「泣くほど嫌か!?」
レイザーの一言に、ヒムが泣き崩れた。
身内からの攻撃にチウが慰めようとするが、痺れを切らしたボーンファイターがドラゴンゾンビを差し向ける。
その勢いに乗って、兵士タイプの駒もヒムへと攻撃を加える。
クロコダインやクーラ達が慌てて相手をする中、マキシマムはレイザーを指さす。
「待たせたな、レイザー。貴様の相手は我輩と、残り全ての駒である魔鉱石製の女王・城兵・僧正・騎士タイプが1体ずつだ。オリハルコン製の駒がない駒落ちの状態だが、貴様一人相手には十二分であろう。…行けぃ!」
レイザーに向かって、僧正タイプと城兵タイプが意図的にタイミングをずらして突撃してくる。
「だぁぁ!どいつもこいつも、俺なんかに構うんじゃねぇ!!『受け流し』!…ついでに『急所突き』!!」
強襲にもすぐさま対応したレイザーは、向かってきた城兵と僧正タイプを地面に叩き付けて、更にコアの位置に追撃をする。
しかしレイザーはその手ごたえに、眉をひそめた。
その様子にマキシマムは高笑いをする。
「地上でキラーマジンガと戦った際に言われなかったのか?貴様の核への分析方法の手口はわかっておる。それゆえ我輩の駒の核は全てバーン様の魔力によって、波動の探知を乱しておるのだ!」
「だったら、こうするまでだ。…『地割れ』!そして『マグマ』!!」」
地面に倒れていた人形達に、レイザーは追撃をして地面をたたき割る。
その亀裂に駒たちは落とされ、更に割れた地面からは溶岩が溢れ出して人形を巻き込む。
奈落に落ちた人形は慌ててその溶岩から這い出るが、一瞬にして表面が溶けてしまい、もはや何の駒だったか判別が付かない状態だ。
「またしても我輩の駒を…!それよりも貴様、この浮遊しているバーンパレスでどうやって溶岩を掘り出した!?」
「なんか勘違しているみたいだな?『特技』ってのは、本当の自然現象を引き起こす技じゃない。俺ぐらい特技に慣れて土台さえ出来ていれば、同様の現象を発生させることなんて容易なんだよ」
レイザーの異常現象とその説明を聞いて憤慨すると思ったマキシマムだが、なぜか大声を上げて笑い出す。
「いいぞ、レイザー!我輩がどれだけデータを蓄積しても、貴様は容易くそれを凌駕する一手を打ってくる。バーン様の部下となって数百年。どの敵も予想通りの行動しか取らず、飽き飽きしていたところだ。我輩は何度も予想を覆す貴様を相手にするのが、愉快でたまらない!!」
「お引き取りください」
本気で勘弁してほしそうなレイザーだが、今は自分が相手をするしかないと悟ったのか、俺が持つ魔剣について忠告をしてくる。
「ヒュンケル。その剣なんだけど、未完成だから使いどころを間違えるなよ。鎧化する技術が俺には難しく、展開する部分が最小限なんだ。…具体的に言うと、鉄仮面を被った危ない水着みたいになる」
「鞘の部分を今すぐ捨てていいな?」
条件反射でそう言ったものの、さすがに善意で借りている物を投げ捨てるのは気が引けるため、「アムド」と口走らないことを深く誓う。
そしてクロコダイン達の様子を見るが、ドラゴンゾンビの腕や頭部を何度も破壊しているにも関わらず、再生し続けている。
どうやら元を絶たねば、ボーンファイターの魔力で復活し続けるのだろう。
ならば、早いところ片づけてやろう。
「あまりラーハルトを待たせると、また小言をもらってしまうのでな。出し惜しみはなしだ!!」
ボーンファイターへ空裂斬を放ち、腕ごと吹き飛ばす。
先ほどまで使っていたアバン流槍殺法で空の技を使えてたものの、剣技で放つのは初めてだったが問題ないようだ。
再生能力があるのはボーンファイターも同じなようで、一瞬で腕を再生させて4本の腕に持った武器をこちらへ振り下ろして反撃してくる。
その一撃をかわしつつ、俺は更に空の技を放っていく。
怪我が完治しておらず、かすっただけで死んでしまう今の状態では薄氷を踏むような感覚だが、一撃一撃カウンターを加えることで、最高のタイミングで反撃する感覚を物にしていく。
その緊張感が、まだ自身が戦えることを実感させてくれて、嬉しくて仕方がなかった。
これまで強くなる必要があった環境だったため、必要に迫られて修練を重ねてきたが、アバン先生が戻り、ダイ達を先導する兄役をする必要がなくなったことで、「強くなりたい」という欲が出てきたらしい。
そんな俺の様子に、元々低そうな沸点が爆発したボーンファイターは持っていた武器をこちらに投げつけ、腕を全て使ったベギラゴンを放つ姿勢に入る。
「図に乗るなぁ!私は極大閃熱呪文も使用できる!この2連ベギラゴン、耐えられるか!?」
ボーンファイターが魔力を貯めようとするが、その隙を狙って俺は攻撃を試みる。
以前の俺ならおこがましいと思い、絶対に使おうと思わなかった技だが、今の俺なら放つことが出来るはずだ。
それとレイザーが「今こそ鎧化をするときだ!」と叫んでいるが、絶対に使わん。
使ってたまるか。
「レイザー、お前は黙っていろ。…そして、見せてやる。アバン流の地海空を極めて初めて放つことができる、俺たちアバンの使徒にとって最強の技だ!」
武器を逆手に持ち、ボーンファイターへ全力の一撃を食らわせる。
ボーンファイターに断末魔の叫びをあげさせたその技に、クロコダインが感嘆の声をあげる。
「おぉ…!それは、アバンストラッシュ…」
「…ポップ達には使ったことは言わないでくれ。本来ならアバン先生とダイだけが、使い手としてふさわしいと思っているのだからな」
正当な勇者アバンと、その後継者であるダイが使うべきと思って自戒している技だが、他にアバンの使徒がいない今なら見栄として使って罰が当たる程度で済むだろう。
そして思っていた通りボーンファイターが倒れたことでドラゴンゾンビが崩れ始めているため、残る敵はマキシマムとその駒たちだけだ。
「さて。…ヒムとレイザー。助けが必要か?」
ヒムの様子を見ると既にオリハルコン製の兵士3体を倒しているようだ。
しかもヒムはまだ余裕があるようで、俺の言葉にへそを曲げたような表情でヒムは返答する。
「お前が片づけんのが早すぎんだよ。見てわかる通り、俺は今の倍の数でも楽勝だ」
かたやレイザーは必死な様子で真面目に戦っているものの、敵を減らせずにいるようだ。
だが『大防御』で一斉攻撃を耐えつつ、カウンターで『グランドクルス』を放つなど複数の特技を駆使しているため、こちらも平気そうだ。
「『平気そうだ』じゃねぇよ!どこからどう見ても手一杯だろうが!!」
ヒム達の戦闘に余計な手出しをせず、ナーミラの回復で治療することに専念している俺をレイザーが怒鳴る。
言いたいことはわかるが、下手に加勢するとレイザーの技の餌食になりそうなので、踏ん切りが付かないのだ。
クロコダイン達は俺と同じ様子だが、クーラは珍しくまともに戦うレイザーを期待で満ち溢れる視線を向けていて、こちらも手助けをするつもりはなさそうだ。
孤立無援なことを悟ったレイザーは、改めてマキシマムの駒たちと対峙する。
「わかったよ。…だったら、期待通りに戦わせてもらうよ!!」
底なし沼に足を取られた鳥のように両手両足を激しくばたつかせ、鶏のように首を前に出しながらゆっくりと弧を描きながら踊る。
違う。
期待しているのは、踊り系の技ではない。
「…死にかけの鳩か?」
レイザーの奇行に戸惑うマキシマムが、踊りをそう評する。
次の瞬間、レイザーに向かっていた魔鉱石の駒が、糸の切れた人形のように地面に倒れこむ。
「踊り系特技の奥義、『死の踊り』だ。…本来ならザラキーマと同じ効果のはずなんだが、バーンの妨害のせいか制御を奪うので精一杯みたいだな」
「なぜだ!?対策であるバーン様の妨害呪文は、完璧なはずだ!?」
「さっきのドラゴラムの際に、意味なく光っていたと思っていたか?あの光は『不気味な光』で、お前は既に俺の手中に落ちていたんだよ」
ブロキーナ老師とクーラが、その布石に驚きの声をあげる。
…正直言うと俺もマキシマムと同様に、意味なく発光していたことを疑っていなかった。
そして手駒を失ったマキシマムに対して、レイザーは『疾風突き』と『体当たり』で突進する。
俺には出来ない特技の連続使用によって、その突撃速度は飛躍的に上昇する。
しかしレイザーは加速された突進を制御することはできなかったらしく、その一撃はマキシマムの横を素通りし、激しく地面を転がって砂埃を立てながらレイザーは明後日の方向へフェードアウトしていった。
「…我輩の買い被りだったか。ここまで阿呆とは思わなかったぞ」
失望した様子で姿が見えなくなったレイザーは見限り、次なる標的を俺たちへと定めるが、構えようとするクロコダイン達を俺は制する。
その行動を、マキシマムはいぶかしむ。
「何のつもりだ?降伏して我輩へ命乞いをするつもりか?」
「お前はやはり、机上でチェスをしているのがお似合いのようだな。…砂漠ならともかく、こんな舗装された床を転げまわったところで、あのような土煙が上がるわけがない。そんなこともわからないのか?」
マキシマムがその言葉に対して何かを発する前に、突如マキシマムがメタルスライムへと変わる。
それはマキシマムの背後に立ったレイザーが放ったモシャスによるもので、体力と魔力の消費が激しいためか、肩で息をしながらレイザーは勝ち誇る。
「オリハルコンに高速で『体当たり』なんて、走っている馬車に突っ込むようなことをするわけないだろ。攻撃を外したのはわざとで、地面を転がる際に『砂煙』を使って姿を隠し、相手から見えないようバーンパレスの外周を通って不意を突いたってわけだ」
レイザーの種明かしに、メタルスライムとなったマキシマムは合点がいった表情を浮かべる。
またマキシマム自体に異常が発生したためか、ヒムが相手をしていた駒もメタルスライムへと変化した。
これで勝負は決まっただろう。
「ぐっ…!我輩が多少優位になった途端、持ち駒を使って直接王への奇襲を行う。貴様が将棋でよく使う手法であったな。忘れておったわ。…だが」
メタルスライムとなったマキシマムだが、全ての駒を自分の周りに集める。
「墓穴を掘ったな、レイザーよ!我輩の能力でこの体のステータスを見たところ、ただのメタルスライムではなかったぞ!!」
重なり合うようにメタルスライムが集まっていくと、マキシマムは合体してメタルキングへと変化した。
同時にアルビナスのニードルサウザンドのような技を放ち、レイザーを弾き飛ばす。
「これこそキング、マキシマムの第二形態!先ほどより更に巨大になったオリハルコン製の体に、合体した全ての駒が使う呪文と技を繰り出す我輩を相手に出来るか!?」
攻撃をまともに食らったレイザーは『瞑想』で治療をしつつ、マキシマムの言葉に反論する。
「悪いけど、真正面から相手をするつもりはないよ。…メタルスライムになったのは予想外だったが、合体スライムにしたのは狙った通りだ。もうすぐモシャスが切れる。今の状態で解除されれば、組体操のようになっていて、すぐには身動きが取れないはず。そのままメドローアで決めさせてもらうぞ!」
レイザーの宣言通り、マキシマムのモシャスが解除される。
その姿は予想通り、マキシマムの動きを封じる状態にはなっていた。
しかしその形状は思っていたものと大きく違っていて、無理な合体をした結果だろう。
手足や胴体など人形の関節があり得ない方向に折り曲がり、マキシマムの駒は全て人型としての原型を一切留めてはいなかった。
強いて言うなら、ゴム製のマネキンを雑巾のように絞り、キングスライム型の箱に押し込んでいる状態だ。
レイザーはあまりに無残なその姿を見て言葉を選んでいたようだが、しばらくしてマキシマムへ声をかける。
「…なんて酷いことを」
「目を反らすな!そしてこれは半分以上お前のせいだっ!!」
怒鳴るマキシマムだが、以前シグマの腕を斬り落とした時のように、全身から火花が散っている。
もう間もなく爆発するのだろう。
「ありえない…!我輩がこんな、こんな形で敗北するなどありえん…!これは何かの間違いだ。そうであろう!?」
「お前の言いたいことはわかるが、俺が言えることは一つだけだ。…相手が悪かった。悪過ぎたんだ」
世の中には、絶対にまともに相手をしてはいけない人物がいる。
マキシマムは、力以外でもそういった相手がいることを知らなかったのだろう。
俺がかけた言葉を理解したくないようにマキシマムが叫び続けるが、叫んだことが引き金になったらしく、駒と合わせて大爆発を起こしてマキシマムは微塵と化した。
【追記1】
今回の決め技(?)は「モシャスでモンスターに変身中、途中で解除されたら」でした。
またブロキーナ老子がいるため獣の名前が入った技をしようと「狼牙風〇拳」が浮かびましたが、見返してみるとこの世界で彼は普通にチートのため、没となりました。
【追記2】
サブタイトルを考えている際、「仲間になりたそうに~」を元にしようとした結果、
「仲間に見捨てられないよう頑張っている」(略してナマステ)
「仲間へ今すぐ助けてほしそうに見ている」(略してナマステ)
といった謎のナマステ押しが頭から離れず、苦しんでいました。