狭間少女~Proprietà comune~ 作:Il cielo
だれおま注意です
私はじっと前を歩く背中を見つめた。
この綺麗な少年は見覚えがあった。
まさかとは思う。が、彼はちっぽけな私なんかを助ける様な人だっただろうか?
いや、そもそも彼と私が会えるわけがないのだ。
彼ーーーーー雲雀恭弥とは。
「ねぇ」
彼の声を聞いて、さっきの事を思いだす。
…………
少年の綺麗な姿に見惚れていると、彼が近づいてくる。
「見かけない顔だね。並盛の奴じゃないの?」
とても綺麗な声でそう問われる。
並盛というのは何処かで聞いたことがある気もするが、
少なくとも私が住んでいる県にはなかった場所だ。
私がこくんと頷くと彼は腕を組み、手を口に当てる。
その一つの動作でさえも、綺麗で見惚れてしまう。
「君、1人で来たの?」
此処にいた時、私しか居なかったので一応そういう事になるのだろうか。
またしても、こくんと頷くと、ふぅん…と彼はじっと私を見つめる。
「あ………の……」
何かいわなければと声を絞りだすが、震えた掠れ声しかでなかった。
その姿を見て、彼は今だ溢れ続ける私の涙を指で拭ってくれる。無理に話さなくても良いという意味だろうか。
「親は?」
今度はふるふると首を横にふる。
親と聞いて、また少し不安になり涙が溢れでる。
それを見て彼は眉間に皺を寄せる。
きっと何時迄も泣かれるのは迷惑だろうと、必死で涙を止めようとするが止めようとすればするほど溢れだす。
せめて顔だけでも見られまいとスカートに顔を埋めて、声を押し殺す。
「この時間だと……少し面倒だな」
やはり迷惑なのだ。唇を噛みしめる。
そう思っていると、頭に何かが乗る感触がして肩がビクリと跳ね上がる。
が、それが私を撫でているのだと気付くと大きく目を見開いた。
「……とりあえず、僕の家にくる?」
その言葉に反応して顔を挙げると、彼の手が差し出されていたので恐る恐る手をのばす。
彼はゆっくりと私を起こすと、おいでと一言いって歩きだす。
彼の温かい手で握られた自分の手を見つめていると、不安など何処かへいってしまった。
彼とあうのは始めてのはずなのに、彼をよく知っていて、彼が安心出来ると、彼ならば何が来たとしても平気だと思えた。
彼の後ろまで走り、学生服の先をつまむ。
彼は一瞬此方を見たが、直ぐに視線を前に戻した。
いつの間にかあれほど溢れでていた涙は止まっていた。
………………
あの時はすごく感動したのになぁ……。
「ねぇ、聞いてる?」
話かけられたのをすっかり忘れていた。
ビクリとして彼をみると、案の定彼は不機嫌そうに此方を見ていた。
「君、何で1人であんなところにいたの」
それがわかれば苦労はしない………とはいえないので、
俯いて黙り込む事しか出来なかった。
それを見て彼は頭をポンと撫でてくれる。
「言いたく無いならいい」
そう言って前を向く彼に、彼は本当に雲雀恭弥か?と失礼な疑問を抱いてしまうのは仕方がないと思う。
雲雀さんは小動物みたいな可愛い子供には
優しいと思うのです。
動物扱い的な意味で。