狭間少女~Proprietà comune~ 作:Il cielo
「おはよう!」
「………おはよう」
寝不足の私に登校早々飛び込んできたのはそんな言葉だった。
何とか笑顔をつくり挨拶を返す。
昨日あんなにもじもじしていたというのに、今日は非常に馴れ馴れしく私に話かけてくる。
「入学早々テストとかホント勘弁なんだけど〜。梓は勉強得意?」
得意ではないが、中学のテスト…今回に限っては小学生レベルのテストならば正直楽勝である。
が、人はそう言われると腹が立つものなので謙遜しておく事にする。
「得意ではないかな……玲奈ちゃんは?」
「あたし?あたしは大っ嫌い!ホント、ダメ。クラスで最下位とるレベルでダメ!」
「そ、そんなに?」
「うん…酷くてさ…」
そんなにダメなのを強調しなくても、と思うが私もこれくらいの歳の時はこんな感じだったかも、と思う。
「ま、まあ、やれるだけやってみよーよ」
「うん…………」
そういったきり、私をみつめて動かない玲奈。
ガシッと肩を掴まれているので少し痛い。
「あの………」
「………梓ちゃんってさ」
「可愛いよね!!!」
発せられた言葉に内心溜息をつく。
私が嫌いな言葉TOP3に入る言葉だ。
「童顔で悪かったね…」
「膨れないでよ〜。可愛いじゃない。中学生とは思えないくらい」
「それが嫌なの。」
「えーでも得しない?例えば……私らもう中学生だけど小学生料金で電車乗ったり!」
「それ、やっちゃ駄目なやつ…」
そうはいいつつも、実際数回やった事がある。
疑われなさすぎてやめたけど。
「そんな事より…」
「玲奈ちゃん!」
勉強をしろ、と言いかけた時に声がして遮られる。
声がした方を見てみると大人しそうだけど、長身で顔が良い……いわゆるイケメンという奴が此方へ向かってきていた。
「…………リア充め」
ボソッと呟いた言葉は玲奈には聞こえなかったようで、イケメン君と話していた。
しかし、話題が私の方に移った様で2人とも此方へ振り向く。
「えっと、狩羽さん?僕は
「友優は昔からの……何ていうか腐れ縁?」
「ふぅん…………彼氏?」
そう言うと顔を微かに赤く染めながら、否定する。
何だ、満更でもないんじゃないか。爆発しろ。
「宜しく」
込み上げてくる気持ちを押し殺しながら一言だけ答える。
しかし、彼はニコニコとしたまま微動だにしない。
手を差し出しているのに目が行き、握手か、と気付く。
しかし、この年頃の子は異性との距離を感じはじめる時期では無かったのか。
そうは思いつつも彼の手を握る。
すると、彼は周りに花が咲くような笑顔をみせた。
これはモテるなと思いつつ、手をはなし、時計の方をみる。
「テスト始まるよ」
そう告げると2人は私の前の席につく。
どうやら佐藤君は玲奈の隣の席らしい。
友達………十分いるじゃない。
少し良く思わない自分がいた。
佐藤君の名前は最初結城の予定でした。
佐藤君でてきたけど多分あんまし出てこない。
話題にはでてくるけど、本人は登場しません、みたいな。
あ、電車のくだり実話です。友達の。
乗れちゃったらしいです。