テイルズオブフェイティア〜宿命を運命へと変えていくRPG〜 作:平泉
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凶悪な殺人犯として拘束され、後頭部に強い衝撃を与えられた。また気を失い、目が覚めたら、ボクは牢屋にいた。
そう、現代で捕らえられた時と同じのグランシェスクの地下牢だった。一番奥の牢屋に隔離され、問答無用で言い渡された判決は皇帝暗殺の罪で処刑。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、これはれっきとした免罪だ。
ボクじゃない、彼とは親友だった、ボクは彼を助けに行った、フードを被った暗殺者と船のコックが裏切り者だ。
そんなのは彼らには言い訳にしか聞こえなかったのだろう。やがてボクの声は枯れてゆき、もうどんなに足掻いても無駄だと悟り、諦めた。けれど、何故か処刑と判決されてから刑が執行されるまで時間がやたらかかっていたのは覚えている。
「サイラス……、皆…」
ボクは隠し持っていた彼と故郷の家族の写真を眺めた。どんなに嘆いてもこの状況は変わりはしないし、死んだサイラスが蘇るわけでもない。
何故こうなってしまったのだろうか、ボクが一体何をしたというのだ。こんな事になるなら、こんなに辛い思いをするんだったら───────!!
「彼と出会わなければよかった………」
薄暗い牢屋に閉じ込められ、食事は粗末なもの。劣悪な環境に閉じ込められ、ボクの精神はボロボロになっていった。
今はもう、何もかもが憎い。
ボクをスヴィエートに追いやった家族、その環境を作り出したアジェス、情勢、この世界そものもが。理不尽にもこうして殺される宿命だったのだろうか。ボクの人生は何だったのだろう。
「うっ、うぅ………ッ!皆に、会いたい……!サイラス、ロウ兄さん……!ハン兄さん、サン…リュウ…、父さん、母さん、」
ごめんネ、サイラス。君は初めての親友なのに。そして家族の皆も。ボクを育て、支えてくれた人達なのに。孤独に苛まれ、思ってもない事を思ってしまうヨ。
ただ、どうしようもなく悲しくて……虚しくて、涙が止まらなかった─────。
ガチャン!と耳障りな音で目が覚めた。
耳をすませば、見張り番軍人が慌ただしくしているのが分かる。
「おい、聞いたか?あんちゃんよ?」
「ワッ!バカ!お前何でいきなりこんなところに!」
「いい情報が手に入ったんだよ、ほら、奥の捕らえられてるヤツの最新情報さ。欲しくないかい?」
「………いいだろう、ほらよ……金だ」
「へへっ、いつも世話になるぜ」
「お前の情報は信用できるからな、全くいつもどこから仕入れているんだか…」
よく聞けば、恐らく軍人姿に扮した情報屋と、本職の軍人が話しているのだろうとボクは予想した。
「………処刑日が決まったそうだぜ、3日後だ」
「やっとか、随分遅かったな。何故こんなにも時間がかかったのだ?」
「サイラス陛下の後を継いだのは弟君のツァーゼル様だって言うことは知ってるよな?」
「あ、ああ。新聞で見たよ…。なんか危なそうな目付きしてたっていう印象だが…」
「その人がかなりの切れ者で……。なんとツァーゼル陛下はこの事件をダシにアジェスと強制的に密約を結ばせたからだ、だから時間がかかった」
(密約……?)
ボクは処刑日がいつかはどうでも良かった。ただ、その内容が気になって更に耳をすませた。
「な、何だと!?」
「あぁ、アジェスはスヴィエートと戦争なんてやったら破滅は間違いねぇからな…。それに、スヴィエートがアジェスに戦争をふっかけたらロピアスが殴り込んでくるのは目に見えてる。奴らはスヴィエートさえ殴る事が出来ればどこにでも介入してくるような連中だ。必ずまた大戦争になる。現状ではサイラス陛下の政策は平和方針だったから、戦争準備なんてまるで出来ていない。今アジェスに皇帝殺害の件で宣戦布告する事は自殺行為だ。
アジェスもスヴィエートも両方足元を見られるのは当たり前だ。アジェスはスヴィエートが攻めてきたらロピアスに助けを求めりゃいいんだからな。だがアジェスの熱帯環境に必要不可欠な氷結晶は手に入らなくなる。そして月明かりが極端に暗いあの国の夜を照らす光結晶だって全品スヴィエート産だ。
ロピアスに貿易や援助を頼っても必ず助けてくれる保証はないし、いいように無駄に多い人口を徴兵されて思う存分こき使われて利用される道もある。
スヴィエートで生活必需品のストーブの燃料がアジェスで大量に採れる炎結晶なんだ。互いが最重要貿易相手国ってわけさ。
こっちはこっちでグランシェスクで大量にアジェス人を雇ってたあげてた恩もあるわけだし、それにスヴィエートの仮想敵はロピアスだ。アジェスの土地なんていらねぇだろうし、何より腐海だらけで価値がない。だから密約という手だ。
この事を世界に公にしない為にもサイラス陛下は突然の不幸な病に倒れたと公表され、遺族やその他最重要トップ以外は知らずにこの事件は歴史の闇に葬られるだろう。なんでもツァーゼル陛下は話せば激痛が発生する術式を事件の当事者達に施したようだ。
奴の死体は処刑後、一応アジェス皇国に送還されるらしい。あちらの国の埋葬の仕方もあるんだと。あっちじゃアジェス人の死んだ人間は必ずホランの森っつー所で供養するらしい。まぁ簡単に言えば隠されるんだろうな。
木を隠すなら森の中っていうだろ?墓だらけの所にまた変哲もない墓を建てて表面上では一応は供養するらしいぜ。バケて出たらシャレにならねぇからな。あっちの国じゃ犯罪者と言えど死者を粗末に扱えば、バチ当たりらしいぜ」
「そ、そうなのか……。で?その密約の内容ってのは…!?」
「すまねぇ、密約の内容までは流石に分からねぇ。ただ、スヴィエートにとって有利な条件を飲ませたってのは容易に想像できる事だ」
「今後の戦争対策に違いないな…。戦争が起これば中立国を貫くアジェスを買収すれば、こちらは存分にロピアスを攻め込むことが出来る…!」
「なるほど……、確かにそれは切れ者だな……。しかし、サイラス様とは全く真逆の性格の人だな…。平和主義、復興第一だった時代から一気に戦争準備へシフトか…」
「あぁ…、今後スヴィエートは外国人は一切受け入れない。スパイ対策でもあるし、それにスヴィエート人であっても入国、及び出国検査はかなり厳しくなる。どんどん閉鎖された環境になっていく事は間違いない……」
「政策が180度ガラリと変わっちまって……、まさに波乱の時代の幕開けだな…」
(フーン………)
耳をすませて聞いていたが、今後の、将来の事だった。ボクに将来はない。奴らだってボクがこの事を聞こえているのは薄々分かっているだろうが、気にしないのはその為だ。ただ、分かったのは一つだけ。
ボクの命は、残り3日だ──────。
「時間だ、来い」
牢屋を開けた軍人がぶっきらぼうに言った。あぁ、ついに死ぬのだ。処刑されてボクは死ぬのだ。
手を後ろに回され縄で縛られる。厳重に見張られながらトボトボと歩き、闘技場へ連れていかれる。闘技場のド真ん中の処刑台に、近づいていく。
見えたのは、ギロチンだ────。
観衆には多くのスヴィエート人達。何故かあんなにグランシェスクにいた出稼ぎのアジェス人は人っ子1人としていなかった。ボクが予想するに、恐らく強制送還されたのだろう。外国人を受け入れないって言ってたし、この事件後に規制されたのだろう…。彼らは、そしてボクは何も悪くないのに。
物事はとことん悪い方向に進んでいた。もうここまで来ると笑えてくるネ。自分の死がいよいよ見えるところまで迫っている。もはや何も思わなかった。
「このアジェス人の男、ラオ・シンを本日スヴィエート人32人殺害の容疑で断首の刑に処する」
皇帝暗殺……とは言わなかった。恐らく、船上の殺害された軍人達や視察団員の数だろう。
ボクは世にも恐ろしいスヴィエート人大量殺人の凶悪犯としてここで見せしめに首をはねられるわけだ。
背中を押され、頭を押さえつけられる。
2本の柱の間に頭を置き、数秒深呼吸した後、固定板が下ろされ、首が完全に固定された。もう逃げることは出来ない。
後はもう流れ作業のように、淡々と、あっという間だった。湧き上がる歓声は耳に入ってこなかった。妙に落ち着いていた。刃を固定していた縄が切られる音がし、
「あぁ…。ボクの…、人生…がおわ──────」
シャッ!と音がして、首がゴトリと落ちる。刃や板にこびり着く血液…。
その後、数秒意識があったかは、覚えていない。あったのかもしれないし、無かったかもしれない。
そこで、ラオ・シンという人間は、死んだ筈だった───────。
「でも不思議な事に、その後何でか生き返っちゃったんだよネェ〜♪」
凄まじく生々しく恐ろしい話をした後、ラオはちゃらけた態度でお気楽にお茶を濁した。
「ホラホラ!だから首が取れるんだよネ〜。ギロチンで切断されたから!」
そして首を傾け、半分首をとった。
ギャッ、とフィルの悲鳴が上がる。
「お前そんな恐ろしい事笑いながら言ってる場合かよ!?」
ガットが顔をひきつらせ、気味悪そうにツッコむ。
「とにかく〜、ボクのキャラにあんまり似合わない辛気臭い過去の話はこれでおしまいだヨ〜。後は記憶がないからね。
まっ、そりゃそうだよネ。死んだんだから、ナハハハ!」
そう、後にある記憶はアルス達と旅をしている今現在の記憶なのだ。
「気がついたら意識があってアルス達と会ったってコトだけは言えるカナァ〜」
アルスは苦笑いしながらとりあえず彼の過去の話は理解出来た。自分の祖父と親友関係にあったラオは免罪をかけられ、処刑された。自分がこの真実を知らなかったと言う事はこの事件の真相を知る人物がもうこの世には少ないと言うことだ。恐らく、父が生きていたのなら直接聞かされていただろう。
最重要のトップの人間は今はあの頃から換算したら歳を経て亡くなっているか、老人になっている。恐らく元老院にこの事実を知る者もいるのかもしれないが、トップシークレットな為、安易に口に出せない環境にさせられていたし、粛清されて殺されているかもしれない。だから今まで自分はこの真実を知らなかったのだ。
「お前にそんな辛い過去があったなんて…」
「いやいやぁ!いいんだヨ!ボクネ、嬉しいんだ!だってアルスってサイラスの孫デショ!?だから最初会った時懐かしい感じがしたんだヨ!なんか巡り合わされた運命感じちゃうネ!何でか理由は分かんないけどとりあえず現代に生き返って、彼の子孫であるアルスを守れるなんてボクの生き甲斐にも等しいからネ!」
「ラオ……」
ラオは守ることが出来なかった親友を思い、今度こそは彼を守る、と心に決めた。
「あの時……、ボクは彼を守れなかった。だから今世で、意地でも君を守るヨ。それがボクの使命なんだと思う。サイラスから託された……ネ。
何たって、親友の孫なんだからッ!それを記念して!漢の誓いっ!」
ラオは赤い瞳を開き、見つめた後グッと拳をアルスに向けた。アルスはフッと笑い、拳を握りしめ誓を交わした。
(………?)
だが、拳を離したその時、また、何かの違和感を感じた。
違和感というより、
感覚を感じる時が、
スミラの自己エヴィ認証付き引き出しを開けた時、ポロアニアと花びらの効果を発動させた時、そして。
最近感じるようになった、ルーシェに治癒術をかけてもらった時に感じるこの感覚だ──────。
何か、言い表せない、形容し難いがどこか暖かみを感じる、と表現すればいいのだろうか?何故?ラオからこの感じを?
そして、一瞬先程の母の映像が頭を過ぎった。
赤い瞳は治癒術師達の末裔である証なの。そしてその力、特に生命力は、
アルスはハッとした。ルーシェは治癒術を使える。だがラオは使えない。けれど瞳は赤だ。
ラオに今まで感じた違和感と言えば、初対面に会った時発生した記憶の映像、そして2回目のベクターに襲われた時の記憶の映像だ。
最近判明した、スヴィエート一族は、記憶が継承されるという事──────。
自分の夢に見る記憶だって父から、そして先祖代々継承されている。だが父は、ラオの真実を知らなかった。それどころか、彼を一方的に祖父殺害の仇としていた。遺族であるが故に知らされていたのだろう。
フレーリットにサイラスの記憶が継承されるはずなのに、真実を知らない。ここに矛盾が生じるのだ。
もし、父であるフレーリットに
「なっ、なぁ!ラオ!」
アルスはここまで立てた仮説を明らかにするため慌てて情報を掻き集める事にした。
「エ?どうしたのイキナリ?」
「20年前、父と。つまりフレーリットと接触した時に、何か凄まじい光が発生したと言っていたな?」
「アッ。うん、そうだよ。ボク、それがきっかけで記憶が戻ったんだ。生前の記憶がネ」
「やっぱり………。ラオ、お前は生き返る前は瞳の色は何色だった?」
「エ?黒だけど?何か生き返ったら
(記憶継承は、エヴィを媒体として俺の曽祖父ライナントが発明し、それを息子であるサイラスに施してからが最初の始まりで、瞳に埋め込まれている……。記憶の大半が開放されかけたから俺の瞳が片方元の色、母親譲りの赤になっている。だがラオの瞳も赤だ。生命力は、他の人に強く影響する、そして俺がラオに初めて会った時、ルーシェが頭痛に効くようにとかけた治癒術はまるで効果をなさず、それどころか受け流され、どこかに流れていくような感覚がした!)
アルスの立てた仮説の歯車がガッチリと合わさった瞬間だ。
「ラオ、お前が何故生き返ったのか、大方分かったぞ」
「エエッ!?マジッ!?」
「ホントかよ大将ッ!?」
仲間達も驚きの声をあげた。アルスにも、信じられなかったが、これしかないだろう。本当に、有り得ないような話だが、実際目の前に実現した奴がいる。
「順を追って話そう。
いいか。何故お前の生前の記憶が曖昧だったのか。それは、お前が死んだ後、
「ハ?言ってる意味が分からないんですけど?」
「銀の瞳を持つスヴィエート一族が死ぬ時、自分の血縁者に先祖代々の記憶と共に、その人が生きていた頃に起きた
だが、お前とサイラスお爺様は強い絆で結ばれていた。例え血縁者でなくても、あの時は無意識のうちに発動してしまったのだろう。だからお前はお爺様を看取った後、頭痛がしたんだ。一気に流れ込んだエヴィの作用によってな。そしてお爺様の記憶を見た筈だ。それは、本来父フレーリットに継承されるはずの記憶の半分以上ががお前に継承されているって事だ!」
「ボクッ!?」
ラオは自分に指を指した。
「あぁ、だがお前はその記憶の本来の持主じゃない。体が適応して合ってないし、そもそも元お爺様の記憶だ。だから曖昧に覚えていたんたろう。そして特殊すぎるこの記憶継承のエヴィに体がを適応せず、生前の記憶を忘れてしまった。
そして、本来の持主である俺と接触した時に発生した光。
記憶継承のエヴィは破片のようにバラバラにラオに継承されたんだろう。
お前がお爺様と過ごした日々の記憶の中で俺を通じてその経験と似たような事が起こると、そのエヴィが反応して俺に流れ込む。エヴィは多すぎれば体に毒となる。だから一気に流れ込んだ俺の場合、すさまじい頭痛に襲われることに至ったんだ。
暗殺者から船上でサイラスを守ろうとした過去の出来事。そしてまた船上でベクターが俺を殺そうとした出来事が重なって、エヴィが反応し光を発した。その際にその時の記憶の欠片がフラッシュバックを起こして俺に見えたんだ。
フレーリットの時は、本来継承される筈だった彼とかなり近接距離まで接触したから、記憶のエヴィが反応して両者に頭痛が発生した。そしてフレーリットと城で対峙した際に、一気にエヴィが反応して光となって弾けとんだんだ。
その時、フレーリットが受け継いだ曖昧なサイラスの記憶がラオに流れ込んだ。だからお前はその時生前の記憶を取り戻したんだ。サイラスの一部の記憶は、お前の記憶でもある。芋づる式に全ての記憶が、フレーリットと対峙した後に蘇った。そうだろう?」
「ウ、ウン。全くその通りだヨ。でもさでもさ、何でそれで僕が生き返って生きてるの?」
記憶、頭痛の件は解決したが、それでは生き返った理由にはならなかった。
「そう、それを次に話す。俺はさっき2階で母のメッセージを聞いていた。そこで母から様々なことを聞いた。俺に再生能力があるのも─────」
アルスはスミラが残したメッセージを要約して皆に説明した。赤い瞳と治癒術師、そして自らの再生能力、生命力について────。
「生命力、は他の人に強く作用する………!?ねぇ、待ってください、と言うことは……!」
こういった話には鋭いノインが話を聞いた後、悟ったようだ。
「あぁ、生命力、再生力に優れた治癒術師末裔のスミラの息子である俺、そして生粋の治癒術師末裔であるルーシェ。
俺とは記憶のエヴィを共鳴する事で。
ルーシェとはほぼずっと行動を共にする事で、お前に治癒術師末裔が本来が持つ生命力の力が流れ込んでいる。だからお前は治癒術が使えないのに、瞳が赤色なんだ。
俺がお前と初めて会った時、エヴィの反応で鋭い頭痛が発生した。その時、ルーシェが俺に治癒術をかけたが、それはまるで体をすり抜けていくように効果をなさなかった。つまり、俺の記憶のエヴィに共鳴、そして介して、お前に流れ込んでいたんだよ」
「──────!!!」
ラオはハッとした。確かに、自分にも心当たりがあるのだ。20年前、宿屋のダーツバーで頭痛が起きた時もルーシェに治癒術を施して貰ったが痛みは一向に惹かなかった。それは、自分がその力を無意識のうちに大半を吸収していたから─────。
こうして旅を続けている時も、ルーシェの治癒術はほぼ毎日受けていた。魔物と戦闘し、負傷した際などにこうしてずっと彼女から、アルスからは記憶のエヴィを媒体として、生命力の作用を受け取っていたのだ!
それは最初は僅かな物だったが、ずっと彼らと自分は共にいた。行く宛もなく、彼らについて行っていた。
生命力はエヴィとなり具現化し、肉体として形を成す。つまり、ラオの体は今エヴィで形成されているのだ。
アルスの記憶のエヴィと反応する事により現代に呼び覚まされ、ラオはずっと彼らによって生かされていたのだ。
「ソッカ………だからか!ルーシェなんて、かなり強力な治癒術師だもんネ……。それこそ、再生力は何か持ってたし…、生命力だって多分持ってるに違いない。そっか……だからボクは……」
本来なら起こりえない奇跡のような偶然の出来事が合わさり、ラオは現代に蘇った。親友サイラスの記憶が、孫であるアルスと結びつけ、アルスとルーシェから生命力を貰っている………。
「そんな……そんな事がありえんのかよ………」
ガットがラオを信じられない、という目で見た。
「い〜や〜、有り得ちゃった例が、ボクなんでしょ〜ね〜♪」
ラオはガットに歯を見せて満面の笑みで返したのだった。
うーん、分かりにくかったらすみません。
結構説明回ですね。一応頑張って傍点とかも使ってみてわかり易く説明文を書いたつもりですが、分からなかったら分かんねーよカス、とでも言って感想に書いていただければ幸いです(これで矛盾発生しててそれ指摘されたらホントどうしよう)
傍点しかり、誤字報告機能とかいう神要素もハーメルンに新しくついたみたいなので、もし誤字脱字発見しましたら遠慮なくお申し付けください。