Demon's Stella ~悪魔の彗星~ 作:Hershel
霰
性別:女性 身長:146cm 体重:34kg
舞鶴鎮守府の谷岡提督の艦隊に所属する、駆逐艦の艦娘。
谷岡艦隊の一番艦であり、筑摩と一緒に秘書艦を担当している。
駆逐艦ながらも旗艦であり、海上作戦の練度もかなり高い。
性別は内気。無口であり、あまり言葉を発しない。
しかし、谷岡提督への忠誠心は厚く
彼を煙たがっている池宮憲兵には強く当たっている。
子供っぼい見た目から、筑摩の着せ替え人形になることもある。
調理は苦手であるが、掃除洗濯はこなせる。それらが出来ない筑摩の
代わりにしてあげている。
筑摩
性別:女性 身長:170cm 体重:58kg
霰と同じく谷岡提督の艦隊に所属する、航空巡洋艦の艦娘。
谷岡艦隊の二番艦であり、秘書艦を務めている。
海上作戦の練度は高く、計2回の大型改修を行っている。
性格は大らか。誰にでも優しく接する。
霰とは違い、池宮憲兵といがみ合っていることはなく、むしろ好意的。
人の事にはマメであるか、自分のことには無骨。
谷岡艦隊の料理担当であるが、掃除洗濯が絶望的に出来ない。
「おぉ、帰ってきたなぁ」
「はぁ、はぁ・・・」
五月三十日(土)午前九時半、演武場。土曜日であるが、俺は休業日になった。
この鎮守府は週休二日制であり、今日が休みになっただけだ。
何処か出かけようかと思ったのだが、夕張は訓練を怠ってはダメと
言って聞かなかったため、午前は訓練をすることにした。
内周二周も無理なくこなせるようになり、この二週間で体力面は
カバー出来た。腕力も問題はない。
これくらいなら、剣ぐらいなら持てるだろう。
体操着の夕張は、ペットボトルの中に入った水を飲み干す。
その姿を横目で見ていた俺は、ゆっくり口を開く。
「うっし、休憩終わったら、剣持とか」
その言葉を聞き取ると、夕張は目を見開く。
「い、いいの!?」
ごくり、と喉を鳴らして水を飲み干して、俺に顔を向ける。
「やけど、そんな簡単なもんちゃうで」
「わかってるわ・・・覚悟は出来てる」
真剣な眼差しを向ける夕張に、俺は頷く。
「よっしゃ!んじゃ、部屋からあれ取ってき」
「はい!」
大きな声で返事した夕張は、先ほどの疲れが吹き飛んだかのように
駆け足で憲兵寮まで走り出す。
あぁ、ついに来たか。この時が。
「剣を・・・握るんか・・・」
剣を握るのはあの時以来だ。でも、彼女の意志には応えるって決めたんだ。
「こんなことで、感傷的になったらあかんのにな」
俺はスマホを取り出し、飯田に電話を繋げる。
「おぉ、飯田か」
「セールスは断っているんです」
「誰がインチキセールスマンや」
久々にこの微妙な返しが飛んできた。ここ最近は忙しくて
飯田ともあまり連絡を取っていなかったからな。
「んで、どうしたんだよいきなり」
本題に戻そうとする飯田。俺は一呼吸置いて口を開く。
「刀、貸して欲しいねん」
「は?」
あまりに予想していなかった言葉に、思わず飯田が言う。
「刀って、お前槍使いだろ」
「夕張が剣を練習しててさ、俺も一緒にやろうかと思ってさ」
「あー、なるほどな」
飯田は電話越しで頷いている・・・気がする。
「分かった、持ってきてやるよ」
「すまんな」
そう言って俺は電話を切る。切って少ししたら、筒を持って走ってくる夕張の姿が見えた。
「おまたせー!」
「おう、悪いけど、もうちょっと待っててな」
「はい!」
はきはきと返事をする夕張。
「よっ」
暫くすると、飯田が向こうから声をかけてくる。
手には飯田が使っている日本刀が掴まれている。
「ほら」
「センキュ」
俺は飯田から日本刀を受け取る。鞘を手に取った瞬間、体中に電撃が走る。
一度すくんだが、すぐに感覚を取り戻す。
「・・・池宮さん?」
異変に気がついたのか、夕張が声をかける。
「なんや、どないしたんや?」
俺はなんとも無いような笑顔を向ける。その顔を見て少し不満そうにした夕張だが
ゆっくりと表情を元に戻す。
「ううん、何も無いわ」
「そうかいな」
俺は軽く頷くと、刀の柄を掴む。鞘から引き抜くと、光り輝く刀身が姿を現わす。
その姿を見て、夕張と飯田は感嘆を上げる。
「様になってるなぁ、池宮」
「やろ?」
思った以上に余裕があるな、俺。軽い返しができるほどではあるようだ。
「んじゃ、夕張。剣状態にしてみ」
「はい!」
夕張は、筒から武器であるデュアルウェポンを取り出し、上から下に振りかざす。
そうすると、30cmほどだった物体が広がっていき、刀身が姿を現わす。
それは全長1mほどになり、立派な刀剣と化した。
「おぉ、これはすげぇな」
「ちょいと、特注品なんや」
「へぇ、俺もほしいな」
「あはは・・・さすがに無理かと」
夕張は苦笑しながら返す。飯田は少しがっかりしている。
というか、お前そこまで剣使えないだろ。
とか思いながら、俺は夕張に近づいて目の前に立つ。
「んじゃ、やっと剣の訓練が始められるんやけど・・・とりあえずやな」
俺は少し考えるような動作をする。
「まずは、基本の構えからやってみよか。それを習得したら、自分なりの構えを見つけ」
「何事も、基本からだものね」
夕張は納得したかのように頷く。
「基本の構えはやな、まぁ、剣道みたいなもんや。相手の喉下に剣先を向けるように
両手で構えるんや」
俺がまず手本を見せる。なんとなく飯田に剣先を向ける俺。
「おい」
「ええやんけ、当たっても血が出るだけや」
「大問題だろ!」
飯田は鋭い突っ込みをする。夕張がくすくすと笑いを堪えている。
「ほら、お前もやるんや」
「は、はい!」
夕張も、俺の真似をするように構える。構え自体は悪くない。筋力を鍛えたお陰で
身体の軸のバランスも良好だ。
「これで、上に振りかざして・・・」
俺はそのまま振り上げて・・・
「一刀両断や!!」
思いっきり振り下ろす。その軌道は、飯田の軸を捉え、目の前を通り過ぎる。
軌道からは風が巻き起こり、夕張は唖然とし、飯田は冷や汗を流す。
「お、おい!まじで殺す気か!!」
「なんやねん、玉小さいなぁ。男なんやからそれぐらい我慢せぇや!」
飯田を切りつける気なんて毛頭ないからな。
・・・それにしても、意外と振れるもんだな。
「まぁ、こんな感じでやってみ」
「はい!」
「ちょっと、夕張ちゃん・・・なんで俺のほうに向いてるのかな?」
飯田は眉をひくひくとひくつかせている。夕張は苦笑して、俺の顔を見つめる。
「ちゃんと用意してるで。かかしくんや!」
そう言って、俺はどこからともなく・・・というか後ろに隠していた人形を取り出す。
少しおんぼろではあるが、藁の人形である。というか、案山子である。
「そのまま案山子じゃねぇか」
「ええねん、名前なんて考えるのめんどいやん」
俺は腕を組んで頷く。
「暫くはこれ相手に斬りつけてみ」
「はい!」
夕張は返事をして、構え、俺のやった通りに剣を振り下ろす。
しかし、人形に刃が食い込み、行く手を阻む。
「ぐぬぬ・・・!」
力一杯切り下ろそうとするが、全く動かない。
「あー、あかんな。失敗や」
俺がその一声をかけると、夕張は一気に脱力する。
剣から手を離すと、剣は地面に落ちる。
だが、すぐに拾い上げ、また構える。
「も、もう一丁!」
夕張は、勢いよく剣を振り下ろす。しかし、今回も同じく地面に剣が落ちる。
息がどんどん荒くなっていくが、夕張はすかさず続けていた。
俺と飯田は、その姿をじっと眺めていた。
「はあああああ!!」
もう何度斬りつけただろうか。時刻は午後一時。もう三時間以上続けているこの訓練。
夕張はかかしくんと戯れているが、一向に遊ばれている。
同じ光景を何度も見飽きた飯田は、あくびをしていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
夕張の息が荒くなってきている。かれこれ休憩なしでずっと剣を振り続けているんだ。
無理はない。
もう一度立ち上がろうとしたとき、夕張は地面に崩れ落ちた。
「ゆ、夕張ちゃん!」
飯田は驚き、目を覚ましてすぐに駆け寄る。俺も後に続いて駆け寄った。
「す、すいません・・・すぐに立ちますから」
夕張は立ち上がろうとするが、身体が言うことを聞かない。
俺はその姿を見て、ゆっくり目を閉じる。
そして、目を見開いて、夕張の剣を手に取る。
「池宮・・・さん?」
俺の空気の違いを感じ取ったのか、少し動揺したように声をかけてくる夕張。
俺はデュアルウェポンを構える。だが、その構えは先ほど教えた、正規の構えではない。
逆手持ち。懐かしい感覚に包まれながら、俺は精神を集中させる。
その姿を見た飯田も、唾を飲み込んでゆっくりと後退する。
夕張はその場で、俺のことをじっと見つめている。
「一回だけや、よく見とけ」
俺はそう言って、地を蹴り、高く飛び上がる。
「はぁぁぁああああ!!!!」
そして、逆手持ちのまま剣を思い切り振り下ろし、地面に叩きつける。
刀を叩き付けたとは思えないほどの衝撃と音が走る。
そして、剣閃の音が止んだ後には、かかしくんは斜めに真っ二つに切り分けられた。
無残に地面に倒れるかかしくん。その姿を見て夕張は絶句した。
「・・・・・・」
言葉も出ない。実力を見せ付けられ、それに圧倒されていた。
「十分斬れるわ。頑張り」
俺はそう言って、夕張に剣を返す。夕張はそっと、その剣を受け取る。
「っと、その前にやな」
俺は時計に指を指す。
「飯や。さすがに腹減ったわ~」
「お、それじゃ今日は外で食べるか?」
飯田が門の方角に親指を指す。俺は指を鳴らす。
「いいやんけ!飯田のおごりな」
「まぁ、今日だけだからな。いいもの見せてもらったしな」
そう言って俺の肩を叩いてくる飯田。まぁ、今回は成功したけど
次は上手くいくかわからないからな。と心の中で釘を打っておく。
「ほら、夕張。訓練も大事やけど、今日はもう休日を満喫しようや」
「・・・そうですね。はい」
俺が手を差し伸べ、夕張はその手を取る。立ち上がって、俺達は後片付けをし
身体を洗い流して私服に着替え終わってから、鎮守府前のラーメン屋に行った。
そのあと昼食の一時を楽しみ、各々、休日を満喫していった。
午後七時。憲兵寮に帰宅した俺と夕張。飯田は別の用事があると言って
どこかに行ってしまった。
「ふぅ・・・疲れたわ~」
「そうね~、ちょっと遊びすぎたかな~」
休日の昼は、街をうろついていた。商店街やその外れ、海沿いも歩いていた。
ただ単に、外を楽しんでいただけではあるが。
「・・・ねぇ、池宮さん」
「何や?」
いきなり夕張に話しかけられて、俺は少し驚きつつも返す。
そして、重い口を開いて・・・
「池宮さんは、剣を使ったことあるの?」
その言葉を俺は、どれほど聞きたくなかったか。
でも、言われたからにはちゃんと応える。そう決めていた。
俺は、一呼吸置いて、口を開く。
「・・・俺な、元は《剣士》やねん」
「えっ?」
夕張はその言葉に驚きを隠せず声を漏らす。
俺は立て続けに話し続ける。
「せやけどな・・・やめたんや。俺には、剣を握る資格なんてないんや」
そういっている俺の顔は、多分とてつもなくひどい顔をしていると思う。
剣を握っていると、思い出したくも無いような過去が、頭の中をよぎってくるからだ。
「でも、すごく上手に剣を扱えていたじゃないですか!今でも全然・・・」
そう夕張が擁護してくれる。嬉しいんだが、そういうことじゃないんだ。
俺は言おうか迷っていた。迷い続けて、最終的に・・・
「・・・あ、股間かゆくなってきたわ」
「ちょっ!」
ごまかした。やっぱり言えなかった。俺が《剣》の道から外れた本当の理由。
今、ここで言うことはできなかった。
いずれは言うのかもしれないが・・・できれば。
このまま、そっとしておいて欲しい。俺はそう、切に願った。
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これからは、少し短くてもどんどん投稿していこうと思います。もし、今まで見たいに10000文字で
投稿してほしければ、感想などにぶちこんでおいてくださいな。
オリキャラの過去は寒いかもしれませんが、なんと言うか、主人公が何の変哲もない人だと
ただのエロゲーとかギャルゲーの主人公になっちゃうんで、どうか目をつむってください!
というかまだ全然仲間の艦娘が出てない。ペース遅すぎてもうやばい。大丈夫なのか。俺!