Demon's Stella ~悪魔の彗星~   作:Hershel

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キャラクター紹介


新垣憲兵
性別:女性 身長:164cm 体重:51kg

舞鶴鎮守府に所属する女性憲兵。女性ながらも国を守る仕事に憧れ、陸軍に入隊して現職に留まっている。昔なじみの佐久憲兵とよく一緒にいる。
性格は非常に大らかで、誰に対しても気さくな対応を取る。その分少し敬語などが苦手。
池宮憲兵の事も少しは恐れていたものの、一言話すと打ち解けて、同じ憲兵の中では仲がいい。

小さい女の子が好きな通称『百合コン女』。弥生がお気に入りで、食堂で合流すると頬ずり
したり抱き寄せたりとまるで人形のように愛でる始末。
憲兵としての武器は銃剣。射撃の腕が良く遠距離での戦いを得意としている。



佐久憲兵
性別:男性 身長:178cm 体重:72kg

舞鶴鎮守府に所属する男性憲兵。新垣憲兵同様国を守る仕事に憧れて、現在に至る。
性格としては現実主義者で、冷静に物事を見極めながらも、人と気さくに接する明るさ
も持ち、池宮憲兵のも諸共せずに話しかけるほど。第十一話で話しかけてくれた二人組
の憲兵の内の一人。

昔なじみの新垣憲兵が非常に濃い性格をしているせいか、彼自身は非常に無個性且
面倒くさがりに育ってしまい、一つ一つの出来事に細かく対処することを嫌う。
会話でのつっこみは入れるものの、段々雑になってきては最終的に流してしまう。
憲兵としての武器は日本刀。一般的な憲兵が装備しているものと同じで、腕はそれなりにあり、鍛錬も真面目にこなす。


第二十七話 深海棲艦

「ご、ごめんなさい!!起きられなくて・・・」

 

午前六時半。夕張は俺に頭を下げていた。俺はキッチンに立っては朝食の準備をしている。

 

「ええって。別に昨日はたいしたことなかったし」

「・・・ごめんなさい」

 

俺は気にしてない、と返しても弥生と一緒に謝ってくる。いや、ほんとに昨日はお前らが、寝てくれて正直よかったし。

 

「頭下げてる暇あるんやったら飯作るの手伝ってくれや。ほら、卵割って目玉焼きでも

焼いといて」

「う、うん」

 

夕張は頭を上げて、少しまだ納得言ってないような表情をしながら油を引き、温めたフライパンの上から卵を割る。弥生は料理を手伝うことは出来ない為、布団を片付け、ちゃぶ台を取り出している。

 

「ほ、ほんとに昨日はたいしたこと無かった?」

「そうや言っとるやろ。俺はお前らがおらんときから一人で魔物倒しとったんやぞ?」

 

確かに、夕張達が魔物討伐を手伝ってくれるようになってから、俺の負担が減った。だが、今まで誰かに知らされることも殆ど無く、一人で魔物討伐に出向いていたわけだ。そこいらの魔物程度でてこずる俺様じゃないってわけよ。まぁ、あの女の子の影に関してはまだ良く分かってないけど。

 

「・・・そうよね。池宮さん、強いもんね」

「強い、です」

 

艦娘二人はこくこくと頷いている。そこからは何時も通りの他愛も無い会話が続き、何時もと変わらない朝の光景が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

~~夕張視点~~

 

正午。私は今日も浜風ちゃんに誘われて三人で甘味亭で食事を取っていた。

 

「あらら、昨晩は寝坊してしまったんですね」

「そうなのよ~・・・あそこまで寝たの始めてかも・・・」

「不覚・・・です」

 

私と弥生ちゃんはがくりと肩を落としては溜息を零した。その姿を見ていた浜風ちゃんは思わず苦笑いをこぼしていた。

 

「でも、池宮憲兵は気にしていないんですよね?なら、気にしないほうがいいかと・・・」

「分かってるんだけど~・・・でもなぁ・・・」

 

何か私の中で許せない。自分でもあそこまで起きれないことがあるんだな、と改めて思っていた。目覚まし時計を買うことも考えなきゃね。と、そう他愛も無い話をしながら注文を待っていると、一人の艦娘が私達のテーブルの横に立ち止まる。

 

「あ、あのッ!!」

 

グッ、と胸に拳を握り締めて私達に声をかける金髪の艦娘の子。その声に反応して私達三人は一斉にその声の主を見つめる。

 

「は、はい。どうしたの?」

 

私が一言最初に返答する。そうすると、その子は私の顔を真っ直ぐ見つめて小さく深呼吸する。

 

「えっと・・・貴女が夕張、さん?」

 

彼女は何故か私の名前を知っていた。私ってそんなに有名な艦娘だっけ・・・?

 

「え?う、うん。私が夕張だけど・・・?」

 

少し驚いてしまったこともあってか、驚きのあまり声が漏れつつも彼女の問に答える。そう返答が帰ってきては彼女はグッと身を乗り出してくる。

 

「あ、あの!お話があるっぽい!!」

 

長い金髪の髪に翠色の瞳を見開いた彼女は、私に目掛けて懇願するかのように言葉をかける。私は近い近い、とくいっと顔を押し戻す。慌てていたのもあるのか、艦娘の彼女も少し照れてはごめんなさい、とぺこり一礼する。

 

「一人なら、座りますか?」

 

浜風ちゃんが相席を提案する。私達が座っている席は4人掛けのテーブルであり、浜風ちゃんの隣が一席空いていた。

 

「お、お願いします」

 

少しぎこちない口調で艦娘の彼女は頷く。いつも通りの私達に加え、見知らぬ艦娘の子を加えた昼食が始まった。

 

 

 

 

「へぇ、夕立ちゃんって言うのね」

 

彼女の名前は夕立。白露型駆逐艦の艦娘らしい。長い金髪の髪の毛に翠色の瞳。前髪に黒いリボンをつけている。ちょっと変わった口調で不思議な子だ。駆逐艦の割には比較的大人びている。弥生ちゃん達睦月型が幼いのもあるだろうけどそれでも軽巡の艦娘に近い見た目をしている。

 

「それで、話って何かな」

 

私は話題を戻す。彼女は話がある、と言ってきたが正直私には心当たりもないし見当も付かない。少しだけ間が空くと、夕立ちゃんが口を開く。

 

「えっと・・・探して欲しい人がいるの」

「探して欲しい・・・人?」

 

私はその言葉を聞いて首を傾げる。私の言葉に頷くと夕立ちゃんは話を続ける。

 

「雪風ちゃんから聞いたっぽい。夕張さんは、すごくかっこよくて強い人だって。雪風ちゃんがお外で危なかった時も助けてくれたっぽい!」

 

その話を聞いて先日の出来事を思い出す。でもあれ、最終的には私も池宮さんに助けて貰ったんだけどね。

 

「あはは・・・アレは一緒に行動してた憲兵さんが手柄で・・・」

「でもでも!やっぱり雪風ちゃんは夕張さんのこと凄く褒めてたっぽい!」

 

う~ん、嬉しいことなんだけどほんとにあの後私倒れちゃったからなぁ。でも、目をきらきらと輝かせてる夕立ちゃんを見てはそれ以上の弁解をすることは出来なかった。隣に座っている弥生ちゃんは注文したソーダフロートに視線をやってはそれをストローでずずず、と吸っており、浜風ちゃんは私のほうを見てはニコリ、と笑っている。私は少し経ってから小さく頷く。

 

「うん、分かったわ。でも、私が外に出るのは夜だけよ?」

 

実際外に出て自由に探索するのは、池宮さんと一緒に魔物討伐をする夜だけだし。それでも夕立ちゃんはぱぁ、と明るい顔になって何度も頷いてくれた。

 

「ありがとうー!夕張さん!!」

 

夕立ちゃんは立ち上がってこちらの席まで来ては抱きついてきた。私は驚きながらもあはは、と笑っていた。

 

「えっと、私もそろそろ食事したいし・・・夕立ちゃん、いいかな?」

 

自分の前にあるうどんが少し伸びてしまっている。それを見た夕立ちゃんは慌てて私から離れる。

 

「ご、ごめんなさいッ!!」

 

立ち上がって直ぐに頭を下げる夕立ちゃん。私はいいよいいよ、手を横に振る。そのやり取りを弥生ちゃんはソーダフロートのアイスを頬張りながら、浜風ちゃんは頬に手を付いてクスクスと笑いながら見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

~~池宮視点~~

 

 

「師匠、こんな所に本当に用なんかあるんっすか?」

 

同刻、俺は小室提督に頼んで鎮守府にある研究所・・・らしき施設を訪れていた。

 

「ここに、深海棲艦を捕らえとるって聞いたからな」

「た、確かに地下室に捕えられているっすけど・・・」

 

俺は少し気になったことがあり、深海棲艦について調べることにした。だが憲兵の身である俺には出来ることが少なかった。だから悪いとは思ったが小室にも協力してもらうことにした。幸いあいつはかなり乗り気で来てくれたが、結構危ない橋かもしれないし、あまり深く関わらせないようにしないとな。

そう考えている内に現場に到着する。強化ガラスのような壁の中は少し広めの部屋になっており、その中に艤装らしきおぞましい装備をした漆黒の少女がぐったりと横たわっていた。

 

「重巡リ級っす。艦娘で言う重巡洋艦に当たるっす」

 

俺は壁越しにその姿を見つめる。見た目は本当に少女であるものの、そこから漂う異端の匂いに俺は少し惹かれて行く。

 

「何か、凄いな」

「そうっすね・・・これが今おいら達の脅威となってる存在なんっすから・・・」

 

小室は静かに言葉を発する。俺はその言葉の重さを完全には理解できなかったが、提督であるこいつからしたらきっと、とても重い言葉なのだろう。

 

「んじゃ、中に入れる方法教えてや」

「・・・へ?」

 

俺は何とかして中に入りたいと思い、小室に聞くとそれを聞いた彼はぽかん、と口を開ける。

 

「な、何言ってるんっすか!?危険っすよ!!?」

 

小室は慌てて俺を止めようとする。

 

「大丈夫やって。俺かてあんま怪我したないし。そんな無理はせーへんせーへん」

 

俺はけらけらと笑いながら頼むよ、と小室の肩を叩く。その姿をみてむすっ、と頬を頬を膨らませる小室は少し考えては小さく頷く。

 

「分かったっす。本当に無茶だけは駄目っすよ」

「センキュ」

 

小室はそう言うと制御装置のようなもののスイッチを押して、目の前の壁が小さく開く。俺はその小さな隙間から内部へと侵入する。

 

「危ないから一応閉めとき」

 

俺はそう言うと小室は首を傾げながらも一旦壁を閉じる。俺は壁が閉じたことを確認

すると、深海棲艦の前まで歩き出し、しゃがみこんで話しかける。

 

「よぉ、起きとるか~?」

 

俺は深海棲艦の頬をつんつんと突く。そうするとうっすらと開いた目がこちらを捕えては力なく睨みつける。

 

「起きとるな。いやぁ、よかったわ」

 

俺は彼女のことを見てはにかり、と笑ってみせる。その表情が尺に触ったのか、ギギギと金属音が部屋に響き渡る。

 

「師匠!!」

 

俺は小室の声を聞き取ると、彼女の動きを見た。艤装らしき装備の砲台が、俺に向けて装填されていること。その音を聞き、俺は昨晩の出来事を思い出していた。

 

「・・・近いな」

 

俺は飛び上がり、少しだけ距離を取り、左手から水流を生み出す。

 

「祖は元の起源、水よ包め清め!」

 

それを握り潰すと体全体を包み込み、続けざまに詠唱を続ける。

 

「方陣展開!《ウンダ》!!」

 

俺は左掌を突き出し、水属性の防御方陣を展開する。それに遅れるように、深海棲艦の艤装から砲撃が放たれる。鈍い爆撃と共に部屋は煙に包まれ、小室は俺の姿を見失う。

 

「師匠!師匠!!」

 

透明の壁をドンドンと叩く小室。煙が晴れると、平然と立つ俺とぐったりとくたびれた深海棲艦の姿が見えてくる。

 

「・・・なるほどな」

 

俺は満足するように何度も頷いていた。その元気そうな姿に小室は胸を撫で下ろす。そのまま俺はまた深海棲艦に近づいてはしゃがみこみ、話しかける。

 

「悪かったな」

 

敵意を向けた目線は、今の一言を受けて、静かに閉じていく。力尽きたのかそのまま眠りにつき、部屋には小さな寝息だけが響き渡っていた。

 

「す、直ぐに部屋を開けるっす!」

 

小室は深海棲艦が眠ったことを確認すると透明の壁を開き、俺を部屋から脱出させた。

 

「いやぁ、助かったわ。ありがとな、小室」

「それはいいっすけど・・・大丈夫っすか、師匠・・・」

 

弱っているとはいえ深海棲艦の砲撃を受けて平然としている俺の姿を見ては心配そうに見つめてくる。

 

「大丈夫やて。そろそろ昼休憩も終わるし戻るで」

 

俺は小室の頭をぽん、と叩いては帰路につく。小室は叩かれた頭を何度も撫でながら俺の後ろについてくるように歩く。

 

「深海棲艦・・・関係は、なくはなさそうやな」

 

昨日の影のことを思い出しては、何らかの関係性を見出すため、俺は動き出していた。




今回も短めに切らせていただきます。投稿ペースが速くなってきました。やっとひと段落なんですよね、リアルでも。
なんとなく改行していた場所をなくしました。謎の癖でした。見やすくなってるのか醜くなっているのかは・・・どちらなんでしょうね。見難かったら前の形に戻します。

今回は小話です。次の話の導入の為の話って感じですかね。ある程度話的には固まっているのですが、どう展開していくかは今から纏めます。毎度執筆してるのと頭の中で固めていたイメージが少しだけずれてしまう為、たまに話の展開がこんがらがって辛いときがあります。あー辛い辛い。こういうときはBGM流しながら執筆するのが一番!今はソフィーのアトリエの雲雀東風を流しながらやってます。ソフィーのアトリエ面白かったです。黄昏が結構異色作品だったのもありますが、いつも通りのアトリエが戻ってきた感じでした。

あとがきが珍しく長々しくてごめんなさい。気に入ったらお気に入り、感想などどしどし待ってます。

1/1 夕立改ニ仕様からノーマル仕様に変更しました。
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