Demon's Stella ~悪魔の彗星~   作:Hershel

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キャラクター紹介

小室純(こむろ じゅん)
年齢:14歳 性別:男 身長:141cm 体重:37kg

舞鶴鎮守府に所属する提督。この物語の時代の一年前に、海軍学校を史上最年少
13歳で卒業するという偉業を成し遂げた天才少年。
赤髪のショートヘヤー。軍服はサイズがなく、少しだぼだぼに着ている。

圧倒的な権力や武力を掌握する谷岡提督に心酔し、《谷岡派》に入る。
その時から実績が伸びだし、部下の艦娘である加賀と日向に心配されつつも頭角を現わしていく。
しかし、代償として人間性が捻じ曲がり、時には残酷非道な事までしでかすような冷酷人に。

夕張を事件に見立てて殺す計画の実行者。池宮憲兵に阻止された。
そのときの加賀への発言や、自分への鉄拳が心に響き、自分が谷岡提督を心酔してやらかしていたこと
を見直して《谷岡派》を脱退し、新たな目標を池宮提督に向け、尊敬の意をこめて勝手に『師匠』と呼ぶように。

性格は年齢が故に幼い。基本的には年上には忠実で、自分より年上の姿をしている艦娘にですら
日常生活では素直に従う。
池宮憲兵に心酔しており、いつかは池宮憲兵みたいな男になりたがっている。
一人称は他人には『私』、身内には『おいら』。
自分が幼いことは理解しており、人前では少しでも大人びた口調を多用して背伸びをする。


加賀(かが)
性別:女 身長:168cm 体重:54kg

正規空母の艦娘。舞鶴鎮守府に所属している小室提督の下で秘書艦を勤める艦娘。
小室提督が配属された時からの縁で、鎮守府の中での彼を一番よく知っている人物。

《谷岡派》に所属してから豹変してしまった小室提督のことを何とかしたいと思いながらも
何も出来ずに終わってしまい、自分が中途半端だと追い詰めるようになり、夕張の事件で池宮憲兵に
『私を殺してください』と言って自分の命を絶とうとする。
が、池宮憲兵の持論に心打たれ、中途半端であっても小室提督の支えになっていこうと心に決め
新たな道を歩みだした。

性格は顔には出ないが、感情豊か。若干心配性で、子供らしい小室提督を過剰に心配する。
他人には冷酷なイメージをもたれることが多く、本人も若干気にしている。
無表情な日向とセットで動くことも多く、そのイメージに拍車をかけている。
一人のときは笑顔の練習を鏡越しでしているが、いつも日向に覗かれては弄られる。


日向(ひゅうが)
性別:女 身長:171cm 体重:63kg

一度改修を終えている、航空戦艦の艦娘。舞鶴鎮守府に所属している小室提督の艦隊の二番艦を勤める艦娘。
加賀よりも後ではあるが、小室提督が所属して間もないころに着任し、彼のことをよく知る人物。

加賀とは違い、《谷岡派》に入って豹変してしまった小室提督のことを、もう一人の彼の姿と
思って、抗おうとするのではなく、受け入れようとしていた。
だが、夕張の事件の計画を聞くと正気の沙汰ではないと思い、池宮憲兵に何とかしてもらおうと画策した。

艦娘では珍しい白兵戦の経験があり、体術で池宮憲兵と張り合った。
過去に何かあったらしいが、彼女は思い出したくないらしい。

性格は非常にマイペース。表情は薄く、周りのことにはあまり興味を持たない性格。
他人にも身内にもそこまで性格や対応を変えない。
艦娘の中でも一二を争う力持ちであり、それを役に立たせることに躊躇いは無いため
陸上では力仕事を手伝うこともある。


第八話 共にいるべき存在

午後1時。結構長い時間小室は治療室に滞在している。というかくっついている。

俺への身体への配慮も考えてはいるのだろうが、暑苦しいんだよ、クソ餓鬼。

心の中ですら口が悪くなってしまう俺。なんだか惨めになってくる。

 

「師匠~師匠ぉ~えへへ~」

 

子犬のように甘えながら頬ずりしてくる小室。女の子だったら嬉しかったんだが相手は男。

残念ながらそっちの気はないから全く嬉しくない。

 

「ふふっ、すっかり懐いてしまいましたね、池宮憲兵」

 

加賀はくすくすとその光景を見て笑っている。

 

「懐くんは別にええけど、なんとかしてくれや~」

「いや、そのままにしてやってくれ。こんなに楽しそうな提督を見るのは、久しぶりなんだ」

 

日向が笑いながら言う。お前らもちょっと楽しんでるだろ・・・。

だが、以前の小室の姿を考えると、変わりすぎて非常に違和感を覚える。

人って、一つの出来事でこんなに変わるもんなんだな。

 

    ぐうぅぎゅるるる・・・

 

あ、やばい。俺の胃が悲鳴を上げている。

腹が減った。そう言えば夕張が食事の後に何か買ってきてくれる手はずだった。

結構遅いな。何かあったんだろうか。

まぁ、売店で目当ての商品が見つからなくて時間がかかってるって可能性もあるけど。

そう考えていたら、俺を心配そうに上目遣いで見つめる小室。

その眼差しには幼さを感じ、純粋であった。

 

「し、師匠・・・おなかすいてるんっすか?」

「ん?あぁ・・・昼飯食べてないからなぁ」

 

俺がそう何気ない感じで話すと、小室は声を荒げてベッドから降りる。

 

「そ、それは大変っす!!今すぐ食事の用意っすね!!日向!部屋に戻って食事の準備を!!」

「うむ」

 

そう言って日向が出て行こうとしていくと俺は慌てて呼び止める。

 

「まてやああああ!!」

「ん?」

 

特に表情を変えることなくこちらを振り返る日向。

そして、近くにいた小室の頭を叩く。

 

「いたっ!いたいっす師匠!」

「んな大声で叫ばんでええねん!一応、今夕張が飯買いにいってくれてるから!!」

 

俺は怒鳴るようにして小室に言い放つ。

夕張、彼女の名前を聞くと三人とも顔が強張った。

 

「そ、そうっすか・・・夕張が・・・」

 

急に静かになる。そして、今まで騒がしかった空間に静けさが訪れる。

沈黙を破ったのは小室だ。

 

「そ、それじゃ・・・おいらはこれで。師匠、早く良くなってくださいね」

 

小室は逃げるようにして治療室を後にする。

俺はそれを良しとしない。小室にはちゃんと、夕張と向き合ってもらわなきゃな。

 

「おい、待てや」

 

びくっと震わせて小室は立ち止まる。こちらには振り返らずに。

 

「もうそろそろで夕張が戻ってくるはずなんや。多分、いろいろ積もる話があるやろ」

 

夕張への行った行為、正直、許されるべきことではない。

だが、それは俺が決めることではない。彼女がそのことをどう受け止めて、どう答えを出すか。

それだけでもさせてあげたい。それが彼女のためにも、そして、そこの餓鬼のためにもなる。

そのことを分かっていた日向は、小室提督を治療室へ押し戻す。

 

「ほら、提督。そこのリンゴを剥くからもう少しここにいよう」

 

そう言って俺に向いて頷く日向。俺は頷き返して、上官が持ってきた果物の中からリンゴを取り出し

日向に投げた。

 

「さすがに包丁は持ってないで」

「ふむ、そうだな。私が取ってこよう。加賀、提督を」

「はい」

 

日向と手を繋いだ小室提督を加賀へ引き渡し、一旦この部屋を後にする日向。

加賀は小室の手を優しく握り締める。

 

「大丈夫です、提督。私達がいますから」

「加賀さん・・・」

「貴方の気持ちは、きっと夕張に届きます。ですから・・・えっと・・・」

 

加賀はこの気持ちをどう表現すればいいかわからないでいる。

言葉を詰まらせていると、小室は繋いでいる手を強く握り締める。

 

「うん、わかってる。ありがとう、加賀さん」

 

そう言って覚悟を決めた顔をする。《谷岡派》のときには全く見せなかった顔つき。

やっぱり、こいつに一発拳をぶち込んで正解だったな。

 

そうしていると、日向が戻ってくる前に、夕張が昼食から戻ってきた。

松葉杖で移動し、腕には俺の飯を袋に入れて持ってきてくれている。

 

「ただいま~池宮さん。ちょっと売店のレジが混んで・・・て・・・」

 

少し汗をかいた顔を俺に見せてすぐに気づく。

空気が一瞬凍りつく。夕張を絶望へ陥れた存在、小室提督が治療室にいるのだ。

夕張の顔は強張る。特に何も話すことも無く、自分のベッドまで歩き、腰掛ける。

 

「はい、池宮さん」

「センキュ」

 

袋を受け取る。海鮮物たっぷり入った塩やきそばだ。本当にあったんだな。

買った後にレンジに通したのか、少しあったかい。気が利くな。

だが、この凍りついた空気ですぐに冷めてしまいそうだ。夕張も明らかに口数が少なくなっている。

でも、小室と加賀を追い出すこともなく、沈黙が続いていく。

暫くすると、小室が口を開く。

 

「あ、あの!夕張!!」

 

急に大きな声で話しかけられて少し驚く夕張。

 

「うわっ!?な、何ですか・・・小室提督・・・」

 

夕張も今まで感じていた小室の雰囲気との違いを感じて少し困った顔をする。

小室は夕張の前まで歩いていき、地面に膝を突いて

 

「ごめんなさい!!!」

 

土下座をした。サイズが合っていない軍服を着た小室が土下座をする姿を見た夕張は驚きを隠せない。

 

「え、ええっ!?ど、どうしたんですか!?小室提督!?」

「本当にごめんなさい!!おいらが・・・おいらが君をこんな・・・こんな目に合わせてしまって」

 

涙声になり、鼻水をたらしながらも必死に言葉を振り絞る小室。

俺はその姿を静かに見守る。こいつの覚悟を見定めるために。

 

「おいらは、本当にひどい人だった・・・今更だと言い訳にしかならないけど・・・

本当に悪かったと思っているんだ!許してくれなんて言わない。憎まないでなんて言わない!

それでも・・・おいらは・・・君に謝っておきたかったんだ!!」

 

身体はぶるぶると震えている。その姿を見ていた加賀も、一緒になって膝を付く。

 

「私も・・・本当に申し訳ありませんでした!!」

 

加賀も土下座をする。提督と正規空母の土下座姿を見てもう何が何だか分からなくなる夕張。

 

「い、池宮さん・・・」

 

俺に助けを求める夕張。俺は軽く頷く。

 

「お前の・・・思ってることを言えばいいんや」

 

あくまで君の意志で、言葉で。俺はそういう意味をこめて言い放つ。

それを悟ってくれたのか、夕張は話し始める。

 

「えっと、二人とも、顔を上げてください」

 

そう言った。冷たい言い方ではない。いつも通りの夕張だ。

その言葉を聞いて加賀は頭を上げるが、小室は頭を上げることができない。

小室の下から広がる水を見て、夕張はそれ以上言わないことにする。

 

「確かに、私は貴方達のせいで、命の危険に晒され、一度絶望へ落とされました。

あのときのことは多分・・・死ぬまで一生忘れません。

もちろん、悪い思い出として」

 

それは何者でもなかった事実。それを受け止めてほしいと、夕張は思っているのだろうか。

だが、それだけで終わるような子ではない。次の言葉を俺は待つ。

 

「でも、加賀さんはとても私のことをよく思ってくれていたことは知っていますし、日向さんは

この艦隊が初めてで何も分からなかったのに、いろいろ丁寧に教えてくれたり

小室提督も、私に不自由ないように待遇をよくしてくださったり・・・

それに、今みたいに、ちゃんと私に謝ってくれたり。

でも人って、悪いことばっか見ちゃうんですよ。でも、それって損だな、って最近思えるんです。」

 

夕張は窓から遠くを見つめる。その姿はどこか切ない。

 

「ですから・・・私は、皆さんのいいところを見ることにしました」

 

そう言って小室と加賀に振り返る夕張。

 

「小室提督は、小さいながらとても真面目で、私たちのこともしっかり考えてくれる

いい提督さんだと思います。それは今も変わっていません。

加賀さんも日向さんも、私にとっては尊敬できる先輩です。今も変わりません。

だから・・・あの事をしっかり覚えてくれるなら・・・私はそれで十分です」

 

そう語っている夕張は笑顔を向ける。

なんというか、一皮向けた気がする。この事件は、彼女を成長させたのかな。

 

「ありがとう・・・ありがとう、夕張」

 

涙で濡れた顔を上げて感謝の言葉を述べる小室。

その姿を見て、俺は加賀にティッシュを渡す。

それを受け取った加賀は、一枚取り出して小室の鼻に当てる。

 

「提督、ほら、ちーん」

「ちーん!!」

 

小室は鼻をかむ。その後に涙もふき取って顔を整える。

 

「それに、池宮憲兵専属の艦娘っていう、面白い役目も貰いましたし!」

 

そう言っては俺のほうに向く夕張は、両手でガッツポーズを取る。

俺はあははと笑いをこぼす。

 

「憲兵に就く艦娘・・・ですか。本当に聞いたことないですね」

「そうだね、前代未聞ってやつだね」

 

小室と加賀は向き合って話し合う。

だが、二人はまだ地面に座り込んでいる。さすがにその姿を見て夕張が言う。

 

「も、もう地べたに座らなくてもいいですからね!?」

「あ、ごめんね・・・」

 

小室は立ち上がる。その後にすぐ加賀も立ち上がる。

そうしていたら、日向が包丁を持って帰ってくる。

 

「待たせたね」

「ひいっ!」

 

包丁を手に持つ日向を見て驚く夕張。

何の事情も知らない彼女から見ると恐怖の対象でしかないのだろう。

 

「夕張か、来ていたのか。これはただ、リンゴを切るために持ってきたものだ」

「そ、そうですか・・・」

 

夕張はそっと胸をなでおろす。

そう言うと夕張の横を通り過ぎて、こっそり呟く日向。

 

「この間はすまなかった」

「二人にも謝ってもらいましたし、もういいですよ」

「そうか、リンゴ食べられるか?」

「いただきます」

 

短い間で会話を交わした夕張と日向。

一応俺のリンゴなんだけどな。

そう考えていると日向はリンゴを手にとって包丁の刃に沿って丁寧に皮を剥いていく。

 

「日向って、こういうの得意だよね~」

「提督や加賀が出来ないからね」

「面目ありません」

 

加賀はこういったことが苦手なのか、意外だな。

掃除洗濯といった家事はお手のもので、料理が出来ないタイプなのか、はたまたただ手先が不器用なのか。

そういう風に考えていたら顔に出ていたのか、加賀がこちらを睨んでいる気がした。

 

「どうしました、池宮憲兵」

「いやぁ・・・なんか可愛いとこあるな~って」

「からかわないでください」

 

真顔で返される。少しグサッとくるよ加賀さん・・・。

でも、この感じが普段の加賀なのかもな。

日向は皮を剥き終わると、手の中で丁寧に四等分にし、芯を切り取ってからさらに二等分にした。

そんなの手の中でやるもんじゃねぇだろ、と俺は関心と共に驚いてしまう。

 

「さぁ、出来たぞ」

 

日向は包丁と一緒に持ってきた皿にリンゴを盛る。

適度に蜜の濃い場所があり、みずみずしい輝きを放っている。

 

「爪楊枝も持って来るべきだったのだが、今切らしていた。

すまないが、手で食べてくれ」

 

申し訳なさそうに日向が言う。

 

「大丈夫ですよ。手でも全然食べられるんで」

 

そう言って夕張はリンゴを口に運ぶ。

少し噛んでいると、蜜から甘みがあふれ出して、頬がとろけそうになる。

 

「お、おいしい・・・あま~い!」

 

夕張は頬をさすって幸せなのを表現している。

 

「確かに・・・うまいな」

「おいしいっすよ師匠!」

 

何度も噛んで味を嗜む俺。その横でむしゃむしゃと食べる小室。

 

「おいしいですね、日向」

「あぁ、そうだな」

 

この二人はマイペースにゆっくり食べている。

こうやって、のんびりしながら果物食べるっていいな。

 

「・・・小室提督」

 

夕張が口の中のリンゴを全て飲み込んで小室に尋ねる。

それを聞いて、小室もリンゴを飲み込んで夕張と向き合う。

 

「貴方は、何故私を解雇したんですか?」

 

率直に聞く。本当に反省して事を改めたのなら、解雇処分なんてしないでそのまま引き続き

艦隊に所属させておいてもいいだろう。

だが、あえて解雇処分とし、俺の所に配属させた。

というか、未だに憲兵の下で艦娘が働くってのが納得できてない俺なんだが。

そう考えている内に、小室は返事をするため、口を開く。

 

「おいらの場所は、夕張のいるべき場所ではないからだよ」

「えっ」

 

夕張は意外な返事に驚きを隠せなかった。

自分はひどいことをしたから、夕張を養っていける資格はない、的な返答を想像していたのだろう。

いるべき場所ではない・・・か。

 

「ど、どういうことですか・・・?」

 

夕張は困惑する。その姿を見て、小室はさらに話を続ける。

 

「君が役に立たないとか、気に食わないとか、そういう意味じゃないんだ。

ただ、君がいるべき・・・共にいるべき存在が、おいらじゃないってだけ」

 

口をもごもごとしながら話している。上手く言葉に出ないのだろう。

 

「おいらは夕張の事を知らないし、知ろうともしなかった。

それはこれからでも埋められるとは思うけど、それだけじゃないんだ」

 

小室は首を横に振る。そして指を立てて話し出す。

 

「なんというかな・・・共鳴・・・っていうのかな

そういうものが、あまり感じなかったんだ。でも・・・」

 

一呼吸おく小室。そして、俺を見てはまた夕張を見つめる。

 

「おいらから見たら、夕張は、師匠とすごく共鳴してるように見えた。

師匠が夕張を庇っているときも、その共鳴を感じていたんだ」

 

共鳴・・・か。そういうのは俺はあまりよく分からないけど、阿吽の呼吸みたいなものなのかな。

夕張とはそういったことができる・・・っていうことかな。

駄目だ、自分で考えてもよく分からなくなってきた。

 

「師匠と夕張が、どんな関係かもおいらはそこまで知らないけど・・・

おいら、師匠と夕張なら、きっと上手くやっていけるって思ったんだ」

 

小室は自信を持って言っている。

顔は真剣。冗談を言っている表情ではない。

小室もそれなりに確信を持って言っているのだろう。

 

「だから、上に無理を承知でこの案を通したんだけど・・・」

 

そう言って指先を弄りだす。

夕張は小室の言葉を聞いて、納得したかのように表情を明るくさせる。

そして、口を開く。

 

「・・・小室提督」

「はい・・・」

 

夕張は真剣な表情になる。

 

「今までありがとうございました!!」

 

そして、頭を下げる。感謝の言葉と共に。

それを聞いた小室は、涙声になり、

 

「・・・軽巡洋艦 夕張、今までお疲れ様でした」

 

夕張に向けて敬礼する。加賀も日向も敬意を込めて敬礼する。

 

「・・・池宮さん」

 

顔を上げた夕張は、俺のことを見つめてくる。

俺もその顔を見返す。

 

「これから・・・よろしくお願いしますね」

 

俺に向けてぺこりと頭を下げる夕張。

俺もなんとなく頭を下げた。

 

これから始まるんだな。憲兵と艦娘の、珍妙な共同生活が。

いろいろ厄介なことが起こりそうだけど・・・何とかやっていけそうな気がする。

そう思って夕張を見つめると、彼女は

 

 

 

 

「ふふっ」

 

笑ってくれた。よし、明日からも頑張るぞ。




短めです。6000文字以内は初めてですかな。キャラ紹介で1300文字超えてるけど・・・
日常編は次ぐらいで終わらせて話を進めていきたいですね。
まだまだ序章なんで、終章までの展開は考えてるといいつつもいつになることやら。
どんどん艦娘が出てきますが、暖かい目で見てあげてくださいね・・・w
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