東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 おまたせしました。

 言ってみましょう。

 もこたんインしたお!

 もこたんは、二次とかでそれぞれのイメージが固まっているのが強いキャラなのでちょっと不安ですww


藤原妹紅の日記 □月

□月(´・ω・`)日

 

 前から慧音に捜索を頼まれていた、人里を襲った妖怪を見つけた。

 

 死後、数日といった所だろうか?

 不死の私から見て、他者の死は何とも言えない感慨深いものを感じてしまう。

 

 それはそれとして、その妖怪はひどい状態だった。

 片目は潰れ、喉元には突き破られたような穴、全身に打撃の跡、片足は足の甲を潰されていた。

 明るい場所でしっかり確認したが、的確に視力を奪い、吼えるための喉を潰し、急所を突き、動き回る機動力を奪っている。

 

 何より酷い部分が両腕だった。

 

 腐敗が進んでいたけど、両腕とも肘の関節付近の骨を砕かれている。

 その上、腕全体に焼け爛れたような火傷の跡が広がっていた。

 

 これをやったのはかなりの実力者だろう。実力者なのだろうけど、あれは霊夢やスキマ妖怪がやったような跡じゃない。

 そもそも、彼女たちぐらいになれば急所どうこうじゃなく、数手で命を絶つ。

 

 私だって、上半身消し炭ぐらいできるし、こんな風に相手の手札を一枚一枚剥ぐような戦い方はしない。

 

 慧音が言っていた海原参護とかいう男の実力。

 私の見立てだと、人間以上妖怪未満……いや、人間以上上級妖怪未満かな?

 

 霊夢やスキマ妖怪のように瞬殺できるほどじゃないけど、中級妖怪を倒せる実力者ということだ。

 

 慧音に言われてた妖怪の死体も見つけたことだし、さっそく明日報告に行こう。

 

 しばらく慧音、事後処理に追われるだろうな。

 里を騒がせた妖怪だったんだし、仕様が無いと思うけどね。

 

 

 

□月(-.-)日

 

 慧音に報告した結果、人里を襲った妖怪に間違いないということで、妖怪死亡ということで処理していくことになるらしい。

 

 慧音へ報告に行ったらそう言われた。

 一応、霊夢にも報告するそうだが、スキマ妖怪の方は連絡手段が無い。

 霊夢に会った時に報告を頼むか、そもそも全部見ているのではないかとも思う。

 

 前にも慧音に教えてもらったけど、里の入り口付近に住んでいる男があの妖怪を撃退したそうだ。

 

 普段は飛んで里に入っているから気にしていなかったけど、空から見た時に外れに一軒家があった。

 あれが海原参護という男の家なのだろう。

 

 幻想入りして一年。

 

 外の人間がそれだけ生きていられるのも結構珍しいと思う。

 何でも屋をしていて、里の仕事や外に出る時の護衛、幅広くやっているのもめずらしい。

 

 相応の実力があるからこそできることだろう。

 

 それに関して、慧音が心配していた。

 どうも、あの妖怪を撃退した際に重傷を負っていたらしく、しばらく絶対安静なのだそうだ。

 

 妖怪の状態から見て、激闘だったのだろう。

 下級妖怪から中級妖怪に進化した獣型の妖怪。

 速さや力も相当なものだったはずだ。

 

 だから、ああいう結果になったのだろうけど。

 

 慧音がしきりに彼の心配をしていた

 なんでも、色々と無茶しがちな男らしい。

 怪我した次の日に早朝鍛錬してた位、自分を放置しがちな性格なのだそうだ。

 

 そこから慧音に頼まれて昼に様子を見に行くことになった。

 

 朝夕のどちらかは鈴仙が薬売りの途中で寄るそうだから、私は昼に行くことにした。

 

 なんでも、ゆっくり妖怪という珍しい妖怪の生態調査もしているそうで、害はないらしい。

 ちょっと楽しみだ。

 

 

 

□月(^_^;)日

 

 昼にいきなり海原の奴の家に行ったら、ポカンとしてた。

 

 そりゃいきなり見ず知らずの女性が家に入ってきたら驚くよね。

 

 そして、初めて見たゆっくり妖怪。

 この子は紅魔館の魔女かな?

 私にお茶を出してくれて、ゆっくりしていってねっと言ってくれた。

 

 非常に可愛げのある妖怪じゃないか。

 

 海原がゆっくり妖怪は揉まれることが好きだと言っていたので、ゆっくりパチュリーちゃんを揉んでみた。なんというか、癖になる揉み心地だった。

 

 揉んであげると、プルプルと震えながら楽しそうにしてるのは正直可愛いと思う。

 

 思わずギュッと抱きしめてしまった。

 

 海原に見られたけど、仕方がないと思う。こんなに可愛いのが悪い。

 

 

 

□月(._.)日

 

 お昼に海原の家に行く途中、鈴仙に会った。

 お昼は私が看病するという旨を伝えて別れた。

 

 輝夜の奴の部下とはいえ、私の相手は輝夜だけで部下は普通に接しても問題ないと思ってる。

 

 それはさておき、慧音が心配するのがよくわかる。

 海原が重傷にも拘らず起き上がろうとしていたので、厳しくして良いという慧音の許可のもとに、枕元を少々焦がしてあげた。

 

 冷や汗流しながら布団に戻ったけど、しっかりと休んでいるなら私だって何もしないのにね。

 

 しかし、見れば見るほどあの妖怪を殺した人間には見えない。

 怪我のせいでグッタリしているのもあるのだろうけど、人柄的にも戦いを得意にするように見えない。

 

 人は見た目に寄らないと言うけど、その通りだと思う。

 

 だって、慈愛に満ちた顔でゆっくりレミリアちゃんと遊んでいる彼からはちょっと想像できない。

 

 

 

 

□月(T_T)日

 

 今日のお昼は飽きただろうけどお粥だ。

 鈴仙は雑炊も作っているらしいけど、私はひたすらお粥。

 飽きたのなら、安静にして早く治す努力をするのが良いと思う。

 

 それと、ゆっくり妖怪が増えていた。

 ゆっくり咲夜ちゃんと呼べばいいのかな?

 

 さすが、メイドである彼女のゆっくり妖怪。

 朝からいたようだけど、部屋の掃除が綺麗にされていた。

 

 洗濯も炊事もしっかりされていて、どうやってその体型でやったのか知りたくなった。

 

 包丁は見たけど、やっぱり不思議な妖怪だと思う。

 

 ゆっくりレミリアちゃんはずっと、海原の所でうーうーと楽しそうに鳴いていた。

 傍にいるのがうれしいのだろうか?

 

 普段仕事でこの時間は空けているだろうし、ゆっくりレミリアちゃん的にはうれしい状況なのかもしれない。

 

 

 

□月∑(゚д゚; )ガーン日

 

 やはり、十分重傷だと思う。

 

 海原の家に行ったら、顔面にゆっくりレミリアちゃんを乗せて眠っていた。

 

 なんでもヒンヤリとしてて気持ちいいのだそうだ。

 しかし、ゆっくりレミリアちゃんは普通の妖怪や動物の体温と変わらない。

 おかしいと思って海原の額に手を当てると驚くほど熱かった。

 

 体温が高いのだから、あの反応は仕方ない。

 とりあえずタライの水を換えておいたが、これだけでは不安だ。

 

 いろいろ考えたが、結局ゆっくりレミリアちゃんを額に乗せてきた。

 

 いや、ゆっくりレミリアちゃんが楽しそうだったのと海原が良く眠れるであろう配慮というものだ。

 

 決して、いたずらじゃない。

 

 鈴仙の反応が見れないのはちょっと残念かな。

 

 

 

 

□月ズサーッε=ε=ε=c⌒っ゚Д゚)っ日

 

 お昼に海原の家に向かうと、玄関先で薪割でもしようとしていたんだろう。

 薪持ってたし、斧を傍に置いてたし。

 

 昨日、ちょっと危険なレベルの熱出しておいて、こんな無茶するの?

 そう考えたらカッと来て、彼の家の前に穴開けちゃった。

 

 その時にちょっとした演出を加えてみたけど、効果はてきめんだったようだ。

 

 ゆっくり妖怪たちも寝ててほしかったようで、三人で海原を引っ張って布団に押し込んでいた。

 

 いやぁ、可愛いね。

 

 不老不死になっちゃったけど、輝夜の奴と殺し合う以外に、ちょっとした癒しが見つかったのは運が良かった。

 

 ゆっくり妖怪は可愛い子が多いし、ゆっくり咲夜ちゃんは料理も手伝ってくれた。

 その姿を唖然とした顔で見てた海原がちょっと面白かった。

 

 この家は面白い。

 

 暇を見つけたらゆっくり妖怪たちと遊びに来てもいいかもしれない。

 




 いかがだったでしょうか?

 次はまた、参護の日記になりますが、誰絡ませようかな?

 阿求は決まってるけど、あと一人。

 決まり次第、投稿しますね。

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