東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

13 / 87
 ども、今回は海原参護の日記です。

 新キャラも新ゆっくりも登場しますので、お楽しみに。

 章分けは外しました。

 投稿しにくいというのと、読者が最新話に飛びにくいという意見をいただいたからです。

 ご意見ご感想、誤字脱字指摘、ありましたら遠慮なくお願いします。


海原参護の日記 ∀月

∀月キタ━━(゚∀゚)━━!!日

 

 完全復活!

 

 随分と療養をしていたが、鈴仙さんより完治の診断を貰った。

 

 鈴仙さん、妹紅さんの二人は今後たまに遊びに来るそうだ。

 ま、ゆっくり妖怪を愛でに来るのだろう。彼女たちの遊び相手が来てくれるのは正直ありがたい。

 

 朝の鍛錬も久々だったけど、予想通り全身が鈍くなっていた。

 これは数日、貯金に物を言わせて鍛錬して元の勘を取り戻す必要がありそうだ。

 

 太極拳の応用で、理想の型を想像してそこに自分の身体や杖を乗せる訓練で、自身のイメージよりかなり遅れてしまっていた。

 その上、無呼吸での連撃もすぐに息が上がる。

 

 息が上がるということは波紋の練りが甘くなるという事。

 やっぱり早急に戻す必要があるな。

 

 あと、阿求さんと慧音さんが完治祝いに来てくれた。

 

 二人ともY咲夜達と遊んでいた。

 新しいゆっくり妖怪を見るのも予定の一つなのだろうし、みんなで色々と楽しんでいた。

 

 いや、トランプで遊んだのはいいんだけど、ゆっくり達のカードの持ち方は何度見ても慣れない。

 

 Yパチュリーはカードを自分の前に一枚ずつ浮かせていたけど、他は独特だった。

 

 

 

∀月∑(゚д゚ノ)ノウワッ日

 

 今日裏庭で鍛錬を繰り返していると、空から風と共に天狗が舞い降りた。

 

 舞い降りたなんて優しい言い方じゃないな、風と共に着弾したがイメージに合う。

 

 初対面だが、知識として知っている。

 

 烏天狗の射命丸文。

 

 色々と人物像が錯綜する人だけど、俺のイメージに合う人だった。

 

 どうやら、俺が中級妖怪に勝利したことが流れ流れて彼女の元に届いたようだ。

 様々なインタビューを受けた。

 

 なんだよ必殺技って。

 ご丁寧にポージングまで決めていた。仮面ライダーっぽかったのがちょっとうれしかった。

 

 色々と取材されていたが、波紋の事は話したが、十秒制限の加速技は伏せておいた。

 さすがに切り札を新聞に載せられてはたまらない。

 

 ゆっくり妖怪に関しては、珍しいので生態調査もあり、むやみに人が来られると困ると話すと、記事にすることは控えてくれた。

 おそらく、俺の方が記事としてはネタになると考えたからだろう。

 

 あと、純粋にゆっくり妖怪たちと遊ぶのが気に入っていたのもあるだろう。

 特にYレミリアが文さんを気に入っていた。

 

 頭に降り立っては、うれしそうにしていた。

 さすがに、毒気を抜かれたのか苦笑気味にされるがままになっている文さんもちょっと照れ気味な所が可愛いと思った。

 

 新聞は定期購読を依頼。

 新聞の広告欄に『何でも屋 サンゴ』として広告を出してもらう契約をした。

 

 内容は『人間も妖怪もお仕事手伝います。護衛から扉の障子貼り、ゲームのレベルアップも手伝います。何でも屋 サンゴをよろしく!』

 

 というものだ。

 ロゴやら体裁やらは文さんに任せたが、しっかりやってくれるそうなので助かる。

 

 阿求様にも報告しないといけないな。

 

 

 

∀月(´Д`)ハァ…日

 

 阿求様に報告も兼ねて、久々に人里に行ってきた。

 

 文々。新聞に広告を打ってきたこと、他の妖怪からゆっくり妖怪の知識が得られるかもしれないから妖怪相手の商売もすることを報告した。

 

 最初は驚いていたが、阿求様も他の妖怪の知恵や書物を借りられるようならそうしてほしいと頼まれた。

 

 どうせ、数日は元の戦闘能力になるまでリハビリになるんだ。

 寝込んでいてできなかった内職を全部終わらせてしまうのも手だな。

 

 後、報告としてゆっくり妖怪は元になった人物の交友関係も元とするようである、と報告した。

 つまり、レミリアさんとパチュリーさんが友人同士であること、レミリアさんと咲夜さんが主従であること、それらと同じようにゆっくり妖怪たちも友人同士であり、主従であるということだ。

 まあ、やはり多少の差が出ているだろうとも思う。

 

 YパチュリーとYレミリアは友人というより姉妹に近い関係に見えるし、YレミリアとY咲夜も主従は主従なのだろうが、こちらは失礼かもしれないがベビーシッターとも感じてしまった。

 

 Yレミリアが幼いというのもあると思うが、微妙な性格の差異が関係にも影響していると考えられる。

 

 パチュリーさんは、知識ではあまり他者に興味を示さず、読書を好む性格だとなっているが、Yパチュリーは読書こそ好きだが、他人への興味が強い。阿求様や慧音さんにお茶出しをしていたのも交友を図りたいという気持ちの表れだろう。

 

 Y咲夜はYレミリアに忠誠を誓っているという部分が、娘を守る母親にも見えてくる。

 実際、タンスの角にYレミリアがぶつかった際に、一瞬で治療に駆け寄り、家中の角という角にスポンジのような衝撃吸収材を配置した過去がある。

 

 しかも、Yレミリアが農具にぶつかれば農具をしまう道具が出来て、皿を割ってしまえば、食器棚が頑丈になる。

 

 時を操ってある程度作業しているのだろうが、家がどんどん安全になっていくのを見ると何とも言えない気分になる。

 

 報告に一応あげておいたが、阿求様も困ったように笑っていた。

 そりゃ、困るわな。

 

 

 

∀月(ヽ´ω`)フゥ-3日

 

 今日も今日とて取材に来た文さんと縁側で駄弁る。

 

 Y咲夜とYパチュリーがお茶出しをしてくれたので、まったりと取材と会話を楽しめた。

 

 なんというか、ノリが良いというかこっちの会話の内容をきちんと拾ってくれる。

 こっちに合わせてくれるような人だ。

 

 対人戦の練習にも付き合ってくれた。

 俺の実力を見たいという打算もあるのだろうが、素直にうれしく思う。

 

 そして、幻想郷最速は伊達じゃないと思った。

 

 波紋で強化して、なお届かなかった。

 おそらく、十秒加速の世界でようやく届くほどの速度。

 

 驚いたと言ってくれたが、やはり世辞に感じてしまう。

 

 程よく今日も鍛えられた。

 やっぱり、一人で練習していてもダメだ。

 誰かと戦ってこそ技は磨かれる。

 

 毎日文さんに頼むのも迷惑だろうし、対戦相手になってくれるような奇特な里の人間も知らない。

 

 対戦相手が欲しい。

 

 おもわず、つぶやいてしまっていたのが聞こえたのか、Yパチュリーが首をかしげていた。

 

 ごめんよ、対戦相手なんて難しいよね。

 

 

 

∀月( ゚д゚)日

 

 同居人が増えました。

 

 いい加減学習しろ俺!!

 

 Y美鈴(メイリン)

 

 紅魔館の門番である彼女の特性を持ったゆっくり妖怪だ。

 

 第一声が「ゆっくり居させてください」だった。

 苦労人ならぬ、苦労饅頭なのだろうか?

 

 昨日のつぶやきをYパチュリーが聞き届けてくれたのだとしたら、Y美鈴は対戦相手としての役割ができるということだ。

 紅美鈴(ホン・メイリン)、紅魔館の門番にして気を操る妖怪だったと記憶している。

 それがゆっくり妖怪にも受け継がれているのだとしたら、彼女はとても頼りになる存在になる。

 

 そして、実際その通りだった。

 

 波紋で強化した俺の身体能力で振るう杖をヒラリヒラリとかわし、挙句の果てに未熟者めとばかりに頭に乗る。

 

 的が小さいのもあるが、強いというか上手い。

 

 おかげで、今日一日充実した鍛錬ができた。

 

 お礼に揉んであげると、なんというか弾力があり、スルッと掌を滑る手触り、マイクロファイバータオルとか似ている気がする。なんとも面白いさわり心地だった。

 

 本人も動けるせいなのか凝りやすいらしい。

 揉むというよりマッサージみたいな方が好みらしい。

 

 しかし、明日は阿求様に報告が必要だろう。

 

 あと、文々。新聞が届いた。

 しっかりと何でも屋サンゴの広告が掲載されていて非常にうれしい。

 有名人にでもなった気分だ。

 

 記事の方は、人里を守った人間の戦士として紹介されていて、その記事に付随するようにそこでも何でも屋の宣伝がされていた。

 

 これは、里に出た時にでもお礼に菓子折りでも買っておくのが礼儀だろう。

 

 思った以上に宣伝してくれる彼女に感謝だ。

 

 

 

∀月φ(゚Д゚ )フムフム日

 

 Y美鈴はなぜか、玄関付近にて寝床を構えた。

 これも彼女の影響なのだろうか?

 

 今日は阿求様に報告と、文さんへの菓子折りを買いに行った。

 

 阿求様も文々。新聞を購読しているようで、宣伝されていたことを自分のことのように喜んでくれた。

 

 Y美鈴が我が家に合流、合計四名のゆっくり妖怪が居ることになる。

 

 二回目の自分の発言でのゆっくり妖怪の参加だ。今後言動には気を付けていきたい。

 

 なぜか、どうにかなる気がしないけどね。

 

 阿求様は明日にでも見に来てくれるとのことだったので、そこで別れて文さんへの菓子折りを買いに行った。

 

 文々。新聞の広告で妖怪からの仕事も受け持つことに関して、里の人間から石を投げられるぐらいの覚悟はしていたのだが、友好的な妖怪は人里に出入りどころか、買い物すらして行くのだそうだ。

 

 ならばと、烏天狗の好みそうな菓子、で聞いて回ったら予想以上にいろいろなお菓子を紹介された。

 

 ちょっと色々買い込みすぎたかもしれないが、渡しきれなかったら、俺たちで食べればいい話だしね。

 

 

 

∀月アワワヽ(´Д`;≡;´Д`)ノアワワ日

 

 阿求様と文さんが訪ねてきた。

 

 阿求様はY美鈴を観察して、他のゆっくり妖怪とのコミュニケーションも観察していた。

 というか、コミュニケーションに巻き込まれていた。

 Y咲夜にお茶を貰って、頭にYレミリアが乗り、Yパチュリーが昨日購入した菓子折りの残りを出して、Y美鈴が阿求様に気を流して体調を整えていた。

 

 なんだろうか、あの空間はゆっくりパラダイスとでも呼ぼうか?

 

 文さんは菓子折りを貰ってなんだか恐縮していた。

 なんでも、取材に協力してもらって、広告まで契約してもらえたのだからあれくらいのサービスは普通なのだそうだ。

 

 しかし、取材内容と広告を上手く繋いで記事を書く手間を考えると、やはりお礼はするべきだと思う。

 

 今日は三人とゆっくり妖怪たちで遊びまくった。

 トランプやUNOがあったのはびっくりだが、TRPGをYパチュリーが取り出した時は、思わずどうやってトークプレイするんだ!? と突っ込みを入れそうになった。

 

 いや、入手経路も気になると言えば気になるのだが……。

 

 感想としては、総合ビリという称号を授与されたのが、くやしいです。

 というか、Yパチュリーが次々にボードゲームやらTRPGやらカードゲームやら、どっから出してくるのかわからないが、遊具を大量に持っていることが今日判明した。

 

 割とどうでもいい。




 いかがだったでしょうか?

 そろそろ、ゆっくりたちが増えてきて把握が大変になってきた。

 もう少しで紅魔館勢(ゆっくり)が全員そろいます。

 ちょっとしたサプライズもありますので、全員集合をお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。