東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 どうも、毎度ありがとうございます。

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 を超えました。

 本当にありがとうございます。
 日間もUAも5000超えしましたし、推薦も書いていただいて、メッセージでなぜかゆっくりの伝道師なんて呼ばれるし……。

 楽しいので一向に構いませんがね(`・д・´)キリッ


風見幽香の日記 Å月

Å月((((;゚Д゚))))ガクガク日

 

 近々、里の花屋の娘から珍しい花の種を送ってもらえることになっている。

 

 花から花へと移動をしているから私自身が見つける場合も多いけど、里の外で物を集めている商人が拾ってくる種は外の世界の物が多く、珍しい。

 

 だから、珍しい種を見つけたら私にくれる様に約束している。

 私も幻想郷の珍しい種や花を渡したりしているから、取引としては成り立っている。

 

 最近は花屋の娘が贔屓にしている何でも屋が活躍しているらしいが、どんな人間なのか興味がある。

 

 彼女には少々無理を言って、その男に依頼を出してもらった。

 

 噂には中級の妖獣を倒すほどの実力者らしいし、幻想郷の実力者との交流もあるらしい。

 

 どんな人物なのか?

 

 興味がある。

 来る日を楽しみにしていよう。

 

 

 

Å月( 0w0)ノ ウェーイ日

 

 昨日日記に書いていた人物が種を届けに来た。

 

 第一印象としては、礼儀正しいのと、たぶん私のことを花屋の娘に聞いたのだろう。

 植物への気配りを感じる対応をする人間だ。

 歩き方も素人ではない。体幹がずれることなく、それでいて間隔も一定。

 

 次に感じたのが、その身体から滲み出る力だ。

 呼吸音が特殊だったから、おそらく呼吸法から来る氣の練成なのだろうが、初めて見るタイプの技だった。

 

 好奇心のあまり、種を受け取った後に不意打ちで貫手を顔に放ってみた。

 

 完全に相手に意識の外から、加減してといえど中級なら仕留められる程度の貫手を躱された。

 

 正確には、相手の鼻先の肉を爪の先で少し削ぎ落した程度。

 

 その時、指先に少しだけど電気が走るような痺れる感覚があった。

 

 多分、あの力が彼の持つ力なのでしょうね。

 

 それにしても、海原参護君。

 参護君か。

 

 鼻の頭を削がれて逃げ出すかと思ったが、踏みとどまって理由を問いただすとか、なかなかできる事じゃない。

 

 面白そうだし、聞けば彼の家は里の外れにあるとのこと。

 

 花から花へと移動する私だけど、里の近くに中間地点の様な休憩できる場所が欲しいと思っていたところだ。

 明日お邪魔することにしよう。

 

 

 

Å月( ゚д゚ )クワッ!!日

 

 朝一で彼の家を訪ねた。

 

 家の位置は花が教えてくれたので、すぐに見つかった。

 本当に辺鄙(へんぴ)なところに住んでいる。

 

 家に行くと、珍しいことにゆっくり妖怪がたくさん住み着いていた。

 懐かしい。ほとんど残っていないと思っていたけど、まだこんなに残っていたのね。

 

 メイドのゆっくり妖怪に案内されて、裏庭に行く。

 その途中で生まれたてのゆっくり妖怪も見つけた。

 

 重ねて珍しい。

 ゆっくり妖怪は警戒心が薄いが、誕生とそのすぐあとはなかなか見られない。

 

 本当にゆっくり妖怪に信用されている証拠だろう。

 ますます、彼は当たりの気がする。

 

 裏庭に着くと、門番のゆっくり妖怪と組手をしていた。

 

 元々があの門番だ。

 組手の相手にするには、このゆっくり妖怪の中では一番だ。

 

 唖然としている彼をしり目に、裏庭の一角を借りて花壇と畑を作る。

 作るだけなので、すぐ終わった。

 

 手持ちの花と作物の種を植えてあげる。

 

 あとは、彼がどう育てるかだ。

 

 ここまでして思い出したが、彼は何でも屋の仕事をしているから世話をしている時間も少ないはずだ。

 

 だったらと、私は近くにいた魔女のゆっくり妖怪に頼んだのだ。

 

「私のゆっくり妖怪、まだどこかで生き残ってるはずだから、彼女に花壇の世話をさせてね?」

 

 魔女のゆっくり妖怪は小首をかしげていたが、明日には私のゆっくり妖怪がここに住み着くだろう。

 

 あの娘はあの娘で可愛いから、すぐに気に入ってくれるでしょう。

 

 

 

 

Å月(´゚ω゚`;)ズーン日

 

 さて、私のゆっくり妖怪が無事に向こうに着いたらしい。

 花が教えてくれたが、いろいろ楽しく暮らしているらしい。

 

 私としては参護君にしっかりと育ててほしいものなのだけど、彼の生活サイクルでは難しいのだから仕方がない。

 

 あの、鼻先を指がかすめた瞬間、指に走った電気の様な感覚。

 

 呼吸を基盤とする気功に近い技。

 

 そうね、こういう事に詳しそうなのは紅魔館の門番か、仙人ということになる。

 

 聞いてみるのもいいかもしれない。

 

 花から花へ移動する妖怪である私にはいけない場所の方が少ない。

 

 門の前に居ることが多い、門番から聞いてみるのもいいかもしれない。

 

 

 

 

Å月∑(゚д゚ノ)ノウワッ日

 

 紅魔館の門番の所へ行ってきた。

 

 彼女に呼吸から練れる、気功に似た力を知っているかと尋ねた。

 

 そしたら彼女は知っていた。

 

 なんでも、中国の初期。

 三つの国が争っていた時代に現れた仙人が使っていた技がそれに当たるという。

 

 名前を波紋。

 

 その仙人は波紋を多くの武将に教えていたらしいが、年代を重ねると共にその使い手の数も減っていき、今ではほとんど居ないのだそうだ。

 

 彼女自身は使えるかと聞いてみたが、話に聞いただけで使えないらしい。

 

 使い手がいるならぜひ教えてほしいとも言っていた。

 

 すでにほぼ失われている技術なのだろう。

 

 その使い手がこの幻想郷にいる。

 忘れられたから入ってきたのか、紫の奴に連れてこられたのか?

 

 多分後者だろう。

 参護君は忘れられるような人柄はしていないと思うし。

 

 機会があったら門番に紹介してあげようか。

 あの門番も会いたがっていたようだし、面白くなりそうな時期を見定めて紹介してあげよう。

 

 

 

Å月φ(゚Д゚ )フムフム日

 

 参護君の庭に植えてきた通信用の花が咲いたようだ。

 

 いくつか食べられる植物の種をまとめたので、呼び出して渡すことにする。

 

 意外とすぐに来てくれた。

 うんうん、呼び出しにすぐ応じてくれるのは高評価だ。

 

 野菜の種を渡してあげると、嬉しそうにお礼を言ってくれた。

 

 うん、ちょっと嬉しく感じてしまう。

 やっぱり、参護君の家を移動の中間地点にすることにしよう。

 

 渡した時に、私のゆっくり妖怪に手伝ってもらいながら育てる様に助言をした。

 

 あの家にはかなりの実力者が集まるけど、それと同時に食べ物もなぜか集まっているようなので、私も食料を分ける代わりに休憩所にさせてもらおう。

 

 うんうん、いい計画だと思う。

 

 

 

 

Å月アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!!日

 

 模擬戦を頼まれた。

 

 さすがに人里では戦えないので少し離れた草原で戦ったけど、ちょっとやりすぎたかもしれない。

 

 一撃一撃を叩き込むたびに拳に彼の電気の様な痺れが走るから、ついつい力が入ってしまった。

 

 最初はガードすらできなかったが、後半はガードの反応が間に合っていたのには驚いた。

 

 中級の妖獣を倒せたのはさすがに伊達じゃない。

 

 強い人間は一度、敗北を味わって成長することが多いが、彼は敗北を多く経験しているようだった。

 

 しかし、一度妖怪を退治したからここら辺で、妖怪の強さを再確認してもらった。

 

 正直やりすぎたと反省している。

 

 最後のマスタースパークは必要なかったかしら?

 

 さすがに可哀想だったから家まで運んで布団に寝かせてきた。

 土埃が大変だったから魔女のゆっくり妖怪に掃除してもらって、私のゆっくり妖怪に薬草を持って来てもらって傷の手当てをしてから戻った。

 

 帰り際に烏天狗が彼の家に向かって行ったけど、たぶん彼と交流のある妖怪でしょうね。

 

 天狗の新聞を拾って読んだけど、広告で妖怪との交流も考えている。

 

 ますます気に入った。

 次は果物でも持って行ってあげようか。

 




 いかがだったでしょうか?

 次は予想はついてると思いますが、射命丸文の日記です。

 今回はゆっくり分が足りない……。

 射命丸パートでは必ず……。

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