デイリーランキングに乗っていたらしいです。
おかげ様でたくさんの人に読んでもらえて、非常にうれしいです。
それでは魔理沙の日記をどうぞ。
Φ月:(;゙゚'ω゚'):日
図面もできて、萃香が参護に出会うのももう避けられないところまで来た。
どうも、参護は博麗神社にはこの二年で一度も足を運んだことが無いらしい。
そのおかげで萃香とも出会う機会も無かっただろう。
霊夢も萃香が参護に会いに行くのを防いでいたらしいし、ほんとに私余計なことをしたよなぁ。
あの音を置き去りにする拳。
弾幕ごっこで感覚がマヒしていたが、萃香は鬼だ。
最強クラスの妖怪で、その鬼の中でもさらに強い鬼だ。
弾幕ごっこでもある程度満足できるらしいけど、実戦の満足度は全然違うらしい。
霊夢も肉弾戦もできるが、弾幕ごっこの方が強いし、肉弾戦で萃香を満足させられる相手なんて妖怪ぐらいしかいないだろう。
だから、あんなにも楽しみにしている。
ああ、罪悪感が……。
Φ月(´;ω;`)日
明日ついに、萃香と参護が戦うことになってしまう。
何度も言い出そうとも考えたが、じゃあ萃香の奴が抱えているあの飢えにも似た感情は一生閉じ込めておかなければならないのか? そう考えてしまうと、私は言い出せなかった。
ただただ、参護に謝って、生きて帰ってきてくれと懇願するだけしかできなかった。
参護自身もう気づいているだろう。
なにしろ、生身で中級妖怪を倒すような実力を持った男だ。
戦い好きの鬼が放っておくわけがないと。
ここ数日、罪悪感で胃が痛い……。
Φ月(ヽ´ω`)日
見ていて悲鳴をあげそうだった。
いや、もしかしたらあげていたのかもしれない。
本人は天才を知っているから、努力しないと置いて行かれる、とよく話していた。
努力して努力して、人間が生身で妖怪と渡り合える程に鍛え上げた。
だけど、たった一発の拳で、終わらせられてしまう。
今思えば、私は参護に自分を重ねていたのかもしれない。
私だって今の実力を持つのにそれなりに修行してきたし、努力が報われないこともあるが、努力の結果は必ず私のモノになると信じて今まで来た。
参護自身がそれを体現してくれていた。
努力を重ねれば、鬼とだって渡り合える、そう感じさせてくれたのだから。
だから、あの拳で終わろうとした瞬間。
私の努力も一緒に否定されたみたいで、ガラにもなく参護の名前を叫んでしまった。
色々な感情がこもった叫びだったと今なら振り返れるが、強いて言うなら私たちの生き方を否定しないでって所か?
その後のあの銀色の闘気。
その時参護は、長い間試行錯誤したものが、カチッとハマった時の顔をしていた。
あれが参護の努力の成果なんだろう。
倒れた参護を助けに行く時の私の気持ちはきっと、参護が倒れたというのに不謹慎だけど、草原に吹く風のように爽やかなものだったな。
やっぱり、参護は最高のダチだぜ!
Φ月('A`)日
昨日のウチに呼んできた鈴仙に怒られた後に、ただひたすらに医療器具を運んだ。
鈴仙が言うには意識があるのが信じられないレベルの重傷らしい。
両足の骨は折れているし、アバラも数本、左腕に至っては骨が見えてしまうレベルの損傷らしい。
この状況で右だけが無事なのが逆に不気味なのだそうだ。
それでももう回復を始めている参護の波紋の効果には閉口してしまう。
しかし、この重傷は私の責任。
もうこの日は許すと言われてもひたすら土下座で謝り倒した。
後は私のできる看病を鈴仙に教えて貰ってひたすら実践。
今日一日で包帯の巻き方を完璧にマスターしたぜ!
Φ月<丶´Д`>ゲッソリ日
今日も参護の世話をしていた。
波紋は骨折ぐらいなら本人の治癒力の範囲ですぐに治してしまうほどの治癒力が生まれるものらしい。
それなのにこうして何日も寝込んでいるということは、本人の体力や回復力が波紋を使わない状態だとかなり危険な状態であるという事なのだそうだ。
鈴仙は症状に合った器具や薬を永遠亭から運んできて部屋に配置していた。
本来なら永遠亭に運ぶのが一番いいのだろう。しかし、戦いの場所からこの家と永遠亭どちらに運ぶのかを考えた場合、地上ルート・空中ルートどちらだとしてもこの家に運ぶのが一番良かった。
永遠亭は距離的に遠いのと、この土地はなぜか魔力や地脈共々非常に活性化していて参護の回復に役立つからだ。
現在、それに加えて私の治癒魔法を断続的にかけ続けている。それでもこの治癒の遅さ。
やっぱり罪悪感が……。
そして、世話をするにあたって避けられないのが排泄だった。
さすがに、友人とはいえ男のモノを……というのは難易度が高い。
鈴仙なら仕事柄慣れていそうだけど、ここはゆっくり妖怪たちがやってくれた。
ここでもやっぱり、ゆっくりパチュリーが一番動いていた。
このゆっくりだけは、他とはちょっと違う気がするぜ。
Φ月(;´Д`)ゲロゲロ日
今日は萃香が参護相手に昔を語っていた。
そりゃそうだ、長い時を生きた鬼だ。見た目が幼女だが。
戦った人間達の中には、萃香が好むような戦いができた人間も多かっただろう。
その時の記憶を
昔を懐かしむように語る萃香はどこか晴れ晴れとしていて、解放してある窓から吹き込む風に髪が流れて、まるで一枚の絵の様な、そんな儚くも力強い目をしていた。
きっと、過去の戦士たちを思って、そして今の参護を報告していたのかもしれない。
こんな姿を見せられると、やっぱり長い時を生きてきた鬼なんだなっと感じる。
ただ、その後に参護の寝ている間に、胸板を舐めようとするなよ。
誤魔化したつもりかもしれないけど、ばっちり見えちゃったよ。
お前がやると犯罪的な絵になるんだよ。
Φ月(-.-#)日
とりあえず今日は、参護の家で世話をした後に、霊夢の所に行ってきた。
萃香の事を報告するためだ。
霊夢は萃香の表情や言動を伝えたら、「ふーん」っとそっけなく答えていたが、その頬がわずかに緩んでいたのを見逃さなかった。
やっぱり、萃香の苦しみを知っていて、一番安心しているのが霊夢なのかもしれない。
たしかに萃香が参護に会いに行くのを止めていたけど、その間は酒をがぶ飲みするのを黙認していたらしいし、素直じゃない奴め。
重傷の参護の事を話したら、霊夢の奴が治癒の札を渡してくれたのがいい証拠だろうな。
あいつがただ働きなんて、幻想郷に槍が降るぜ。
家に戻ると参護の横に萃香が寄り添うように寝ていた。
いや、本当に犯罪みたいだからやめろ。
しばらく見ていたが、腹をボリボリ掻きながら寝るなよ。
おっさんみたいな幼女?
幼女みたいなおっさん?
まぁ、どっちも近いだろう。
それに、萃香の寝顔を見たら何も言えなくなってしまったし。
見た目相応の、無邪気な寝顔しやがって……。
いかがだったでしょうか?
短めですが、楽しんでいただけましたか?
魔理沙は親友ポジに落ち着きそう。
可愛く書ければいいですが、難しいです。
そして、萃香自重できず……。
もうね、参護よりも独り歩きするキャラってどうなん……?