東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 ども、更新です。

 アリスさんの日記です。
 ちょっと彼女の考察なんかも入ってます。

 さて、感想で萃香さんの行動をみなさん考えているようですね。

 いやぁ、大丈夫ですって、旧友と酒飲みに行っただけです。
 酒で口滑らして、参護さんの命の灯が…ゲフンゲフン

 一番怒られると思っていたのに、それ以上に皆さん好きになってくださっているようでうれしい限り。

 萃香さん、がんばってね!

 参護さんもがんばれ!


アリス・マーガトロイドの日記 δ月

δ月(´゚ω゚`;)日

 

 最近、参護さんの料理を食べられていない。

 

 当然と言えば当然。

 参護さんは、伊吹萃香の戦闘で重傷を負って療養中なのだ。

 

 私も何度かお見舞いに行ったが、あれはひどい状況だった。

 全身あちらこちらの骨が折れていたようで、包帯だらけのミイラ男みたいな状態だった。

 

 あれでは料理はおろか、生活すらできないだろう。

 しかし今は、左腕以外は順調に回復していて、治りの遅かった左腕も今は回復速度が大幅に上がって、早いうちに完治する予定なのだそうだ。

 

 そこで、リハビリの手伝いをすることになった。

 永遠亭のウサギが、私の糸の魔法を使えば効率よくリハビリができるということで手伝いを頼んできた。

 

 早くリハビリが終われば、私もおいしい料理が食べられるでしょうし、私の魔法を受けてくれる人間はいない。体の自由を奪う魔法でもあるから、敬遠されるのだ。

 それが、治療に役立つというのなら使ってあげたい。

 

 まぁ、滅多にできない人体実験というのも否定しないけどね?

 

 

 

 

δ月ヘ(゚∀゚ヘ)ヘ(゚∀゚ヘ)ヘ(゚∀゚ヘ)日

 

 明日からリハビリの補助をすることになっているので、再度糸の魔法が生体に悪影響が無いか試行を繰り返す。

 

 万が一にでも参護さんに害があれば大変だ。

 

 特に腕は料理をするのに絶対必要な部分。

 失敗するわけにはいかない。

 

 左腕の回復が遅いと聞いているし、回復の術でも最後に流してあげようかしら?

 

 しかし、こうやって魔法を訓練のために行使するなんて何年ぶりかしら?

 最近はもっぱら研究職だし、こうして糸の魔法を行使する機会も人形たちを操る時ぐらいだ。

 

 私の糸の魔法は応用がかなり効く。

 

 切断の術を込めれば、糸は容易く相手を微塵切りにできる。

 

 渦を描くように操れば貫通力が上がり、大木に穴をあけることができる。

 

 落ちそうなものを優しく絡め取ることもできるし、遠くのものを引っ張ってくることもできる。

 

 こうしてみるとかなり応用性の高い魔法なのだが、やはり短所もある。

 

 糸の形を取っているので、相手の魔法によっては切られてしまい、接続を断たれやすい。

 強化しようとも、糸以上に太くしてしまえば柔軟性が失われるし、接続する時に対象を破損させてしまう可能性もある。

 

 だからこうしてできることとできないことの再確認作業をしているのだ。

 

 こういう修行みたいな行動は私自身あまりしてこなかった。

 原因を考えてみるとやっぱり、参護さんだった。

 

 毎日毎日、愚直に自分のできることを確認して、そこよりも一歩でも先に行こうとする。

 

 叩きつける杖の角度でさえ、試行錯誤を繰り返している姿を見たら、私も今のままでいいのか? という思いが湧きあがろうものだ。

 

 それに、今の私の実力を再認識するいい機会だしね。

 

 

 

 

δ月( ´∀`)bグッ日

 

 リハビリのサポートは中々に大変だった。

 

 要は歩く参護さんの足に糸を接続して、倒れそうになったりしたら、魔力を込めて補助をする。

 関節の駆動を手助けしたり、衰えた筋肉の潜在能力を目覚めさせて効率よく訓練ができるようにする。

 

 これが大変だ。

 

 常に参護さんの足に注意を向けなければならないことと、状態を糸を通して把握し続けなければならないこと。

 

 参護さんは限界まで動きたがる。

 十分効果があったにも拘らず、こうすればもう少し自然に歩ける、などと考えて動いている。

 

 さすがに限界を超える前にストップをかけるが、無意識にそれをやっている。

 努力を苦にしない。

 

 意に介さない。

 

 相変わらず、自然体で求道者の様な生き方をしているわね。

 

 リハビリ中は、ゆっくり魔理沙が湿布薬を調合していた。

 

 キノコの研究に特化している魔理沙の知識なら薬草学も十分に持っているから安心できる。

 

 ただ、煎じている最中に庭から草を引っこ抜いて混ぜていたが、あれはいいのだろうか?

 

 いや、魔理沙の薬草やキノコの知識は目を見張るものがあるから大丈夫なはずだ。

 ゆっくり妖怪で魔理沙の姿をしている以上、知識やスキルも魔理沙と同等のモノがあるはずだ。

 

 もしかしたら、庭にたまたま薬草が生えていたのかもしれない。

 

 そうだ、風見幽香も出入りしているし、参護さんの波紋の影響でこの辺り一帯は大地に力が溢れている。

 珍しい薬草があっても不思議じゃない。

 

 そう言い聞かせるようにしよう。

 

 

 

 

δ月(´Д`)ハァ…日

 

 明日の為に、今日も糸の魔法を訓練する。

 

 実際にやってみて、操作の(つたな)さを実感したからだ。

 

 ゆっくり魔理沙は今のうちから薬草を煎じて塗り薬を作っている。

 

 たまに出て行って、色々なキノコや薬草を持って戻ってくるが、昨日の一場面が思い出されてしまう。

 

 いやいや、大丈夫大丈夫。

 

 魔理沙に確認したら、立派な薬草だったし大丈夫!

 

 魔理沙の知識は信頼している。

 ただ、ゆっくり魔理沙はちょっと……ね?

 

 現在進行形で、上海と蓬莱に転がされている姿をどう信用すればいいのか?

 

 というか、上海も蓬莱もゆっくり魔理沙を転がして遊ぶの気に入ったのかしら?

 

 

 

 

 

δ月( ゚д゚ )クワッ!!日

 

 今日は参護さんに実験を頼まれた。

 

 私はゆっくりアリスに、魔理沙はゆっくり魔理沙に、それぞれ自身の魔力を与えてみるというものだった。

 

 なんでも新しく来たゆっくり霊夢の存在感が異様に強く、もしかしたら本人の力を与えることで何か変化があるのでは? という考えからだった。

 

 結果は上々。

 

 ゆっくりアリスもゆっくり魔理沙も魔力を与えた瞬間、まるで今までが幻だったかのようにしっかりとした存在感を発揮したのだ。

 

 考えるなら、私たちの魔力を姿に影響するほど大量に集めて形になった彼女たちにとって、世界にとどまる為の力。

 私達は魂と肉体がある。

 もしかしたら、ゆっくり妖怪たちは魂のみがしっかりとした形として生まれて、肉体が未完成の状態でいるのではないか?

 

 ゆっくり霊夢が本人の霊力を日々浴びてようやく完全な肉体を手にしたように、彼女達も私たちの力を浴びて確固たる肉体を手にする必要があるのでは?

 

 筋は通ってそうだけど、まだ確定情報じゃないわね。

 私の方でも少し調べてみるのもいいかもね。

 

 幸い、魔理沙も同じことを考えているようだし、魔法使い側と人間側で違う視点を持って調べるのも効率が良さそうだ。

 

 

 

 

δ月(´ε`; )日

 

 今日は、ゆっくり妖怪の生態を私なりに調べる……、ではなく、参護さんと稗田阿求から借りた資料をまとめる作業だ。

 一年近く集め続けている資料だから、何気に気が遠くなりそうなほどの量がある。

 

 まとめるとこうだ。

 

・気功・魔力・霊力・妖力が集まり、形を成した妖怪。

・誕生時に最も多く力が集まった者の姿に生まれる。

・姿を借りた者の能力や知識を持っていて、使うこともできる。

・他者に触れることで、微量の力を貰い受け、生きている。

・食事も少量ながらする。

・非常に人懐っこく、警戒心が無い。

・そのため、凶暴な妖怪などに襲われることも多く、個体数が少ない一因と考えられる。

・姿を借りた者の潜在意識が性格に表れることもある。

・自然に誕生する姿は未確認。

・ゆっくり妖怪たちの儀式により、任意に誰かのゆっくり妖怪を生むことはできるようだ。

・生まれたては、非常に柔らかく、自立移動もままならない状態。

 

 そして、これが未確認事項である。

 

・姿を借りた者の力を受けると、未完成である肉体を確固たるものにできる。

 

 この未確認事項を検証するのが、今回の研究ということになる。

 

 魔理沙も参加してくれるみたいだし心強い。

 せめてパチュリーも参加してほしいが、さすがに自分のゆっくり妖怪が参護にあれだけベッタリではどう動くかわからない。

 協力が仰げればラッキーぐらいに考えておこう。

 

 

 

 

δ月φ(゚Д゚ )フムフム…日

 

 参護さんの家にリハビリ補助に行ったのだけど、ゆっくり魔理沙とゆっくりパチュリーが魔法を教え合っていた。

 

 現実じゃまず見れない光景に、思わず苦笑い。

 

 パチュリーは性格が悪い訳じゃないのだけど、排他的というか、本を読むこと以外にあまり興味を持っていない。

 

 排他的という部分は魔法使いの共通項の様なものだ。

 魔理沙も例外のように見えて、切り替えているだけ。

 研究中は魔法使いの顔になる。

 

 ただ、これも魔法使いの共通項だけど、興味を抱けば協力的になる。

 

 そして、ゆっくり妖怪は十分に興味を持つに値することだと考える。

 

 十分パチュリーの協力は現実的だけど、問題は参護さんと暮らしているゆっくり妖怪の数だ。

 

 ゆっくり美鈴・ゆっくり咲夜は、まだ参護さんの家に出入りしている二人だから希望はある。

 

 だけど、ゆっくりレミリア・ゆっくりフラン・ゆっくりパチュリー・ゆっくり小悪魔。

 彼女たちは紅魔館の中に入っていかなければならない。

 

 さらに問題は、ゆっくりレミリアとゆっくりフランの二人だ。

 

 スカーレット姉妹。

 

 彼女達をどう納得させて、どう協力してもらうか……。

 

 友人であるパチュリーでも説得を聞くかどうか……。

 

 なにしろ、本人と真逆なんじゃないかとも思えるゆっくりレミリアの性格。

 会えたとして、戯れで壊してしまいそうなフランドール。

 

 これは、いわゆる詰め将棋というやつか?

 

 こればかりは参護さんの対応力にかかっている。

 

 私達はできるだけサポートしよう。

 




 いかがだったでしょうか?

 最近、本屋に行くと漫画や小説を買いまくってしまう。
 昔から、本関係には財布のひも緩かったけど、最近特にそうだな。

 あ、月曜日は泊まり込みの予定なので、更新できません。

 感想の返信はしますので、気軽に書いて行ってね!

 アニメ、フェイトもジョジョも終わりだなぁ。
 ソーマはもっと見たいね。
 あと、旦那が何を言っているかわからない件、これも好き。漫画も合わせて。

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