東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 どうも、本編更新です。

 Жは『ジェー』と読みます。
 ロシア文字の大文字です。

 実はずっと登場させたかったパチュリーさん。
 無理やり感がありますが、どうか広い心でお願いいたします。


海原参護の日記 Ж月

Ж月(>_<)日

 

 完 全 復 活 !!

 

 っと言うほど回復したわけじゃないが、日常生活は問題なし。

 

 戦闘は左腕の違和感がひどいがそれぐらい。

 両足はだいぶ感覚が戻ってきた。

 

 そして、そろそろYパチュリー達の問題を解決しないといけない。

 

 身体の存在感が薄いということは、病気や寿命の関係が軒並み悪くなる可能性が高い。

 

 すぐにでも、紅魔館の皆さんに協力をしてもらうしかない。

 

 霊夢さんに相談したら、許可を取ってもらえたし、後はこちらの対応と彼女たちの機嫌次第……かな?

 

 YレミリアとYフランは仲良さ気にプニプニと押し合いっこをしている。柔らかそうだ。

 

 魔理沙や霊夢さんの話だと、姉妹の関係はまだギクシャクしているようだし、どうなるか不透明だ。

 

 魔理沙が言うには、フランちゃんは屋敷の中ならある程度自由になっているらしい。狂気自体が安定してきているようで、怒らせなければ大丈夫という話だ。

 

 問題はレミリアさん。

 

 どうするかと悩んでいると、YレミリアとYフランが両肩に乗って頬ずりしてきた。

 慰めてくれるのか……。

 

 俺の胃腸のダメージが深刻だが、当日はもっと大変だろう。霊夢さんも護衛がてら来てくれるようだし、ゆっくり達を死なせない様にしよう。

 

 途中の湖でチルノと大妖精に会えれば、二人にも協力してもらいたい。

 

 大妖精は話せばわかるとして、チルノは大丈夫だろうか……?

 

 うっ、胃が……。

 

 

 

Ж月ε-(´∀`*)ホッ日

 

 結局チルノ達には会えなかった。

 

 そして、紅魔館に着いて最初は美鈴さんにY美鈴へ気を送ってもらった。

 目に見えてY美鈴の存在が濃くなり、髪の艶や肌のハリが良くなった。

 

 美鈴さん自身も驚いていた。

 

 気を使う程度の能力なので、Y美鈴の気が分かるのだろう。

 

 そして、理由を理解してくれたのだろう。

 協力してくれると言ってくれた。

 

 咲夜さんに案内されてレミリアさんと初対面した。

 

 なんというか、圧倒的な存在感だ。

 萃香と対峙した時と似ている。あの強者特有の威圧感。

 すべてを見透かされているかのような眼光。

 

 その上、確か彼女の能力は『運命を操る程度の能力』だったはずだ。

 操るなら運命を見れないといけないわけだし、彼女は運命を見ることができると言う事だ。

 

 俺やゆっくりたちの運命がどういうモノか、興味はあるが聞くのは怖い。

 

 話してみると意外なほどすんなりと了承を貰えた。

 

 デモンストレーションで咲夜さんにY咲夜さん相手に魔力を込めてもらい、毛艶を良くしているのを見て興味津々だった。

 

 いざ自分のゆっくり妖怪を見たら、若干というかかなり頬を引きつらせていたが、

「……まぁ、私の一つの形ね。受け入れるのも器の大きさよ」

 そう言いつつ、魔力を込めていた。

 

「定期的に来なさい。存在感を確固たるものにするなら、もっと多く力を込めてあげないとダメだしね」

 

 小声でボソッと、「ゆっくり妖怪のフラン可愛いし……」と呟いていたのを確認したが、黙っていた。

 咲夜さんも気づいていただろうが、特に触れていなかった。

 

 他の人達もやってもらおうとしたが、夜も遅くなっていて一泊することになった。

 咲夜さんも色々と用意して一室を貸してくれた。

 霊夢さんも別の部屋に泊まって、ホクホクしていた。

 洋食がおいしかったと言っていたので、食事系が霊夢さんの好みのようだな。

 

 明日にはフランちゃんやパチュリーさんや小悪魔さんに、力の供給を頼むのだ。

 

 レミリアさんはフランちゃんを呼んでくれるようだし、少しは気を抜いてもいいだろう。

 

 

 

Ж月((o(´∀`)o))ワクワク日

 

 今日は何というか、いろいろありすぎて疲れた。

 

 フランちゃんは何か異様に楽しそうだった。

 Yフランに魔力を込めた後に、ずっとYレミリアを抱きしめていた。

 気に入ったようだった。

 

 ただ、「お姉様の生首~」とか言うのやめようね?

 

 無邪気にはしゃいでいる姿がちょっとしたグロシーンに見えるから。

 

 地下に行くと最初に小悪魔さんに会った。

 

 彼女の反応も頬がヒク付いていたが、おおむね好印象のようだった。

 どの世界でも赤ん坊というのは可愛いものだ。

 

 そして問題のパチュリーさんだったが、これは驚いた。

 

 本人の反応は単純に学術的興味が強かったようだ。

 色々と生態を聞いて来たのがいい証拠だろう。

 

 しかし、Yパチュリーが謎の魔法陣をパチュリーさんに向けて展開していた。

 

 パチュリーさんが言うには、相互に記憶の表層、伝えたい部分を同期する魔術なのだそうだ。

 

 昔、パチュリーさんが自身の知識を伝える為に作った術らしいが、古い術だったことと別人同士の情報伝達の差異を利用して表層意識だけを同期する形だったらしい? のだが、魔力が同質であることがトラブルに発展してしまったようだった。

 

 ほとんど同一人物の記憶を同期した実験は無かった。

 結果は相性の良すぎる二人の記憶が相互に完全に同期してしまったという事だった。

 

 事故が恥ずかしかったのか、一端帰ってほしいと言われた。

 その前にYパチュリーには魔力を補充してもらってだ。

 

 図書館の壁に魔法陣をあしらったただの扉を設置。

 Yパチュリーに何事か喋って通じたようだった。

 

 この一瞬で同一人物のようになったのだから、大事件だっただろう。

 

 家に帰るとYパチュリーが家の壁に大図書館と同じ扉を設置した。

 

 扉を潜ると大図書館に繋がっていて、いつでも行けるようになっていた。

 

 レミリアさんの命令かとも思ったが、パチュリーさんの判断のようだった。

 

 正直助かった、片道だけでも相当な距離なのだ。

 往復だとさらに大変な時間がかかる。

 

 パチュリーさんにもいつでも来ていいと言われたし、あそこの本は魅力的だ。

 

 明日も行くことにしよう。

 

 

 

Ж月∑(゚Д゚; )ァリャリャ日

 

 今日も今日とて紅魔館に来た。

 来たと言うか、壁が大図書館に繋がっているからどうにも別の家という実感が薄いのはどうするべきか?

 

 全員分の魔力やら気を込めてもらってしばらく自由時間になった。

 

 レミリアさんはYフランを、フランちゃんはYレミリアをそれぞれ愛でていた。

 

 ギクシャクしているが、きっと二人は仲良くなる。

 それぞれのゆっくり達を愛でているのなら、きっとね。

 

 YレミリアやYフランもかなり懐いているようだった。

 

 フランちゃんなんて、ずっと抱えたまま頬ずりしたり、クルクル回ったりしていた。

 

 レミリアさんは、無邪気に懐いてくるYフランを最初こそ指で突くなどのちょっとそっけない態度で接していたが、少しすると頬を緩ませて手に乗せて頬ずりしていた。

 

 小悪魔さんはずっと頭にY小悪魔を乗せたまま仕事をしていた。

 

 そしてパチュリーさんだが、膝に乗せたままYパチュリーに魔力を込めていた。

 

 そして記憶の同期魔術をしていた。

 

 昨日の時点でほぼ同一人物の様なモノになったはずだけど、また同期するのか?

 

 それと、今日はしっかりとパチュリーさんと話をしたが、俺の知識や魔理沙やアリスさんの事前情報とは少し印象が違った。

 

 時々話しかけて来てくれるし、本の好みを聞いてきてお勧めを教えてくれたりと、面倒見がいい。

 

 紅茶を出してくれたりと非常に居心地が良い時間を提供してもらえた。

 

 一冊借りて家で読むことにしよう。

 

 

 

Ж月(・・?日

 

 レミリアさんに呼ばれて、ディナーをご一緒した。

 

 紅魔館の主要人物たちが一堂に会して、中々に壮観だ。

 

 丁度全体が見渡せる位置にレミリアさんが、その両サイドにフランちゃんとパチュリーさんが、俺がパチュリーさんの隣に座って、フランちゃんが座っていた。

 

 咲夜さんと美鈴さんが料理を運んでくれていた。

 

 色々と今後の話などをしたが、みんないい人たちばかりだった。

 

 定期的に力をゆっくり達に与える代わりに、俺がそちらに遊びに行くことが条件らしい。

 

 特に俺が遊びに行くことに積極的だったのが、パチュリーさんだ。

 

 ゆっくり妖怪の研究もしてみたいという話だ。

 

 それをレミリアさんがニヤニヤというか微笑ましいものを見る目で見ていたのは何だろうか?

 

 

 

Ж月(*´ω`*)日

 

 やはり記憶を同期してから、Yパチュリーの様子がおかしい。

 

 さらに色々な魔法を使って家の至る所に強化魔術を施していた。

 どうも、最近パチュリーさんが作った魔法で、持続力が段違いらしい。

 

 パチュリーさんはパチュリーさんで、最近の我が家で起きたことを知っているかのように話すし、本当に記憶が一緒になったのだろう。

 

 そのせいなのか、自分のゆっくり妖怪と仲がいい。

 

 自分のゆっくり妖怪と普通に交流しているのは、小悪魔さんとパチュリーさんだけだ。

 

 確かに自分のゆっくり達とは交流し辛いだろう。

 

 Y小悪魔は子供だし、理解もできるけど、Yパチュリーはおそらく記憶が一緒になったからだろう。

 

 自分に似た妖怪じゃなく、自分自身と変わらない存在らしい。

 

 紅茶を飲みながら聞いたことだけど、Yパチュリーはストローをくわえて紅茶をすすっていた。

 熱かったのか、涙目でプルプルと震えていた。

 

 

 

Ж月(゚д゚)(。_。)ウンウン日

 

 レミリアさんに呼ばれて、部屋に行くとフランちゃんと一緒にゆっくりスカーレット姉妹と戯れていた。

 

 互いが互いの橋渡しをしたようで、仲が良い状態に戻ったようだ。

 咲夜さんが涙目でお礼を言ってきた。

 

 二人を救ってくれてありがとうと。

 

 ゆっくり達も涙ながらに喜んでいた。

 

 パチュリーさんも喜んでいた。

 

 レミリアさん達が夕方にうちに来て、食事をしていった。

 咲夜さんが俺の料理の腕を教えたようで、レミリアさんが食べてみたいと言ってこういう形になったそうだ。

 

 驚いたことにパチュリーさんも来ていた。

 動かない大図書館とまで言われている彼女が、いくら近いとはいえ図書館から出てくるとは思わなかった。

 

 色々と(くつろ)いでから紅魔館に戻っていったが、また来ると言われた。

 

 定期的に力を補給できるようになったからか、みんな元気で飛び回っている。

 

 Yパチュリーは身体の調子を確かめるように、転がったり飛び跳ねたり、俺が揉む際も感想を聞きたそうにキラキラとした目でこちらを見ている。

 

 調子はいいようだし、早くYチルノやY大妖精達にも本人の力を分けてもらえるようにしよう。

 




 いかがだったでしょうか?

 次と次の視点の日記は二人とも新キャラで行きますので、お願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。

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