東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 更新遅れてすいません。

 星熊勇儀の日記です。

 今回もゆっくり成分少な目。

 もっと補充しなくては!

 それではどうぞ。


星熊勇儀の心境 Б月

Б月∑(゚Д゚)ガーン日

 

 萃香が強い人間を見つけたらしい。

 

 久々に会って、酒盛りに興じていたのだけど、萃香の奴が以前会った時よりも生き生きしていたから、どうしたのかと聞いたら、強い人間に出会えて、戦えて、その上一緒に生活していると聞かされた。

 

 あの萃香が加減していたとはいえ、殴り合いになり、最後の最後で吹き飛ばされたなど、聞けば聞くほど人間の中でもかなり強い部類の男だ。

 

 波紋と気功を両方使える男は今まで居なかったし、どちらか使えただけでも心躍る戦いを楽しめた。

 是非とも戦いたいねぇ。

 

 萃香に無理を言って地底への招待状を届けてもらうことにした。

 

 ちょっと不満そうだったが、私だって飢えてるんだよ。

 萃香だけ楽しむのはずるいじゃないか。

 

 

 

 

Б月┣¨キ┣¨キ(*´д`*)┣¨キ┣¨キ日

 

 萃香と戦った男が地底に来たが、初見で目を疑っちまった。

 ありゃ、常に波紋を纏っている。気功も練り続けている。

 

 それを理解して高揚感を抑えられなかった。

 

 しかも、宴会でも鬼のペースに付いてこれるだけの酒豪ぶりも気に入った。

 

 本人は波紋で肝臓を活性化させていると言っていたけど、それにしてもだ。

 

 しかも、ツマミや切れそうな酒を補充したりと、中々に気が利く男だった。

 ありゃ、モテるだろうねぇ。

 強くて、気が利いて、顔も悪くない。

 萃香が懸想してるのも分かるねぇ。

 

 今日は本当にいい酒を飲めた。

 

 参護とだったらまた飲みたいねぇ。

 

 

 

 

Б月( ´Д`)-3ハァ…日

 

 朝一で簡単な闘技場をみんなで作り、参護の奴を待った。

 

 昨日の時点で争いを好まない性格だという事も知っているが、同時に戦うべき時に戦う人間だという事もよくわかっている。

 

 なにがあっても手を出しません、みたいな似非平和主義者なんかよりも断然好感が持てるね。

 やる時はやる。

 こういう奴は人間・妖怪問わずに芯の通った奴が多い。

 

 対峙している時の鋭い眼光と、経験から来るであろう隙の無さ。

 そして何よりも、全身を包むような銀色の闘気。

 初めて見たが、あれはいい。

 

 旧都の家屋を数件ぶち抜いて、天井に叩きつけ、壁にぶち込んで、地霊殿の外壁に大穴を開けても立ち上がってきた。

 ダメージこそあるだろうが、あれはまだまだ戦える。

 

 それとその後も面白いモノが見れた。

 

 お燐の奴に運ばれて参護が帰ってきたんだけど、死んでしまったと勘違いした萃香が泣きながら可愛いことを言って縋り付いていた。

 

 昔を知っている私としても驚いた。

 そこまで萃香が入れ込むなんざ、初めて見た。

 

 初恋なんて当の昔に済ませてるんだろうが、ありゃ初心な乙女だねぇ。

 

 伊吹萃香を乙女にする男か。

 

 いやぁ、いい酒の肴が見つかったね。

 

 

 

 

Б月(*゚∀゚*)日

 

 何というか萃香の奴、セクハラしまくっていた。

 

 参護の背中にくっ付いて、頬ずりしたり、匂いを嗅いだり、首筋に舌を這わせていたり……。

 

 ここ最近、萃香の奴の初めて見る顔だったり、珍しい表情をよく見る。

 

 海原参護。

 

 面白い奴だね。

 

 あの銀色の闘気は参護の強さを爆発的に上げる。

 やっぱり、人間に与えられた英知の一端なのだろう。

 

 是非とも、もう一度やりたいものだ。

 

 それにしても萃香が想像以上に参護に依存というか、ベッタリな状態だ。

 萃香は見た目が幼いから傍から見れば、ちょっと危ないのだが、まぁ好き合ってれば問題ないんじゃないかね?

 

 しかもあれだけの力を持ったオスだ。

 人間は理性があるから難しいが、それでも生き物である以上、強い相手の子供を欲する。

 

 萃香の奴、一体何人ライバルがいる事やら。

 

 いや、萃香だったらライバルごと参護の奴を囲ってしまうかもしれない。

 

 それはそれで面白そうだ。

 

 

 

 

Б月∑(゚Д゚; )マジッ日

 

 萃香の奴やっぱり我慢できなかったか。

 

 参護と戦った時から妙に熱のこもった視線を貰っていたが、我慢出来ずに今日戦うことになるとは。

 

 しかし、参護の奴も中々にタフな奴だ。

 この前相当ボロボロにやられて、お燐の奴に運ばれて来たって言うのに、一日でほぼ全快しているのには鬼の私も驚いた。

 

 試合の結論を言うなら、萃香の勝利で終わった。

 

 最終的に参護は地霊殿の壁に突き刺さっていたが、私との戦いで更に銀色の闘気を使いこなす要領を学んだんだろうね。

 萃香の戦いの時での使い方や戦い方が上手くなっていた。

 

 その上、徐々に加速していく戦闘速度に思わず目を見開いたものだ。

 速いというのは、その速さに考える速さが付いて行っているかどうかで、意味が違ってくる。

 

 考える速さが付いて行ってないなら、どんなに速くても怖さは無い。

 だけど、速さに考える速さが付いて行っているなら、それは私達とは違う時間の流れに入れる奴だ。

 

 鬼だって、人間よりも考える速さはずっと速いし、速さだって天狗ほどじゃないが相当速い自負はある。

 

 だけど、参護は動きの速さも考える速さも鍛え抜いた歴代の人間の中でも群を抜いて速い。

 

 しかも、それはまだ成長途中のモノだと分かる。

 前の戦いよりも今の戦いの方が、参護は確実に強くなっている。

 

 失敗したねぇ。

 

 萃香を先に戦わせれば、今の参護と戦えたのは私だったのに。

 残念だ。

 

 残念で思い出したが、このゆっくり妖怪という妖怪は参護と一緒に帰ってしまうんだよな。

 

 なんというか、不思議な触り心地で揉み心地。

 健気に参護を助けようと頑張っている姿。

 いかんな、もうちょっと戯れていたい気持ちになる。

 

 

 

 

Б月( ;゚∀゚)アララ…日

 

 参護の奴が帰っちまった。

 

 上等な酒をいくつか持たせた。これで次に来る時にはもう少し上等な酒が期待できる。あの酒は参護の酒蔵で作る参考になるだろう。

 

 さすがに素人が作っている酒だった。

 酸味もエグミも強くて、その癖それほど強くも無い。

 

 だけど、まだまだ伸びる余地がある。

 使っていた米や芋、麦は丹精込めて育てていたであろうことは分かるから、後はそれを上手に酒にする技だ。

 

 根気が必要な道のりだけど、参護なら平気だろう。

 あの強さを手に入れるのは一朝一夕でどうにかなるものじゃない。

 

 良い師が付いて、本人が決してあきらめずに努力を続けて、いくつも実戦を経験する。

 考えてみると、意外に簡単そうに感じるが、どれか一つでもこなすのは実に難しいのだ。

 

 萃香が言っていたが、参護は自身の為の力を使う人間じゃない。

 誰かのために使う人間で、誰かの為なら限界を超える。

 

 もう少し見ていようかね。

 

 参護の行く末も、萃香の恋路も。

 

 いい酒のツマミさね。

 

 

 

 

Б月(*´ω`*)ポッ日

 

 萃香が飲みに来た。

 

 大勢で騒ぐ飲み方も好きだけど、こうして旧友とじっくりと酒を酌み交わすのもいい経験。

 

 話題になったのは銀色の闘気。

 海原参護の技のことだ。

 

 どうやら、萃香が参護から聞いた話だと銀の上にもう二つの段階があるらしい。

 

 銀であれだけの強さなのだから、さらに上に行けばもっと面白い戦いができる。

 

 是非とも参護にはその二つの力も手に入れてほしい。

 

 萃香が言うには、紅魔館の魔女が参護に対して好意的らしい。彼女から魔力を教わり、霊力を霊夢から教わるという計画を立てていた。

 

 魔理沙に魔力の使い方を教えさせるのも良いんじゃないかね?

 本人の訓練になるし、なによりも方向性が似ている人間同士だ。

 その方がやり易いだろう。

 

 霊力は私も知っている人間の中では、霊夢か守谷の現人神ぐらいかね?

 個人的に霊夢の方が実力は上だろうし、彼女から教わるのが効率がいい。

 

 参護が生きるのは八十か九十ぐらいまでだろう。

 それまで、全力で楽しませてもらうことにしよう。

 

 萃香は長生きさせる方法を考えているようだ。

 確かにあれだけの戦士は今後出会えるかどうかわからんしな。

 

 鬼の飢えを満たせる人間なんて貴重な存在。時代が時代なら軍神や神話の一柱として扱われる人間だ。

 

 とりあえず、参護に関して涙ながらに、いかに一緒に居たいか、いかに萃香の渇きを癒したかを語り出した酔っ払いの相手をしなくては……。

 




 活動報告にて、次回作の意見を聞いております。

 今の所、三候補上がってまして、迷っているので理由を書いてやってほしい順番にコメントをいただけると助かります。

 多いのをやると言うよりは、理由を読んで判断させていただく形になります。

 詳細は活動報告にて!

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